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些細な日常

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柄谷行人のバーグルエン哲学・文化賞の受賞から振り返る思想

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日本の批評家の 柄谷行人 が2022年のバーグルエン哲学・文化賞を受賞していたと知って感慨深い思いに駆られた。 柄谷行人の本を無性に読み捲っていた思い出 Kojin Karatani| Berggruen Institute 僕が十代後半から二十代前半まで最も多く読んだ本というと柄谷行人の文芸批評やエッセイだった。好きとか面白いなんて全く感じないくらい無性に引き付けられていた思い出がある。振り返って初めてこんなに、沢山、買って読んで人生の時間を費やしているのだから柄谷行人が好きだし、面白いに違いないと捉える他にないというふうな不思議な魅力に取り憑かれていた。後にも先にもたぶん他の作家にはなかったと思うし、余りにも特別な存在だったんだ。 二十歳頃に愛読した柄谷行人の著書 畏怖する人間(1972) 意味という病(1975) マルクス その可能性の中心(1978) 反文学論(1979) 隠喩としての建築(1983) 批…

デカルトの「我思う、ゆえに我在り」は現実そのものを掴んだ哲学の第一原理だ

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哲学の命題で最も分かり難いというか、どうとでも受け取れるように人々が自由気儘に捉え易いのは「我思う、ゆえに我在り」( デカルト )の他には滅多にないだろう。只単に言葉としてもとても有名で、口に出した本人、デカルトの代名詞にも等しい。 Portrait of René Descartes by Frans Hals / Public domain 数学や物理学などもやっていたようだけれども「我思う、ゆえに我在り」の一言で哲学者のイメージが物凄く強いんだ。思考と存在を単刀直入に結び付けた表現は如何にも簡単らしい。ところが謎めきも凄まじくて何なのかと真剣に向き合うと全ての理解を弾き返すほどの印象を与えて止まない。 デカルトの「我思う、ゆえに我在り」という言葉は何を意味するか この土地での最初の省察を諸君に語らねばならぬかどうか私には分らない。それはあまりに抽象的なもの、かつあまりに一般的ならぬもので、それ…

エピクロスの余りにも清貧な思想/アタラクシアの感覚と原子論

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古代ギリシャの哲学者で、紀元前四世紀頃のヘレニズム期の初めに生きていた エピクロス が日毎の質素倹約を絵に描いたような余りにも清貧な思想を持っていて驚きながら共感を覚えてしまった。 アタラクシア(平穏な心)という身近な幸せを大事にする気持ちから世界を捉えていた。 自然で必要な欲求が正しい Epicurus / Die Bildniskunst der Griechen & Römer / 311 Tafeln mit 518 Abbildungen und 19 Textillustrationen herausgegeben von Anton Hekler from Wellcome Collection / CC BY エピクロスの哲学では感覚が重視されていてそれに見合った生活がアタラクシアとして考えられている。感覚は欲求によって疎外され得るし、哲学的に真実も分からなくなると三つに区別…

嫌いな人間は本当は人生で役立っている

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面白いのは良さを持っている、好きなだけではなくて嫌いな人間でも。だから余りに逆らい過ぎると自分こそ良さを失いながら死ぬしかなくなりもするのではないか。 地獄の道理、すなわち閻魔の悪知恵ならば流石にやはり人間を破滅させるように神から上手く作り出されていると驚く。 懇意、止めてくれれば助かるのに人間だけが確実に生き延びるのも不合理なためだろう。 人間同士でも力関係があって嫌いな人間が強いほどに人生は厳しくなるわけなので、弱いままで倒れないためにはそうした力を認めながらむしろ自分にしっかり取り入れて完全には敵視しないように努めるべきだと思う。 なぜ人は人を嫌うか 根源的には思想に反するせいで、人々は敵対する。世の中で討論会にかぎらないし、さもなければ却って真実を見落とし兼ねない。 思想は人間の存在を形成している。生死を懸けて宗教戦争でも何でも起きるわけだ、互いに嫌い合えばもはや。差別、偏見、そしていじめも…

カフカの小説へは孤独を愛する気持ちに親近感を覚えた変身から引き込まれた

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高校時代、本当に心から好きで愛して止まない作家・小説家が カフカ だった。 本が読みたいと思って本屋の文庫本のコーナーを見て回っていて置かれている本の種類も数多いし、何が良いのかという文学の知識も殆ど持たないままで、迷いに迷って選びようもなく、幾日も本屋へ出向いて同じように繰り返していた本探しかも知れなかった。 振り返っても本当にいつも驚かされざるを得ない、カフカとの出会いとなると。 偶々、これが良いのではないかと本屋の文庫本のコーナーで何一つ分からない状態ながら表紙や紹介文から感じて新潮文庫の作者の顔写真が付いた表紙のデザインが印象的だったけれども買って読んで完全に引き込まれてしまったわけなんだ。 カフカの短編小説で、選んだのは代表作の一つと見做される 変身 だった。喜びは非常に大きくて記憶にも著しく残されたとはいえ、味わいは唯一無二で他のどんな小説にもない趣きだった。十代後半の当時から中年期の今現在…