ヴァージニア・ウルフの社会の日本語訳

自分の写真結城永人 -

十九から二十世紀のイギリスの作家、小説家のヴァージニア・ウルフの小説の社会(1921)の日本語訳を行った。一つの文学作品として人間の洞察力に富んだ優れた内容を持つだけではなく、表現も意義深いから外国語の英語の聞き取りと読み取りの教材としても最適だと感じる。

ヴァージニア・ウルフの社会の原文と朗読

幾らか左向きに俯いたヴァージニア・ウルフ
A Society by Virginia Woolf/ヴァージニア・ウルフの社会
原文:Project Gutenberg作品集
朗読:LibriVoxリズマウラント

両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。

ヴァージニア・ウルフの社会の日本語の訳文

ロンドンの時計台(ビッグベン)付近の爽やかな町並み

こんなふうにそれは全く来した。私たち六七人は、午後食の後にある日、座っていた。数人は婦人帽子店の窓の明かりが静かに緋色の羽飾りや金色の室内履きを煌々と照らすところを通りの向かいに見詰めていた。他の人は徒に小さな角砂糖の塔を盆の端に築くことに専念した。暫く後、私が思い起こせるかぎり、私たちは暖炉の周りに寄り集まって普段のように男性を称え始めた――如何に強く、如何に気高く、如何に才能あり、如何に勇敢で、如何に美しいのか――私たちは掛けてや曲げて、一生、どうにか人に愛着を抱くそんな人たちを如何に羨んでいたか――ポルが何もいわなかったもののわっと泣き出したときだった。ポルはいっておくべきはいつも奇異だった。一つには彼女の父親が変わり者だった。彼は彼女に遺言で、ロンドン図書館の本を悉く読むことだけを条件に財産を残した。私たちは彼女を精一杯と慰めた;しかし如何に虚しいかを心に知るのだった。というのも私たちは彼女が好きだけれどもポルは美しくないためだ;靴紐を解けたままにする;つまり考えていたに違いない、私たちが男性を称えた一方で、彼らの一人も自分との結婚を望みはしないだろうと。やっと彼女は涙を拭った。暫く前から私たちは彼女がいうことを何も理解することができなかった。どう考えても十分に変わっていた。彼女は読みながら自分はロンドン図書館で最も長い時間を過ごしたと私たちの知っていたように私たちに話した。最上階のイギリス文学から本人がいうには始めたのだった;そして絶え間なく苦労して最下の『タイムズ』へ下り進むことになった。さらに今や半分かきっと四分の一だけ進むうちに酷いことが起きてしまったのだった。彼女はもう読むことができなかった。本は私たちが考えるようなものではなかった。「本は」、彼女は立ち上がると私は忘れないに違いない侘しさから激しく叫んだ、「大部分がいい表せないほどに悪い!」。

もちろん私たちはシェイクスピアが書いたのだ、またはミルトンやシェリーと叫び出した。

「おぅ、はい」、彼女は私たちを遮った。「良く教わったね、分かる。しかし貴方たちはロンドン図書館の会員ではない」。新たにどっと泣きじゃくる彼女だった。漸くと少し回復しながら彼女は自分がいつも持ち歩く一つ本の積み重ねを広げた――『ある窓から』か『ある庭に』、または何かのそう呼ばれるような名前、つまりそれがベントンかヘンソン、または何かそうした類いで呼ばれる男性によって書かれていた。彼女は最初の二三頁を読んだ。私たちは黙って聞いた。「しかしそれは本ではない」、誰かがいった。なので彼女は他のものを選んだ。今度は一冊の歴史書だったが、私は作者名を忘れてしまった。私たちの狼狽は彼女が続けるほどに増した。一言も真実ではないと思われたし、書かれた文体は忌まわしかった。

「詩を! 詩を!」、堪え切れず、私たちは叫んだ。「私たちに詩を読んで!」、私は彼女が小冊を開いてそこに含まれる言葉数の多いお涙頂戴の戯言を口に出したときに自分たちが襲われた侘しさを説明することができない。

「女性が書いたに違いない」、私たちの一人が主張した。しかしいいえ。彼女は当時の最も有名な詩人の一人の若い男性が書いたと私たちに話した。その発見がどれほどの衝撃だったかは人々の想像に任せる。私たち全員が叫びながらもう読まないように頼んだけど、彼女は固執して『大法官の生活』の抜粋を私たちに読んだ。終えたとき、私たちの最も年長で聡明なジェーンが立ち上がると自分は個人として納得しないといった。

