大谷翔平という野球の虫から目が離せない 結城永人 - 2023年3月21日 (火) 野球の世界一決定戦、WBC(World Baseball Classic/ワールドベースボールクラシック)の人気が最高潮だ。準々決勝まで五試合が国内で行われた時点で、テレビの視聴率が全て40%を越えたらしい。歴代最強とも謳われるチーム編成を果たしているけれども注目されるのは何といってもアメリカで二刀流という打者と投手の両方で大活躍中の大谷翔平に尽きる。 Shohei Ohtani|MLB 前回の2017年のWBCは選ばれたものの怪我で外れて今回が初出場ということもあって意気込みも並々ならないものがあると思うし、現在、二十八歳で野球選手として全盛期を迎えていて後にも先にも最高のプレイができるだろうと目が離せないくらい期待されるんだ。 野球の日本代表/侍ジャパンの2023年のWBC優勝に纏わる動画Italy vs. Japan Quarterfinals Game Highlights | 2023 World Baseball Classic(イタリアとの準々決勝のハイライト)Mexico vs. Japan Game Highlights | 2023 World Baseball Classic(メキシコとの準決勝のハイライト)決勝・アメリカ戦の円陣声出しは #大谷翔平 選手!(日本代表の試合前の控え室での様子)United States vs. Japan Game Highlights | 2023 World Baseball Classic Final(アメリカとの決勝戦のハイライト)A celebration of champions(日本代表の祝勝会/ビールかけの様子)Japan WINS the 2023 World Baseball Classic! | FULL Tournament Highlights(日本代表の2023年のWBCのトーナメント全体のハイライト)Shohei Ohtani's DOMINATING World Baseball Classic! Leads Japan to title and wins tournament MVP!!(大谷翔平の2023年のWBCのMVPに選出された活躍) 僕は今まで大谷翔平に余り注目して来なかった。二刀流が大きく取り沙汰されるけれどもそれは野球の本来の姿でもあるので、打者か投手のどちらかに専念するのが普通のプロ野球こそ変態という見方からすると両方をやること自体への驚きは薄くなる。しかしながら、一昨年、アメリカでホームラン王を争って日本人としては年間最高の四十六本を記録したことで、もはや飛んでもない衝撃の野球選手になって来たと注目しながら俄かに引き付けられるに至った。 WBCで日本に来てチームの中心として二刀流で正しく投打に亘って活躍しているのは本当に凄いけれども人々の話題に挙がる中で、大谷翔平はどんな人なのかを知ることができる動画を見付けて非常に興味深くてブログに取り上げたくなった。 大谷翔平は野球の虫だと分かった権藤博の話 伊藤大悟――大谷選手はどう映ってますか、権藤さんの目には。 権藤博――大谷、斬る余地の全くない選手。 伊藤大悟――うわぁ。 権藤博――全くない。 伊藤大悟――否、良いですね。 権藤博――否々、俺、あの、WBCで一緒にやったし、アメリカでもキャンプに一緒に行ったし、今でも帰って来ると電話したりしてるし。 伊藤大悟――へぇー。 権藤博――で、俺、訊いたの。あの、お前、休みのとき、何、やってんの、っていったら、やること、ないから練習してます。で、練習して疲れたら、本、読んだり、テレビ、観たりして、飯、食って、又、練習します。で、疲れたら、本、読むか、テレビ、観るかで、寝る。だから練習して食うて休んで練習して、一日、三回ぐらい練習してんじゃない。 伊藤大悟――へぇー。 権藤博――あの、午前午後と夜と。 伊藤大悟――はい。 権藤博――まぁ、これはね、非の打ち所のない。 伊藤大悟――うわぁ。斬るポイントはゼロですか。 権藤博――どこを斬れば良いんだよ。 伊藤大悟――ごめんなさい。僕も浮かばない、僕も浮かばない、僕も浮かばないんですけど。 権藤博――それぐらい、もうね、この選手は凄い。 権藤博と伊藤大悟/令和に復活!権藤が斬る! テーマ「大谷翔平」|【東海テレビ公式】ドラHOTpress 大谷翔平は今や世界の野球界のスーパースターになっているけれどもどういう人なのかと思ったら元野球選手で、監督やコーチや解説者の経験も豊富で本人と親交もある権藤博の口から野球一色の毎日を送っていることが明かされた。 色んないい方があるだろうけど、個人的に野球の虫というのが大谷翔平にぴったりだと感じた。 やり過ぎて寿命を縮めることを止めるわけには行かなければ必ず注意しなくてはならない Japanese hanging scroll showing Shomenkongo by WolfgangMichel / CC0 ここで虫というのは例えば、毎日、読書ばかりしている人を本の虫といったり、一つのことばかり好んでしているような人のことで、生き物の昆虫ではない。 語源を調べると何かに熱中する人という意味があるけれども虫の独特な捉え方からすると日本の平安から江戸時代くらいまで良く知られた中国の道教に由来する庚申信仰の三尸の信憑性が高そうだ。 人の体内に三種類の虫:上尸と中尸と下尸がいて自分たちの住み着いた人が死ぬと自由になれる。