越智静香のジェニーはご機嫌ななめと人生の突破口への無謀な賭け 結城永人 - 2023年2月12日 (日) 日本のロックバンドのジューシィ・フルーツが気に入って代表曲のジェニーはご機嫌ななめをYouTubeで検索していると他の人のカヴァーも出て来る。その中に俳優の越智静香のカヴァーを見かけた。歌手ではないのに昔は違ったのか、アイドル時代もあったと初めて知ったけれどもどんな感じか、どうせ可愛らしく歌っているだけなんだろうから聴かなくても良いと思った。しかしジェニーはご機嫌ななめを検索すると目立つカヴァーの一つで、あるとき、ダンスのサムネイルのものが出て来てブレたところに動きの激しさを感じた。何だろうとついに観てみたらかつて見たことのない奇怪な振り付けのダンスを猛烈に行っている越智静香に度肝を抜かれた。 越智静香のジェニーはご機嫌ななめのまさかのダンスの猛烈さ 越智静香 /MOGITATE!バナナ大使|TBS 衝撃も衝撃の飛んでもなさ過ぎる余りの世界を目の当たりにした。以前、俳優として知っていた越智静香の大人しい印象とは真逆の凄まじさにびっくりすると共にアイドルとして捉えても普通を遥かに越える動きを見せていて、一体、何なのかと疑問の嵐に襲われる。呆気に取られるばかりとはこのことだというしかない第一印象だ。 越智静香のジェニーはご機嫌ななめは曲調がダンスポップで、1991年の作品だから、所謂、バブリーダンスもまだ続いている頃で、好景気を極めた日本の酒池肉林なまでの元気の良さが爆発的に反映したような面白さがある。しかしながらダンスは振り分けが、全然、合ってないというか、無理矢理、詰め込んだ感じの動きにやっている本人が痛ましいかぎりなんだ。 やめてくれと思わず、叫びたくなるほどの猛烈さ、可哀想なくらいハチャメチャな気持ちを受け取る。 アイドルとして抜かりなく歌い踊る全力感に止まらない笑いを見付けてすっかり嵌まる 越智静香 /MOGITATE!バナナ大使|TBS 少なくとも僕にとってはまさかの猛烈なダンスにたじろぎつつも一つだけ確かに認められたのは越智静香の頑張りなんだ。 アイドルとして与えられた歌と踊りをどんなものにせよ、懸命に熟している。本人の思いは別として、一切、妥協なしの全力感で、伝えているところは喜ばしい。 すると笑いが込み上げて来るのを止められなくなる。ハチャメチャな良さもあるというのが振り付け師の狙いかどうかは分からないけれども越智静香のジェニーはご機嫌ななめのイメージを決定付けるものとして受け取れなくはない。ある種の楽しさから見れば猛烈なダンスの曲との纏まりのなさが途方もなく笑える。 すっかり嵌まるとも過言ではない。普通に見ればやはり酷さを免れない振り付けだし、もうちょっと何とかならなかったのかと不平が溢れるけれどもこれはこれで一つの世界なのではないか。独創性を他に例がないくらい強く示しているのは間違いないと思う。 何よりも越智静香の頑張りという抜かりない全力感から笑うほどに猛烈なダンスの良さを認めることは難しくなくなる。 人生の突破口を探ることは無謀な賭けに出ることに他ならない 越智静香/週刊スタミナ天国|フジテレビ 越智静香はなぜジェニーはご機嫌ななめの猛烈なダンスをやらなくてはならなかったのか。 今では様々なドラマや映画や舞台などで活躍して全国的に知られる俳優だけど、かつてアイドル時代があって頑張っていた。調べると最初から俳優で、デビューしていたから歌や踊りをやる必要はなかったのかも知れないけど、しかし写真集を出したり、見た目も良いからアイドルとしても売るみたいな感じだったのかも知れない。 歌は二曲で、ジェニーはご機嫌ななめを最後に止めている。曲もハチャメチャな印象で、ダンスと共にやはり続かないだろうと頷く。もちろん売れてないわけだけど、万一、続けたらそれこそ可哀想過ぎる余り、芸能界を引退して欲しくなってしまう。延いてはやらせた事務所を非難せざるを得ないだろう。 最初のONE MILEの片思いを聴くと普通に可愛く謳っていてアイドルらしい印象なので、二曲目のジェニーはご機嫌ななめで急激に変わって振り返るともはや方向性が掴めなくなる。 ひょっとしたら一曲目がさほど売れなかったとか不都合な事情があったために全く違うことに挑んでみせた二曲目だったんだろう。 アイドルとして売れるためにどうするか、一曲目と二曲目で、全然、違うことをやるというのは人生の突破口を探ったようで、現状維持では何ともならないから無謀な賭けに出るしかなかったと想像される。 越智静香のジェニーはご機嫌ななめにはとても意義深いものがある 越智静香/週刊スタミナ天国|フジテレビ 僕はブログで良く取り上げるけれども上手く行かない人生をどうやって逃れるかは非常に重要な問題なんだ。 越智静香のジェニーはご機嫌ななめのダンスの猛烈さを考えると駄目なままでやり続けるよりは正反対の向きで物事を捉えながら挑めば成功するかも知れないことに繋がって来るのが非常に面白い。 それ自体が正しく生きるヒントというか、どうにもならないからハチャメチャで笑ってしまうけど、だからこそ苦しさを忘れさせる有り難みも大きいわけで、もう終わりと諦めないだけの力を与えてくれる。 本当に良いと思うのは激しく踊るような個性も越智静香にはある。大人しい俳優の落ち着きの良さだけではなく、B型の華やかな明るさみたいな真逆の自分らしさがジェニーはご機嫌ななめには込められている。決して関係ないものをやらされていたに過ぎないのではない。 ライヴでは歌も息切れしながらやってダンスと遜色ない猛烈さが伝わって来る場合もあるけれどもダンスだけても生の突破口へ無謀な賭けに出たと捉えると素晴らしく貴重だ。 売れなくて歌手としての活動自体も終わらせてしまうけれども自分らしさを解き放って一生懸命にやることが良い経験になって同じような気持ちの次の活動に繋がって芸能界に長らく生き続けられたのかと考える。 コメント 新しい投稿 前の投稿
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