「いやね」、彼女は訊いた。「男性がこのような駄作を書けば私たちの母親はその若い時分を自分らの出産で無駄にしたに違いないではないか?」。

私たちは皆黙った;そして沈黙の中に哀れなポルが泣きじゃくりながらいうのが聞こえた。「どうして、どうして私の父親は私に読むことを教えたのか?」。

クロリンダが最初に我に返った。「全て私たちのせいだ」、彼女はいった。「私たちの全員がどう読むかを知っている。しかし誰もポルを省いてかつてわざわざそうすることはなかったんだ。私は個人として若い時分に子供を産んで過ごすことが女性の務めだと当然に思っていた。私は十人を産んだ自分の母親を崇める;況んや十五人を産んだ自分の祖母を;二十人を生むことが告白すると私自身の野心だった。私たちは男性が等しく良く働くと、そして彼らの仕事は等しい利益があると思いながら全てのこうした時代を続けて来た。私たちが子供を産んだ一方で、彼らは思えば本と絵を生んで来た。私たちは世の中に居住して来た。彼らはそれを文明化して来た。しかし読むことができるからには何でその結果を判断することが妨げられる? もう一人の子供を出産する前に世の中がどのようなものかを見付け出すと誓うべきなんだ」。

そこで私たちは質問するための社会になった。私たちの一人は軍艦を訪れた;もう一人は学者の研究室に身を潜めた;もう一人は実業家の会議に出席した;全員が本を読み、絵を見、音楽会へ行き、通りに目を見開き、年がら年中、質問することになりながら。非常に若かった。私があの夜の別れの前に私たちが人生の目的は良い人と良い本を作ることだと賛同したと話せば人々はその簡明さを判断できる。私たちの質問はこうした目的が、どの程度、男性によって今や達成されたかを見出だすことに向けられることになった。満足するまでは一人の子も産まないことを真面目に誓った。

ってそれから行った、何人かは大英博物館へ;他の人は王の海軍へ;何人かはオックスフォード大学へ;他の人はケンブリッジ大学へ;私たちは王立美術院とテート美術館を訪れた;音楽室で現代音楽を聞き、法廷に行き、新しい演劇を見た。外食しては連れに必ずや質問して返答を注意深く書き留めた。折々、私たちは合同して観察を比較した。おぅ、それらは愉悦の会議だった! 決してなかった、ローズが「名誉」の記録を読んで如何にエチオピア王子のように身形を整えながら英国軍艦の一隻に乗り込んだかを説明したときほどに多く笑ったことは。でっち上げを発見したので、艦長は彼女(今や平民の紳士に扮した)を訪ねて名誉が満たされなくてはならないと要求した。「しかしどうやってですか?」、彼女は訊いた。「どうやって?」、彼は怒鳴った。「もちろん鞭で」。彼が怒りに我を忘れたのが分かって最後の瞬間が自分に訪れたと思いながら彼女は身を屈めると六回の軽い尻叩きを驚いたことに受けた。「英国海軍の名誉は仇を取った!」、彼は叫んだ、そして起き上がると彼女は彼が震える右手を差し出しながら顔に汗を垂らしているのを見た。「向こうへ!」、彼女は声を上げた、格好を付けて彼自身の表した狂暴さを真似しながら。「私の名誉は未だ満たされなくてはなりません!」、「紳士らしくいったな!」、彼は返すと急に深く考え込んだ。「六打で王の海軍の名誉が仇を取る場合」、彼はいった、「平民の紳士の名誉は何回の仇取りか?」、彼は己の同僚の将校にその件を仰いだ方が良いだろうといった。彼女は待てないと居丈高に返した。彼は彼女の感受性を称えた。「ええと」、彼は突然と叫んだ、「君の父上は四輪馬車を保有したかね?」、「いいえ」、彼女はいった。「それでは乗用馬を!」、「私たちは驢馬を持ってました」、彼女は思い出した、「草刈り機を引きましたが」。これで彼の顔が輝いた。「私の母親の名前は――――」、彼女は付け加えた。「お願いだから、君、君の母上の名前をいわないでくれ!」、彼は金切り声を発した、山鳴らしみたいに震えて髪の根元まで紅潮しながら、そして少なくとも十分を要して彼女は彼を話し続けるように説得した。漸くと彼は彼女が四回半打を自分の指し示した箇所でその背中の小域に与える場合(半分は彼がいうには彼女の曾祖母の叔父がトラファルガー岬で斃れた事実に報いて譲られた)は彼女の名誉が新品同然になるだろうと思えると命じた。これが為された;彼らはレストランへ引き上げた;彼が支払を強く求めた二本のワインを飲んだ;そして末永い友情を誓って別れた。

