ラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たかの日本語訳 結城永人 - 2021年6月16日 (水) イギリスの作家、小説家で詩人のラドヤード・キップリングの童話集その通り物語(1902)の収録作品の駱駝はどのように瘤を得たかの日本語訳を行った。 ラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たかの英語の出典 How the Camel Got His Hump by Rudyard Kipling/ラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たか原文:Wikisource(作品集)朗読:LibriVox(ティム・バルクレイ) 両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。 関連ページラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たかの原文と注解 ラドヤード・キップリングの駱駝はどのように瘤を得たかの日本語の訳文 Illustration to How the Camel Got His Hump from Garden City, N.Y. : Doubleday & Co., Inc / Public domain Illustration to How the Camel Got His Hump by Kipling, Rudyard, Gleeson, Joseph M. (Joseph Michael), or Bransom, Paul, 1885- (ill.) / Public domain さぁ、この次の物語では駱駝がどうやって大きな瘤を得たかを教えるよ。 月日の始まりに世界がまだ出来立てで、動物が人間のために働き始めたばかりの頃、駱駝がいて働きたくないために荒涼とした砂漠の真ん中に住んでいた;さらに自分自身が荒涼とした者だった。だから彼は枝や刺や檉柳や唐綿や針を食べ、最高度に怠けていた;そして誰かに話しかけられたときは「ふん!」というのだった。「ふん!」だけで、それ以上は何もなかった。 間もなく、馬が月曜日の朝に訪れた、背中に鞍と口に轡で、「駱駝、おぉ、駱駝、出て来て私たち他の者みたいに駆けろ」といった。 「ふん!」といった駱駝;すると馬は立ち去って人間に話した。 間もなく、犬が訪れた、口に棒で、「駱駝、おぉ、駱駝、来て私たち他の者みたいに使い走れ」といった。 「ふん!」といった駱駝;すると犬は立ち去って人間に話した。 間もなく、牛が訪れた、首に軛で、「駱駝、おぉ、駱駝、来て私たち他の者みたいに耕せ」といった。 「ふん!」といった駱駝;すると牛は立ち去って人間に話した。 その日の終わり、人間は馬と犬と牛を呼び集めると「三者、おぉ、三者、済まないな(まだ出来立ての世界で);さてや砂漠のあのふん者は働けない、さもなければこちらに今頃はいただろう、たから私は彼を置き去りにするつもりだ、君たちはそれを補うために、二倍、働かなくてはならないぞ」といった。 三者は大変に怒った(まだ出来立ての世界で)、そして協議、〈インダバ〉、〈パンチャイエット〉、パウワウを砂漠の端で開いた;すると駱駝が唐綿を噛みながら〈最〉高度に怠けてやって来て彼らを笑った。それから「ふん!」というと再び立ち去った。 間もなく、全砂漠を預かるジンが土煙に巻かれつつ(魔法のゆえにジンはいつもそんなふうに旅する)現れると三者と協議して話し合うために止まった。 「全砂漠のジン」といった馬、「怠けるのは誰にとっても正しいか、まだ出来立ての世界で?」。 「正しくはない」といったジン。「じゃあ」といった馬、「お主の荒涼とした砂漠の真ん中に長い首と長い脚の一頭(つまり自分自身が荒涼とした者なんだ)がいるぞ、月曜日の朝から正面に働いてない。駆けないんだ」。 「ひゃー!」といったジン、口笛を吹いてから「それは我輩の駱駝、すなわちアラビアの全黄金よ。彼はそれについて何かいうか?」 「『ふん!』というよ」といった犬;「もはや使い走らないんだ」 「他に何かいうか?」 「『ふん!』だけさ;もはや耕さないんだ」といった役牛。 「宜しい」といったジン。「少し許り待ってくれれば我輩が彼にふんといってやろう」。 ジンは土煙のクロークに巻き上がって砂漠の方角を見渡すと駱駝が最高度に怠けており、水溜まりに映る自分の姿を眺めているのを見付けた。 「のっぽで泡吹きの友人よ」といったジン、「働かないお主のことを聞かされるとは何事か、まだ出来立ての世界で?」。 「ふん!」といった駱駝。 ジンは手を顎に当てて座り込むと駱駝が水溜まりに自分の姿を眺めている間に物凄い魔法を考え始めた。 