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トマス・ベイリー・オールドリッチのマージョリー・ドーの日本語訳

十九から二十世紀のアメリカの作家、詩人で小説家で評論家のトマス・ベイリー・オールドリッチの小説のマージョリー・ドー(1869)の日本語訳を行った。一つの文学作品として人間の洞察力に富んだ優れた内容を持つだけではなく、表現も意義深いから外国語の英語の聞き取りと読み取りの教材としても最適だと感じる。

トマス・ベイリー・オールドリッチのマージョリー・ドーの原文と朗読

遠い眼差しをしたトマス・ベイリー・オールドリッチ
Thomas Bailey Aldrich by Unknown / Public domain
Marjorie Daw by Thomas Bailey Aldrich/トマス・ベイリー・オールドリッチのマージョリー・ドー
原文:Wikisouce作品集
朗読:LibriVoxウィリアム・クーン

両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。

トマス・ベイリー・オールドリッチのマージョリー・ドーの日本語の訳文

ウィンスロー・ホーマーの『ハンモックの少女』

ディロン医師より、パインズのエドワード・ディレイニー様へ、ニューハンプシャー州ライ近郊

1872年8月8日

私の親愛な貴殿:貴方に心配無用と分かって貰えると嬉しいです。フレミングは、三四週間、ソファーに幽閉されるでしょうし、最初のうちは脚をどのように使うかに気を配らなくてはならないでしょう。この種の骨折はいつも長々と退屈なものです。幸い、骨は外科医によって非常に手際良く整復されました、フレミングが倒れた後に運ばれたドラッグストアに居合わせてくれたのですが、もはや私はその事故による終身の不自由を危惧しません。フレミングは身体的に完璧に良くなっています;ですが私は彼の落ち込んだ気持ちの苛立って病んだ状態が多分に不安でならないと打ち明けなくてはなりません。彼は世界で最も己の脚を壊すべきではなさそうな男です。そうです、如何にも衝動的な私たちの友人はいつも、何と落ち着きなくて精力的な人なのか、決して満ち足りません、赤いショールに御し難い雄牛みたいに何かの対象に突進していなければ;ですが好感も持てます。彼にもはや好感は持てません。その気性は恐ろしいものとなってしまいました。ファニー・フレミング嬢がニューポートからやって来、家族が夏に滞在しているところですが、彼を看護しました;ですが彼は彼女を泣きながら、翌朝、追い返しました。バルザックの大全集を持ち、二十七巻、ソファーの近くに積み上げますが、ワトキンスへ、その良くできた従者が食事を運んで現れる度に投げます。昨日、私はフレミングにレモンの小さな籠を、全然、何の気なしに持って行きました。そうです、私たちの友人に不幸を招いたのは縁石の上の一切れのレモンの皮でした。いやはや彼はそれらのレモンを目にするが早いか適切に描き出せないほどに激怒しました。これが不機嫌の一つでしかなく、しかも最も少ない悲惨です。他のときに彼は項垂れて割れた肢をじっと見ながら座ります、黙って陰気に絶望して。こんな気が向いたとき――または、時々、一日中、続きます――彼の憂鬱を逸らせるものはありません。彼は食べることを拒み、新聞を読むことさえもしません;本はワトキンスへの投射物の場合を除いて魅力を持ちません。彼の状態は真実に哀れです。

現今、かりに彼が貧乏人で、その日々の労働に頼る家族を持つならばこんな苛立ちも落胆も十分に自然でしょう。ですが二十四の若者で、お金があって見たところでは世の中に気苦労はなく、この者は化け物染みてます。かりに彼がこんな仕方で酔狂へ道を譲ることを続けるならば腓骨の炎症を引き起こして終わりでしょう。それは壊した腓骨でした。私は彼に何を処方するかで万策が尽きます。麻酔薬と水薬はあります、誰でも眠らせて痛みを和らげるために;ですが人に少しの良識も持たせる薬がないのです。それは私のすべを越えてますが、たぶん貴方のは越えてません。貴方はフレミングの水魚の友で、その忠実なアカーテスです。彼に手紙を書いて下さい、頻繁に彼に手紙を書いて下さい、気持ちを逸らし、彼を元気付け、そして鬱を発症するのを防いで下さい。きっと彼は現在の幽閉によって掻き乱された相当に大事な予定を持ちます。かりに持つならば貴方は分かるでしょうし、賢明な助言の仕方が分かるでしょう。私は貴方のお父さんが快復を見出だすと期待してます? 私の親愛な貴殿、大きな尊敬を込めて、等々。

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ、ニューヨーク州西三十八番街

1872年8月9日

私の親愛なジャック:ディロンから、今朝、情報を得、貴方の怪我が伝えられるほどに酷くないと知って喜んでます。何かの人物みたいに痣だらけで描かれてません。ディロンは貴方を二から三週間で再び自分の脚で立たせるでしょう、もしも貴方が只辛抱強く、彼の忠告に従おうとするならば。先週の水曜日の私からの短信を受け取りましたか? その事故を聞いたときはとても参りました。

私は貴方が樋に脚で如何にも落ち着いた聖人らしいと想像することができます! 篦棒に無様です、なるほど、私たちが海辺で愉快な月を共にすると心待にしていたときに;ですがそれは最大限に利用するべきです。私の父親の健康が一人で残しておけないようになっているのも残念なことです。大分、持ち直したとは思います;海の空気は彼の生来の要素です;ですが未だ歩行は私の腕に寄りかかる必要があって世話するために使用人よりももっと気を配る誰かが要望されるのです。貴方をお伺いできませんが、親愛なジャック、仕事のない時間を多く持ち合わせますし、貴方の気を晴らすならば私は手紙を書いて郵便局の全てを満杯にしましょう。間違いなく、便りするべき何も持ちません。まるで私たちが浜の家々の一つに暮らしているようにはなりませんね;そこで私は貴方に幾つかの性格描写を行って貴方の想像を海の女神の集団で、その(または他の誰かの)肩に垂れ下がる長い豊かな黒と金の髪で満たすのです。貴方はアフロディーテを朝の部屋着、夕べの衣装、その最も綺麗な水着で見るに違いありません。ですがここでその全ては遥かです。私たちは農家の部屋をホテルから2マイル、四つ辻に取って最も静かな生活を送ります。