それから私たちは法廷を訪れたファニーの話を聞いた。最初の訪問で彼女は判事たちが木で作られているか極度の威厳で動いてぶつぶついって頷くように訓練された男性と似通った大型動物に演じられているという結論に達したのだった。自説を検証するために彼女は青蝿のハンカチを審理の決定的な瞬間に放ったのだったが、蝿のブンブン飛ぶ音が自分しか下の独房へと導かれる囚人を見る間際に起きてないくらい良い眠りを引き起こしたためにそうした生き物たちが人間の兆候を示すかどうかを判断することはできなかった。しかし彼女が持参した証言から私たちは判事が男性だと思うことは公平ではないと採決した。

ヘレンは王立美術院に行ったが、絵画についての報告を寄せるように求められたとき、淡青い冊子から朗読した。「おぉ! 消えた手の感触と静かな声音のために。狩人は帰った、丘から帰った。彼は己の手綱を揺らした。恋は甘く、恋は短い。春、美しい春よ、一年の好ましい王。おぉ! イギリスにいれば今や四月なのだから。男性は働かなくてはならなくて女性は泣かなくてならない。務めの小道は栄光への道――」、私たちはもうこの出鱈目を聞けはしなかった。

「詩はもう要らない」、私たちは叫んだ。

「イギリスの娘たち!」、彼女は始めたが、ここで取っ組み合って水の花瓶を彼女に打ち撒けながら私たちは彼女を引き下ろした。

「良かった!」、犬みたいに身体を振り動かしながら彼女は声を上げた。「さぁ、私はカーペットを転がってユニオンジャックの残りものを払い除けられないかどうかを確かめよう。そのとき、きっと――」、ここで彼女は精力的に転がった。カスタリアが止めたときに起き上がりながら現代絵画がどのようなものかを私たちに説明し始めた。

「絵画の平均的な寸法はどのくらいか?」、彼女は訊いた。「2フィートと2フィート半くらい」、彼女はいった。ヘレンが喋る間にカスタリアは書き留めた、そして彼女が終えたときには私たちは互いの目を合わせないようにし、立ち上がり、いった、「貴方の願いで私は雑役婦に扮しながらオックスブリッジ大学群で、先週、過ごした。かくて数人の教授の部屋へ渡ったし、今、何かしら教えるつもりでいる――ただし」、彼女は中断した、「どうするかが考えられない。総じて余りにも奇異なんだ。これらの教授たちは」、彼女は続けた、「一人で監房の一種のそれぞれが草地を囲い込んで建つ大きな家に暮らす。けどもそれらはあらゆる便利さと快適さを持つ。ボタンを押すか小さなランプを灯すだけで良いんだ。彼らの書類は美しく整理されている。本は沢山。子供や六匹の野良猫と一羽の老いた鷽――雄を省いて動物はいない。思い出すな」、彼女は中断した、「ダリッチに住んでサボテンを手入れした自分の叔母を。二倍の客間を抜けて温室に達すると、熱い管の上、数多く、醜く、ずんぐり、剛毛の生えた小さな植物のそれぞれが個々の鉢にあった。百年に一度、竜舌蘭は花を咲かせる、そう叔母はいった。しかし彼女はそれが起きる前に亡くなった――」。私たちは話を逸らさないように彼女にいい聞かせた。「では」、彼女は再開した、「ホブキン教授が出てから私は彼の一生の仕事、サッフォーの編纂を調査した。それは奇異に思われる本で、6か7インチの厚さ、全編がサッフォーによるのではない。おぅ、まさか。その大部分はサッフォーの貞節の擁護だった、ドイツ人の誰かが否定していたけど、もはやこれら二人の紳士が議論した情熱、開陳した学識、私には仰天させられる留め針にしか見えない道具の何かの使い方を論争した桁外れの創造力を請け合えるよ;取り分け扉が開いてホブキン教授が姿を現したとき。とても高尚な温厚な老紳士、ただし〈彼〉は貞節について何を知り得たのか?」。私たちは彼女を誤解していた。

「いいえ、いいえ」、彼女は意義を唱えた。「彼は間違いなしに名誉の生き写しだ――ローズの艦長殿と少しも似ているのではない。私は自分の叔母のサボテンをむしろ考えていた。〈それら〉は貞節について何を知り得たのか?」。

再度、私たちは話から外れないように彼女にいい聞かせた――オックスブリッジ大学群の教授たちは良い人と良い本――人生の目的を作るのを助けたか?

