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葡萄の栄養素と健康効果を覚える

葡萄はブドウ科ブドウ属の蔓性落葉常緑樹の植物、または果物で、最も古く知られるヨーロッパブドウはコーカサス地方とその周辺を原産地として起源前三千年頃から栽培とワインの製造が行われていた。もう一つ病気への耐性が強くて雨が多くても育ち易い北アメリカ東部が原産地のアメリカブドウも独特の香が不向きなワイン以外の食品に良く使われる。日本では中国から入った東アジア系ヨーロッパブドウが自生した甲州が鎌倉時代から知られる。明治時代以降、外国の様々な品種を改良して主に生食用の巨峰やシャインマスカットといった国内種が多く生産されている。

葡萄の果肉に含まれる栄養素と100g毎の分量の目安

蔓から下がる黒葡萄
  • 蛋白質_0.4g
  • 脂質_0.1g
  • 炭水化物_15.7g
  • ナトリウム_1mg
  • カリウム_130mg
  • カルシウム_6mg
  • マグネシウム_6mg
  • リン_15mg
  • 鉄_0.1mg
  • 亜鉛_0.1mg
  • 銅_0.05mg
  • マンガン_0.12mg
  • ビタミンA_2μgRAE
  • ビタミンE_0.3mg
  • ビタミンB1_0.04mg
  • ビタミンB2_0.01mg
  • ナイアシン_0.1mgNE
  • ビタミンB6_0.04mg
  • 葉酸_4μg
  • パントテン散_0.1mg
  • ビオチン_0.7μg
  • ビタミンC_2mg
  • 食物繊維_0.5g

出典:果実類/ぶどう/生|食品成分データベース

葡萄の果肉の栄養素で多いとはっきりいえそうのは一つもない。含まれる栄養素の種類は少なくないだろうけれども分量は総じて少なめで、どれも100gで成人の一日当たりの標準摂取量の一割近くも越えないようだ。強いて挙げると炭水化物と銅とビタミンEの三つが全く少ないというほどの分量ではない。

葡萄の場合、皮も食べて初めて普通の果物と同じくらいの栄養価になるとも過言ではない。皮付きの葡萄だと皮なしの栄養素が総じて底上げされて特にカリウムやビタミンKや葉酸が大きく増える(果実類/ぶどう/皮つき、生)。健康成分のポリフェノールも皮の色素から倍増するだろう。

葡萄は世界的にワインの原料として使われることが非常に多い。これだと果肉と皮と種の全てが含まれて栄養素や健康成分が十二分に取れるものになると考えられるけど、ただし色付きの黒葡萄などから発酵後に圧搾して作られる一般的な赤ワイン以外は皮や種の栄養素や健康成分は少ないらしい。葡萄ジュースはどの色の葡萄が原料でも作り方は同じかも知れないけれども例えば健康成分のアントシアニンが熟成するほどに活性化して能力を上げるような利点を持つ赤ワインよりも健康効果は下がるかも知れない。しかし何れも皮なしの葡萄の果肉だけを食べるよりも健康効果は相当に高いといえそうだ。

さらにドライフルーツの干し葡萄/レーズンになると栄養素の分量は大方が激増する。六倍くらいになるものが多く、100g毎の成人の一日当たりの標準摂取量で、クロムが九割、銅とモリブデンが五割、炭水化物とカリウムと鉄が三割、ビタミンEとビタミンB6と食物繊維が二割、カルシウムとマグネシウムとリンとビタミンB1とナイアシンとビオチンが一割に達するかも知れない(果実類/ぶどう/干しぶどう)。製法上、葡萄に限られる利点ではないだろうけれども生の果肉だけでは栄養素がさほど期待できない葡萄にとっては非常に有り難い。

栄養素の炭水化物の健康効果について

炭水化物は食物繊維を除くと糖質で、全身のエネルギーになる。エネルギーは蛋白質や脂肪からでも得られるけれども糖質はエネルギーになることが中心的な効果と考えられる。余分なものは中性脂肪として蓄積されて必要なときに使われるようになる。