小説家になりたかったものです。この古い家は砂に覆われた床と高い羽目板、そして風が吹くといつでもそれ自体が風鳴琴に変わる松の群生を臨む小さな窓があり、もはや一夏の恋を書くような場所なのです。それは森とその中の海の戦ぎが香る物語になるはずです。それはロシアの同時代人――名前は何ですか?――ツールグエニエフ、ツルグエネフ、ツルゲニフ、トゥールグニフ、ツルゲニュー――誰も綴り方を知らない彼の作品みたいな小説になるはずです。が、リザかアレクサンドラ・パウロフナでさえも脚が絶え間なくずきずき痛んだ男の心を動かし得るのではないかと思います。私たちにおける最良のタイプの、高慢で機知のあるニューイングランド娘の誰かさんは貴方の現在の嘆かわしい調子を幾らかでも和ませるのではないかと思います。そう考えればサーフハウスへ急いで下りて貴方のために一人を見付けましょう;またはさらに良くは道の向こうで探しましょう。

心に大きな白い家を、丁度、挟んだ道路の略向かい側に描いて下さい。ある家ではなくて大邸宅が建てられ、きっと植民地の時代、漫然とした増築と腰折れ屋根と三つの側面にピアッツァ――鼻も高々と落ち着き払った上品な建物の部分を備えます。道路から離れており、並んだ楡と楢と枝垂柳という媚び諂う従者がいます。朝方に時々、夕方に頻繁に太陽が大邸宅のその一部から退いて行くとき、一人の若い女が手に何やら謎めいたペネロペの刺繍の布、それか一冊の本を持ってピアッツァに姿を現します。そこにハンモックが掛かってます――パイナップル繊維の、ここから見えます。ハンモックは十八の年頃と良く釣り合っています、黄金の髪、黒い瞳、エメラルド色のイリュージョンドレスはドレスデン磁器の女羊飼い風に巻き上げられますが、もはやルイ十四世の時代の美女に相当する舗道です。全てのこの華麗さはそのハンモックへ入って行ってそこで金色の午後の睡蓮みたいに揺れます。私の寝室の窓からそのピアッツァが見下ろせます――なので私はそうします。

しかし与太話は十分、病身の父と休暇を取っている寡黙な若い弁護士に似合いません。便りを下さい、親愛なジャック、そして本当にどんな具合かを教えて下さい。自分の容態を述べて下さい。長い、大した手紙を書き送って下さい。かりに貴方が暴力的か侮辱的ならば法律に訴えましょう。

ジョン・フレミングより、エドワード・ディレイニーへ

1872年8月11日

貴方の手紙は、親愛なデッド、天の賜物です。何と苦しい羽目に私が陥っているかを思い描いて下さい――私、生まれてから一日の病気もしたことがなった者を。左脚は3トンの重さです。幾つも香料を詰めて防腐処理されて上質な亜麻布で何層も包まれてます、ミイラみたいに。動けません。五千年、動いてません。私はファラオの時代にいるのです。

私は寝椅子に朝から晩まで横たわります、近くの通りをじっと見ながら。誰もが町の外で楽しんでいる。通りを挟んだ褐色砂岩を貼った家は延々と並んだ酷く醜い棺桶の列と似てます。青黴が故人の名前に住み着いています、銀の表札に彫られてますけど。毒々しい蜘蛛たちは鍵穴を縫い上げてしまいます。全ては静寂と塵埃と荒廃です。――私はこれをちょっと中断します、『セザール・ビロトー』の第二巻をワトキンスへと投げ付けるべく。外したな! もしも持っていたらサント=ブーヴの一冊か『普遍的辞典』で彼を打ち倒せたと思います。これらの小さなバルザックの本はどうも今一つ私の手に合いません;ですが彼にそのうち食らわすでしょう。私の考えではワトキンスは老紳士の極上の甘口の白ワインの口を切っているのです。ワインセラーの合い鍵。隠れ箕の地下室でソワレを開くアイルランド人。上の階の若いケオプス、死に装束がピアノ合って。ワトキンスが青白い、自らのアコーディオンみたいに長く引き伸ばされた偽善者の顔で、私の部屋の中に音もなく入ります;ですが私は彼が下の階でずっとにんまり笑いながら私が脚を壊してしまったのが嬉しいんだと知ってます。貴方がデルモニコスでのあの夕食会に参加しようと町を駆け上がったときに私の悪い星が正に天頂にありませんでしたか? あのために全く来たのではありませんでした。一部ではフランク・リヴィングストンの糟毛の牝馬のマルゴットを買うためでした。なのに今や私は、この二ヵ月、その鞍に座ることができないのです。牝馬をパインズの貴方へ送りましょう――それは地名ですか?

