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ラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たかの日本語訳

イギリスの作家、小説家で詩人のラドヤード・キップリングの童話集その通り物語(1902)の収録作品の駱駝はどのように瘤を得たかの日本語訳を行った。

作品の出典

How the Camel Got His Hump by Rudyard Kipling/ラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たか
原文:Wikisource作品集
朗読:LibriVoxカラ・シャレンバーグ

両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。

日本語の訳文

砂漠を一頭の駱駝が歩いている

さぁ、この次の物語では駱駝がどうやって大きな瘤を得たかを教えよう。

年頭、世界がまだ出来立てで、動物が人間のために働き始めたばかりの頃、駱駝がいて働きたくないから途方もない砂漠の真ん中に住んでいた;しかも自分自身が途方もない奴だった。つまり彼は棒や刺や檉柳や唐綿や針を食べ、何にも況して怠けていた;そして誰かに話しかけられたときは「へん!」というのだった。全く「へん!」だけしかない。

間もなく、馬が月曜日の朝に訪れた、背中に鞍と口に轡で、するといった、「駱駝よ、おぉ、駱駝、出て来て私たち他の者みたいに駆けろ」。

「へん!」といった駱駝;もはや馬は立ち去って人間に話した。

間もなく、犬が訪れた、口に棒で、するといった、「駱駝よ、おぉ、駱駝、来て私たち他の者みたいに使い走れ」。

「へん!」といった駱駝;もはや犬は立ち去って人間に話した。

間もなく、役牛が訪れた、首に軛で、するといった、「駱駝よ、おぉ、駱駝、来て私たち他の者みたいに耕せ」。

「へん!」といった駱駝;もはや役牛は立ち去って人間に話した。

その日の終わり、人間は馬と犬と役牛を呼び集めていった、「三者よ、おぉ、三者、済まないな(まだ出来立ての世界で);さてや砂漠のあの怠け者は働けない、さもなければこちらに今頃はいただろう、なので私は彼を置き去りにするつもりだ、君たちは埋め合わせに、二倍、働かなくてはならないぞ」。

三者は大変に怒った(まだ出来立ての世界で)、そして協議、〈インダーバ〉、〈パンチャーヤト〉、パウワウを砂漠の端で開いた;すると駱駝が棒を噛みながら何にも況して怠けてやって来て彼らを笑った。それから「へん!」というと再び立ち去った。

間もなく、全砂漠を預かるジンが現れて土煙に巻かれつつ(魔法のゆえにジンはいつもそんなふうに旅する)、そして三者の協議やパウワウに立ち寄った。

「全砂漠のジン」といった馬、「怠けるのは誰にとっても正しいか、まだ出来立ての世界で?」。

「正しくはない」といったジン。「じゃあ」といった馬、「お主の途方もない砂漠の真ん中に長い首と長い脚の一頭がいるぞ(途方もない奴が)、月曜日の朝から一つも働きやしない。駆けないんだ」。

「ひぇー!」といったジン、口笛を吹いてから「それは我輩の駱駝、つまりはアラビアの全黄金よ。何かいうのか?」

「『へん!』というよ」といった犬;「そして使い走らないんだ」

「他に何かいうか?」

「『へん!』だけだよ;そして耕さないんだ」といった役牛。

「宜しい」といったジン。「少し待ってくれるならば我輩が彼にへんといってやろう」。

ジンは土煙のクロークに巻き上がって砂漠の方角を見渡すと駱駝が何にも況して怠けており、水溜まりに映る自分の姿を眺めているのを見付けた。

「長くて泡吹きの友人よ」といったジン、「働かないお主のことを聞かされるとは何事か、まだ出来立ての世界で?」。

「へん!」といった駱駝、

ジンは手を顎に当てて座り込むと駱駝が水溜まりに自分の姿を眺めている間に物凄い魔法を考え始めた。

「お主は三者に月曜日の朝からずっと余分な仕事を増やしている、全くの何にも況した怠けによって」といったジン;そして手を顎に当てて魔法を考え続けた。

「へん!」といった駱駝、

「我輩がお主ならばそう再びいわん」といったジン;「執拗くいうな、泡よ、お主には働いて欲しいんだ」

すると駱駝は「へん!」と又いった;ところがいうが早いか自分の背中がとても誇らしかったのが物凄く大きなよたよた歩きのへんへ膨れに膨れるのが見えた。

「それが分かるか?」といったジン。「それが働かないことによって正しくお主自身の身に齎された正しくお主自身のへんだ。今日は木曜日で、月曜日の仕事が始まったときから働かずにいる。さぁ、働くだろう」。

「どうやるのか」といった駱駝、「へんを背負って?」。

「使い途は明らかだ」といったジン、「お主が例の三日を損ったからだよ。へんで生きられるから今や食べずに三日間を働くことができよう;我輩がお主のために何もしなかったとでもいうのか。砂漠から出て三者へ赴いて行儀良くしてくれ。へんはお主自身にいえ!」。

すると駱駝は彼自身にへんといった、すっかりとへん、そして三者に加わろうと立ち去った。もはやその日からこれまで駱駝はいつもへん(気分を害さないために私たちは〈瘤〉と今は呼ぶ)を着けている;しかし世界の始まりに損った三日にはまだ追い付いておらず、どう行儀良くするかもまだ身に付いてはいない。

     駱駝の瘤は醜い塊だ
       動物園で良く見かけるが
       もっと醜いのは殆ど労せず
     手に入れる瘤だよ

     子供だって大人だってねーね――
     碌なことをしなけりゃねーね――
       瘤を手に入れる――
       駱駝っぽい瘤を――
     黒くて青い瘤だよ!

     乱れた頭でベッドから這い出し
       さらに不機嫌な声で
     震えて顔を顰めて唸って吠える
       浴槽やブーツや玩具に

     もはや隅にいるべきだ
     (もはや君もそうだろう)
       瘤を手に入れたら――
       駱駝っぽい瘤を――
     黒くて青い瘤だよ!

     この病を治すにはじっと座ったり、
       暖房のそばの本で落ち着くのではない;
     さてや鍬とかシャベルなんて取って、
       そして汗水を垂らして掘ることさ;

     すれば太陽と風に気付くだろう
     さらに野外のジンもさ
       瘤を隆起させていた――
       恐ろしい瘤を――
     黒くて青い瘤だよ!

     君と同じく分かるんだねーね――
     碌なこともしなけりゃねーね――
       瘤を手に入れるばかり――
       駱駝っぽい瘤を――
     子供だって大人だって!

参考:How the Camel got his Hump

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