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マーク・トウェインの幽霊物語の日本語訳|アメリカの小説

十九から二十世紀のアメリカの作家、小説家で随筆家のマーク・トウェインの小説の幽霊物語(1875)の日本語訳を行った。一つの文学作品として人間の洞察力に富んだ優れた内容を持つだけではなく、表現も意義深いから外国語の英語の聞き取りと読み取りの教材としても最適だと感じる。

作品の出典

椅子に座って左手に葉巻を持つマーク・トウェイン
A Ghost Story by Mark Twain/マーク・トウェインの幽霊物語
原文:Wikisouce作品集
朗読:LibriVoxエスター

両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。

日本語の訳文

土から掘り出されたカーディフの巨人

私は大部屋を、ブロードウェイの遥か上、巨大な古い建物の私が来るまで何年も空いていた上層階に「取った」。その場所は長らく埃と蜘蛛の巣、寂寥と静寂に捧げられていた。私は墓穴の中を弄りながら死体の私生活を侵害しているようだった、宿舎へ上って行った最初の夜。生まれて初めて迷信的な恐怖に襲われた;そして階段の暗い角を曲がって見えない蜘蛛の巣が緩慢な横糸を顔に揺らしながらしがみ付いたときに幻影と出会した者のように私は戦慄した。

自室に着いて型枠と暗黒を締め出したときは十分に嬉しかった。陽気な火が鉄格子に燃えていた、ついに私は解放されてホッとした気持ちからその前に腰を下ろした。二時間、そこに座って過ぎ去った時を考えたり、古い場面を思い起こしたり、半ば忘れられた顔を昔の霧から呼び出したりしていた;ずっと前にいつまでも静かになった声を、つまり誰ももう歌わない嘗ての懐かしい歌を幼少期に聞いていたり。すると私の夢想が悲しい悲しい情念へ和らぐほどに外の風の鋭い叫びが咽ぶ音へ和らぎ、窓硝子に激しく打ち付ける雨が穏やかなパタパタ叩く音に減少し、最後に遅れたはぐれ者の急ぐ足音が次第に遠くに消えながら後には何の音もしなくなるまで一つずつ町の騒音が静まった。

火は下火になっていた。孤独な気持ちに忍び寄られた。私は起きて服を脱いだ、部屋を爪先で動き回り、しなければならなかったことを密かにしながら、まるで自分は破壊を免れ難い微睡みを眠る敵によって取り囲まれているようだった。ベッドにすっぽりと覆われて眠りに就かされるまで雨と風と遠い鎧戸の微かにキーキー鳴る音を聞きながら寝た。

私は大いに眠った、しかしどのくらいの長さかは分からない。突如、起きたのを気付いて戦慄する予感で一杯になった。全てはしんとしていた。私自分の心臓――鼓動するのが聞こえる以外全て。やがて寝具がベッドの足の方へゆっくりと外れ出した、まるで誰かが引っ張っているように! 身動きは取れなかった;声は出せなかった。胸が肌蹴るまでしんと毛布はゆるゆる外れた。それから凄い努力で私はそれらを掴んで頭に引き被った。待った、聞いた、待った。

何度でもその揺るがない引っ張りは始まって何度でも私は間延びした世紀と寝入っては再び胸を露にするまでだった。ついに精力を奮い立たせると上掛けをそれらの場所へさっと引き戻して強く握って抱えた。私は待った。間もなく、微かなぐい引きを感じて新たに握り直した。ぐい引きは揺るがない張り詰めへ強められた――それはどんどん強くなった。抱え切れず、すると三度目に毛布は外れた。私は呻いた。

答える呻き声がベッドの足元から来た! 汗の玉の滴りが額に溜まった。生きるよりも死んでいた。やがて自室に重たい足音が聞こえた――象が踏んだ、そのようだった――人間のものではないらしかった。しかしそれは私「から」動いていた――そんな中に解放があった。ドアに近付いて――掛け金や錠を動かさずに進み出て――陰気な回廊の中を歩き回るのが聞こえた、進むほどに再びキーキー鳴るまで床や根太を張り詰めながら――するとそして、もう一度、静寂が行き渡った。