Illustration to How the Camel Got His Hump by Kipling, Rudyard, Gleeson, Joseph M. (Joseph Michael), or Bransom, Paul, 1885- (ill.) / Public domain これは駱駝にふんを齎した魔法の糸口を開くジンの絵だ。最初、己の指で空中に線を引いた、するとそれは固くなった;そうして彼は雲を作った、そうして卵を作った――それらは両方とも絵の下部に見えるね――そうして大きな白い炎に変わる魔法の南瓜があった。 それからジンは魔法の扇を取ってその炎をそれ自体が魔法に変わるまで扇いだ。それは良い魔法で、駱駝が怠け者だからふんを与えなければならなかったけど、本当に非常に優しい魔法だった。全砂漠を預かるジンは最も素敵なジンの一人だったので、本当に優しくないことはしないのだ。 「お主は三者に月曜日の朝からずっと余分な仕事を増やしている、全ては極度の怠けのために」といったジン;そして手を顎に当てて魔法を考え続けた。 「ふん!」といった駱駝。 「我輩がお主ならばそうは再びいわないはずだ」といったジン;「お主は、余りに度々、そういうかも知れない、泡吹きよ、お主には働いて欲しいんだよ」 すると駱駝は「ふん!」と又いった;ところがそういうが早いか自分の背中を見た、とても誇らしかったが、大きなだらりとしたふんへ膨れに膨れるのだった。 Illustration to How the Camel Got His Hump by Kipling, Rudyard, Gleeson, Joseph M. (Joseph Michael), or Bransom, Paul, 1885- (ill.) / Public domain ここに全砂漠を預かるジンが魔法の扇で魔法を先導する絵がある。駱駝はアカシアの小枝を食べており、丁度、「ふん」と余りに度々、いい終えた(ジンが彼にそうするように話した)ところだった、それだからふんは来ている。 玉葱みたいなものから生まれている長いタオルのようなものは魔法で、その肩の上にふんが見えるね。ふんは駱駝の背中の平らな部分に合う。駱駝は水溜りに自分の美しい自身を眺めることに忙し過ぎて自分に何が起こることになるかに気付かない。 真実、絵の下にまだ出来立ての世界の絵がある。その中に二つの煙立つ火山と幾つかの他の山と幾つかの石と湖と黒い島と曲がりくねった川と多くの他のものとさらにノアの方舟がある。私はジンが預かる砂漠を全て描けなかったので、一つだけ描いたが、それは最も砂漠らしい砂漠だ。 「それが分かるか?」といったジン。「働かないことで正しくお主自身の身に齎された正しくお主自身のふんだ。今日は木曜日で、お主は月曜日の仕事が始まったときから働かずにいる。さぁ、働くんだろう」。 「どうやるのか」といった駱駝、「ふんを背負って?」。 「それが目的になる」といったジン、「全くお主があの三日を損なったからだよ。食べずに、三日間、今や働くことができよう、なぜならふんで生きて行けるからな;かくて我輩がお主のために何もしなかったとはいわせないぞ。砂漠から出て三者へ赴け、そして行儀良くしろ。ふんはお主自身にいえ!」。 すると駱駝は自分自身にふんといった、ふんとばかり、そして三者に加わろうと立ち去った。ついにその日からこれまで駱駝はいつもふん(彼の気分を害さないために私たちは〈瘤〉と今は呼ぶ)を着けている;しかし世界の始まりに損なった三日にはまだ追い付いておらず、行儀良くする仕方もまだ覚えてはいないのだ。 駱駝の瘤は醜い塊だ 動物園で良く見かけるが もっと醜いのは私たちが 何もやらずに得る瘤だよ 子供や大人でもーも―も―、 良くやらなければーば―ば―、 私たちは瘤を得る―― 駱駝らしい瘤を―― 黒くて青い瘤だよ! 乱れた頭とがなり立てる声で ベッドから降りる 震えて嫌な顔で浴槽やブーツや玩具に がみがみぶつぶついう 私に曲がり角があるに違いない (君に一つは知っているさ) 私たちが瘤を得たとき―― 駱駝らしい瘤を―― 黒くて青い瘤だよ! この病気を治すにはじっと座ったり、 火のそばに本でむっと過ごすのではない; 大きな鍬とかシャベルなんて取って、 徐々に汗をかくまで掘ることなんだ; そうすれば太陽と風が見付かるだろう さらに庭のジンもね、 瘤を持ち上げている―― 恐ろしい瘤を―― 黒くて青い瘤だよ! 私と君も手に入れるーる―る― 良くやらなければーば―ば― 私たち皆が瘤を得る―― 駱駝らしい瘤を―― 子供や大人でも! 参考サイトHow the Camel got his Hump 英語の小説の日本語訳 コメント 新しい投稿 前の投稿
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