ディロン爺さんは私に心配事があると思ってます。レモンで私を荒くれさせます。気持ちを病ますレモン! 与太話です。私は只この幽閉――慣れないものの下で、悪魔と同じくらい落ち着きません。人生で頭痛や歯痛をさほど経験しなかった男を思ってその脚を樋の一部に縛って炎暑に変えて何週間も町の一室に置いてそれから彼が笑いながら満足を示して嬉しいと期待して下さい! 馬鹿げてます。私は朗らかでも穏やかでもあり得ません。

貴方の手紙は十日前の大惨事以来の初めての慰み物です。半時間、本当に元気付けられました。長話を送って下さい、ネッドよ、もしも私を愛するならばできるかぎり頻繁に。どんなものでも構いません。あのハンモックの愛らしい少女についてもっと書いて下さい。非常に綺麗で、ドレスデン磁器の女羊飼いと睡蓮についてが何よりでした;少し雑多な形象、きっと、ですが非常に綺麗です。貴方が己の上階にそんなに多くの情緒的な家具を持っているとは思いませんでした。それは如何に人が己の隣人の応接間に何年も通じながら己の二重勾配屋根の直下にあるものを怪しんだことがないかと示します。私は貴方の天井裏には無味乾燥な法的な模造羊皮紙、抵当証書、宣誓供述書が詰め込まれると思いました;貴方は一包みの原稿を書き下ろします、すると見よ! 叙情詩、ソネット、カンツォネッタがあります。貴方は本当に生き生きと叙述する才能を有します、エドワード・ディレイニーよ、雑誌の恋愛話の匿名の人ではないかと怪しみます。

私は再び貴方から便りを得るまでは熊でしょう。貴方の道路を挟んだ綺麗なシーフィッシュについて悉く聞かせて下さい。彼女の名前は何ですか? 彼女の父親は誰ですか? 彼女の母親はどこですか? 彼女の恋人は誰ですか? 貴方にはこうしたことがどれだけ私を占めているかを想像することはできませんよ。僅かでも良いです。拘束によって私は知的に弱められてしまって貴方の書簡の贈り物を完全に重要と考え出すほどです。二回目の幼少期に入っています。一二週間はゴムの輪と珊瑚の刺に熱中するでしょう。銀杯にはぴったりの銘が刻まれており、貴方の方の繊細な配慮なのです。そのうち、書き送って下さい!

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

1872年8月12日

病気のパシャは面白がるでしょう。アッラーの名の元に! 彼はそう望みます。もしも語り部が冗長で退屈になれば――ピスカタクア川へと落とす弓の弦と袋と二人のヌビア人を! ですが真実に、ジャックよ、私は難題を抱えます。ここには、文字通り、何もありません――道の向こうの愛らしい少女を除いて。彼女はこの瞬間にハンモックで揺れています。私には、時々、子供用ブーツ、手袋みたいに合うのを脱いで進み出そうとする彼女を見ることが人生の多くの苦難の埋め合わせとなります。誰ですか、名前は何ですか? 名前はドーです。元大佐で銀行家、リチャード・W・ドー氏の一人娘。亡くした母。ハーヴァード大学に一人の兄弟、十年前、フェアオークスの戦いで死んだ兄。古い、裕福な家柄、ドー家。こちらはその農場で、父親と娘が十二ヵ月のうちの八ヵ月を過ごすところです;一年の残りはボルティモアかワシントン州です。ニューイングランド地方の冬は老紳士に堪えます。娘はマージョリーと呼ばれます――マージョリー・ドー。最初は奇妙に聞こえますね? ですが六回くらい繰り返した後は気に入ります。そこには感じ良い古風な趣き、澄ました菫みたいなものがあります。マージョリー・ドーと呼ばれるのは素敵っぽい少女でなくてはなりません。

私は、昨夜、証言台にパインズの主人役を迎えて前述の証言を彼から得ました。彼はドー氏の菜園を管理しながら一家を、この三十年、知っていました。もちろん私は自らの隣人と何日も前に知り合いになってます。ちょっと歩いていてドー氏かドー嬢と会わないことは殆どあり得えませんね。令嬢は浜辺への気に入りの通り道があります。私は朝に少し捕まえては帽子を取って会釈します。その時、お姫様は高慢さの混ざらない礼節ある驚きと共に私へ金髪の頭を傾げるのです。冷遇されるのですか、実際。この全ては頼みます、おぉ、ポキッと折れた心棒のパシャよ!……如何に奇妙に物事は運ぶのか! 十分前、私は客間まで呼ばれました――そうです、海岸の農家の客間のようなもの、水陸両用の客間っぽく、炉棚の上に貝殻と囲炉裏に唐檜の枝がある――そこで私は自分の父親とドー氏が互いに古めかしい礼儀正しさで振る舞うのを見出だしました。彼はその新たな隣人に敬意を表するようになったのでした。ドー氏は五十五歳くらいの背の高い痩せ身の紳士で、血色の良い顔と雪のように白い口髭と長い頬髭があります。ドンビー氏みたいに思われます、さもなければドンビー氏がイギリス軍に、二三年、仕えて来たたのかと思われるようです。ドー氏は最近の戦争で大佐で、自分の息子が副官を務める連隊を指揮していました。豪胆な老人、ニューハンプシャー花崗岩の気骨。辞められる前、大佐はまるで一般命令を発しているように招待を述べました。ドー婦人は数人の友人が来て、午後四時、クロッケーを芝生(閲兵場)でするとピアッツァでお茶(冷たい配給品)をします。私たちは同席致しましょうか?(さもなければ衛兵所へ送って下さい)。父親は健康不良を口実に断ります。父親の息子は知るかぎりの丁重さで頭を下げると受け入れます。

次に貴方に話すことがあるでしょう。私は可愛い美女と面前でお目にかかることでしょう。このドーはララアヴィスだと、ジャックよ、予感します! 気を落とさずにいて下さい、私がもう一つの手紙を書くまでは――貴方の脚がどんなかの便りを送って下さい。

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

1872年8月13日

パーティーは、私の親愛なジャック、能うかぎり、詰まらないものでした。海軍の大尉、スティルウォーターの聖公会の教区牧師、ナハント出身の社交界の名士。大尉はまるで記章を幾つか飲み込んでしまったように思われて金モールが、少々、消化し難いと分かりました;教区牧師は憂いを帯びた若者、黄色い喇叭水仙のようでした;ナハント出身の名士は、実際、正に弱々しい潮波でした。女性たちは遥かに良くありました、いつもと変わらないように;フィラデルフィアのキングズバリー家の二人の令嬢、貝殻の家に滞在してましたけど、二人の快活で引き付けられる娘たちです。ですがマージョリー・ドーよ!

