宮川泰介の日大フェニックスへの復帰から再吟味される悪質タックル事件の命題 結城永人 - 2018年12月14日 (金) 日大(日本大学)フェニックスの宮川泰介がチームの監督やコーチのパワハラの非人間的な命令に逆らえないまま、試合中の反則行為で関学(関西学院大学)ファイターズの奥野耕世を死ぬかも知れないくらい悍ましく負傷させるという悪質タックル事件を起こした。 すると記者会見まで開いて真摯に反省して偉い若者だと感心したけれどももう二度とアメリカンフットボールはやらないと気持ちを明かしてどうなるか、本当に止める決意の言葉を放っているのかを見守るように待っていたら半年近く経って選手として復帰すると分かった。 日本大学フェニックス|Forza!日本大学フェニックス 本人のアメリカンフットボールを好きでやはり続けたいもう一つの気持ちや誰もパワハラで無理に生活を変える必要はないはずの救済措置には頷きつつも一人の人間として言動に矛盾を残したのが個人的に悲しかったし、社会という今現在の日本において悪質タックル事件とは何だったのかを再吟味しておかないと不味いようにも感じた。 私は、5月6日の試合後、アメリカンフットボール部を退部する意思を固め、その旨を記者会見でも述べました。しかし、その後、厳しいチーム状況を立て直していくチームメイトをよそに、私自身がチームの為に何もせずにいることが無責任であると感じ、本当に部やアメリカンフットボールとの関わりを断っていいのか、思い悩む日々を過ごしてきました。 そんな中、橋詰新監督との面談の機会をいただき、今後の指導方針やチームの方向性をお聞きしました。その際、同監督からは、そのご指導の下でチームの再建に加わらないかという打診をいただきました。また、8月中旬、チームに謝罪に伺った際に、チームメイトたちから、部の一員としてチーム再建を目指して欲しいという声をいただきました。 部への復帰は会見での発言を翻すことになることもあって悩みましたが、迷惑をかけたチームメイトに対する償いとして、部に復帰して、新監督のご指導をいただきながら、チームメイトと共にチームを再建していきたいとの考えに至りました。 被害選手やそのご家族及び関西学院大学関係者の方々から、復帰に関してお言葉をいただいたことも私の決断を後押ししてくれました。 そのうえで、関東学生アメリカンフットボール連盟や日本大学関係者にも部への復帰についてご相談申し上げ、本日のご報告となりました。 今回の私の決断をご理解下さり、後押しして下さった皆様には、本当に感謝しております。 部に戻りましても、連盟の処分が解除されるまでの間は、処分の趣旨の範囲での練習参加をいたします。 最後になりますが、私の反則行為によって、アメリカンフットボールに関わる方々、大学関係の方々をはじめ、多くの方にご迷惑をおかけしましたことをしっかりと心に刻み、今後の糧といたします。 宮川泰介/宮川選手「チームの為に何もせずにいることが無責任」|サンスポ|産経デジタル 端的にいって僕は止めると口に出した以上は言行一致の本気できっちり止めて欲しかった。自分の意思を曲げず、何があってもまるで武士に二言はないような日本の非常に潔い気風にも重なるから信頼感が抜群の魅力的な生き方として最も望んでいた。しかしそうではなかったわけで、不意にガックリの四文字が部屋の天井の隅から巨大に落ちて来る感じがしたり、参らざるを得ないのは事実なんだ。 宮川泰介のコメントによると前言を翻しても日大フェニックスのチームメイトや監督や被害者やその他の関係者などへ数多く配慮された思い遣りの元に示された「チーム再建」のじわじわ伝わる人情味か人間性は間違いなく否定できなくて悪質タックル事件を実行犯として反省する気持ちそのものは最初から最後まで真摯な仕方で変わらないと納得できるから僕は本音は幾らか悔しくても異論を唱えるつもりは全くなくて心から称えたい。 