興奮が収まったとき、私は自分にいった、「これは夢だ――単純に悍ましい夢だ」。もはやだからそれは夢「だった」と納得するまで考え込みながら寝た、するとそして安堵の笑いに唇を緩まされて再び幸せだった。私は起き上がって火を打った、そして錠と掛け金が自分のしておいたままだと見付けたとき、もう一つの慰安の笑いが心に涌き出して唇からさらさら広がった。私はパイプを取ると火を着けた、そして正しく火の前に腰を下ろしていた、そのとき――落ちて行ったパイプは感覚を失った指からだった、頬は血の気が引き、すると穏やかな呼吸は喘ぎに切り詰められた! 炉床の灰の中、私自身の素の足跡と並んだもう一つが余りに大きくて比較すると私のものが子供のものでしかなかった! それから私は訪問者を「持った」のだった、または象の歩行が説明された。

私は明かりを消すとベッドへ戻った、不安に麻痺したので。長い間、寝た、暗黒を覗き込みながら、さらに聞きながら。それから軋む音が頭越しに聞こえた、床を交わしてある重たい体が引き摺られるみたいだった。それからその体の投げ下ろしと激震に反応した窓の揺れが。建物の遠い部分にくぐもったドアのバタンという音が聞こえた。密かな足音が回廊をそっと行き来して階を上下するのが、間々、聞こえた。時々、これらの騒音は私のドアに近付き、躊躇い、再び遠ざかった。鎖が微かにカチャカチャ鳴るのが聞こえた、離れた通路で、するとカチャカチャ鳴る音が近寄るのと同時に聞くのだった――それは階段をうんざり上ると同時に鎖の弛んだ余りがそれぞれの続く足取りのガタ付く強勢と共に下がることでゴブリンが伝えて前進するようにそれぞれの動きを示していた。呟かれる文章が聞こえた;半ば遍くの絶叫で、激しく窒息死するようだった; そして見えない衣服の擦れる音と見えない翼の急行する音が。それから私は自分の部屋が侵略されていると感付いた――自分は一人ではないと。溜め息と息遣いと謎めいた囁きがベッドの周りに聞こえた。三つの柔らかい燐光の小さな珠が頭の真上の天井に現れ、しがみ付き、瞬時にそこに燃えるように輝いた、するとそして落ちた――二つは顔に一つは枕に。それらは飛び散った、流動的に、温かく感じられた。

私はそれらが落ちるときに血の滴りに変わったのだと直感的に分かった――そのことを確信するために明かりは要しなかった。それから蒼白い顔、朧気に光った、白い持ち上がった手が空中に浮かんで実体がないと見えた――瞬時に浮かんでその後は消え失せて。囁きは止み、そして声と音と厳かな静けさが続いた。私は待って聞いた。明かりを付けるか死ななくてはならないと感じた。不安で弱っていた。ゆっくりと座る姿勢へと身を起こすと顔がある滑った手と接触した! 全ての力が明らかに私から失われた、そして打ち拉がれた病人みたいに引っ繰り返るのだった。それから衣服がカサカサ鳴るのが聞こえた――それはドアへ移動して出て行くようだった。