一同はお茶の後直ぐに解散しました、そして私は残って葉巻をピアッツァで大佐と吹かしました。絵を眺めるみたいでしたが、マージョリー嬢が老兵を付け回して彼のために数百の丁寧な細事を行うのを見たのです。彼女は葉巻を持って来、小蝋燭に繊細な指で最も魅惑的なように火を着けました。私たちがそこに腰かけたときに彼女は夏の黄昏に行き来し、もはやその白いドレスと薄い金色の髪で、濃い霧から忽然と姿を現した愛すべき幽霊か何かみたいに思われました。もしも空気に溶け込んでしまったら、劇中のガラテアの像みたく、私は驚くにも況して悲しんだに違いありません。

老大佐は彼女を敬愛して彼女も彼にと容易に悟られました。私は高齢の父親と最も美しくあり得る女盛りの彼女との関係を考えました。その中には母親と娘か息子と母親の場合には存在し得ない微妙な情緒があるのです。ですがこれは深い水の中に入っています。

私は十時半過ぎまでドー一家と腰かけながら海の月の出を見ました。外洋は動かずに水平線に向かって暗く伸びていましたが、散り散りに光り輝く氷へと変わり、素晴らしい銀の峡湾が点在していました。遠方にショールズ諸島が私たちに漂い来る巨大な氷山の一群みたいに現れ出ました。六月の解氷の極圏! それは甚だしく見事でした。私たちは何について話しましたか? 天候――そして貴方について! 天候は数日前から不快でした――そして貴方もそうでした。私は一つの話題からとても自然に他のものへ滑って行きました。友人に貴方の事故のことを教えました; 私たちの夏の予定がどんなに狂わされてしまったか、さらに私たちの予定は何だったか。実に張り切ったソロを腓骨で演じました。それから貴方を描き出しました;またはむしろしませんでした。私は貴方の好感、こんな厳しい苦悩における忍耐を語りました;ディロンが果物の細やかな贈り物を持って来るときの貴方の心動かす感謝を;姉妹のファニーへの貴方の思い遣りを、看護するために町に滞在することを許さないのですが、さらに貴方がどんなに英雄らしく彼女をニューポートへ送り返したかを、というのはメアリー、炊事係と下男のワトキンス、序でにいえば貴方が一心に愛着を抱いた者と共に一人で残ることを選んだのでした。かりに貴方がそこにいたら、ジャックよ、自分自身が分からなかったでしょう。私は刑事弁護士として優れていたはずです、かりに私が法律学の別の分野に注意を向けなかったとすれば。

マージョリー嬢は貴方に関するあらゆる種類の誘導尋問を行いました。その時、私には思い浮かびませんでしたが、彼女は会話中に並外れた興味を表していたと後から強力に思い当たりました。部屋へ戻ったとき、私は如何に熱心に彼女が雪のように白い首を強烈な月明かりに存分と前のめりにして私が話すことを聞いていたかを思い出しました。確かに彼女は貴方へ気を引かれたのだと思いますよ!

ドー嬢は貴方が大いに気を引かれるだろう少女です、私はそのようにいえます。気取らない美しさ、気高くて思い遣りのある性質――かりに表情から気持ちを読み取るならば。そして老大佐も高潔な性格です。

私はドー一家があんなに感じの良い人たちなのが嬉しいです。パインズは隔絶された場所で、私に物質は殆どありません。ここの生活は間もなく幾分か単調だと気付いてしまうに違いなく、己の優れた雄親の他に付き合いもなくて不安です。それが真実です、私は無防備な病弱者を標的にしてしまうのかも知れません;ですが砲術の趣味を持ちません、私めわ。

ジョン・フレミングより、エドワード・ディレイニーへ

1872年8月17日

砲術の趣味を持たない男だから、友よ、貴方は可成の活発な火を私の内面的な作業に保持していると、思い浮かびます。ですが続けて下さい。冷笑主義は結果的に爆発して砲兵を殺す小型の真鍮の野戦砲です。

貴方は好きなだけ多く私を罵って構いませんし、私は不平をいわないでしょう;というのも貴方の手紙なしにするべきことが分からないためです。それらは私を治しています。私は何も先週の日曜日からワトキンスへ浴びせてません、一部では貴方のご教示に従ってもっと好感を持たれるようになってしまったからですし、一部ではワトキンスが、ある夜、私の弾薬を捕らえて図書館へ運び去ったからです。彼は急速に私が自分の耳を擦るか右腕でどんな僅かな動きでも見せたときはいつでも躱すことになっていた習慣を失っています。それでもワインセラーを思わせます、しかしながら。貴方は打破して構いません、かりにそうしたければワトキンスを粉砕して、ですがロデレールの香はそれでも彼に纏わり付くしょう。

ネッドよ、あのドー嬢は魅力的な人物に違いありません。私は確かに彼女を気に入るはずです。既に気に入ってますよ。貴方がハンモックに揺れる若い娘を自分の部屋の窓の下に見ていると最初の手紙で語ったとき、私はどういうわけか不思議と彼女に惹かれました。ちっともそれを説明することができません。そんな印象が、以降、ドー嬢について書かれることで強められました。貴方は私が何かの前世で知っていたかこうして夢想している女性を描き出しているようです。誓ってもしも彼女の写真を送られることになれば一目で認めるはずだと信じます。彼女の様子、その聞いている態度、彼女の性格的な特徴、貴方が示すような金色の髪と黒い瞳――私はそれらに悉く通じるのです。多くの質問を行いましたか、彼女が? 私について知りたいのですか? それは不思議です。