取り分け庚申(干支の組み合わせの五十七番目)の日に眠りに就くと三尸が体内から抜け出して天上へ進んで天帝に自分たちが住み着いた人の直近の悪行を報告して罰としてその人の寿命を縮めると信じられていて当夜は賑やかにして朝まで起きていて三尸を体内から出さないようにする庚申講が日本の各地で盛んに行われていた。抑える神として祀られるのが青面金剛で、庚申信仰の本尊として日本で独自に発展したとされる。 三尸はそれぞれに人の頭と腹と足に住み着いて専ら病を引き起こして早死を齎すような不吉なものと考えられていた。虫の知らせとか腹の虫が収まらないなんていい方もそれらから来ていておよそ注意しなくては行けない何かを指している。 なので一つのことばかり好んでする人のことを虫というのも必ずしも良いことではない。やり過ぎると寿命を縮めるから危ないというニュアンスが込められている。しかし危なくても体内に住み着いている虫だし、好きなことならばどうにもやめるわけには行かない。やるかぎりは早死にしないように注意しなくてはならないという戒めを与える言葉なんだ。 権藤博の話によると大谷翔平は朝から晩まで練習三昧の日々だけれども疲れたら短くてもしっかり休んで無理しないところが好きでも決して注意を怠らずにやっていて野球の虫だと感じさせる。 大谷翔平は野球がとても面白くて虫になった Shohei Ohtani 2022 Highlights | Another historic season for Angels' amazing two-way player!|MLB 大谷翔平が野球の虫になったのはなぜか。要するに野球を止められないくらい好きになった切欠とは何かだけれども調べると小学校ニ年生で他愛もないものだった。拍子抜けするくらいどこにでもあるようなことだ。 野球を始めたのは小学2年生の時、友だちから誘われたのがきっかけでした。父親も兄も野球をしていたので、キャッチボールはしていましたが、実際に練習に参加したらとても面白くて。両親に「リトルリーグに入りたい!」とお願いしました。 大谷翔平/大谷 翔平さん: 子どもたちへ|子ども応援便り|子どもたちの豊かな育ちと学びを支援する教育関係団体連絡会 リトルリーグに入って直ぐにプロを目指すようになったらしくてそこは物凄く早いと驚くけれども野球をやり始めた切欠は友達に誘われたせいだから別に珍しくない。 しかし言葉遣いから微妙に凄いと驚くのは野球を「とても面白くて」と気付いたところだ。いい換えるととても楽しくてではないところが野球の虫に繋がると考えられる。 何かを追い求めて試行錯誤を繰り返しながら飽きもせずにいつまでもやって行くには A boy baseball batter by Eduardo Balderas / Unsplash 以前にブログで取り上げたことのあるテーマで、面白さと楽しさの違いと何かというのがあって職場で気付いたけど、簡単にいうと仕事と人間関係に分けることができる。 人によってどちらが良いか。どちらを重視して働くか、または生きるかは異なるだろう。 しかし何かを追い求めてそれについて良い結果を出そうと試行錯誤を繰り返しながら努力して大変でもいつまでもやって行くには楽しさよりも面白さを味わえることが有利だという感じがする。 大谷翔平の気持ちは野球と出会った最初から「とても面白くて」ということなので、もちろん皆とやって楽しい気持ちもあって好きでやって行くわけだろうけれどもどうすれば上手く打てるか、どうすれば上手く投げられるかを一生懸命に考えることが苦にならなくて絶えず、取り組んで向上することができたのかも知れない。 昔から好きこそ物の上手なれという諺があって仕事でも何でも好きならば成功し易いと捉えられる。ただし実際は止めないことで成功するチャンスが広がるという形式的な意味合いが強いのではないか。好きなだけだと上手く行かなくても許してしまえるみたいな部分も出て来て失敗する恐れが増さないともかぎらない。実質的に上手く行くかどうかは面白さを知ってあらゆる手を尽くしてやってみようという気持ちにかかっていると捉えられる。 一つのことを長く続けるには好きな気持ちがあると速やかなのは間違いないと思うけれども本当に成功するには極端にいって結果なんかどうでも良いくらい面白がることができると良いと思う。 大谷翔平は野球を始めた頃から普通以上の面白さに気付いて直ぐにプロを目指すくらい魅了され捲った。振り返ると野球の虫になるべくしてなったというか、最初から他には何も見えないくらい野球一筋の人生を歩んでいたことが明らかだった。 だから僕も目が離せなくなるわけだ。二刀流は従来の野球の常識を覆すという点で画期的なプレイスタイルだし、そんな新しい世界を生み出せるのは野球の虫ならではのとことん追求するやり方に他ならないだろう。次は何をやってくれるのか。観ていると胸躍らされる誰よりも刺激的で、華やかな野球選手だ。 参考サイト侍ジャパン イタリア戦の世帯視聴率48・0%!今年1位&WBC歴代1位更新 5試合連続40%超え第4回WBCを辞退…あの時の大谷翔平のなんとも言えぬ表情が忘れられない【権藤🔄大谷の☎️ホットライン】アイツは別格❗️過去のスーパースターと大谷翔平を比較すると❓【稲尾、杉浦、金田、松井】【2017WBC裏話も】【権藤博さん最終話】 コメント 新しい投稿 前の投稿
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