「あらら!」、彼女は声を上げた。「訊こうとは思い当たらなかった。彼らがどうにか何かを作れるとは思い付かなかった」。

「思うに」といったスー、「貴方は誤りをちょっと犯した。恐らくホブキン教授は婦人科医だった。学者は種類の非常に異なる男性だ。学者は諧謔と創案に溢れている――きっとワインに病み付きだけど、ただしそれが何なのか?――愉快な相棒、気前良く、鋭敏で、想像力に富む――当然であるように。というのも彼は今まで存在した最高の人間と一緒に人生を過ごすためだ」。

「へん」といったカスタリア。「きっと私は戻ってやり直す方が良い」。

三ヵ月程後、偶々、カスタリアが入ったときに私が一人で座っていることがあった。とても感動させる様子なのが何かと分からなかった;しかし自分を抑えられずに部屋を突っ切りながら私は彼女を腕で抱き締めた。彼女は非常に美しいだけではなかった;最も喜び勇んだようにも思えた。「どんなに幸せに見えるのか!」、彼女が腰を下ろしたときに私は声を上げた。

「オックスブリッジ大学群に行って来た」、彼女はいった。

「質問しに?」

「回答しに」、彼女は返した。

「私たちの誓いを破らなかった?」、彼女の姿について何かしら気付きながら私は心配して訊いた。

「おぅ、誓い」、彼女は何気なくいった。「私は赤ちゃんを産むつもりでいる、それが貴方の意味するところならば。想像できないね」、彼女は急に大声を出した、「どんなに興奮するか、どんなに美しいか、どんなに満ち足りるか――」。

「何が?」、私は訊いた。

「こと――こと――質問に回答する」、彼女は少し狼狽えて返した。すると直ぐに自分の物語全体を私に話した。しかし私がかつて聞いたどんなものよりももっと面白くて興奮させる話の途中に彼女は甚だ変わった叫び声を上げた、半ばうわっと、半ばおあっと――。

「貞節は! 貞節は! 私の貞節はどこか!」、彼女は叫んだ。「助けて、おーい! 香水瓶を!」。

部屋にはマスタードが入った薬味瓶しかなかったが、彼女が落ち着きを取り戻してから私は与えようとした。

「三ヵ月前にそのことを考えるべきだったね」、私は厳しくいった。

「真実」、彼女は返した。「今考えても仕方ない。私の母親がカスタリアと呼ばれる私を儲けたのは序でながら不運だった」。

「おぅ、カスタリア、貴方の母親は――」、彼女がマスタード瓶へ手を伸ばしたときに私は始めることになった。

「いいえ、いいえ、いいえ」、頭を振りながら彼女はいった。「かりに貴方が貞節な女性そのものだったならば私を目にして大声で叫んだだろう――部屋を突っ走って私を腕に抱える代わりに。いいえ、カサンドラ。私たちはどちらも貞節ではない」。そう私たちは話し続けた。

その間に部屋は満杯になっていた、というのも観察の結果を話し合うことが予定された日のためだった。全員がおよそカスタリアについて私のしたように感じていた。彼女に口付けしては彼女と又会えてどんなに嬉しいかといった。漸くと私たちが皆集合したとき、ジェーンが立ち上がって始めるときが来たといった。私たちは今や五年に亘って質問して来たと、そして結果は必ずしも決定的ではなかったけど――ここでカスタリアはそっと私を突いてそのことについてそんなに確かではないと囁いた――といって始めた。それから彼女は起き上がるとジェーンの発言を途中で遮りながらいった:

「貴方がもっという前に私は知って欲しい――自分は部屋にいるべきか? なぜなら」、彼女は付け加えた、「私は自分が不純な女性だと打ち明けなくてはならないからだ」。

全員が彼女を驚いて見た。

「赤ちゃんを産むつもりなのか?」と訊いたジェーン。

彼女は頷いた。

皆の顔に様々な表情が見えるのが奇妙だった。ある種の騒めきが部屋を通り抜けたが、そこで私は「不純な」、「赤ちゃん」、「カスタリア」、等々の言葉を聞き取ったのだった。ジェーンは自身で相当に感動していたが、それを私たちに云った:

