ジェシカ・アロッセリーのOne Love(ボブ・マーリー&ウェイラーズ)|人生歌 結城永人 - 2020年1月6日 (月) 2017年に発表されたジェシカ・アロセッリーのカヴァーで聴いたOne Love(ボブ・マーリー&ウェイラーズ)が人生歌として胸に響いた。 ボブ・マーリー&ウェイラーズのOne Love Bob Marley from Coveralia 作詞作曲はボブ・マーリーとカーティス・メイフィールドで、オリジナルの歌手はボブ・マーリー&ウェイラーズか纏めてボブ・マーリーだけになる。 One Love(1977/オリジナル) One Loveは作中にインプレッションズのPeople Get Readyというカーティス・メイフィールドの楽曲の一部が転用されているために著作権を明確にしようと題名はOne Love / People Get Readyが厳正には付けられている。 1965年にボブ・マーリーが自身の所属するウェイラーズのThe Wailing Wailersというアルバムに作成したOne Loveが原曲だった。この時点でカーティス・メイフィールドのPeople Get Readyの一部が転用されていたけれども発表された当時のジャマイカでは著作権の規制が緩くて特段に明記しなくても構わなかったらしい。ウェイラーズのOne Loveは同年にシングルでも発表された。さらに1973年のAfrican Herbsmanというコンピレーションアルバムでは収録曲のAll In OneにOne Loveの一部が転用されてもいる。 ボブ・マーリー&ウェイラーズのOne Love、あるいはOne Love / People Get Readyは曲調を原曲のスカからレゲエに変更して1977年にアルバムのExodus収録されて初めて発表され、1984年にシングルでも発表された。 ジェシカ・アロッセリーによるカヴァー ☀️ UKE SESSIONS: One Love - Bob Marley - cover by Jessica Allossery|Jessica Allossery ジェシカ・アロッセリーのOne Loveのカヴァーはウクレレの弾き語りを行っている。歌の思い、詞によれば一つの愛で皆が結ばれる平和な世界観が心に良く届く表現ではないか。全ては一人から始まるわけで、かりに大勢で盛り上がるくらい結ばれても一人ずつを差し置いては中身もなくなるはずの愛の現実をしっかり掴んで離さないところが嬉しいし、芸術的に素晴らしいと認める。世界平和のメッセージも親身に受け取るからインパクトが大きく膨らむ仕上がりだ。 One Loveの歌詞の内容 出だしの部分; 愛一つ! 情一つ! 寄り集まって調子良く 泣く子を聞きな(愛一つ!) 泣く子を聞きな(情一つ!) いって:主を感謝して賛美するや私は調子良い いって:寄り集まって調子良く。ウォウォーウォウォーウォ! 原文 One Love! One Heart! Let's get together and feel all right Hear the children crying (One Love!) Hear the children crying (One Heart!) Saying: give thanks and praise to the Lord and I will feel all right Saying: let's get together and feel all right. Wo wo-wo wo-wo! ボブ・マーリー&ウェイラーズのOne Love(訳出) 人間の気高さが良く分かる。素敵なのは「泣く子を聞きな」(Hear the children crying)の一節で、世の中の最も弱いものを仲間に入れる。自分が強いものでなければ結局は口だけで終わって浅ましいだろうけど、ボブ・マーリーの場合はラスタファリ運動という宗教的な社会思想――聖書のエチオピアの記述、例えば「青銅をエジプトから持ちきたらせ、エチオピヤには急いでその手を神に伸べさせてください」(旧約聖書の第六十八篇三十一節)のような部分に基づいてアフリカを黒人としての自らの原点と捉えながら日常的に菜食主義やドレッドロックス(何本も束に編んだ髪型)やガンジャ(花から製造された大麻)を神聖に行うような生活様式を示す――を持っていて絶えず、見下される労働者や黒人を守ろうとするので、確かに弱者救済の気持ちも殊更に鍛えられたかも知れなかった。信用できるから凄く格好良いと思う。 努めて人道的な生き方において世界平和にも繋がるはずの本物の愛とは何かを陽気に歌い聴かせるんだ。 その他のアーティストによるカヴァー 十五組の楽曲; マーリーズゴースト(1989)アイスリー(1995)ラダニベネ27(1996)スマラレ・アン・ソード(2000)ウェインパスコールアカペラ(2003)アナケリー(2005)ジミー&パロッツ(2006)スティーヴ・アーウィング(2009)リチャード・チーズ(2012)シャーマ・ラーズ&キム・ホォールウェヒ(2012)ケンダル・T(2013)ラニー・リー(2014)アカシアウッドクワイア(2015)ハーグレゲエオールスターズ(2017)ジェーン・コンスタンス(2018) 世界でカヴァーが続々と生まれているOne Loveは人生歌のスタンダードな名曲に他ならない。 参考サイトワン・ラヴ/ピープル・ゲット・レディOne Love/People Get ReadyOne Love by Bob Marley & the WailersBob Marley & The Wailers – One Love / People Get Ready (medley) LyricsCover versions of The One I Love by The Wailers 結城永人の人生のスタンダードな名曲選集 コメント 新しい投稿 前の投稿
コメント