日本のフォークソングの心温まる名曲集 結城永人 - 2022年10月26日 (水) テレビのMUSIC FAIR 21の【70年代フォークソング名曲集】で日本のフォークソングを代表する歌手のさだまさしと南こうせつと谷村新司が三人で、日本のフォークソングを代表する1970年代の名曲を幾つも歌っているのを観て良いと思った。 日本のフォークソングが聴きたい MUSIC FAIR 21|フジテレビ かつてフォークソングを好んで聴くことはなかったし、ブログで文学的と取り上げた神田川くらいしか殆ど注目しなかったんだ。しかし何とも腑に落ちる状況になって来ているというか、昨今のいじめや虐待やハラスメントが常態化してしまったような日本やロシアとウクライナの戦争が起きているなどの世界の殺伐とした雰囲気が逆に心温まる世界を表現する音楽としてフォークソングを呼び寄せていると感じる。 日本でフォークソングが流行った1960から70年代は国内で安保闘争や全共闘などの学生運動があって警察隊と多くの衝突を起こして国外では何よりもアメリカとベトナムの戦争が1955年から延々と続いていたから昨今と良く似ていたんだ。 周りに酷いことが増えて来ても自分を見失わないためには日本の優れたフォークソングを聴いて確かに心温まる世界を思い出すことが役立つに違いない。 MUSIC FAIR 21の【70年代フォークソング名曲集】に出て来た十九曲と僕が知っていて同じくらい良いと認める五曲の計二十四曲を紹介する。 日本のフォークソングの心温まる二十三選 日本のフォークソングの心温まる名曲集/Heartwarming masterpieces of Japanese folksong|結城永人チャンネル ※17曲目と23曲目はYouTubeでのみ試聴可能。 楽曲一覧よしだたくろうの結婚しようよ泉谷しげるの春夏秋冬ガロの学生街の喫茶店チューリップの心の旅山本コウタロー&ウィークエンドの岬めぐり井上陽水の心もよう中島みゆきの時代松山千春の季節の中で赤い鳥の翼をくださいはしだのりひことシューベルツの風小椋佳のさらば青春バン・バンの「いちご白書」をもう一度河島英五の酒と泪と男と女かまやつひろしの我が良き友よアリスの冬の稲妻グレープの精霊流し南こうせつとかぐや姫の神田川加藤和彦と北山修のあの素晴しい愛をもう一度マイク真木のバラが咲いた森山良子のこの広い野原いっぱい海援隊の母に捧げるバラード森田童子のぼくたちの失敗イルカのなごり雪 ※1から18までがMUSIC FAIR 21の【70年代フォークソング名曲集】に出て来たもの、19から23までが僕が追加して選んだもの。 よしだたくろうの結婚しようよ 歌手よしだたくろう(吉田拓郎)楽曲結婚しようよ作詞吉田拓郎作曲吉田拓郎発表年1972ジャンルフォークOdyssey ほのぼのとした印象から和風だと感じていると教会で結婚式を挙げるという歌詞にドキッとさせられる。決まり切った日本の古い因習よりも新しい何かを取り入れるんだ。今では当たり前のセンスの正しく鋭い魁だろう。 泉谷しげるの春夏秋冬 歌手泉谷しげる楽曲春夏秋冬作詞泉谷しげる作曲泉谷しげる発表年1972ジャンルフォークアードバーク 家を出て愛のない人に会うというのが意味深長だ。愛がない家だから出たのではないか。結局、家の外も何も変わらないとすると人生は上手く行かないということを歌っているんだ。深い意味での人の慰めを受け取る。 ガロの学生街の喫茶店 歌手ガロ楽曲学生街の喫茶店作詞山上路夫作曲すぎやまこういち 発表年1972ジャンルフォークDENON 学生が喫茶店で物思いに耽る印象が強過ぎる余り、そんなふうにしなくては行けないと良く感じた、学生時代に。僕だけかは分からないけど、とにかく影響力の非常に大きい歌だ。生き急がないことは誰にとっても重要だろう。 チューリップの心の旅 歌手チューリップ楽曲心の旅作詞財津和夫作曲財津和夫発表年1973ジャンルフォークExpress 好きなのに離れるというと格好悪いけれども相手に悟らせないのが一つの味噌か。自分の気持ちは胸の中に仕舞っておきながら遠くへ向かう。ならば相手が追って来る可能性もあるし、人生の分かれ目の迫真さに唆られる。 山本コウタロー&ウィークエンドの岬めぐり 歌手山本コウタロー&ウィークエンド楽曲岬めぐり 作詞山上路夫作曲山本厚太郎発表年1974ジャンルフォークOdyssey もう会えない人との約束を果たすのは思い返すと悲しいはずだけど、むしろ心を通わせるところに喜びを見出すんだ。