「彼女は行くべきか? 彼女は不純な女性か?」

どよめきが外の通りで聞かれたかも知れないくらい部屋を占めた。

「いいえ! いいえ! いいえ! いておくれ! 不純な? 馬鹿馬鹿しい!」。だが、私は最年少の何人か、十九か二十歳の少女がまるで内気さに圧倒されたように口を開かないと思った。それから私たち全員が彼女の周りに来ると質問し始めた、するとついに私は最年少の一人が引っ込んでいたものの彼女に内気に近付いていうのを見た:

「貞節とはそれでは何ですか? つまりは良いのか、悪いのか、全く何物でもないのですか?」。彼女は私にはいうことが聞き取れないくらい小さく返した。

「私は衝撃を受けたよ」といった相手。「少なくとも十分間」。

「私見では」といったポル、ロンドン図書館でいつも読むことから無愛想になっていたが「貞節は無学以外の何物でもない――最も不面目な精神状態。私たちの社会には不貞だけを認めるべきだ。カスタリアを私たちの会長にすることを提案するよ」。

これは激しく論争された。

「女性を貞節と決め付けるのは不貞と同じく公平ではない」といったポル。「私たちの何人かはどちらの機会も得ていない。その上、私はキャシー自身が知識への純粋な愛からするように行動するといい張るのを信じない」。

「彼はほんの二十一で、素晴らしく美しい」といったキャシー、魅惑的な身振りで。

「提議するよ」といったヘレン、「恋する者を除いて誰も貞節や不貞について話すことを許可されるべきではない」。

「おぅ、嫌だ」といったジュディス、科学的な問題を探索していたが「私は恋しないし、私は売春婦なしで済ませて議会制定法によって処女を受胎させるための自らの手段を説明したくて堪らない」。

彼女はロンドン地下鉄の駅と他の公共の盛り場、僅かな料金の支払いで、国民の健康を守り、息子たちに親切にし、娘たちを気楽にするものに建てられるべき己の創案について私たちに話し続けた。それから未来の大法官「または詩人か画家か音楽家」の胚を封管に保存する方法を考案したのだった、彼女は続けた、「これらの血筋が絶たれないと、そして女性が依然として子供を産むことを望むとすなわち仮定すれば――――」。

「もちろん私たちは子供を産むことを望む!」と叫んだカスタリア、堪え切れず。ジェーンは机をコツコツ叩いた。

「それが私たちの検討するべく介される正しく点だ」、彼女はいった。「五年間、私たちは自分たちが人類を続けることを正当に理由付けられるかどうかを見出だそうと努めて来た。カスタリアは私たちの決議を先取りしていた。しかし残りの私たちには自分たちの決心が残されている」。

ここで私たちの使者が続々と立ち上がって報告を行った。文明の驚異は私たちの予想を遥かに越えていた、そして初めて如何に人が空中を飛び、空間を交えて話し、原子の核心を見抜き、宇宙を己の思索に受け入れるかを学んだように感嘆の呟きが私たちの唇から飛び出した。

「私たちは誇らしい」、私たちは叫んだ、「自分たちの母親がこのような理由で若い時分を犠牲にしたことを!」。カスタリアは没投して聞いていたのだったが、残りの誰よりも誇らしく見えた。それからジェーンが依然として学ぶべきことが多くあると私たちに注意するとカスタリアが急ぐように頼んだ。続けて私たちは統計値の莫大な縺れを良く調べた。イングランドはとても多くの何百万の人口を抱えると学んだ、そしてそれらの比率の斯々はいつでも空腹で獄中だと;さらに労働者の家族の平均的な規模はこんなだと、または非常に多くの割合の女性が分娩から起こる疾病で死ぬと。報告が工場、商店、貧民街、造船所への訪問について読まれた。描写が証券取引所について、ロンドン中心部の巨大な社屋について、政庁について行われた。イギリス殖民地が今や話し合われて幾つかの話がインド、アフリカ、アイルランドの私たちの統治について行われた。私はカスタリアのそばに座っていて彼女の不安に気付いた。

「私たちはこのままではどんな結論にも全く達することがあり得ない」、彼女はいった、「文明は私たちが少しでも考えたよりもとても大きく複合するらしいので、私たちの元の調査に制限する方が良いのではないか? 私たちは良い人と良い本を作ることが人生の目的だと賛同した。今まで飛行機、工場、金銭のことを話し合って来た。男性自身と彼らの芸術について話そうよ、それが問題の核心なのだから」。

