スキップしてメイン コンテンツに移動

きかんしゃトーマスのoh the indignityという面白い間投詞

アニメのきかんしゃトーマスでゴードンの台詞に良く出て来る「oh the indignity」が何だろうと感じた。

英語のindignityは尊厳や品位のdignityに否定の接頭辞のinが付いたもので、尊厳を失っての屈辱や品位を落としての侮蔑を意味する。この名詞がそのままで、感嘆のohと共に投げ出されるようにいわれるだけなのが分かり難かった。

調べると屈辱や侮蔑の気持ちを端的に表す間投詞として使われるらしくて確かに失望させられるような場面でいつも聞かれる。

慇懃なゴードンにぴったりの言葉

知って面白いと思うのが「oh the indignity」はゴードンの慇懃なキャラクターにぴったりの言葉として受け留められる。

気持ちにおいてindignityは面目ない印象を与えるわけだけれども普段から反対のdignityという尊厳や品位を重んじてこそいわれてもしっくり来る。

ゴードンは急行列車を牽引する蒸気機関車で、持ち前の速さに誇りを抱いていて自尊心が非常に高く、それだけキャラクターも慇懃で、周りに対して格上というか、付き合い方は真面目過ぎるほどの様子を見せさえもするんだ。

夕闇の中で不満げな表現のゴードン

Before he knew it, it was morning, and his fireman was warming up his firebox.

So he could pull the express, and the men got the turntable working again, but no sooner had it turned away from Gordon, it stopped.

The cold weather really didn't agree with this.

Gordon was very surprised. He was ready to go. It was time to pull the express, but the turntable wouldn't turn back. It was well and truly stuck again, and that meant Gordon was stuck too.

"Oh the indignity."

訳文

気付くや朝で、火夫が火室を暖め上げていた。

なので彼は急行を引けたし、人夫らは転車台を又動けるようにしたが、ゴードンから回り離れるや否やそれは止まった。寒気はこれに一致しなかった。

ゴードンは非常に驚いた。行く準備は整った。急行を引く時間になったが、転車台は回り戻らなかった。再びどうにも動かれず、もはやそれはゴードンも動かれないことを意味した。

「おぅ、無様よ」。

Thomas & Friends™ | Frozen Turntable | Thomas the Tank Engine | Kids Cartoon|Thomas & Friends(訳文は筆者)

ゴードンの慇懃なキャラクターを踏まえれば「oh the indignity」の間投詞の気持ちは「おぅ、無様よ」とか「おぅ、何ということだ」なんて訳せるだろう。

言葉だけではなく、発音も特徴的で面白い。息を詰めながら所々を震わせていわれるのが真似したくなるほどに同情を誘われるんだ。普段の堂々とした雰囲気から一転して如何にも萎縮してついに崩れ去って行くらしい気持ちがリアルに伝えられる。

作中では他のキャラクターのトーマスやトップハム・ハット卿などがゴードンのつもりで「oh the indignity」の台詞をいうこともあり、慇懃なキャラクターにかぎらず、本当に失望させられるような場面で誰にでも相応しくて取り返しが付かない事態への甚だ狼狽する自滅的な思いを捉えている。

慣用句としての一般的な用法もある

ゴードンの「oh the indignity」は必ずしもきかんしゃトーマスに独自の間投詞ではなくて世の中で同様の言葉遣いを見かけることがある。

すると「oh the indignity of it (all)」の形になっていることが多くて慣用句として成り立っている。「of it」、または「of it all」が付くと「いやはや」、または「いやはやどうにも」のような仕方で、「oh the indignity」の「おぅ、無様よ」とか「おぅ、何ということだ」なんて面目ない印象が強調されることになる。

その他、「oh the indignity of ~」で何が厳しいのか、参らざるを得ない状況を明示することもできるし、目的語を付けて例えば「oh the indignity of being stuck」とすると「おぅ、動かれないのは無様よ」のような意味になる。

思い通りにならない世界、上手く行かない人生に如実に触れられるのは哀切的で、不幸、悲惨だけれども全てを包み込んで情通わせる趣きがある言葉だから惹かれる。

関連:きかんしゃトーマスのcinders and ashesという独自の間投詞

参考:きかんしゃトーマスのセリフでよく出てくる単語で、どういう意味で

コメント