本当に岬という一言に全てが集約されて日本のフォークソングの心温まる良さをはっきり受け取る。 井上陽水の心もよう 歌手井上陽水楽曲心もよう作詞井上陽水作曲井上陽水発表年1973ジャンルフォークポリドール 人の思いが時と共に移ろい行くことを歌っているのか。言葉遣いも曲調も難しい感じがして即座に纏めることを拒むような趣きがあって取り留めなさを味わうのが特徴的だ。儚い世界の有り難みを切なく美しく覚えずにいない。 中島みゆきの時代 歌手中島みゆき楽曲時代 作詞中島みゆき作曲中島みゆき発表年1975ジャンルフォークアードバーク 悲しいことがあっても生きているうちに忘れるという世界の優しさを人生の一時期としての時代に託している。だから聞きながら少なくとも想像上は抜け出しているわけなので、染々と歌いつつも期待を募らせる面白さが魅力だ。 松山千春の季節の中で 歌手松山千春楽曲季節の中で作詞松山千春作曲松山千春発表年1978ジャンルフォークF-LABEL 一歩を踏み出す勇気が問われているようだ。何かを思い悩むほどに身動きが取れなくなって行って気付けばもはやすっかり変わり果てた自分に驚かされてしまうことはないか。しっかり生きることを後押ししてくれるのか嬉しい。 赤い鳥の翼をください 歌手赤い鳥楽曲翼をください 作詞山上路夫作曲村井邦彦発表年1971ジャンルフォークLiberty 希望を持てない生活を如何に免れるか。先ずは夢を見なくては始まらないだろう。何もできない人が何もできない現実ばかり見ていてもどうしようもない。飛べなければ飛べるように逆転の発想で生まれ変わるべき瞬間を掴め。 はしだのりひことシューベルツの風 歌手はしだのりひことシューベルツ楽曲風 作詞北山修作曲端田宣彦発表年1969ジャンルフォークExpress 誰も助けてくれない世知辛さを自分自分に置き換えるのがフォークソングで良く出て来る風とするとそのものズバリだ。余りに寂し過ぎる生活がこんなにほんわか表現されるのは不思議だけれども死ぬよりは益しと笑う。 小椋佳のさらば青春 歌手小椋佳楽曲さらば青春作詞小椋佳作曲小椋佳発表年1971ジャンルフォークポリドール 子供から大人への成長の証、あるいは将来へ立てる誓いが勇ましく歌われる。全てが心で計られるのが極めて感動的で、人生が本当に世間一般の立場ではなく、一人の人間としての意気にかかっている。見習いたいし、憧れる。 バンバンの「いちご白書」をもう一度 歌手バンバン楽曲「いちご白書」をもう一度作詞荒井由実(松任谷由実)作曲荒井由実発表年1975ジャンルフォークCBSソニー 昔の思い出を甘酸っぱく懐かしむ気持ちが「いちご白書」だろう。何かに我を忘れるくらい引き付けられた経験がある人もない人もいるにせよ、誰もが包み込まれるような命の触りが凄い。生きることを立ち止まって考えさせられる。 河島英五の酒と泪と男と女 歌手河島英五楽曲酒と泪と男と女作詞河島英五作曲河島英五発表年1976ジャンルフォークElektra Records 人生とは何かを自分の男としての生き様を通して力強くも切々と訴える、とても芸術性の高い歌だと思う。酒と泪が切り離せないように男と女も捉えられるのが素敵で、悲しみを知って尚生きることの素晴らしさを教える。 かまやつひろしの我が良き友よ 歌手かまやつひろし楽曲我が良き友よ 作詞吉田拓郎作曲吉田拓郎発表年1975ジャンルフォークExpress 世の中が変わっても変わらない昔馴染みの友人を同志のように懐かしむ。かけがない存在、愛すべき相手と同時に自分は何者かを知るための精神の鏡でもあるだろう。勇気付けて向上させてくれるのが大切な人だと気付く。 アリスの冬の稲妻 歌手アリス 楽曲冬の稲妻作詞谷村新司作曲堀内孝雄 発表年1977ジャンルフォークExpress 失恋が劇的に捉えられている。注目すべきは「立ちつくす」という事態で、内面的に潰れたかどうかは別としても自分自身の最後の力を振り絞って崩れ落ちない姿勢が格好良い。本気の恋の終わりに何もかも失う必要はないと知る。 グレープの精霊流し 歌手グレープ楽曲精霊流し作詞さだまさし作曲さだまさし発表年1974年ジャンルフォークElektra Records 死者を弔う人の思いが余念なく紡ぎ出される。目に浮かぶ精霊流しの情景の中にこの世とあの世の魂の交感を認めるくらい真実味が強くて引き込まれる。出会いに感謝して絆を裏切らず、生きて行くべきだと悟る。 