貴方は袖に隠れて笑うでしょう、気の毒な老冷笑家の貴方、もしも私がどんなに夜も目覚めて横たわり、星へガスを細くしたまま、パインズと道路を挟んだ家を考えているかを知ったら。どんなにそこの下は素敵に違いないでしょう! 空気の潮の香に憧れます。ピアッツァで両切り葉巻を吹かす大佐を思い描きます。貴方とドー嬢を浜辺沿いの午後の漫ろ歩きへ送り出します。時々、貴方を月明かりの楡の下で彼女とぶら付かせます、というのも貴方たちはこの時までに大の仲良しになっている、私はそう取ります、もはや、毎日、顔を合わせるためです。貴方たちの行状と様子は分かります! それから私は攻撃的な気分に陥って誰かを破壊したくなるのです。貴方はラレスとペナテス大佐に付き纏う恋人の姿をした何者かに気付いたのですか? あの騎馬水兵の大尉かあの若いスティルウォーターの教区牧師はその家を良く訪れましたか? 私は彼らの近況に焦がれているわけではありませんが、しかしどんな噂話の類でも入りでしょう。貴方がドー嬢と恋に落ちないかは、ネッドよ、怪しいです。私自身、そうする期は熟しております。写真についてですが、何とか彼女のアルバム――持っているはずですよね――から名刺写真の一つをそっと抜いて私に送ることはできませんか? 感付かれる前に返しますよ。それが好漢です! 牝馬は何事もなく到着しましたか? セントラルパークの今秋の目玉の動物ですよ。

おぅ――私の脚? 私の脚については忘れました。良くなってます。

エドワード・ディレイニーより、ジョー・フレミングへ

1872年8月20日

貴方の推量は正確ですね。私は私たちの隣人と最も親しい間柄にあります。大佐と私の父は午後の葉巻を居間か向かいのピアッツァで一緒に吹かしますし、私は昼か夕べの一二時間を例の娘さんと過ごします。益々、ドー嬢の美しさ、慎み深さ、賢さに胸打たれます。

貴方はなぜ彼女と恋に落ちないかと私に問いました。率直にいいましょう、ジャックよ;そのことについて考えたことがあります。彼女は若くて豊かで教養があり、自身の魅力を私の知り合いのどんな少女に思い起こされるよりも多く、内面と容姿に持ち併せています;ですがあの興味のようなものを私の中に触発するべく必要とされるだろう何かを欠いているのです。この未知の資質を備えれば女性は美しくなくても裕福でなくても非常に若くなくても私を跪かせるのです。ですがドー嬢にはありません。かりに私たちが無人島に難破したら――ある熱帯の島はどうでしょう、というのも造作なくもはや目に浮かぶためです――私は彼女に竹小屋を建てます、私はパンノキの実とココナッツを取って来るでしょう、私はヤム芋を彼女のために揚げるでしょう、私は無邪気な亀を誘き寄せて彼女に栄養のあるスープを作るでしょう、ですが私は彼女を口説かないでしょう――十八ヵ月以下ではありません。彼女を姉妹にしたいのです、要は保護したり、相談したり、収入の半分を古い糸レースや駱駝の毛のショールに使ったりするのです。(私たちは今やそんな島を離れてます)。かりに私の気持ちがそんなでなくてもそれでもドー嬢を愛するには障害があるでしょう。彼女を愛するよりも大きな災難はとても降りかかりはしません。フレミングよ、私は貴方を驚愕させる意外な新事実を明らかにするところです。前提と従って結論も全て誤るかも知れません;ですが貴方が判断するべきです。

ドー家によるクロッケーパーティーの後で自室へ戻ると夕べの些細な出来事を熟考していたその夜、突然、貴方の事故の話に耳を傾けていたドー嬢の熱心な空気に感銘を受けました。このことは貴方にちょっといったと思います。ともあれ、翌朝、手紙を投函しに行ったときにドー嬢にライへの路上で追い付きました、郵便局があるところですが、すると私は彼女にそちらと戻りで、一時間の徒歩、付き添いました。会話が貴方へ又向かうと彼女の顔を、昨夕、明るませた興味を示す説明し難い表情を又認めました。その時から私はドー嬢と十回くらいか、もっと頻繁にか会っていたにせよ、何れの場合でも貴方か貴方の姉妹か貴方と関連する人や場所を語らなければ彼女の注意を引いていないと気付きました。彼女は上の空で、目線は私から海か景色の遠い物体か何かへ彷徨い出すのでした;指は私を聞いていないと納得させるふうに本の頁本の頁を弄ぶのでした。こうした瞬間にもしも不意に話題を変えて――私は試しに何回かやりました――己の友人のフレミングについて幾らか話すならば、その時、物憂げな青い瞳が忽ち私に帰って来るのでした。

ままよ、これは世界で最も奇妙なことではありませんか? いいえ、最も奇妙ではありません。貴方が私に話している私がハンモックに揺れる未知の少女への何の気なしの言及によって貴方に生み出された結果は確かに不思議です。どんなに金曜日の貴方の手紙のあの一節に私が仰天させられたかは推測できますね。会ったことがなく、しかも何100マイルも離れた二人が互いに磁気的な影響を及ぼすことができる、それより、あり得ますか? 私はそんな心理現象を読んだことはありますが、決して信用したことはありません。その問題の解答は貴方に任せます。私自身に関しては他の全てが好ましくとも友人について話しているときにしか聞いてない女性と恋に落ちることはあり得ないでしょう。

