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些細な日常

夕凪への第三部|詩集

信じられない

人にはいえない悩みを抱えていたら
災いが災いを呼びよせるかのように
又別の悲しみを味わう嵌めになった

冷静に
吐き出して
対処するべきだ
すっきりしないと
嫌らしくも
許されず
惨めだ

報われないかぎり
頑張りたいのは
自分のためで
どんなに頑張っても
報われないなんて
自分のためではあり得ない

挫けるな
報われるまで
誰にも聞かせられないまま
頑張り続けて
知られないにせよ
構うまい
辛いとしても
四六時中

努力へ少しも甘えてはならないとは
耐えるしかない状況ではないかしら

引き受けるんだ
過ちを犯すよりは
励んでおいて
貴方が付いていれども
積み重ねた失敗に
潰されてしまうのが
性格なのだから

頑張るほどに
報われなくとも
自分でなくてはならない

考え出してみるぞ
損得抜きに

星探し

助け合うべきだ
生きるためには
本当に辛いのも
ヨーグルトでは
なかったように

気を揉んでいた
涙は休んでいた
血も飛ばないで
声も澄ますのに

悪いと感じる
僕が人で
人が悪いと
認めなければ
良かったの
だろうか
つまり

綺麗ながら
表情豊かな
生活くらい愉快に遊んでは

生活ながら
綺麗眩しい
表情くらい刹那に学んでは

表情ながら
生活確かな
綺麗くらい颯爽と働いては

君のせいかしら
誰のためならば
クレヨンでしか
なくなるよりも
争いたくはない
愛のゆえなので

あり得なさ

雪解けのようにまるで
張り巡らされた憂いこそ
すんなり頷かれるのだった

貴方が僕を見てくれている
神経を磨り減らすべきなどではなく
一人なんかで弱ってしまうばかりよりも
立ち向かわなくてはならない
困難が待ち構える状況だとしたら

僕も貴方を頼りにしながら
生きて行くしかなかったのだから

咲き揃う花たちは告げる

自信を付けてか
梅は散れども辛夷は輝いて
確信を待たずか
桜も開けば水仙も縮まらず
交信を図るしか
紫陽花の蕾さえが増えるし

上がって行く
調子にもはや羽目を
外さないかぎりの
人生の波に乗り

僕は頼りにしながら
見てくれている貴方へ

忠誠を誓いたい

別れから捉えて

僕は病弱だったらしい
記憶には全くないものの
親が聞かせた話だった
何度も死にかけていたと

幼少の時分より
心血を注がれながら
育って来たのかも知れない

優しい人が好きなのも
つとにそうしたことのように
受け止めなくてはならなかったんだ

別れから捉えて

どんなに触れ合いを
求められているか
霊魂として
ではなく

林檎も大変だ
手に余るほどの
重量を備えている

真っ赤に燃える
太陽と比べてみると
冷たくも甘酸っぱくて
芳しいほどで

有り難いばかりの気持ちには
言葉しかないのではないかしら

天使も咽び泣く
涙だとすれば
毒蛇も帰り就く
闇だとすれば

別れから捉えて

どんなに付き合いを
考えられているか
亡骸として
ではなく

どんなに触れ合いを
求められているか
霊魂として
ではなく

大切な滝

貴方は知っている
飛んでもない哀しみを
僕には教えなくないと
決め込みながら

周りの人を交えて
口に出していたのを
聞いてしまった

耐えたくもないと
恐ろしいほどに
感じが悪くて
参り捲るや

にしては
僕も同じなんだ
貴方には教えなくない
秘密を抱えているので

誰にも話さず
少しも知られてはいない
けれども

空へ祈るようなものか

貴方が僕を
変えたんだ
僕も貴方を
変えるべく

集中して行こう

したいなら
できたはず

貴方に僕は
僕は貴方に

認めて欲しいゆえだ

円満

憧れはいっそ
怒濤のように押し寄せるから辛い
良い人を止めないで
平然と構えるには想いこそ
掬い取れるかどうかだ

僕は君の

何なのか

君で僕も

誰かしら

満足するよりも
仲良くなるべきだなんて
気に入って貰えて
素晴らしく嬉しいと
脳味噌が痛いままでは
感じられなかった
打つけられて

君の僕は

誰なのか

僕も君で

何かしら

敬意を払わずに
付き合っては不味いみたく
分かりもしないで
慣れ切ったふうだと
見下げるわけには行かないんだ

爆竹

貴方は見破った
心からの笑顔かどうかを
改めて感じられて来る
優しくありたいと

元気付けたんだ
存在を否定しないで
ああだこうだと
行動に口は挟まないものの

様子へは
首を突っ込んで
受けるみたく

認めなくてはなるまい
是が非でも
僕のためなんだ
喜ばされてしまっている

大丈夫なのも
貴方以外ではない

可愛いせいらしくて

放っておくには
不安なくらい
知らなかったようで
手出ししないと
