拾い上げた空蝉を掌に載せながら
空蝉(うつせみ)には日本的な心象、すなわち「もののあはれ」を受け取る。 掌の上の空蝉 空蝉の語源と語義 古典日本語「うつせみ」 < 「うつそみ」の転訛 < 「うつし」(現し) + 「おみ」(臣)。「空蝉」「虚蝉」は当て字で、ここから語義4以降が生まれた。 うつせみ【現人 / 空蝉 / 虚蝉】 現に存在する人間。生きている人間。 この世。現世。 世間の人々。世人。 蝉の抜け殻。夏の季語。 蝉。 魂が抜けたような、放心した身。 『源氏物語』の巻名(第3帖)。また、同帖の中心的登場人物である女性の通称。 うつせみ| ウィクショナリー 元々、空蝉は生きる人を意味したけれども仏教のこの世は移り変わって儚いという感覚から蝉の抜け殻などの「もののあはれ」を帯びた虚しさに繋がったようだ。 日本に仏教が伝来した六世紀半ばの後の奈良時代の 万葉集 の和歌から現代の俳句に至るまで連綿と通底す…