私はどんな人が私の美しい隣人に大いに注目しているとも知りません。海軍の大尉――彼はリヴァーマウスに駐屯します――は、時々、夕べにひょっこり訪ねます、そして、時々、スティルウォーターの教区牧師です;大尉がより頻繁です。彼は、昨夜、そこにいました。私は驚きはしません、たとえ彼が当の女相続人に目を付けるとしても;ですが手強くないです。ドー様は皮肉の上手い小槍を携えてまして正直な大尉にはその先で自身を突き刺す特殊な才があるようです。彼は危険ではありません、ですよ;私は男性を何年も当て擦りながら結局は結婚する女性を知っていますけど。きっぱり、下位の教区牧師は危険ではありません;といえども誰もフリーズの衣が勝利したのを金の衣が敗れた矢来に見たことはありませんか?

写真に関します。マージョリーの極上のアイヴォリータイプがはさみ額縁に収めて応接間の炉棚の上にあります。もしも取られたら直ぐに感付かれるでしょう。私は貴方のために道理を弁えたことを何でもするでしょう、ジャックよ;ですが地元の治安判事の前に軽窃盗の罪で召喚されることは熱望しません。

追伸――同封されるのは木犀草の小枝ですが、優しく扱うことを助言します。そう、私たちは貴方のことを、昨夜、又話しました、いつものように。私には少し詰まらなくなっております。

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

1872年8月22日

私の前の手紙への貴方の返信で考えが、朝、埋め尽くされてしまいました。何を考えるべきかが分かりません。貴方は真剣に自分の会ったことのない女性――幻、キメラと、半ば恋に落ちるというつもりですか? ドー嬢は貴方に他の何であり得ますか? それは全く理解できません。私には貴方も彼女も理解できません。貴方たちは私が己の在り来たりな肺で呼吸するよりも綺麗な空気の中に活動する天上の存在のカップルです。そんな多感な優美さは私が把握できないままに敬服する何物かです。狼狽えますね。私は世俗的な住人であり、もはや自分を無様に粉砕するような可成の危険を冒すくらい繊細に加減された性質を持つままの全くの魂と関わり合わなくてはならない不適当な立場に見出だします。神霊たちの中のキャリバンです。

貴方の手紙を良く考えるとき、こうした文通を続けることが私にとって賢明とは定かではありません。ですが、いいえ、ジャックよ;私は誤ってこそ貴方の性格の基盤を形成する良識を疑問視します。貴方はドー嬢に深い興味を持ちます;彼女は自分が知り合うときはきっと素晴らしく敬服するかも知れない人物だと感じるのですね:同時に彼女が自分の理想に遠く及ばずに自分が彼女を少しも好まないという、彼女と知り合うようになるときです、チャンスは十対五と心に留めるのですね。こんな賢明な光に照らして見て貰えれば私は何も貴方に内緒にすることはないのです。

昨日の午後、父親と私自身はドー一家と共にリヴァーマウスへ馬車に乗って行きました。朝の大雨によって大気は冷えて埃は鎮められていました。リヴァーマウスへは8マイルの旅で、曲がりくねった道路沿いにはずっと野生の目木の灌木が並んでました。私はこれらの灌木、群葉の緑、雨によって強められた漿果の仄かな赤らみよりも華やかなものを何も見たことがありません。大佐が運転して父と一緒に前で、ドー嬢と私が後ろの座席でした。最初の5マイルは貴方の名前を出してはならないと決心しました。彼女による巧みな企てが面白く、初めのうち、私の寡黙を突き破ろうとしました。その後に沈黙が彼女に訪れました;さらにその後に彼女は、突然、陽気になりました。大尉に振るわれたときは大いに楽しかったあの熱心さが私自身に向けられた満足はさほどでもありませんでした。ドー嬢はとても温和な性向を備えますが、不愉快になるのです。韻文の令嬢みたいですよ、額に巻き髪の。

     「彼女が良いとき、      彼女はとても、とても良い、      そして彼女が悪いとき、彼女は酷い!」

私は自らの決心を守りました、しかしながら;ですが帰宅中に折れて貴方の牝馬のことを話しました! ドー嬢はマルゴットに片鞍を、朝方、試すつもりです。その動物は私の体重には些か細過ぎます。それはそうと危うくドー嬢がリヴァーマウスの芸術家に、昨日、写真を撮って貰ったというのを忘れるところでした。もしも陰画が良くできれば複写を得られますね。そうすると私たちの目的は犯罪なしに成し遂げられるでしょう。私は、けども、貴方に応接間のアイヴォリータイプを送りたいです;上手に色付けられてますし、彼女の髪や目の見当が付くのです、もちろん他の物では無理でしょう。

いいえ、ジャックよ、木犀草の小枝は私からではありませんでした。二十八の男は草花を自分の手紙に同封しません――別の男へ。ですがそうした事実に重点を置き過ぎないで下さい。彼女は木犀草の小枝を教区牧師へ贈ります、小枝を大尉へも。薔薇を貴方の働き者へ懐から贈りさえもしています。草花を散蒔くことは彼女の明るい性質です、『春』みたいに。

もしも私の手紙が、時々、取り留めなく読まれるならば一度に仕上げることはなく、気分が乗った場合に間隔を置いてのみ書いていると理解しなくてはなりませんよ。

気分は今乗ってません。

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

1872年8月23日

丁度、マージョリーとの最も不思議な面会から戻ったところです。彼女は貴方への興味を私に打ち明けたも同然です。ですが何という慎み深さと品格をお持ちで! 紙に認めようとするとき、彼女の言葉はペンから逃れます;つまり、実際、それは彼女のいうことよりはむしろ彼女の様子でした;もはや私に再現できないのは。きっとこうした所作全体の不思議さと一致してました、彼女が暗々裏に目にしたことのなかった男性に感じる愛情を第三者へ知らせるに違いないのはきっとこうした所作全体の不思議さと一致してます! ですが私は驚くという能力を貴方の助けを通じて失ってしまってます。私は物事を人々が夢の中でするように受け入れます。今や再び部屋におりますので、それは錯覚のように思われるばかりです――木の下の大部分が黒いレンブラント調の影、生け垣の中にピュロスの踊りでくるくる回る蛍、彼処の海、ハンモックに座るマージョリー!

