英語の小説、エドナ・ファーバーの帰って来た男の日本語訳で気になった英文法に決定された未来/近い将来を表す現在進行形があった。
現在進行形だけれども先のことまで含む
She's leaving in a couple of months to marry a New York guy that travels for ladies' cloaks and suits.
婦人用クロークとスーツを売りに出るニューヨークの奴と結婚するために数ヵ月で離れることになる。
現在進行形はbe動詞の現在形に現在分詞:動詞の末尾に「ing」が付いたものだ。
意味としては現在分詞の内容に応じて今「~している」のように取られるのが基本的なんだ。
しかしそれでは理解できない文章もある。引用の文章は現在進行形が使われているけれども「離れている」と今の一時点で捉えると「数ヵ月で」という先のことまで含めた脈絡から時間の感覚が揺らいでしまう。つまり進行形の基本的な使い方では文意が掴み切れない。
調べると進行形には決定された未来/近い将来を表す使い方があって基本的な使い方の今「~している」という一時点からさらに先へ突き抜けたようなニュアンスを出せる。
意味としては現在形ならば今から「~することになる」のように取られるのが決定された未来/近い将来を表す使い方なんだ。
現在進行形による未来/将来の表現の特徴
英語で未来/将来を表すのは助動詞のwill(~するだろう)や熟語のbe going to(~するつもりだ)やbe about to(~するところだ)などの色々な仕方がある。
現在進行形が表す未来/将来は実現される可能性が非常に高くてすなわち決定されていてもう既に取りかかっている事柄を対象にした用法なんだ。
人がただ思っているだけの決定されない未来や取りかかってもどうなるかが分からない遠い将来が対象ならばその他の表現が相応しい。
I am seeing pandas in the Ueno Zoo on Sunday next week.
私は来週日曜日に上野動物園のパンダを見ることになる。
通常の現在進行形と意味合いを区別するには未来/将来の時間に纏わる言葉が一緒に使われているかどうかに先ずは着目する。現在進行形の内容が先のことまで含んでいるならば決定された未来/近い将来の意味合いが強いと判断できる。
または何もない場合は前後の文脈から推し量る。前の疑問文や後の説明文など、未来/将来の時間に纏わる言葉が一緒に使われているかも知れない。内容からも察せされらる。これからの移動や移籍、先々の仕事や勉強など、今の一時点を越えて良く捉えられるものが当て嵌まり易い。
その他の時制の進行形の未来/将来の用法
進行形は現在進行形の他にbe動詞を過去形にした過去進行形とbe動詞の前にwillなどの未来の助動詞を付ける未来進行形がある。
過去進行形の場合
I was seeing pandas in the Ueno Zoo on Sunday last week.
私は先週日曜日に上野動物園のパンダを見ることになっていた。
過去進行形は未来/将来を表さないけれども現在進行形の決定された未来/近い将来と同じように時制の一時点から先のことを含めた用法がある。
未来進行形の場合
I will be seeing lions in the Ueno Zoo on Sunday next week.
私は来週日曜日に上野動物園のライオンを見ているだろう。
未来進行形は未来/将来を表すけれども現在進行形の場合とは意味合いが異なる。
つまり決定された未来/近い将来を表すのではない。
未来進行形は何よりも未来形の助動詞による未来/将来を表すから現在進行形で未来/将来を表す場合に実現される可能性が高い事柄のみを対象とするような特徴はない。
コメント