そこで外食する人たちは自分たちの質問への回答を含んだ長い紙片を持って踏み出した。これらは多く検討された後に纏められたのだった。良い男性は何れにせよ、誠実で、情熱的で、俗離れして、私たちは賛同したのだった、なくてはならない。しかし特定の男性がそれらの資質を備えるか否かは質問することによって発見されるに過ぎず、屡々、その中心から遠く離れて始まるのだった。ケンジントンは住み心地の良い場所ですか? 貴方の息子さんはどちらで教育されていますか――または貴方の娘さんは? さぁ、どうぞお話し下さい、葉巻きに幾らをおかけですか? 序でながらジョゼフ卿は準男爵か未だしも騎士ですか? 屡々、私たちはこの種の些細な質問からもっと直接的なものからよりももっと学ぶと思われた。「私は自らの爵位を受け入れました」といったバンカム卿、「なぜなら私の妻が望んだからです」。私はどんなに多くの称号が同じ理由で受け入れられたかを気に留めない。「二十四時間のうちの十五時間と働けば、私がするように――――」、一万の職業人が始めた。

「いいえ、いいえ、もちろん貴方は読むことも書くこともできません。ですがどうしてそんなに頑張って働くのですか?」、「ご婦人、育ち盛りの子供がいれば――――」、「ですが〈どうして〉お子さんは育つのですか?」。彼らの妻もそのことを望んだ、さもなければきっと、それは大英帝国だった。しかし回答よりももっと意義深いのは回答への拒否だった。道徳と宗教についての質問は本当に殆ど全く返されなかったし、得られるような回答は本気ではなかった。金銭と権力の有用性に関する質問は、大抵、変わることなく、払い除けられた、さもなければ質問者は極度の危険に追い遣られるのだった。「私は確信するよ」といったジル、「もしもハーレー・タイトブーツ卿が羊肉を切り分けてなかったら私が資本主義体制について彼に質問したとき、彼は私の喉を切っただろう。私たちが、再三再四、命辛々と逃げ出した唯一の理由は男性が余りに空腹と同時に余りに丁重であるということだった。彼らは何をいわれても構わないくらい酷く私たちを軽蔑している」。

「もちろん彼らは私たちを軽蔑している」といったエレノア。「同時にこのことは如何に説明されるか――私は芸術家たちの中で尋ねた。まぁ、女性がかつて芸術家だったことはないよね、ポル?」。

「ジェーン‐オースティン‐シャーロット‐ブロンテ‐ジョージ‐エリオット」と叫んだポル、裏通りでマフィンを呼び売りする男性みたいに。

「忌々しい女め!」、誰かが声を上げた。「何てうんざり者か!」。

「サッフォー以来、一級の女性がいたことはなかった――」、週刊誌を引用しながらエレノアは始めた。

「サッフォーはホブキン教授の何やら淫らな創案だと今や良く知られている」、ルースが遮った。

「とにかく女性は一人もかつて書くことができたかいつか書くことができるだろうというような理由はない」、エレノアは続けた。「尚且つ私が作家たちの中に交わるときはいつでも彼らは私に自分のたちの本について話すのを止めることがない。お見事! ほら、またはシェークスピアそのもの! (何かいわなくてはならないのだから)そして請け合うよ、彼らは私を信じている」。

「何の真実も示さない」といったジェーン。「彼らは皆がそうする。ただし」、彼女は溜め息を吐いた、「〈私たち〉に大して役立つとは思われないね。きっと現代文学を次は調査する方が良い。リズ、貴方の番だ」。

エリザベスは立ち上がると調査を行うために自分は男性のように装って書評家と取られたといった。

「私は新しい本を、過去五年間、相当に絶え間なく読んで来た」といった彼女。「ウェルズ氏は最も人気の現代作家だ;それから来るのがアーノルド・べネット氏;それからコンプトン・マッケンジー氏;マッケナ氏とウォルポール氏は一纏めに扱われるかも知れない」。彼女は腰を下ろした。

「しかし何も教えないんだ!」、私たちは忠告した。「あるいはこれらの紳士たちはジェーン‐エリオットを大きく上回るといいたいのか、さらにイギリスの小説は――貴方のその書評はどこなのか? おぅ、そうだ、『彼らの手中に守られた』」。