葡萄の炭水化物は単糖類(不分割で最小単位の糖質)のブドウ糖と果糖が同程度の分量で大半を占めている。

葡萄に含まれる二種類の炭水化物の糖質

ブドウ糖/グルコース
単糖類。分解される必要がなく、吸収が速くて直ぐにエネルギーに使われる。脳の神経細胞と血液の赤血球にかぎっては食事から得られる栄養素として唯一のエネルギー源とされる。肝臓で大部分が代謝される。食後の血糖を上げ易く、膵臓でインスリンの分泌を促す。それによって血糖が細胞に取り込まれ易くもなる。エネルギー以外は肝臓や筋肉にグリコーゲン(ブドウ糖による多糖類)として貯蔵されて――筋肉への取り込みは運動量に大きく左右される――過剰になると体脂肪に回される。
果糖/フルクトース
単糖類。分解される必要がなく、吸収が速くて直ぐにエネルギーに使われる。肝臓で最も多く、次には筋肉で代謝される。食後の血糖値を上げ難く、膵臓でインスリンの分泌を促さない。代謝物がエネルギーになる他は肝臓でブドウ糖に専ら変換されるか中性脂肪に合成される。食事でブドウ糖と同時に摂取した場合――一つの食材に両方とも含まれることが殆どらしい――果糖の方が速く代謝されるためにインスリンが増えたところで、分解酵素の活性も弱くて中性脂肪が合成され易く、体脂肪も増え易い。

参考:ブドウ糖 果物 ブドウ糖の取り込みとインスリン分泌の関係(PDF)

炭水化物の糖質は何れも蛋白質の節約を果たす。エネルギーが不足すると筋肉などの身体組織の蛋白質が使われて減ったり、食事で取り込まれた蛋白質がそららの合成に使われなくなる。糖質はエネルギー源そのものなので、蛋白質のエネルギーとしての喪失を何よりも防ぐことができる。

炭水化物の標準摂取量は成人で一日当たり50~60%エネルギーと見込まれる。分量は炭水化物のエネルギーを1gで4kcalとすると「標準摂取カロリー × 0.5~0.6 ÷ 4」の計算式で求められる。成人の標準摂取カロリーをおよそ2350kcalとすると293.75~352.5g程度(運動量によって必要性が増減する)になる。

炭水化物が不足した場合の危険性

不足すると、エネルギー不足による疲労感や集中力の減少が見られ、また、ブドウ糖が必要な脳・神経で供給不足が起こると、意識障害を起こすこともあります。

毎日のエネルギーは蛋白質や脂質でも取れるし、一般的に過剰摂取によって肥満や糖尿病などの生活習慣病の危険性が増すのを避けたいけど、ダイエットで減らし過ぎるのも良くないので、標準摂取量を保って不調を引き起こさないように注意したい。

参考:三大栄養素の炭水化物の働きと1日の摂取量

栄養素の銅の健康効果について

銅は微量ミネラルで、半分以上が筋肉や骨、一割程が肝臓、残りが血液や脳にあり、約十種類の酵素の活性部位に含まれてエネルギー産生や鉄の代謝(赤血球やDNAの合成)や細胞外基質の成熟や神経伝達物質の合成や活性酸素の除去に影響している。

銅の標準摂取量は成人で一日当たり70.9~4.0mg程度と見込まれる。ただし女性の妊娠中は0.1mg、授乳中は0.6mgを追加する。

銅が不足した場合の危険性

食事性欠乏における症状は、鉄投与に反応しない貧血、白血球減少、好中球減少、脊髄神経系の異常などである。

不足すると専ら造血や神経伝達に支障を来すけど、体内での回収率が高くて通常の食生活で危険なのはむしろサプリメントでの過剰摂取らしい。酸化ストレスが増えたり、生活習慣病を引き起こす一因になるかも知れないので、標準摂取量を保って不調を引き起こさないように注意したい。

参考:ミネラル成分の銅の働きと1日の摂取量

栄養素のビタミンEの健康効果について

ビタミンE(αかβかγかδのトコフェロールとトコトリエノール)は脂溶性ビタミンで、抗酸化作用があり、細胞を活性酸素(エネルギー産生の派生物)による不要な攻撃から守る。免疫力を高めて細菌やウイルスを遠ざけたり、血管を拡張して血液が凝固するのを防いだりする。

ビタミンEの標準摂取量は成人で一日当たり5.0~7.0mg程度(α‐トコフェロール)と見込まれる。

ビタミンEが不足した場合の危険性

ビタミンE欠乏症は神経や筋肉に損傷を与える可能性があります。そうした損傷は、腕や脚の感覚喪失、身体運動制御の喪失、筋力低下、視覚障害を引き起こします。免疫機能の低下もビタミンE欠乏症の徴候のひとつです。

ビタミンEが欠乏症に陥るまで不足することは滅多になく、陥るのはおよそ脂肪の消化吸収を損う疾患に起因しているけど、標準摂取量を保って不調を引き起こさないように注意したい。

参考:ビタミンEの働きと1日の摂取量

黒葡萄と赤葡萄と白葡萄の違い

葡萄は皮の色で黒と赤と白(緑)の三種類に大別される。それぞれの栄養素は殆ど同じらしく、果肉は色も似ている。違うのは専ら皮の色で、その色素のポリフェノールが最も異なる健康効果を示すことになる。