真夜中過ぎです、眠た過ぎてもう書けません。

木曜日の朝。

私の父が不意にショールズで幾日か過ごそうと思い立ちました。その間、私からの便りは聞かれないでしょう。マージョリーが大佐と庭を歩いているのが見えます。彼女とだけ話したいものですが、恐らく私たちが出発する前は適わないでしょう。

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

19878月28日

貴方は二回目の幼少期に入っていたのでしたね? 貴方の知力は私の書簡の贈り物が完全に重要と思われるくらい落ち振れたのでしたね? 私は今月十一日の貴方好みの嫌味を脱しております、私の方の五日間の沈黙が貴方を落胆の深みへと放り込むのに十分だと気付いてから。

私たちはアップルドア――あの魅惑の島から一日4ドルで、今朝、戻ったところです。机の上に貴方からの三通の手紙を見付けました! 明らかに貴方との文通から私が引き出す喜びに関して貴方の気持ちをぐずぐず疑うことはなくなります。これらの手紙は日付が記されてませんが、最近、受け取った中には私の検討を要求する節が二つあります。貴方は私の明け透けさを許します、親愛なフレミング、ですが私にとってそれは貴方の脚が強くなるほどに貴方の頭が弱らされるようなものだと納得する以外にないのです。貴方はある点で助言を求めます。私はそれを贈ります。私の意見ではドー嬢へ、一筆、書き送ることは例の花に感謝するにせよ、貴方にとって何よりも賢明ではあり得ません。それは確かにもドー嬢の優美さを許し難く傷付けます。彼女は私を通じてのみ貴方と知り合います;貴方は彼女へ放心で、夢――最も微かな衝撃でも彼女を起こす夢の人影です。もちろん、かりに短信を私に同封してどうしても届けて欲しいならば私は届けるでしょう;ですがそうしないことを助言します。

貴方は杖の助けがあれば部屋の中を歩き回ることができる、しかもディロンから旅行に耐えるだけ強くなったと認められた瞬間にパインズを訪れるつもりだといいます。再度、私はするべきではないと助言します。貴方は分かりませんか、遠く離れたままでいる間中、マージョリーの魅力が深まること、つまり自らの彼女への影響力が増大する増すことが? 軽率が何もかも破滅させるのです。すっかり回復するまでお待ち下さい;何にせよ、私へ断りなしに訪れないで下さい。貴方のここへの不意の出現の結果が不安です――そんな事実において。

ドー嬢は明らかに又帰った私たちと会って嬉しがりながら私に両手を最も腹蔵ないふうに差し伸べました。彼女は扉に四輪馬車で今日の午後にちょっと止まりました;写真のためにリヴァーマウスへ渡って来たのでした。不運、写真家が感光板に酸を少し溢してしまってましてもう一度、撮って貰わなくてはなりませんでした。私はマージョリーに何か困ったことがあると直感してます。いつにない放心した様子だったのでした。しかしながら私の只の思い違いかも知れません……。ここで止めます、幾つかのことはいわずにおきますけど、今では父親の――私にも主要な薬のあれら長い散歩の一つへ付き添うために!

XI

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

1978月29日

大急ぎで書いて貴方に昨夜の私の手紙からここで起きたことをお伝えします。私は極度に混乱してます。只一つのことが明白です――貴方はパインズを訪れることを夢見てはなりません。マージョリーは自分の父親に何もかも話してしまいました! 私は彼女と何分か、庭で、一時間前、会いました;そして彼女のごちゃごちゃの発言から寄せ集められるかぎり、事実はこうなります:ブラッドリー大尉――リヴァーマウスに駐屯する海軍将校ですよ――は暫く前の頃からドー嬢にいい寄っていたのですが、彼女よりはむしろ大佐、若紳士の父親の老いた友人のような者を気に入っていました。昨日(彼女が私たちの門へ乗り付けたときに私は彼女が何かしら困っていると気付きました)大佐がブラッドリーのことをマージョリーに喋りました――彼の求婚を勧めた、私は推定します。マージョリーは己の嫌悪感を特有の腹蔵なさで露にしました、そして終いに自分の父親へ打ち明けました――といって本当に彼女が何を打ち明けたかは知りません。それは最も曖昧な打ち明け話だったに違いなく、さらに大佐を十分に当惑させたに違いありません。何れにせよ、彼は憤激させられました。私は自分がその問題に関係すると、もはや大佐は私の方へ苦々しく感じるのだと思われます。なぜかは分かりません:私は貴方とマージョリーとの交信を伝えてはおりません;最高の慎重さで振る舞っておりました。その行為のどこにも不備な点は見当たりません。誰が何をしたとも分かりません――大佐を除いて。

恐らくそれでも二つの家の友好的な関係は断たれるでしょう。「両家とも災いの元」という貴方。私は全力を挙げて道の向こうで起きることを、随時、お報せしましょう。私たちは九月の第二週までここに留まることになってます。自分のところに留まって下さい、またはとにかくも私に加わることを夢見ないで下さい……ドー大佐は相当に不愉快みたいにピアッツァに座っています。庭で別れてからマージョリーを見ておりません。