「守られた、全く守られた」、そわそわと足を動かしながら彼女はいった。「彼らが受け取るのもさることながら与えるのは確かだよ」。

私たちは皆がそれについて確かだった。「しかし」、私たちは彼女に迫った、「彼らは良い本を書くか?」。

「良い本?」、天井を見ながら彼女はいった。「思い出さなくてはならないね」、一気呵成に喋りながら彼女は始めた、「小説は人生の鏡だと。そして教育は最も重要なものだと、しかも甚だしく悩まされるのだとは否定され得ない、かりに夜遅くブライトンに一人でいる自分に気付いたら、滞在できる最良の下宿屋はどこかも分からないまま、さらに雨垂れの日曜日の夕べだと考えてご覧――映画に行くのが素敵ではないかしら?」。

「しかしそれと何の関係があるのか?」、私たちは訊いた。

「何もない――何もない――何だろうと何もない」、彼女は返した。

「さて、真実を教えて」、私たちは彼女にいった。

「真実? しかしわくわくしないかな」、彼女は中断した――「チター氏は愛か熱いバター付きトーストについて、過去三十年間、週刊記事を書いたし、息子全員をイートン校へ行かせたんだ――――」。

「真実を!」、私たちは要求した。

「おぅ、真実」、彼女は口篭った、「真実は文学と何の関係もない」、そして腰を下ろすともう何かいおうとはしなかった。

非常に決定的ではないと総じて私たちには思われた。

「婦人方、私たちは結論の取り纏めに努めなくてはなりません」、ジェーンが始めていたのは騒めきが開いた窓を通して、時折、聞かれていたもののその声を掻き消したときだった。

「戦争! 戦争! 戦争! 宣戦の布告を!」、男性たちが下の通りで叫び出していた。

私たちは恐怖で互いを見合わせた。

「何の戦争?」、私たちは叫んだ。「何の戦争?」、私たちは誰も庶民院に送ることを考えてなかったと遅過ぎて思い出した。それについては全く忘れていたのだった。私たちはポルに向き直った、彼女はロンドン図書館の歴史の棚に達していたが、もはや明らかにしてくれるように訊いた。

「なぜ」、私たちは叫んだ、「男性は戦争に行くのか?」。

「時に一つの理由で、時に又別の理由で」、彼女は穏やかに返した。「1760年に例えば――――」、外の大声が彼女の言葉を掻き消した。「再度、1797年に――1804年に――1866年にはオーストリア人が――1870年はフランス‐プロイセンで――1900年は他方で――――」。

「しかし1940年の現在だよ!」、私たちは彼女に口を挟んだ。

「あぅ、何で彼らが、丁度今、戦争するつもりかは分からない」、彼女は認めた。

*   *   *   *   *

戦争は終わって和平が調印される最中だった、私が、もう一度、自分たちの会議が良く開かれた部屋にカスタリアと一緒にいる自分に気付いたとき。私たちは自分たちの古い議事録の本の頁を所在なく捲り始めた。「奇異だ」、私はいった、「自分たちが五年前に思っていたことを知るとは」、「私たちは賛同する」、私の肩越しに読みながらカスタリアが引用した、「良い人と良い本を作ることが人生の目的だと」。私たちは〈そのこと〉に何もいわなかった。「良い男性は少なくとも、誠実で、情熱的で、俗離れしてなくてはならない」。「何という女性の言葉遣い!」、私は述べた。「おや、まあ」と叫んだカスタリア、自分から本を押し退けながら「私たちは何と愚か者だったか! 全てポルの父親のせいだ」、彼女は続けた。「彼がわざとやったと思うな――あんな馬鹿げた遺言を、つまりはポルにロンドン図書館の本を悉く読ませるように仕向けたんだ。かりに私たちが読むことを学ばなかったら」、彼女は苦々しくいった、「私たちは依然として子供を無学に産んでいたかも知れず、しかもそれが思うに結局は最高に幸せだった。貴方が戦争についていおうとしたことは分かるよ」、彼女は私を確かめた、「そして殺されるのを見るべき子供を産むことの恐怖が、しかし私たちの母親はそうした、その母親やその前の母親も。しかも〈彼女ら〉は不平をいわなかった。読むことができなかった。私は最善を尽くすんだ」、彼女は溜め息を吐いた、「自分の可愛い娘が読むことを学ばないように、しかし何の役に立つのか? 私はアンが手に新聞を持つのを昨日だけは見付けて彼女はそれが『真実』かどうかを私に訊き始めていた。次いでロイド・ジョージ氏が良い男性かどうかを訊くだろう、それからアーノルド・べネット氏が良い小説家かどうかを、そして最終的に私が神を信じるかどうかを。私はどうやって自分の娘を何も信じないように育てられるか?」、彼女は要求した。