黒葡萄
アントシアニンとカテキンが多くてレスベラトロールは少ない。
生食用
巨峰、ピオーネ、ナガノパープルなど。
酒造用
カベルネソーヴィニヨン、メルロー、ピノノワールなど。
赤葡萄
アントシアニンもレスベラトロールもカテキンも程々にある。
生食用
デラウェア、安芸クイーン、甲斐路など。
白葡萄
レスベラトロールが多くてアントシアニンとカテキンは少ない。
生食用
マスカットオヴアレキサンドリア、シャインマスカット、ピッテロビアンコなど。
酒造用
シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン、リースリングなど。

※葡萄のポリフェノールは概して皮や種に圧倒的に多く含まれて果肉には僅かしか含まれない。

葡萄の品種によってポリフェノールの含有量は大きく変わり得るけど、一般的に色付きのものがアントシアニンとカテキン(タンニンの一種)、色付きでないものにレスベラトロール(スチルベン化合物の一種)を多く持つ。

黒と赤の色素はアントシアニンが中心で、濃いほどに増えるから赤よりも黒の方が多くなる。

白はカテキンが少ないから色付きよりも苦味(タンニンの渋味)がなくてすっきりした味わいになる。

三つのポリフェノールの分量の目安としてやはり品種によって大きく変わり得るけど、アントシアニンが含まれ易くて多くて1gに三桁(1000)μg以上、次がレスベラトロールで多くて1gに二桁(10)μg以上、含まれ難いのがカテキンで多くて1gに一桁(1)μg以上くらいになる。

葡萄のボリフェノールというと色付きのもののアントシアニンが圧倒的に多くて中心となる。黒葡萄や赤葡萄のアントシアニンの含有量は品種以外にも栽培で大きく増減して一般的に日照不足で色付かずに増えず、日照十分で良く生育して糖度が高いと増え易いとされる。

参考:岡山産ぶどうに含まれるポリフェノールの分析 ぶどうの主な品種一覧 糖蓄積がブドウの着色に及ぼす影響

ポリフェノールのアントシアニンの健康効果について

赤ワインの健康効果として発見されたポリフェノールのアントシアニンはポリフェノール自体を食品の健康成分として人々に注目させる切欠となった。

1991年にフランス人は喫煙率が高くてバターなどの動物性脂肪を多く取るのに虚血性心疾患の死亡率が低いのなぜか、所謂、フレンチパラドックスについて赤ワインを一緒に飲むためだと示唆する論文(セルジュ・ルノー)が発表された。以来、多くの研究が進められて赤ワインのポリフェノールの主にアントシアニンが強い抗酸化作用を持っていて血中の悪玉コレステロールの酸化による変性を防いで動脈硬化を遅らせてさらに進行させる血管平滑筋細胞の遊走も阻むなどの健康効果があるためにフレンチパラドックスの低い死亡率が可能だと考えられている。

アントシアニンは色素の基本となるフラボノイド系色素のひとつです。分子の構造や酸性度によって紫色、赤紫色、青色、赤色、だいだい色に色が分かれます。アントシアニンを豊富に含む食品はブルーベリーがよく知られていますが、黒ぶどうや赤しそ、黒豆、なす、紫キャベツ、プルーン、いちごなどの色の濃い野菜や果物に多く含まれています。 アントシアニンには、抗酸化作用、視力回復作用、コラーゲンの合成促進、血圧上昇抑制効果などが報告されています。また内臓脂肪や血液中の脂肪の蓄積、血糖値の上昇を抑える生活習慣病予防効果も期待されています。

個人的に実感したのは少年期の目が悪くなり始めた頃にブルーベリーのガムを噛んでいたら目が見え易くなった。知らずに驚いたものの振り返るとアントシアニンを取り込んでいたわけだった。すると網膜で光を受け取るロドプシンの再合成が促されるらしい。完全な近視になってからは以前ほどの大きな変化は認められないけど、しかし僅かな摂取でも素晴らしい健康効果が視力にあるから目が疲れ易い生活にはきっと役立つ。

アントシアニンのその他の健康効果は何よりも赤ワインで発見された素晴らしい抗酸化作用を筆頭に全身の健康に寄与しながら不老長寿に役立つ特徴を多く備えているようだから頼もしいかぎりの健康成分だと思う。

参考:ぶどう 種類の多さにビックリ! 「ブドウ」の皮の違いによる栄養成分とみんなが知っている糖分 赤ぶどうとはどう違う?「白ぶどう」の品種と栄養について 黒ブドウ・白ブドウそれぞれの特徴と造られるワイン ブドウとワインに含まれるポリフェノール類の健康効果

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