XⅡ

エドワード・ディレイニーより、医学士、トマス・ディロンへ、ニューヨーク州マディソンスクウェア

1987年8月30日

私の親愛な先生:もしも貴方がフレミングへの影響力を少しでもお持ちならば彼が、現在、この場所に訪れないために及ぼすようにお頼みします。彼がこの近所へ入って来てはならないことが真っ先に重要、間もなく説明するでしょうが、という事実があります。ここに姿を現すことは、熟慮していいます、彼には悲惨なのです。勧めてニューヨークに留まらせるかどこかの内陸の保養地へ行かせて貰えると彼と私には本当に役立つでしょう。もちろん貴方はこれに関係する私の名前を挙げないのですよ。貴方は私を良くご存知で、私の親愛な先生、密かな協力をお頼みしながら貴方に明白となれば私には完全な承認を得られるだろう理由があると安心するくらいです。私たちは翌月の十五日に町へ戻ることになります、そこで私は最初の務めとして貴方の厚遇の扉をお伺いしながら貴方の知りたい気持ちを満足させるに違いないでしょう、自分がそれを喚び起こしたならば。私の父は嬉しいことにもはや病弱者と見做され得ないくらい大幅に持ち直しております。多大な尊重と共に、私は、等々、等々。

XⅢ

エドワード・ティレイニーより、ジョン・フレミングへ

1987年8月31日

貴方の手紙はここを訪れるべき狂おしい決意を知らせますけど、丁度、届いたところです。どうかちょっと良く考えて下さい。その方向は貴方と彼女の興味へは致命的ですよ。貴方はR・W・Dに苛立ちの原因を正しく与えますよ;つまり彼は彼女を一心に愛しますけど、反対した場合にはどんなことでもし兼ねません。貴方は彼女が彼から厳しく扱われる手段に、私は確信します、なりたくないでしょう。それが貴方がこの情勢でパインズへ現れることの帰結なのです。私はこれらのことを貴方へ指摘せざるを得ないために苛付いてます。私たちは本当に薄弱な地面におります、ジャックよ;状況は危機的で、もはや方策の最も微かな失敗でも私たちは試合を取り逃がすのです。もしも勝利に価値があると検討するならば辛抱強くして下さい。私の知恵を少し信用して下さい。何が起きるかを静観して下さい。その上、私は貴方がさほど長旅に耐える調子にはないとディロンから聞き及んでます。彼は海岸の空気が貴方のためにあり得る最悪のものだろうと考えてます;内陸へ向かうべきなのです、どこであれ。私を聞き入れ下さい。ディロンを聞き入れて下さい。

XⅣ

電報。1872年9月1日

1 ――エドワード・ディレイニーへ

手紙受け取った。ディロン首吊られろ。出向くべきだと思う。J・F。

2 ――ジョン・フレミングへ

自分のところに滞在せよ。問題を紛糾させるだけだ。私の便りがあるまで動くな。E・D。

3 ――エドワード・ディレイニーへ

パインズでの存在は秘密にできる。私は彼女と会うべきだ。J・F。

4 ――ジョン・フレミングへ

そう考えるな。無駄なのだ。R・W・DはMを自室に閉じ込めた。達成して面会することはできない。E・D。

5 ――エドワード・ディレイニーへ

彼女を自室に閉じ込めたならば。良しや。それで問題は解決する。十二時十五分の急行列車で出発しよう。J・F。

XV

到着

1872年9月の二日目に下りの急行が、三時四十分着、ハンプトンの駅を出たときに一人の若い男が使用人、ワトキンスと呼ばれる者の肩に寄りかかりながらプラットホームから貸し馬車へと歩を進めると「パインズ」へ駆り出してくれるように頼みました。質素な農家の門に到着すると、駅から数マイル、若い男は四輪馬車から苦労して降りました、そして急いで道路を挟んで一瞥を送りながら景色の中々の特色に感銘を強く受けたようでした。再度、ワトキンス個人の肩に寄りかかりながら彼は農家の扉へ歩くとエドワード・ディレイニー氏との面会を求めました。ノックに応じた老人から報されましたが、エドワード・ディレイニー氏は前の日にボストンへ出かけてしまってました、しかしジョナス・ディレイニー氏はおられるのでした。この報せはお客、エドワード・ディレイニー氏がジョン・フレミング氏に少しでもメッセージを残したかどうかを尋ねた者に満足とは思われませんでした。もしも彼が当人ならばフレミング氏への手紙はありました。少し席を外して老人は手紙を持って又現れました。

XⅥ

エドワード・ディレイニーより、ジョン・フレミングへ

1872年9月1日

私は自分のしてしまったことの恐怖に襲われます! この文通を始めたとき、貴方の病人部屋の退屈凌ぎよりも他に目的はありませんでした。ディロンに貴方を元気付けるようにいわれました。しようとしました。私は貴方が活気付いて行ったと思いました。例の事柄が大真面目に取られているとは数日内まで分かりませんでしたよ。 

何がいえますか? 私は袋地の粗布を着て灰の中にいます。パーリア、追放者の犬です。貴方の興味を引くために小さな恋物語を作ろうとしました、宥め賺す田園風のものを、もはや何とも! この上なく上手くやってしまいました! 私の父はこれについて一言も知りません、なので老紳士を助けてこそ動揺させないで下さい。私は来るべき激怒から逃げます――貴方が到着するとき! つまり、おぅ、親愛なジャック、どんなピアッツァもあらず、どんなハンモックもありません――どんなマージョリー・ドーもおりません!

関連:トマス・ベイリー・オールドリッチのマージョリー・ドーの原文と注解

参考:Marjorie Daw and Other Stories

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