南こうせつとかぐや姫の神田川 歌手南こうせつとかぐや姫楽曲神田川作詞喜多條忠作曲南こうせつ発表年1973ジャンルフォーク日本クラウン 貧しくも身を寄せ合って暮らす恋人同士の幸せな日常が素晴らしいと驚かされる。心の繋がりを受け取るせいだと思う。たとえ暮らしが豊かでも決して失ってはならないものとして受け取るから二人の関係も極上に他ならない。 加藤和彦と北山修のあの素晴しい愛をもう一度 歌手加藤和彦と北山修楽曲あの素晴しい愛をもう一度作詞北山修作曲加藤和彦発表年1971ジャンルフォークキャピトルレコード 大事なものは本当は失われない。たとえ姿形を止めなくなっても夢見ることができるだろう、心から呼び求められた喜びの「素晴しい愛」に励まされるように。挫折しても何とか立ち直って頑張る力を与えるんだ。 マイク真木のバラが咲いた 歌手マイク真木(マイク眞木)楽曲バラが咲いた作詞浜口庫之助作曲浜口庫之助発表年1966ジャンルフォークフィリップスレコード 日常の何気ない喜びを屈託なく歌うのが正しく微笑ましいけど、しかし余りにも普通なのが却って底知れない悲しみを想像させなくもない。小さな喜びでさえも得るのが難しい場合もあるので、手に入れたもののの尊さが身に染みる。 森山良子のこの広い野原いっぱい 歌手森山良子楽曲この広い野原いっぱい作詞小薗江圭子作曲森山良子発表年1967ジャンルフォークフィリップスレコード 人を思う気持ちの純真さに胸打たれる。「野原」から「夜空」と「海」を経て「世界中」に至るまでの全てに匹敵するくらい強く、しかも報いられるのは「手紙」だけで十分というのが床しい。真っ直ぐに向かう感じが本当に良い。 海援隊の母に捧げるバラード 歌手海援隊楽曲母に捧げるバラード作詞武田鉄矢作曲海援隊発表年1973ジャンルフォークELEC RECORDS 何といっても「人生を教えてくれた」が堪らない。人に指を指して笑うなとか怠けて働かなければ死ねなんて言葉が勉強になると唸らされる。そしてどう生きるかを自分で考えながら良い加減で終わらないようにしたい。 森田童子のぼくたちの失敗 歌手森田童子楽曲ぼくたちの失敗作詞森田童子作曲森田童子発表年1976ジャンルフォークポリドール とても悲しい印象を与えるけれども同時に穏やかな心地良さを受け取って静かに癒されるのが最大の魅力だ。落ち込んだ気分を、そのまま、見守るという感じで、どうにもならない状態をじっと耐え凌ぐことを教える。 イルカのなごり雪 歌手イルカ楽曲なごり雪作詞伊勢正三作曲伊勢正三発表年1975ジャンルフォーク日本クラウン ※かぐや姫のオリジナル(1974)のカヴァー。 人との別れを通じて大事な何かを得る。感極まるほどに宝物と呼べるようなものになって来る。すると「君はきれいになった」は見えなかった自分との絆がはっきり見えたせいではないか。一つの成長の証に他ならない。 日本のフォークソングの移り行き MUSIC FAIR 21|フジテレビ 1960年代からアメリカで人気のボブ・デュランなどのフォークソングの影響を受ける歌手が日本にも現れ始めた。 国内ではマイク真木のバラが咲いたが最初のヒット曲となって多くの日本人にフォークソングを知らせる切欠になった。 心温まるなどの落ち着いたものだけではなくて反戦を訴えるなどの社会派のメッセージを激しく出したものもある。 1970年代にフォークソングが隆盛を誇ったけれども大きいのはよしだたくろうの結婚しようよがヒットチャートの上位に食い込んだ。レコードが、四十万枚以上、売れた。従来の歌謡曲を押し退けるほどのインパクトを与えてフォークソングが一つのジャンルとして歌謡界に確立されるようになった。 その後はロックやボップスに押し退けられるように衰退するものの 他のジャンルと融合したりしながら根絶やしにはならずに続いて指折りの人気歌手も生み出されている。 1980〜90年代尾崎豊(卒業など) 1990〜2000年代ゆず(栄光の架橋など) 2000〜10年代コブクロ(蕾など) 2010〜20年代あいみょん(マリーゴールドなど) 元々、フォークソングはメッセージを前面に押し出すところがロックとの親和性があったけど、およそフォークロックという仕方で好まれることが増えて来ている。 関連ページ日本のボサノヴァの心惹かれる名曲集 コメント 新しい投稿 前の投稿
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