柄谷行人のバーグルエン哲学・文化賞の受賞から振り返る思想

日本の批評家の 柄谷行人 が2022年のバーグルエン哲学・文化賞を受賞していたと知って感慨深い思いに駆られた。 柄谷行人の本を無性に読み捲っていた思い出 Kojin Karatani| Berggruen Institute 僕が十代後半から二十代前半まで最も多く読んだ本というと柄谷行人の文芸批評やエッセイだった。好きとか面白いなんて全く感じないくらい無性に引き付けられていた思い出がある。振り返って初めてこんなに、沢山、買って読んで人生の時間を費やしているのだから柄谷行人が好きだし、面白いに違いないと捉える他にないというふうな不思議な魅力に取り憑かれていた。後にも先にもたぶん他の作家にはなかったと思うし、余りにも特別な存在だったんだ。 二十歳頃に愛読した柄谷行人の著書 畏怖する人間(1972) 意味という病(1975) マルクス その可能性の中心(1978) 反文学論(1979) 隠喩としての建築(1983) 批…