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些細な日常

as may beなどの主語がない接続詞節による疑似関係代名詞の用法|英文法

英語の小説、キャサリン・タイナン・ヒンクソンの一人者の日本語訳で気になった英文法にas may beなどの主語がない接続詞節による疑似関係代名詞があった。

一部の接続詞節は主語がない場合もあり得る

He minds her as little as may be, working on the farm during the day-time, and in the evening departing, with his slow, heavy step, to his sanctum upstairs, where he has his books, his carpenter's tools, and his telescope.

彼は彼女を少しくらいしか気にしない、昼間は農場で働いて夕べにはゆっくりと重い足取りで上の階の私室へ離れるが、そこには自分の本、大工道具、望遠鏡があった。

A Solitary by Katherine Tynan Hinkson(太字と訳文は筆者)

参ったのは同格のas~as…(…と同じ~)の構文で、後ろのasに名詞が続かず、動詞の「be」を介した文章のはずだけど、主語がないために何が何だかさっぱり分からなかった。

調べるとasやthanやbutといった一部の接続詞には関係代名詞のように扱われる用法があって文法上は疑似関係代名詞と呼ばれる。

なので引用の「as may be」は接続詞のas以下を関係代名詞節として捉えなくてはならない。通常の関係代名詞と同じように疑似関係代名詞にも後ろの文章がかかって修飾するべき前の名詞、すなわち先行詞があるけど、引用の文章では「little」の少量という代名詞の先行詞にかかってas以下の文章が疑似関係代名詞節として修飾している。

疑似関係代名詞となる接続詞の見分け方について

接続詞のasやthanやbutが疑似関係代名詞かどうかを見分けるには修飾される先行詞に相当する名詞(一般名詞、固有名詞、代名詞)があるかどうかとその後が動詞を介した文章という節になっているかどうかの二つの条件が揃っていることが挙げられる。

asの疑似関係代名詞

as/so/the same/such~as…の限定用法

I have as big a car as you have.

僕は君と同じくらい大きな車を持っている。


This pond has so many kois as are over three years old.

この池には三歳以上の鯉が、沢山、いる。


Is his cap the same color as panda is?

彼の帽子はパンダと同色ではないか?


A smile is such a treasure in life as makes everyone shine.

笑顔は皆を輝かせる人生の宝物のようだ。

同格の構文のas~as…やthe same~as…やsuch~as…から来る疑似関係代名詞のasは限定用法と呼ばれる。

as…の継続用法

As is often the case with him, Mike eats ramen and gyoza.

良くあることだけど、マイクは拉麺と餃子を食べる。

asが一つだけだと継続用法と呼ばれる。否定形は取らず、コンマで区切られて先行詞が名詞ではなくて区切られたもう一つの文章、例文だと「Mike eats ramen and gyoza」の全体を対象として修飾する。順番を入れ替えて疑似関係代名詞節が最初に現れることもあり得る。

関係代名詞だと非制限用法に相当するけれどもその節の中で否定形を取らないとかそれ自体が先行詞の前に置かれることも可能なんてところが違う。

thanの疑似関係代名詞

比較級~than…の比較のもの

Hitomi plans to plant one ore flowers in her garden than she picked yesterday.

瞳は、昨日、摘んだよりも一本多くの花を植えりことを予定している。

形容詞の比較級、三音節以上の形容詞の場合はmore(増加的)かless(減少的)が直前に付いたものを使った比較級~than…(…よりも~)という比較の構文から来る。比較級の形容詞が付いて修飾される名詞を先行詞としてthan以下の文章でさらに修飾しながら比較する。

butの疑似関係代名詞

no~but…の否定のもの

There are no students but wear their own uniforms.

生徒たちは自分の制服を皆着ている。

butの疑似関係代名詞は否定の「no」を付けた先行詞に対してのみ使われる。特に否定関係代名詞と呼ばれてno~but…(…でない~はない)という二重否定の構文からしか来ない。形式的で古い印象を与える表現として文語/書き言葉でしか殆ど使われず、現在は使われること自体も滅多にないらしい。

疑似関係代名詞は関係代名詞だと制限用法(先行詞を包括的に修飾するもの)のように先行詞の後ろに置かれる場合が多い。asの継続用法は例外的だけど、その他は一般的に先行詞とコンマで区切られることはない。先行詞の位置も同じように前置詞などが付けられると疑似関係代名詞となる接続詞は離されるので、必ずしもその直前にあるとはかぎらない。

主格の疑似関係代名詞節のみ主語が付かない

疑似関係代名詞のasやthanやbutには関係代名詞のwho / whomかwhichかthatの役割があって一つ目は人、二つ目は人以外、三つ目は人と人以外の先行詞に使い分けられるけど、何れも使い方は主格と目的格の二つがある。

主格の関係代名詞の特徴
whoかwhichかthat
先行詞を主語とするから関係代名詞節に主語はない
目的格の関係代名詞の特徴
whomかwhichかthat
先行詞を目的語とするから関係代名詞節に主語はある

疑似関係代名詞の文章に主語が付かないのは先行詞を主語とする主格のものにかぎられる。

I ate so nice a piece of pizza as was baked in the authentic Italy.

私は本場のイタリアで焼かれたような素敵なピザ一切れを食べた。

接続詞のasとthanとbutの後には動詞が主語なしで来ることがあり、文法上は疑似関係代名詞の主格の用法と考えられる。

参考サイト
  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: as may beなどの主語がない接続詞節による疑似関係代名詞の用法|英文法
  • 最終更新: 

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