堪らなくなり

考えるしかないんだ

人生に難しく
突き当たっても
素通りはしないで

夕凪へ

君と二人でカフェオレを
囲い込むように檸檬へナイフを入れたら
輪切りの縁が六角形になって
蜜蜂の巣を嗅いだのと等しくか

漂い出した
雰囲気の
甘さに
僕は

死にたがる気もしなかった

ありがとう
いさせてくれて
ただしさらに
いることにもしたくなり
どうしようか

考えてみた
君を良く知らないと
打つかりそうで
恐いんだ

性格も合っている
気持ちも通じている
生き方さえもが同じなのに
もっとずっと
投げ出さないためなので

学んで欲しい
僕のことを
教えて行くべく

サンドイッチを食べながらでも

いってみるや
蒲公英を眺めていた
風車が回る丘の上で
石鹸玉に包まれたまま
いってみるや
公園の水道で手を洗い
ベンチへ腰を降ろし
いってみるや
日向ぼっこだろう

物分かりが良いと
直ぐに折れられて
擽ったくなるのは
やり込めるよりも

互いの縁に情が流れ出したから
おいそれとは断ち切れないんだ
いつも引いてばかりならば
いつか消えてしまうだろう

別れてはならないほどに
期待をかけずには
いられなかった

人生訓

皆のために笑うと
野に咲く花のようで
君のせいで輝くや
鼻で向く豚のようだ

優しいのは
好きなのは

右手の南半球で
独楽が回るかぎり
刻まれる年輪も
濃厚な感触だろう

面白いのにか
嬉しいけどか

好きだから
優しければ

伝えておきたかった

分からせないまま
消してしまわず
明かさないで
僕自身こそ

切なくても
淋しくても

寂しい思いか

荒んで行くんだ
叶わない夢ばかり追い駆けて

皆にも嫌われるくらいならば
もう止めてやれ

忘れた頃にでも
帰って来るのではなかろうか

繋ぎ止めた凧を上げているや
空は美しかった

普段と変わらず
自分の首だけは締めないよう

気持ちを切り換えておきたい
頑張り過ぎるな

夢は又叶うはず
花も咲かずに荒んで行けども

取り返しが付かなくなるんだ
諦めてしまえば

うんざりしても
手が届かないに過ぎなかった

オーバーフロー

男が袖口を引っ張る女の
恥じらいを悔やまないように
気に入られて伏し目がちならば
可笑しがりながらか

恋に落ちもする

瞳は綺麗だ
腕は優秀だ
綺麗な女の
優秀な男の
輝いた瞳で
冴えた腕で

女は美しくなり
男も賢くなり

幸せを掴みもする

綺麗な瞳が魅せられていた
腕こそ優秀だったわけで

容易く切れてしまいそうに見えても
抱え込まれるばかりの潔さは
止められやしないだろう

今までよりも

彼女は目敏く
他の誰とも違うと感じ取っていた
出会ったばかりの

彼を

五月蝿く追い払われもしないで
すっかり上機嫌だった
彼は心強く

彼女を

慕わずにはいられなくなるのだった

彼女は読んだ
虐げられはしないと
本のようにまるで

彼を

魅せられてしまって
音楽ではなくても
彼は聞いた

彼女を

憧れずにはいられなくなるのだった

彼女は実際に
幸せを噛み締めながら
生きて行けるに違いなさそうで

彼を

自由にしなければ
苦しみでしかなかったと
彼は明白に

彼女を

敬わずにはいられなくなるのだった

カサブランカ

先走りするな
興じて貰いたくて
僕のことながら

恋するほどに悩ましく
相手の幸せを願っては弱り果てる
粗探しが目立つとは
自力のなさの表れだろうか

山を登ると
空が開けていた

片想いでも構わない
付き合い難くて堪り兼ねるくらいならば
余りの辛さにやっていられないと
嘆き出すのが落ちも落ちで
呆れ返ってしまうよりは

一人にして欲しい

拒み切れないのだから
素敵過ぎるような扱い方に
慣れてなかっただけかも知れない

誰かに相応しい存在になるなんて
取り繕っては嘘っぱちな演技で
情けなくも媚びるに過ぎず
受け入れられやしない

付き合い易さ

一緒にいたいのは想いが分かるので
好きなほどに親しまなくてはならず
離れてしまえば悲しまれるかきりだ
振り返ってや正しいわけでしかなく

近寄らせずに
僕は
知らないまま
心を
預けたようだ
君へ

君も

心は

僕か

海蛇が泳いで行った
残された砂の城には誰も住んでない
杉山が霞んで行った
浮かんだ白い月へは何も写ってない

預けたようだ

知らないまま

近寄らせずに

君へ
淋しげな
心を
奇しくも
僕は

近寄らせずに

知らないまま

預けたようだ

僕は

心を

君へ

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 夕凪への第三部|詩集
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