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些細な日常

柄の遥かにの第一部|詩集

The blue

空は広い
どこまでも大きい
森の湖にボートを浮かべて光を浴びていると
何もかも忘れられる
余りにも空が素晴らし過ぎるせい
痛いほど切なく胸が締め付けられる

Of mind

丘の上で一人佇む
風に乗る小枝
過ぎ行く列車
街並みは暗がりに包まれながら
日はまだ沈まない
夕焼けが延び始める中

ナッツを噛む

Take a naked walk

新鮮な空気がたくさん溢れている
甘美な景色が幾つも留まっている
壮大な自然がとても晴れている

For good and all

ビルの屋上のフェンスに掴まって飛行機を眺めている
夢の中で聞いたメロディはA・B・Cのリフレインで
夜空の向こうへ消えて行く
スニーカーで跳んで仮面を脱ぎ捨てたい

At heart

純白の雲が流れると眩しくて涙が浮かんだ

In the night

満月が明るく見える
流れ星は一つもない
空に漂う雲たちは静かに思い出をさらう

Soulfully

黒い心は喜びも悲しみも飛び抜けて
透明で無色な世界へ近付いて行く
大地に流れる赤い血は瞳を強く驚かす
切れた唇は
次いで愛だけを求める

Listened to the radio

硝子の瓶に古い記憶を詰め込んで
海へ放り投げる
砂浜に打ち寄せる波は動きを止めない
太陽が熱く照り付ける真夏の時刻は
まるでバターのように堕ちる

Sweet song

花一輪贈るよ
何も残らないね
路上には雨粒よりも人影が多く差している
このアスファルトを駆け抜けたのは
決して一度きりじゃなかった
どうせ待っているのさ
会おうと望んで

Missing case

雪が降り積もる
しんしん
氷が張り詰める
みすみす
風が凍え切る
きんきん
冬が寒くなる
とうとう
水が眠り就く

すや……

Clearance

真夜中の教室は体育館の横に投げ出されている
無人の図書館は正門の端に放り出されている
静かなプールで泳ぎたかった
寂しいトラックで走りたかった
不意に朝が遠く感じるから
裏庭の丸太の上でもう暫く目覚め続けていよう

Rusty memories

我が儘な子猫が逃げ出した
戸外へ飛び出して行く
危ないか?
忙しいか?
さて濡れ衣を被って熱気を取り戻したなら
熟した林檎を齧りつつ
TVショウを見守ってやろう
午前0時のアラームが激しく騒ぐ枕元で
恋と呟くも

One favorite pin

懐かしい三日月を窓辺から見眺めて
ビールを弄ぶ
乱れたベッドは何も変わらず
部屋を飾り付ける
廊下へと運ばれる小刻みなシャワーのリズムに
モンクストラップが弾む

Suicide of a suit

弱ったな
予定に間に合わない
困ったな
企画に差し支える
どうしよう?
どうしよう?
死ぬしかない
グッドバイ
遺書を物した
しめやかな
挨拶を交わした
最期
亡骸には
スーツを着せておくれ

Colors, like tears

朝靄の中に虹がかかる
降り注ぐ雨は上がり
心残りの水溜まりが小波を立てる
七色のアーチが街角を跨ぐ
道行く人は喫茶店を曲がり
粛然と街灯も微光を下げた

To map future

桜の花びらが舞い散る早春の季節
砂時計が転がって行く坂道に立ち
僕はショルダーバッグを抱える君を想う

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 柄の遥かにの第一部|詩集
  • 最終更新: 

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