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些細な日常

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謎に満ちた心の優しい愛:谷川俊太郎の詩にMISIAが曲を付けたKISS AND HUG

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気に入りの歌手のMISIA が 面白い詩人の谷川俊太郎 の詩に曲を付けて歌っていたと知って興味や関心が涌き上がらずにいなかった。 2007年にJ-WAVEの KISS AND HUG (ラジオ)のBenesse HUG HUG CHUという「未来に世界へ羽ばたいていく子供たちのために!」のコーナーで谷川俊太郎の詩集を紹介していて本人が反対にBenesse HUG HUG CHUを聞いている子供たちのために書いた詩にMISIAもやって来て曲を付けてテーマソングになったらしい。 曲名はラジオ番組と同様に KISS AND HUG という MISIAの Royal Chocolate Flush / BMG Japan MISIAのシングルの Royal Chocolate Flush の四曲目に収録されている。タイトルの英語を訳すと接吻と抱擁で、欧米人ならば挨拶で日常的にやってい…

恋人との別れが辛いのは絆も及ぼす涙だから

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レイ の 涙 は不思議な魅力に溢れている写真だ。一度、見たら忘れられないという強烈な印象を残すかのようでいてそこを離れるや案外と直ぐに心から消え去ってしまう。 レイの 涙 は破局した恋人への復讐の一環だった Les Larmes by Man Ray ところが再び目にすると同じ感じがするんだ。俄かに焦りながら写真との出会いと別れを繰り返すうちに気付かれるのが、何度、見ても一つの時空が変わらなかったという。写真と自分が巻き込まれたまま、世界が動きを止めてしまっている。 情報によるとレイは恋人のミラーと破局した後に彼女へ復讐するつもりで創作活動へ勤しんだ時期があったらしい。その中から 涙 も生まれた。復讐するくらいだから相手が泣いているのも奇妙だけど――泣きたいのはレイではないか――しかしだからこそ復讐なんだろう。 心のプリズムによって屈折した七色の光の流れをモデルも見上げて…

季語という俳句の魔力

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猫が寝ている。数年前の写真でまるで死んだように見えるからサイトで公開するのは躊躇われたんだ。誤解されてはならない。 ガラケーで撮影したけれどもスマホで初めてエフェクトをかけてみるともう少し生きているように見えて来たかも知れない。 本当に可愛い。晩春にのらくら歩きながら僕が近付いては逃げることもなく、道端に寝転びながら柔らかく休んだりしていた。思い起こせば懐かしさに一句を詠みたくなる。 晩春や寝転ぶ猫の生き心地 どんな季節でも変わらない事象に季語を合わせるだけでも世界がパッと弾けるような感じがして来る。 就中、俳句の魔力だろう。季語に秘められた俳句ならではの詩観があると思う。 中句の「寝転ぶ猫」がまるで地蔵のように胸に響く。下句の「生き心地」が宇宙を掴ませる。俳句の宇宙は詩の一般的な宇宙とは違って内面性とは必ずしも結び付かない。内面性が言葉に表現されてなくても成…

若冲の尽きない魅力ならばフェルメールとの親近性から迫ろうか

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日本の絵画史でも特異な存在と見做されて際立って異彩を放つとも感じるような作品を数多く残した画家が 若冲 (じゃくちゅう)なんだけれどもWikimedia Commonsで探してみたらかつてなかったほどに興味深い作品と出会えた。 Red Parrot on the Branch of a Tree by Jakuchu Ito / Public domain 何ともいえないような魅力が漂っていて背景が真っ黒の若冲は初めて見たかも知れない。 Wikimedia Commonsでは作品名が載ってないので、ファイル名の「Ishizuri」を頼りに版画の石摺りで調べてみたら若冲はやっていたけれども興味深い作品は多色の木版画だったらしい。石摺りの版画は黒地に白い図柄だけど、若冲は白黒だけではなくて多色でやるのに独自の技法を編み出していたようで、合羽摺りといわれる、黒地…