ルテインで加齢黄斑変性と飛蚊症を防ぐ 結城永人 - 2021年9月5日 (日) 今年の正月、酷い飛蚊症に襲われた。珍しく酒を飲んだ直後で、アルコールの影響から目の毛細血管が拡張し過ぎて切れて出血したかどうかは不明にせよ、そう思われるくらい目の中に黒い糸屑のようなものが急に増殖した。以前、酷い眼精疲労で酷い飛蚊症に襲われたことが何回かあって目を休ませるように注意したり、悪影響を与えるドライアイを防いだりしたけれども久々に再発したと悩んだ。 しかし今回は直ぐに収まらなくて本当に網膜剥離や緑内障や加齢黄斑変性の危険信号と見做されるほどの視界を埋め尽くすような飛蚊症の酷いと呼べる状態が何日も続いて本当に参ったし、その他に小さな黒い点という新しい形のものも鼻の方の視界に何度も現れることに新しく気付いて視神経は大丈夫かと不安と心配が嵩むばかりだった。 何とか一週間くらいで、増殖した黒い糸屑のようなものは減っていつもの嫌な感じ(ちょっと多め)まで飛蚊症は戻った。安心したけれども新しく気付いた鼻の近くの小さな黒い点は収まらず、出没を繰り返すから不吉に過ごさざるを得なかった。 Windshield in the rain by Kiarash Mansouri / Unsplash 半年を過ぎて先月の八月に車の運転で久々にコンタクトレンズを付けたら雨の日で昼でも光は少なかったけれども右目の視界の中央が明らかに暗くなっていて失明するほどの重病の加齢黄斑変性がついに来たかと狼狽える他はなくなった。 右目は十数年前から視界が僅かに白く濁るような違和感があって個人的に左目よりも弱いと思っていたけれども、普段、裸眼では視界が暗くなることはなかったから衝撃は相当に大きかった。ただしコンタクトレンズを外すと元に戻ったからもしも加齢黄斑変性だとしても初期症状か、まだ兆候なのかも知れないと少し安心した。幸い、数日後はコンタクトレンズを着けても右目の視界の中央が暗くなることはなくなっていて調子が良ければ大丈夫な状態といえそうだ、今のところ。 加齢黄斑変性は失明することもある目の重病 目の網膜の中心の視細胞が集まって視力を司る黄斑に何等かの障害が起きて視力が低下する病気が加齢黄斑変性で、名前の通り、四十歳くらいの加齢から生じ易い。 老化以外では紫外線や喫煙や栄養不良などが要因として一般的に挙げられるので、何れもできるかぎり、影響を減らすように改善する生活が望まれる。 目下、欧米では萎縮型(黄斑部の老化などの萎縮によるもの)が多くて失明原因の第一位、日本では滲出型(黄斑裏の新生血管や出血によるもの)が多くて失明原因の第四位とされる。 加齢黄斑変性には二つのタイプがあって欧米に多い萎縮型加齢黄斑変性は進行が遅いけれども滲出型加齢黄斑変性は進行が速いとされる。どちらにしてもかかれば完治するまでの十分な治療法がないから早期発見で病気の進行を食い止めることが何よりも重要になる。 加齢黄斑変性の二大症状 自覚症状によって比較的に発覚し易いのは助かる。 ものが歪んで見える視界の中央が暗くなる 初期状態で見え方の輪郭や明るさに違和感がある。片目ずつ発症するから両目だと良好な目で視界が補われて気付き難いので、自分が加齢黄斑変性かどうかを確認する場合は片目ずつ行うのが基本だ。 縦横の直線の間隔が狭い格子模様を使って30cmくらい離れて近視の人は眼鏡などを着けて片目ずつ真ん中に視点を留めて見ると歪みや暗さがあれぱ視界全体のどこかが分かり易くなる。 ルテインが加齢黄斑変性と飛蚊症を抑え得る 目の老廃物が加齢によって溜まり易くなることが加齢黄斑変性の大きな要因と考えられてそれに対して最も効果的な健康成分としてカロテノイドのルテインが挙げられる。植物の黄色の色素で、人間は食事から取り込んで目の黄斑の周辺や水晶体に多く蓄積して視力を養っている。余分な活性酸素を除去して細胞を若々しく保ったり、紫外線を吸収して悪影響を減らしたりすることができる。 飛蚊症は色んな原因から起きるし、健康で特に問題がない場合も多いけど、多くて鬱陶しいとか病的に本当に酷いなんて場合はやはりルテインの目の老廃物の除去能力によって減らせるかも知れない。