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人を叱るときの4つの心得/山中伸弥の悩みへの平尾誠二の励まし

山中伸弥(科学者)は平尾誠二(ラグビー選手)と友達だった。昔から憧れを抱いていて神戸製鉄のチームで華麗なプレイと屈強なリーダーシップが光ったために大学時代は自分でも近付こうと部活動でラグビーをやっていたけれども2010年に京都大学のiPS細胞研究所の所長に就任してから雑誌の週刊現代の対談で初めて出会ったのが切欠だった。

後の2012年にはノーベル賞も授与されたほどの世の中で大注目だったiPS細胞の第一人者としていつも忙しくてメディアの様々な取材を断ってばかりいた時期、山中伸弥は夥しい依頼の中から平尾誠二の名前を偶さか見付けて居ても立ってもいられなくなったのか、憧れの存在を思い起こしながらもはや引き受けるしかないと決めたみたいだ。

実際にお会いしてみると、平尾さんは僕が思い描いていた通りの方でした。

平尾誠二は、僕のようにラグビーをやっていた人間だけでなく、男女を問わず同年代の人たちにとってヒーロー的な存在です。テレビでも、伏見工業高校ラグビー部を題材にしたドラマ『スクール・ウォーズ』が大人気で、平尾さんをモデルにしたキャプテンの「平山誠」は、女子生徒がファンクラブを作るほど格好いいエースとして描かれていました。

「その通りの人が、そのまま出てきたな」と、僕は思いました。

テレビなどで憧れていた人でも、実際に会ったら想像していたイメージと違ってガッカリした、という話はよくあります。僕もそう思われているかもしれません。でも、平尾さんは想像していたイメージそのまま、いや、それ以上に素敵な方でした。

彫りが深くて男前なだけでなく、とても心の優しい人なのです。話の端々に、いろいろな人に対する思いやりが滲みます。それが慇懃無礼な感じではまったくなく、むしろ口では結構辛辣なことも言うのですが、それでも優しさが自然に伝わってくるようでした。

対談後、編集者もまじえて京都で食事をしました。いちばん憧れていた人にお会いできた嬉しさから、いつもよりたくさんお酒を呑んでしまいました。

そこから、僕たちの付き合いが始まったのです。

親交を深める間、あるとき、山中伸弥は平尾誠二に悩みを漏らしたんだ。京都大学のiPS細胞研究所の所長をやっていて上司として部下の研究者たちが失敗するのをどうすれば良いのかがさっぱり分からなかった。iPS細胞の研究をチームで進めるにも拘わらず――数百人のメンバーで構成されていたらしいから相当に大規模なプロジェクトを担っていた――支障を来してどうしようもないし、人々からはまだかまだかと臓器再生という史上初の科学的な成果へ向けて著しく急かされもしながら頭を抱えていたばかりいたようだ。

すると平尾誠二が山中伸弥にラグビーで培われた独自の見解から励ましに満ちた言葉を投げかけてくれた。失敗した皆を立ち直らせるための教えで、すなわち「人を叱るときの4つの心得」だった。僕が聞いても神戸製鉄のチームで日本選手権の七連覇や日本代表のキャプテンと監督も務め上げた優れた実績から来る認識として本当に役立つと非常に納得の行く感じがするけど、とにかく山中伸弥は平尾誠二から間近で受け取りながら悩みを吹き飛ばされたんだ。

所属する研究所の上司として部下の研究者たちへの接し方に新たに取り入れるとチームの調子が上がって来て結果的にiPS細胞でノーベル賞を取るまでに至ったといわれる。

  • プレーは叱っても人格は責めない
  • 後で必ずフォローする
  • 他人と比較しない
  • 長時間叱らない

山中伸弥は亡くなった平尾誠二(享年五十三)の感謝の集いで弔辞として取り上げたために皆にも知られ出した。

2015年から胆管癌を患っていて余命三ヵ月半くらいと手の施しようもない重体だった平尾誠二を科学者として何とか治せないかと頑張ったものの一年以上の十三ヵ月まで持ち堪えさせるのが精一杯で山中伸弥は力尽きてちゃんと治せなかった悔やみを霊前に伝えた。

君が亡くなる前の日、病室でお会いしました。声がなかなか出せず、聞き取ることができませんでした。でも僕が「平尾さん、もうすぐおじいちゃんやな」といったら、はっきり分かる声で「まだまだですわ」と、はにかみながら、しかし、とってもうれしそうに言いました。それが君との最後の会話になりました。でも、最後の会話がそんな内容でうれしかったです。

君が元気なとき一緒に飲みに行って、いっぱいいろんなことを教えてもらいました。一番心に残っているのは、「人を叱るときの4つの心得」。亡くなってから思い出しました。「プレーは叱っても人格は責めない」「あとで必ずフォローする」。ところが何ということでしょう。二つしか思い出せません。あとの二つが共通の友人に聞いても分からない。平尾さんが「なんや先生忘れたんか。本当に(ノーベル)賞もうたんか」と言っている声が聞こえてきます。

