トリチウムの生物にとって安全でも危険でもあり得る放射能

福島第一原発のALPS(Advanced Liquid Processing System/多核種除去設備)処理水の海洋放出で、最も多く聞かれる放射性物質としてトリチウムがある。ALPS処理水がトリチウム水とも呼ばれて水を構成する水素として原発事故の汚染水から取り除くことができず、必ず残るものなんだ。海洋放出で百倍に希釈するけれども本当に大丈夫かどうかが気がかりになる。 トリチウムは水素の放射性同位体でβ線を出す Tritium by BruceBlaus / CC BY トリチウムは三重水素と呼ばれる水素の放射線同位体で、原子核が一つの陽子と二つの中性子によって構成される。原子核の不安さを解消するために放射線の一種のβ線を出しており、半減期12.32年でヘリウム3へとβ崩壊(中性子一つが陽子一つへ変化)する。 トリチウム水(HTO)は水分子を作り出す水素原子の一つか二つがトリチウムになったもの…