「確かに貴方は彼女に男性の知性が根本的に女性のものよりも優れている、いつもそうだろうと信じるように教えることができた?」、私は仄めかした。彼女はこれで晴れやかになると私たちの古い議事録を再び捲り始めた。「はい」、彼女はいった、「彼らの発見、彼らの数学、彼らの科学、彼らの哲学、彼らの学識を考えて――――」、するとそして彼女は笑い始めた、「私は老ホブキンと留め針を忘れやしないはずだ」、彼女はいった、さらに読み笑い続けると私は彼女が全く幸せだと思った、その時、突然、彼女は本を引き離して急に大声を出した、「おぅ、カサンドラ、なぜ貴方は私を苦しませるのか? 貴方は私たちの男性の知識への信頼が彼ら全員の最大の誤信だと知らないのか?」、「何で?」、私は声を上げた。「国のどんな記者でも男性教員でも政治家でも居酒屋の主人でも訊いて、すると男性は女性よりももっと利口だと教えられるばかりだよ」。「まるで私が疑いを抱いたようだ」、彼女は侮蔑的にいった。「彼らはどうやってそうなったのか? 開闢以来、彼らが利口かも知れないゆえにたとえ他に仕様もなかったとしても私たちが育てては彼らを食べさせて快適にしたのではなかったか? 全て私たちのやることだ!」、彼女は叫んだ。「私たちは知性を持つことを主張したし、今や手に入れたんだ。つまりそれが知性だ」、彼女は続けた、「その原因なんだ。何で知性を磨き始める以前の少年よりももっと魅せられ得るか? 彼は見た目に美しい;彼は勿体振らない;彼は芸術と文学の意味を本能的に理解する;彼は自分の人生を楽しみながら他の人たちを楽ませることに取りかかる。その時、彼らは彼に己の知性を磨くことを教える。彼は法廷弁護士、文官、将官、作家、教授になる。毎日、職場へ向かう。毎年、本を作る。彼はその頭脳の産物で家族全体を養う――可哀想な人よ! 直ぐに私たち全員を不快に感じさせなければ部屋に入ることはできないんだ;自分の会うあらゆる女性たちに謙遜して自分自身の妻にさえも敢えて真実を話さない;彼を腕に抱えようとすれば私たちは目を喜ばせる代わりに閉じなくてはならない。真実、その慰めがあらゆる形の星、あらゆる色のリボン、あらゆる幅の収入に見出だされる――しかし私たちを慰めるのは何か? 十年後にラホールで週末を過ごせるに違いないということ? さもなければ日本の最も小さな昆虫が己の体長の二倍の名前を持つということ? おぅ、カサンドラ、お願いだから、男性が子供を産める方法を考え出させて! それが私たちの唯一の好機だよ。つまり私たちが彼らに何かの他愛ない気晴らしを与えないかぎりは良い人も良い本も得られないに違いない;私たちは彼らの勒の外れた活動による結実の下で死ぬに違いない;もはや人間は、昔、シェークスピアがいたと知るために生き残るのではない!」。

「遅過ぎる」、私は返した、「私たちは自分たちが持つ子供にさえも与えられない」。

「そうして貴方は私に知性を信じることを求める」、彼女はいった。

私たちが喋っている間、男性たちは通りで声を枯らして怠そうに叫んでいた、そして耳を傾けながら私たちは平和条約が、丁度、調印されたのだと聞き取った。声は次第に消えた。雨が落ちていて疑いなしに花火の好ましい爆発で阻まれた。

「私の調理師が『イブニングニュース』を買って来るだろう」といったカスタリア、「するとアンはそれを午後食を取りながら一字ずつ読んでいるだろう。私は帰らなくてはならない」。

「良くない――少しも良くない」、私はいった。「一度でも読み方を覚えれば彼女に信じるように教えられるたった一つのことがある――つまりそれは彼女自身だ」。

「まあ、気分転換にはなる」と溜め息を吐いたカスタリア。

そこで私たちは自分たちの社会の書類をさっと取った、そしてアンは非常に幸せに自分の人形で遊んでいたけど、私たちは真面目に彼女に一つばかりの贈り物をして未来の社会の会長になるべく選んだと教えた――それに彼女はわっと泣き出した、哀れな小さな女児よ。

関連:ヴァージニア・ウルフの社会の原文と注解

参考:Monday or Tuesday

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