ただし網膜剥離や緑内障や加齢黄斑変性などの他の病気の影響で悪化する可能性がある。ルテインを取っても無駄だし、余りにも異常ならば自分で判断して、万一、他の病気が手遅れにならないように先ずは眼科医で調べるべきだ。 ルテインを多く含む食品 100g当たり、5mg以上、含むもの。 紫蘇(14.25mg)モロヘイヤ(13.63mg)蓬(11.26mg)パセリ(10.01mg)ペパーミント(8.48mg)バジル(8.11mg)小松菜(7.59mg)ルッコラ(5.78mg)チンゲン菜(5.46mg)豌豆豆(5.37mg)クレソン(5.05mg) ※数字は100g当たりのルテインの含有量の目安。 出典:Quantitation of Carotenoids in Commonly Consumed Vegetables in Japan 濃い緑色の野菜が比較的に多く持っている。なので青汁にもルテインが少なくなさそうだ。ルテインは黄色だけれどもカロテノイドのキサントフィル系に分類されて緑色のクロロフィルと一緒に含まれている。普段は緑の葉っぱが枯れたとき、クロロフィルが落ちてルテインが出ると黄色になる。その他、カボチャや黄色のパプリカなどの黄色の野菜も持っているので、緑黄色野菜の野菜ジュースも良いかも知れない。 ルテインの効果的な摂取 A bowl with basil by kkolosov / Pixabay ルテインの摂取量としては一日に6~10mgが効果的らしい。通常の食事で、およそ数mgが含まれるといわれるので、足りなければルテインを増やした食事に変えるかサプリメントで追加するしかない。上限は一日に35mg(厚生労働省)とか体重1kg当たりで2mg(50kgの人ならば100mgになる/食料農業機関と世界保健機関の合同食品添加物専門家会議)なんて聞く。加齢黄斑変性の積極的な予防、または進行を遅らせるには一日20mg以上が良いともいわれるけれども薬ではないし、もっと効果的とは確実視されないだろう。 どのように取ると良いかはルテインは脂溶性の健康成分なので、野菜サラダならば油入りのドレッシングをかけるとか油と一緒に取るようにすると体内で吸収され易くなる。 目の健康を高めるにはルテインだけではなく、目の黄斑の中心にあるゼアキサンチンと一緒に取るのが最も重要とされる。ゼアキサンチンもカロテノイドで、やはり緑黄色野菜に含まれることが多い。ルテイン10mgに対してゼアキサンチン2mgという割合で摂取するのが効果的らしい。少ないので、ルテインのために両方を含む緑黄色野菜を取ればゼアキサンチンは特に気にする必要はないだろう。サプリメントで取る場合はどちらかのバランスが崩れ易いから注意したい。 その他にトマトなどのβカロチンやブルーベリーなどのアントシシアニンや魚などのオメガ3脂肪酸、さらに目に関係して抗酸化力も強いビタミンAとCとEといった目の健康に役立つ栄養素や健康成分を総合的に取ることが加齢黄斑変性と飛蚊症を防ぐには良いと聞く。 安全性については石油由来の合成ルテインは胸焼けや嘔吐などの副作用があるらしいから注意したい。野菜などの食品由来の天然ルテインは大丈夫なんだ。サプリメントではマリーゴールドという黄色い花が使われることが多い。商品の原材料名に「マリーゴールド」とか「マリーゴールド色素」なんて記載されていれば天然ルテインのサプリメントだと判断できる。 僕はサプリメントで、日々、少しだけルテインを追加することにした。サプリメントは必ずしも自然ではないし、性質や全体のバランスや内臓への負担を考えるとどんな場合でも多くて標準摂取量の半分くらいまでしか取りたくない。基本的に食事でルテインを含む緑黄色野菜などをしっかり取ることを改めて注意しながら加齢黄斑変性と飛蚊症を防ぐように努める。 参考サイト知っておきたい加齢黄斑変性―治療と予防―機能性表示食品におけるルテインとゼアキサンチンの科学的根拠ホウレンソウやニンジンが失明防ぐ? 米ハーバード大研究ルテインの副作用について コメント 新しい投稿 前の投稿
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