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些細な日常

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コットの幻想的に心を潤わせる絵の真実

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コット は十九世紀のフランスの画家で、当時、 絵の主流だった新古典主義 の終わり頃に出て来ていた。 Springtime by Pierre Auguste Cot / Public domain 新古典主義は元々は先代のロココ様式という雅やかで装飾的な絵に反発して生まれたといわれる。宮廷芸術とすると王室が文化的に栄えていた時代を象徴していたわけだけれどもフランス革命と共に衰退して行く流れの中で取って換えられた絵のスタイルが新古典主義だった。 目下、音楽では モーツァルトが王室を離れて初めてプロを目指していた 時代だったし、奇しくも芸術家としてそれぞれの生き方が感性的に響き合ってしまう。逸話によれば児童期にシェーンブルン宮殿で出会って結婚を無邪気にも申し出たとされる マリー・アントワネット がオーストリアからフランスへ出向いて ルイ十六世 の王妃に就いてからまさかのギロチ…

アングルのドーソンヴィル伯爵夫人の肖像は新古典主義の頂点を指し示していた

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十九世紀のヨーロッパで絵のスタイルは新古典主義が隆盛を極めていた。失われた楽園を取り戻すかのように古代ギリシャを主に規範として中世のルネサンス、または古典主義を再評価しながら虚飾を廃して自然にあるがままのスタイルで尚且つ壮重に描かれる真実味の高い絵が人気を博していた。全員の好みが同じだったはずはないにせよ、世の中の潮流として可成の程度で人々から注目されていたのは確かなようだった。 フランスでは取り分け芸術アカデミーという専門機関と画家が強固に結び付いていて支配的な様相を呈するまでに至ってしまっていたらしい。およそ民主主義と資本主義が革命的に加速するような時代的な状況と相俟って生活そのものが問い直された結果として新古典主義が人々の心を掴んだとは想像するにも難くないだろう。 世の中が変化すると同時に昔を振り返りたくなるのはなぜか。名残惜しまれる何かのために…