センザンコウは鱗に覆われた唯一の哺乳類で丸まったりもしてとても可愛らしい 結城永人 -2017年9月2日 (土) アジアやアフリカに八種類が生息しているセンザンコウは動物の取り分け哺乳類として極めて特徴的な風体を示している。 Manis temminckii by David Brossard / CC BY-SA 大きくても体長は1m以下の体重は50kg以下と近所の犬や猫と同じくらいだから比較的に馴染み易い雰囲気だけれども何といっても全身が鱗で覆われているのが他に例がない。珍獣としか呼べないのではないか。まるで魚のような状態なんだけれども陸上の生物では爬虫類と良く似ていて蛇や蜥蜴に近いような感触がある。 センザンコウは尻尾が体と同じくらい長い Scaly Anteater exits stage left by David Brossard / CC BY-SA センザンコウは尻尾が非常に長くて体格の二倍は伸びている。そして体格そのものは丸い印象で、全体のバランスとしては栗鼠にそっくりだろう。色味も茶色か、黒褐色なのが完全に被っている。ちょっと大きいけれどもとても可愛いらしいと思う。 気付くと可笑しいけれども栗鼠が好きな人はセンザンコウを嫌いになれなさそうではないか、感性的にいって。全身、腹以外の大半が鱗に覆われている様子は爬虫類の蛇や蜥蜴を思わせずにいないからひやひや近寄り難い場合もあるかも知れないにせよ、全体のバランスとさらに色味も堪らなく引き付けられる要素を多分に持ち合わせているのがセンザンコウだと認めてしまう。 センザンコウは全身を丸めて敵の攻撃を防ぐ Manis temminckii by Tikki Hywood Trust / CC BY どんな動物なのかを追いかけると最も驚かされるのがやはり丸まりの行動だろう。外敵から身を守るために鱗で遠ざける。固くてどうにも食えないし、たとえ噛み付いても無駄に疲れるだけみたいに引き返さざるを得なくさせる。見かけは栗鼠が眠っているに等しい状態だからとても可愛いらしいと又思うけれども意味合いは、全然、違うんだ。反対に捉えると栗鼠の野性的な逞しさこそ察知させられてセンザンコウの丸まりは凄いと唸るのも吝かではなくなる。 自然界には同じような仕方で外敵を遠ざける動物は他にも、結構、いるかも知れない。堪らなく引き付けられるというと団子虫が真っ先に挙げられる。真ん丸でしかも小さいから見逃したがらず、本当に目が離せないようだ。昆虫なので、又別に動物でもセンザンコウと変わらない哺乳類で挙げるとするとセンザンコウがやはり断トツだろう。風体が似た者同士で、どっちがどっちかも分からないくらい結び付いてしまっている気持ちがする。違うのかと逆に問いかけずにいられない、むしろ知れば。 センザンコウとアルマジロの違いと共通点 Nine-banded Armadillo (Dasypus novemcinctus) by gailhampshire / CC BY アルマジロもとても可愛らしい。生息地がアメリカ南部から南米のアルゼンチン辺りまでだからアジアやアフリカに生息するセンザンコウとは全く違う。 そして皮膚が鱗状に固く変化した板で覆われているのがアルマジロで見た目がセンザンコウと似ているけれども鱗ではないから違う。 装甲となるそれぞれの性質も縁が鋭くないのがアルマジロの板で、鋭いのがセンザンコウの鱗なんだ。センザンコウの場合は鱗が切れるために尻尾を武器として振り回して外敵を攻撃したりもするらしい。やらないのがアルマジロで全く異なるけど、ただし装甲で自らの危難を回避しようと丸まるものもいるのがセンザンコウと似ている。ミツオビアルマジロとマタミツオビアルマジロの二種類だけが腹部を隠すくらい丸くなり、その他の種類は地面に身を縮めて外敵をやり過ごす。 食べ物はセンザンコウが蟻や白蟻を好む。歯がなくて長い舌で取って飲み込む。アルマジロも非常に似ていて蟻や白蟻を長い舌で取って食べるけれども歯が少し生えていて蚯蚓や蝸牛や蛇などの小動物や玉蜀黍などの植物も好むのがセンザンコウと少し違う。 センザンコウは乱獲で絶滅危惧種になった 最も密売される哺乳類、センザンコウの保護求める声|BBC News Japan しかし逃げないから人間には捕まり易いのがセンザンコウにとっては相当に厳しい事態を招いている。団子虫やアルマジロならばそこまで行かなくて済んだはずの乱獲に晒されて絶滅危惧種に指定された。中国やベトナムで主に漢方薬(癌などの重病に効くとされる)の原料として特徴の鱗が求められてしまっている。加えて食用としても求められられる状況が中国やベトナムを含めてアフリカでも多いらしい。高値で売れるようだから金目当ての人間によってどうしても必要以上に数を減らし兼ねない。 野生生物保護を目的とした国際条約「ワシントン条約(CITES)」の締約国は28日、全身がうろこで覆われた珍獣センザンコウを違法取引による絶滅から救うため、最高レベルの保護対象とすることを賛成多数で可決した。 珍獣センザンコウ、ワシントン条約で取引禁止 密猟横行で絶滅危惧|AFPBB News 2016年9月にワシントン条約でセンザンコウの八種類の全ての商業的な取り引きが禁止になったものの資本主義経済が人々の貧困に拍車をかけるほどに密猟が後を絶たないという向きも又避け難いはずだろう。 どうなるかは分からないにせよ、センザンコウはとても可愛いらしく生き残っていたのは間違いない。歯がない細長い口で白蟻などを舌で舐め取って丸呑みにしながら食べるらしい。何を思っているのか、好運ながら。無言のままに受け留めればやはり動物の癒しに他ならないけれども笑い切るのは儘ならない。もう直ぐ消えてなくなるかも知れない存在の切なさだけがいつになく情けを呼ぶ。 参考サイト「センザンコウ」って何者? 意外と知られていないこの絶滅危惧種について学ぼう丸くなる動物の「センザンコウ」と「アルマジロ」って違いは何?共通点はどこ??世界で一番密猟される哺乳類、センザンコウ コメント 新しい投稿 前の投稿
コメント