陸上自衛隊の歌姫/鶫真衣のいのちの音は死の恐怖に打ち勝つ勇気そのものだ 結城永人 - 2019年5月21日 (火) 鶫真衣というソプラノ歌手、澄み渡る青空のような魅惑的な声の歌姫を擁する陸上自衛隊中部方面音楽隊のアルバムのいのちの音から同名の表題曲を聴いて正しく死の恐怖に打ち勝つ勇気そのものが表現されていると感じながら人生の励ましに満ちたエールを受け取った。 陸上自衛隊中部方面音楽隊(ソプラノ:鶫 真衣 指揮:柴田昌宜) / いのちの音|ColumbiaMusicJp 歌うと共に作詞したのも鶫真衣で、全てが自衛隊に如何にもぴったりの仕上がりなんだ。日々、命懸けの隊員としての自己表現の完成度の高さに驚くし、嘘偽りのない誠実な芸術に胸打たれずにいない。 一言では本物の衝撃が素晴らしい アルバムのタイトルがいのちの音というタイトルなので、やはり命の大切さと、今生きているこの瞬間、ひとつひとつが奇跡のようなものなんだということを伝わるように思いを込めて作りました。 鶫真衣/“美しき守り人”鶫真衣(ソプラノ)を全面にフィーチャーした陸上自衛隊中部方面音楽隊 渾身のフル・アルバム『いのちの音』、2018/6/27発売!|ColumbiaMusicJp 気持ちが間違いなく入っていて疑う余地がない作品とすると音楽にかぎらず、非常に珍しいかも知れない。 例えばLet It Be(あるがままに/ビートルズ)が飛んでもない名曲だったりするように心底と貴重だと考える。スタイルはあるがままだから誰にとっても表現するのは簡単なはずなのに資本主義経済の欲望中心の現代社会では邪な心を免れないためにどんなに頑張ってもインチキ臭くならざるを得ない。二十一世紀は地球全体が取り込まれる様相を呈していて国々の人間性の後退が憂慮されるばかりだ。 自衛隊中部方面音楽隊と鶫真衣のいのちの音はそうした忌まわしい未来への失望感とは無縁といって良いくらい自分らしさを完全無欠なまでに生きられているし、演奏活動から音楽的に表現し切っていると捉えると感涙するのも吝かでは全くあり得ないだろう。 日本に特有なのか、自衛隊は普通の軍隊ではないので、只単に敵を殺すよりも味方を守ることこそ主眼が置かれているせいみたいだ。 命の尊さを本当に良く示している 鶫真衣/GALLARY|Middle Army Band 実際、いのちの音の歌詞を読むと「命燃やし生きること」が何よりも大事にされている。作者の鶫真衣の自分らしさとしての生き方に他ならないにせよ、自衛隊の存在意義と緊密に結び付いているのが凄い。 すなわち何のために日本で自衛隊が必要なのかをはっきり分からせる。日本人が「命燃やし生きること」を必死に求めているからこそ日本は滅ぶべきではない有り難い国として自衛隊も危機対策に必要とされるわけだ。 気持ちならば人間的に、思想ならば政治的に正しいと認めるし、一つの世界観に賛同する。 陸上自衛隊に入隊して4年が過ぎ、様々な演奏活動の中で、歌を聴いてくださった方々から「涙が出たよ」という言葉や、私の歌う姿から「夢を見つけました」という言葉をもらうことが多くあり、何より私自身が励まされています。ホールでの演奏会だけでなく、屋外や公民館など近い距離で音楽をお届けし、聴いてくださる方の心に寄り添うことができる、これは自衛隊の音楽隊ならではだと思っています。 “陸上自衛隊の歌姫”鶫真衣が所属する音楽隊がメジャーデビュー|音楽ナタリー|ナターシャ 鶫真衣本人も全てを自覚しているようだ。いのちの音にかぎらずとも「自衛隊の音楽隊ならでは」の魅力とは何か。人々が引き付けられるのは何よりも命の尊さを重んじて国と国民を守るという姿勢だと思う。良い加減な気持ちでは決して勤まらない仕事で、性格上は本気の優しさが必要といっても良い。死の恐怖に打ち勝つ勇気そのものなしには考えられない人間の極限的な美しさを教えてくれる。 自衛隊の命懸けの格好良さが取り分けいのちの音には象徴的に受け取られるのが紛れもなく素晴らしい。 歌声も詩情を湛える。ソプラノの伸びやかな高音が絶えず、青空に吸い込まれて消えて行くような趣きがある。切ないほどに命の尊さが胸に染みるわけで、かけがえのない一度きりの人生の中で、親身に味わわせる歌手が鶫真衣なんだ。清らかさにも張りがあってどこまでも舞い上がって行くような感じがする。命の尊さを自覚する強さに支えられているのではないか。 これもきっと「自衛隊ならでは」の魅力に結び付くと想像されるけれども隊員のそれぞれが命懸けの任務を帯びているゆえに一度きりの人生のかけがえのなさを痛感しながら命の尊さを人間的に誠実に捉えられそうだ。 むろん誰でも同じではないにせよ、少なくとも陸上自衛隊中部音楽隊と鶫真衣のいのちの音を聴くかぎりは真心の贈り物とも過言ではない音楽に仕上がっていると認めるし、忘れ難いほどに引き付けられる。 コメント 新しい投稿 前の投稿
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