何もかもが、もう一度、しんとしたとき、私はベッドから這い出すと、優れない気分で弱々しく、まるで百歳に老けたようにぶるぶる震える手でガスを灯した。明かりは多少とも陽気を精神に齎した。私は腰を下ろすと灰の中のあの大きな足跡を夢の如く黙想する他はなかった。間もなく、その輪郭は揺らめきながら朧気になった。ちらりと見上げると溢れるガスの炎がゆっくりと萎れ去った。同じ瞬間にあの象の歩行が再び聞こえた。私はその接近がどんどん迫って黴臭い玄関に至るのを、さらにどんどん朧気に明かりが衰えるのを認めた。歩行はぴったりドアに着いて止まった。明かりは段々と薄く青く小さくなっていた、そして私の周りのあらゆるものは怪奇の微光の中に横たわっていた。ドアは開かなかった、それなのに頬を扇ぐ空気の微かな噴出を感じた、さらにやがて自分の前の巨大な霞んだ存在に感付いた。私は引き込まれた目で注視した。薄い光が次第にその物を包んだ;段々と霞んだ襞が形を成した――腕が現れた、それから脚、それから胴体、そしてついに蒸気の中から大きい悲しい顔が。極薄い膜が引き剥がされたときに裸の筋肉質で立派な堂々たるカーディフの巨人が私の上にぼんやりと現れた!

総じて私の惨めさは消えた――というのも子供たちはその恵み深い顔付きに害されることはないと分かるかも知れないためだった。私の陽気な精神は直ぐに戻った。そして同調してガスは再び明るく燃え立った。孤独な追放者は私が友好的な巨人に挨拶することになったほどに嬉しく同伴を歓迎することは決してなかった。私はいった:

「さてぞ君以外の誰でもないか? 君は知るか、私がこの二三時間に死ぬほどに怖がっていたと? 君と会えて大いに正直に嬉しい。椅子があれば良かった――こっち、こっち、そんなものに腰を下ろそうとするな!」

しかし遅過ぎた。私に止められる前に彼はその中にいて下がって行った――自分の人生でそこまで震える椅子は決して見なかった。「止めろ、止めろ、エレベーターを破滅させる――」。

再度、余りにも遅い。もう一つの衝突があってもう一つの椅子が元の要素へと分解された。

「やられた、君は判断が全く付かないのか? その場所の家具を全て破滅させたいのか? こっち、こっち、石化された愚か者――」

しかし無駄だった。私に阻める前、彼はベッドに腰を下ろしたのだった、もはや憂鬱な破滅だった。

「今やどのような方法が取られるのか? 始めに君は放浪するゴブリンの軍団を連れながらその場所の周りをどしんどしん歩いて来て私を死ぬまで苦しめる、するとそして私が上品な人たちからは正面な劇場を除いて耐えられないだろう身形の下品さを大目に見るとき、もしも裸体が「君の」性欲ならばそこでさえもなく、君は私に自分が腰を下ろそうと見出だせる家具の全てを大破させることで恩返しする。つまりなぜなのか? 君は私にするのと同じように自分自身を痛め付ける。脊柱の端を折りながらその場所が大理石の庭みたいに思われるまで腿裏の欠片で取り散らかしてしまった。自身に恥じらいを持つべきだ――君は良く分かるくらい十分に大きい」

「よし、私はもう家具を壊すまい。しかしどうするべきか? 世紀と腰を下ろす好機を得なかったんだ」、すると涙が彼の目に溢れ出した。

「可哀想な悪魔よ」、私はいった、「私は君にそんなに厳しくしたはずではない。つまり孤児なんだ、君も、疑いなく。しかしこっちの床の上に腰を下ろしな――君の重さに持ち堪えられるものは他にない――それに又、私たちは私の上まで離れて君と打ち解けることはできない;この高い会計事務所の腰掛けに座って面と向かって噂話ができるところに下がって欲しい」。

するや彼は床に腰を下ろした、そして私があげたパイプに火を着け、私の赤い毛布の一枚を肩に投げかけ、私の座浴槽を自分の頭に逆さに置き、兜様式、風変わりに寛ぐのだった。それから彼は足首を交差させた、私が火を補充した一方、すると自分の桁外れの足の扁平な、蜂の巣状の裏を心地良い暖気に触れさせたのだった。