でも2、3日前、ふと「もしかしたらメールにも書いてくれたんちゃうか」と思いました。たくさんもらった君からのメールを一つ一つ読み返しました。そしたら書いてくれていました。あとの二つは「他人と比較しない」「長時間叱らない」。君のようなリーダーと一緒にプレーでき、一緒に働けた仲間は本当に幸せです。僕も君と一緒に過ごせて本当に幸せでした。平尾さん、ありがとう、そして君のことを治すことができなくてごめんなさい。また、会えると信じています。そのときまでしばらく。また会おうな、平尾さん。

山中伸弥にとって「一番心に残っている」平尾誠二の真実、憧れて知り合っても騙されない素敵な存在の全てが「人を叱るときの4つの心得」に集約されているというのが興味深い。

本当に助けてくれたとしか捉えようがないのではないか。iPS細胞をどうしても手に入れたい、科学者として画期的な臓器再生で世界中の病人を新たに治すために必要不可欠だった研究を捗らせたのが友人の平尾誠二だった。人生の立役者か、正しく忘れるわけには行かない場面を思い返したに他ならなかったと感じる。

僕はもう、山中先生を信じるって決めたんや。
僕は山中先生を信じる。
だから他のことはしたくない。

平尾誠二も山中伸弥と出会えたのは相当に嬉しかったらしくて取り分け重体の胆管癌で死の縁を彷徨いながら友人の山中伸弥の治療に全幅の信頼から全てを託した心意気はドラマチックなまでに胸打たれる。

彼が時々言ってくれたのは、“リーダーシップというのは天性のものじゃない。習得できるんや”と言ってくれて、それがすごい支えになっている。
僕は科学者でリーダーではなかった。
30代以降、気が許せる友だちというのはできにくいと思う。
利害関係もあるし、知り合うきっかけが仕事上。
平尾さんとは全然違う分野というのは、やっぱり大きかった。

山中伸弥の感謝してもし切れない平尾誠二への思いが素晴らしいし、得られた情感も無二の親友に匹敵するから人生で涙物の尊さを覚える。

平尾誠二の「人を叱るときの4つの心得」も素晴らしくて山中伸弥だけではなくて皆が実行できると良いと思う

人間関係に全般的に当て嵌まる。ラグビーで学ばれたチームを向上させる方法だけど、そうしたスポーツはもちろん、人々の集団生活の至る所で成果を上げるために有用だろう。会社の上司と部下、学校の先生と生徒、家の親と子、等々。面白いのは叱るの意味が本来性を取り戻している。つまり怒るでは全くない感情だった。日本語として正しいし、例えば叱咤激励というように叱るのは励ましこそ大きいとはっきり気付かされる。

巷でいじめ過労死と人間関係の様々な嫌らしさが問題視されるけれども気持ちとして叱ると怒るを履き違えなければ可成の程度で避けられるのではないか。

只単に人を貶める教えは怒っての嫌がらせ、または攻撃に過ぎない。本当は叱ってないのに人間関係で欠かせないと理解しても気分が悪くなるだけだろう。集団生活で、やってもやられても結果は同じで、誰もが不愉快に追いやられて行くだけだと僕は考える。

人間関係で欠かせないくらい重要なのは怒るのではなく、叱るという励ます教えなんだ。それこそ平和に近付くための理性、いい換えると天の恵みかも知れない。独りでなくても味わえたら生き易い世の中に違いないから「人を叱るときの4つの心得」が浸透するのを皆に待ちたいし、自分でも心して生活に取り入れるべきだ。

現実は立場の違いも関係ないだろう。誰が誰を励ますつもりで、叱るのか。物事に失敗して立ち直れない貴方は上司や先生や親などの目上の立場ではないとはかぎらない。かりに部下や生徒や子などの目下の立場からでも心配しながら黙って見過ごしてしまうのは悲しいはずだ。どちらにせよ、上手く行くほどに人間関係が楽しくなって互いに取り組んでいる物事の成果も面白いように得られ易くなるわけではないか。飽くまでも貶めるつもりで、怒るのではないと相手にきっちり伝わる接し方ができるかどうかが求められるし、気に入らないんだと誤解されてしまうのは反対に敵対され兼ねなくて不味い。

平尾誠二の「人を叱るときの4つの心得」には人間関係を楽しくする、集団生活での平和を掴み取るヒントが含まれているし、友達としてしっかり受け留めた山中伸弥が科学者としてノーベル賞を取るほどの大成功を収めたのは羨ましいかぎりにせよ、同じように頑張ればきっと誰にとっても人生で役立つ言葉だから是非とも覚えておきたい。

参考:平尾誠二と山中伸弥の友情物語

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