アリアン・モファットのBridge over Troubled Water(サイモン&ガーファンクル)|友情歌
2010年に発表されたアリアン・モファットのBridge over Troubled Water/明日に架ける橋が友情歌として胸に響いた。
作詞作曲はポール・サイモンで、オリジナルの歌手は彼とアート・ガーファンクルのデュオのサイモン&ガーファンクルになる。
- サイモン&ガーファンクル(1970/オリジナル)
歌の題名の言葉はゴスペルグループのスワンシルヴァートーンズのOh Mary Don't Yot Sweepという曲で、メンバーのクロード・ジーターが即興的に歌詞を変えて「I'll be your bridge over deep water if you trust in me」(もしも君が僕を信頼してくれるならば僕は深い川に架かる君の橋になろう)と歌ったのを聴いて着想されたらしい。
1970年にシングルで発表されて同月中に収録した同名のアルバムも発表された。
アリアン・モファットのBridge over Troubled Waterのカヴァーはカナダの医療ドラマのTraumaの挿入歌に使われた作品で、音楽を担当した同番組の一回目と二回目のシリーズを併せたサウンドトラックに収録されている。
人生の苦難に落ち込んでどうしようもない気持ちに同調しながら寄り添うような感じがするのが気に入る。何一つ期待できない不幸のドン底で、慌てず、騒がず、温かく見守られるという慈しみの友情歌に仕上がっているのではないか。いい換えると孤独の極みの分かってくれる誰かがいるだけでも助かるし、有り難いかぎりの内面性を掬い取っていて非常に好ましい。
歌詞の内容
出だしの部分;
君が疲れて
弱気になるとき
泣き及ぼすとき
僕が乾かすよ
僕は味方でいる
どうにもならず
友達も得られないとき荒れた水の上の橋のように
身を横たえよう
荒れた水の上の橋のように
身を横たえよう原文
When you're weary
Feeling small
When tears are in your eyes
I will dry them all
I'm on your side
When times get rough
And friends just can't be foundLike a bridge over troubled water
I will lay me down
Like a bridge over troubled water
I will lay me down
凄いのは何よりも「友達も得られないとき」(And friends just can't be found)を感じ取っている。愛するほどに差し伸べる手もなくなるような悲しみが心に突き刺さる。しかし怯まず、気張って自分なりの好意を伝える姿がとても人間的だと感銘を受ける。芽生える友情もきっと本物以外ではあり得ないと微笑む。
その他のカヴァー
十五組の楽曲;
- エルヴィス・プレスリー(1970)
- スプリームス(1970)
- アレサ・フランクリン(1971)
- リンダ・クリフォード(1979)
- エヴァ・キャシディ(1996)
- シャルロット・チャーチ(2001)
- ジョニー・キャッシュ(2002)
- ビティ・マクリーン(2003)
- スーザン・イーガン(2011)
- ダミ・イム(2013)
- ロジェン・スチュワート(2016)
- クリスチャン・フリードリヒ(2018)
- ジョシュ・グローバン(2018)
- ケイティ・メルア(2018)
- ジャディン・ライリー&シナ(2019)
世界でカヴァーが続々と生まれているBridge over Troubled Waterは友情歌のスタンダードな名曲に他ならない。
参考:明日に架ける橋 Bridge over Troubled Water Bridge Over Troubled Water by Simon & Garfunkel Simon & Garfunkel – Bridge Over Troubled Water Lyrics Cover versions of Bridge over Troubled Water by Simon and Garfunkel
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