悪質タックル事件とは何だったのかを再吟味しておくと宮川泰介の動向ではなくて命題そのものが社会的な影響の一点にかかっている 宮川選手が練習に復帰 日大アメフット反則問題|KyodoNews 宮川泰介が日大フェニックスに加わって練習を再開したのは彼自身の反省の念において素晴らしい締め括りだし、後は頑張って更正する姿を示してくれれば結構だろう。 ところがしかし悪質タックル事件の全ての解決策とは僕は認めたくないし、皆にも完全に笑って許して欲しくこそない。 繰り返すと宮川泰介がアメリカンフットボールを言行一致できっちり止めるのを最も望んでいたわけで、なぜあり得ないかは本人の意思に先立って条件付けられている現実を無視してはならないと考える。すなわち日大フェニックスが存続しているかぎりの宮川泰介の復帰でしかなかった。 監督やコーチが異常だからそうしたアメフト部に不祥事が生じた際に全責任を負わせて潰すべきかどうかを判断するのは難しいかも知れない。とはいえ、自分たちこそ勝ちたいゆえに強敵の関学ファイターズの中心選手の奥野耕世を狙ってたとえ一人だけでも試合から追い出すつもりで酷く酷く痛め付けようとしたのは人殺しに匹敵するからもはや終わらせるべきという日大フェニックスの廃部も悪質タックル事件の解決策の一つの選択肢に含まれるのが妥当だった。 もっというと日大フェニックスを抱える日大自体が日本に要らないのではないか。理事長が大学の最高幹部にも拘わらず、逃げ回って公の席では一回も謝罪しないで、皆には早く忘れて欲しい時間稼ぎみたいな部下頼みの無責任な行動ばかりを繰り返していたのも事実だ。悪質タックル事件を巡っては当事者から理解するのはもちろんながらさらに一歩を踏み込んで一人の人間がアメリカンフットボールで殺されそうになっていた日大フェニックスの余りに酷薄なパワハラそのものを生み出した原因の社会的な影響も捨て去るべきではない。 宮川泰介は日大フェニックスに復帰したけれどもこの結末を以て本当に同じようなパワハラなどの陰湿で卑劣で如何にも嫌らしいかぎりの組織包みの凶悪な犯罪が二度と起きなくて済むかどうかの唯一の改善策として捉えないようにしたい。 今時、珍しいというか、数多の情報の渦に巻き込まれながら自分勝手な犯罪者が増えている日本で在り来たりの苦し紛れに他人や世の中のせいにしないで、真摯に反省している様子なのは人間的に非の打ち所が見当たらないと感動を覚えさえもする。悪質タックル事件の実行犯としてのみならず、フェニックスという日大アメフト部の人殺しのパワハラの被害者としても宮川泰介の導き出した方向性で文句の付けようがないだけに敢えて反対の見方を取り上げてみたくなるんだ。 日大フェニックス、または日大から終わりにしても構わなくて宮川泰介が復帰する必要もなかったかも知れない。悪質タックル事件を徹底的に叩くならばそうだし、もはや人殺しの集団として扱って全てを無に帰して抜本的にやり直させる手がないわけではない。社会的な影響からすると同じような状況で同じような結末がいつも求められるべきではないので、宮川泰介が日大フェニックスに復帰するのは真摯に反省したゆえに被害者からも許されて素晴らしいけれども一般化して受け留めてはならないと考える。パワハラを含めて悪質タックル事件の全ての解決策として完璧ではないし、実際の犯行の首謀者の監督やコーチの極悪非道の動機付けからして比較的に緩い制裁で収まっているわけだ。 参考サイト日大選手に「応援メッセージを」 駅伝の原監督「失敗繰り返して大人に」本日、日大アメフト部の練習に/宮川泰介選手が復帰しました。日大アメフト・宮川泰介 チームに復帰!処分中の今シーズンは練習だけ日大アメフト部、宮川泰介選手復帰も再生へ消えない烙印… “金の卵”の入部は絶望的か コメント 新しい投稿 前の投稿
コメント