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柄の遥かに(詩集)の第二部

Before dark

デートの帰り道
ガードレールに腰を沈めて缶珈琲を試す

Rainy stage

破れた心が
虚しいと
窓枠に
人差指を
かける

Magic

新宿のレストランで食事した後
雑踏の交差点が遠近の道端で
僕がいうままに君は目を閉じた

Not much snow

今から会いに行くよ
来るなと言われても向かうよ
心の声が呼んでいるんだ
嵐が吹き荒れる洞窟の中で
野兎が丸まって耳を垂れている
騒がず
しゃんと
座っている
一つも不思議じゃないんだ
腕に紐を巻いているね
足に鎖を掛けているね
分かっているんだ
閉じた唇に隠された好きの一言が
咄嗟に魂を魅了する

Adagio

砂漠に雨が降り落ちる
駱駝に跨りがてら神妙に手綱を掴んでいる
国境を越える頃には
多分
夜明けが訪れることだろう

Mosaic

物事は意識された途端に罅割れてしまう
どんなに印象が圧倒的に強くとも
その核心が飛び出した後ではもう既に取り繕えない
試しに大風呂敷を放とうと
何から何まで擦り抜けるばかりだ

Silhouette

真っ直ぐの鼻に野薔薇の鋭角的な香りが来る
生まれたときからずっと探し続けていた
命を心へ焼き付けること
背中に翼ができているみたい
弾け散ってしまいそう
ユニコーンを熱く思い描く

On the miracle

小鳥を肩に乗せて歩いていると
誰もが驚いていた
少しも飛び上がろうとしない
もしかしたら羽を休めているのかも知れない
公園のベンチに座ってジュースを飲んでいると
色んな仕草を教えてくれた
良い思い出ばかり
もし手に入れようとしなかったら
何一つ変わらなかったのかも知れない

Down the luck

嘘吐きに慣れた口元は奇妙に歪んでいる
何かを堪えながら厳しく黙り込んでいるんだ
生きるために
最早
涙は流さないと誓った

Experience

地獄の奥地で見付け出した天使は
僕を天国へと連れ運ぼうとしていた
まだ探検が済んでいないというだけの理由で
僕は天使に別れを告げた
全くの無表情で見詰め返されたことを良く覚えている
そして僕は悪魔の巣から
愛と呼ばれる喜びの気持ちを家へ持ち帰って来たんだけど
あのまま
もし旅立っていたらどうなっていたのか
時々
考えてしまう

Rendezvous

細いフルートの音色が
暗黒の闇と月光に照り返される紺青の
海の満ち引きを柔らかく包み込み始めた
僕は垣間見たんだ
この二つだけの朽ち欠けそうな眼で
精霊が世界へと降り立って行く事実を
風は一時も僕を拒もうとはせず
次第に流れ去るばかりだった
何という寓意なんだろう!
まるで感じ取ったイメージの重さが
烈しく宇宙との抵抗を為し続けるような
クリスタル
もう遺跡の砂浜しかない
僕は人生の終わりを拳で握り締めると
備わった翼を夢見て
遠くの島に向かう

Sacred

人形を叩き壊しながら大きく叫んでいた
僕は愛を誰かに伝えたかったんだと思う
本当は神が自由を地球のコアへと押し込んでいたために
憎を感じるだけになってしまっていたんだけど
偽りの喜びを締め付けてみると
案外
現実を固く凍らせられたわけで
僕はセルロイドの喩えを安直に作り出そうと錯覚していた
苛烈な息遣いによって如何にも手に入れる寸前
怪獣と密会した謎は恐らく特例と間違いない
僕は社会をも逸脱するためか遣って来たんだ
不快な歴史には人間的な美学を添えなければならない
幻影を取り巻く夥しい呪いよ
吐け

Strawberry time

赤い服を着て
転げ回り
まるで笑ってるみたいに
幾つもの種を振り撒く
地中に深く埋められる星の水だけで造られる沿岸へと

国へと速くも流れ着くのさ
どうして無傷なんだろう?
余りにもテーブルが古くなりすぎてしまって
フォークも器もチョークさえも粉々に保たれる!
そうだよ
もし僕が生きてるのなら
誤りなく喜びまくってるはずなのに……
苺の時間はせせこましさに覆われるばかり
乾き切らない日輪の影で氷がしかし焼けてるんだ
多分
君はオシャレを美味しく行うのかも知れない
念入りで野性的な雨が落ち降るや
オーロラが明るく漂う

There's no ambience

草原と呼ぶよ
チーターが走り
亀が止まり
象が躓く
どんな声も言葉にならず
一つの言葉も声になるだけさ
暗い雲行きに紛れて山々が噴火し続ける
不安を取り消すほどの勢いで
爆風が脳裏を掠って行く

Angelic fanny

いつだって
驚かされるのは
背中に触れて
生えてない翼を
思い描くとき

夢を見ながら
歩いて来たのさ
恋するように
疑わず
胸を痛めて

天使は気紛れ

蝶と共に天国へ

兎と共に地上へ

柔らかく行くんだ

確かに
願ってはいたよ
幸せを

どこだって
慄かされるのは
首元に撫でて
付いてない宝を
感じ歌うとこ

幻を聞きながら
走って来たのさ
愛するように
信じず
胸を焦がして

天使は気紛れ

蝶と共に地上へ

兎と共に天国へ

柔らかく行くんだ

確かに
望んではいたよ
独りを

Birds

鷲が木片を攫う
鷹が硝子を攫う
烏が水晶を攫う

雀が悲哀を誘う
白鳥が哀愁を誘う
雲雀が愁慕を誘う

駝鳥が骨を紛らす
コンドルが鉄を紛らす
燕が棒を紛らす

家鴨が慕情を介する
鴨が情動を介する
鴎が動向を介する

フラミンゴが熱を慮る
朱鷺が肝を慮る
鷺が薬を慮る

鵡が向上を捗らせる
鸚哥が上昇を捗らせる
九官鳥が昇天を捗らせる

文鳥が花を形取る
啄木鳥が精を形取る
梟が冠を形取る

ペリカンが天命を纏わる
海猫が命運を纏わる
郭公が運気を纏わる

鶴が回帰線を憚る
ペリカンが操作性を憚る
鴦が世界観を憚る

雉が藪を遷ろう
鳶が倉を遷ろう
椋鳥が煙を遷ろう

阿呆鳥が感慨を催す
鶯が概略を催す
不如帰が気概を催す

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