「君の足の裏と脚の後ろはどうしたのか、そんなに彫り上げられて?」

「飛んでもない霜焼け――頭の後ろまでずっとかかったんだ、ニューウェルの農場の下を塒にしてから。しかしその場所が好きなんだ;人が自分の故郷を好むみたいに好きなんだ。私にとってそこにいるときに感じる平穏みたいな平穏はないよ」

私たちは半時間と話し続けた、するとそして私は彼が疲れていると気付いてそのことを伝えた。「疲れた?」、彼はいった、「まぁ、そう思うよ。では次に君にそれについて全て話そう、私に良くしてくれているのだから。私は博物館の通りを挟んで置かれる石化人の霊魂だよ。カーディフの巨人の幽霊さ。休まりも安らぎもし得ないんだ、彼らにその可哀想な体を再び埋葬して貰うまでは。今や私にとって為すべき最も自然なことは何か、この願いを人々に叶えるべきではないか? 怖がらせてそうする!――体が置かれるところに出る! なので私は博物館に夜な夜な出た。自らの応援に他の霊魂たちを集めさえもしたんだ。しかし上手く行かなかった、というのも誰も真夜中に博物館を訪れはしないためだった。それから道を渡ってこの場所に幾らか出ることを思い付いた。私は聞いて貰いさえされば成功するに違いないと感じた、というのも滅亡が与える最も有能な同伴を持つためだった。夜な夜な私たちはこれらの黴の生えた玄関を抜けて粉々にして回っていた、鎖を引き摺ったり、呻いたり、囁いたり、階段を上へ下へ激しく踏み付けたりしながら実をいえば殆ど消耗するまで。しかし明かりを、今夜、君の部屋に見たとき、私は精力を再び奮い立たせると又新たにいつものように取りかかった。しかし疲れ果てたんだ――すっかりへとへと。くれよ、どうか頼む、希望を幾らかくれよ!」

私は高い席に急に興奮して点火した、すると声を上げた:

「これは何もかもに勝る――今まで起きた何もかもに! いやさ可哀想にまごまごする時代遅れの人、君は全く何もなしに困っていた――君は君自身の〝石膏像〟に取り憑いていたんだ。現物のカーディフの巨人はオールバニー脚注にあるぞ! やられた、君自身の遺跡を知らないのか?」

私はこれほども恥ずかしい、憐れな屈辱の様子が良く表されて顔付きに広がるのを前に決して見なかった。

石化人はゆっくりと立ち上がるといった:

「正直、それは真実『です』か?」

「私がここに座っているのと同じような真実」

彼はパイプを取ると炉棚に置いた、それから躊躇いがちな間があり(無意識に古い習慣からパンタロンのポケットがあったところに手を突っ込みながら瞑想的に顎を胸に落とし込んだけど)、すると最終的にいった:

「さて――私はそんなに不条理だと前に『決して』感じなかった。石化人は他の皆を出し抜いたんだし、今や卑しい偽物がそれ自身の幽霊を出し抜いて終わりを迎えたんだ! 若者よ、もしも君の心に私みたいに可哀想な寄る辺ない幻影への慈悲が残されるならばこのことは仕舞っておいてくれ。どう感じるかを考えてくれ、もしもこれほども馬鹿を見たら」

彼の激しく踏み付ける悠然とした足音が次第に消えながら一歩ずつ階段を下りて人気のない町へと出るのが聞こえた、すると去られたのは残念と感じられた、可哀想な輩よ――しかも私の赤い毛布と浴槽が運び去られてしまったのが未だにより残念と。

脚注

事実。元の偽物は巧妙に誤魔化して複数されてカーディフの巨人の「唯一の本物」として(現物の巨人像の所有者には言語に絶する嫌悪感で)ニューヨークに展示されたが、正しく同じ時間に後者はオールバニーの博物館で人集りを呼んでいた。

参考:A Closer Look at "A Ghost Story" by Mark Twain

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