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些細な日常

一人遊びの第一部|詩集

ルピナス

何もいえなかった
見ていて口を慎まされて
尖った形と富んだ色に
どきまぎさせられながら
大好きな人こそ
間近には接せられずとも
想像させられてしまうし
何もいえなかった

ルピナス
心に春を呼ぶ
名前のように咲いた
声にもならないピアノの
言葉だけが降って来る

空へ向かって
突き上がる
花盛りの綺麗な
恋盛りの美麗な
都へ向かって
揺れ掛ける
立ち伸びる

ルピナス
心で唇が過る
女神のように訪れた
影にもならないエースの
言葉だけを繰り広げる

星と示されて
追い求める
花盛りの綺麗な
恋盛りの美麗な
翼と示されて
探し当てる
受け留める

何もいえなかった

ルピナス
心は夢が香る
彼方のように飛んだ
力にもならないフリーの
言葉だけで会いに行く

道も楽しくて
胸を弾ませて
風も清らかだ

先も嬉しくて
顔を輝かせて
世も艶やかだ

神様の懐へと

皐月に君を思う

君思う皐月
綺麗だ

ヘアバンドを贈ろう
雪のようで橋のような
心持ちがする

皐月に思う君は愛らしい瞳で世界を見詰めていた

どうして逆らうこともなく


聞いてはならないまやかしだけれども
僕はもう皐月の君を思うことに決めたから
耳を塞さぎなどはしない


世界は吸い込まれて行くのだろう

神様の懐へと

君に思う皐月と共に向いていればbr> 皐月に思う君がハイヒールを鳴らしてポーチを揺らして
近付いて来るのも分かるのだろうか

僕が決めたからと
皐月の君を思うことには
もう惑わされるばかりで
チークダンスで踊り続けずにはいられないのも
目に見えて明らかなのだろうか

神様の懐へと

世界は吸い込まれて行った

愛らしい瞳で見詰めていた君の皐月を思うと
僕は今にも倒れ込みそうだ

悩殺されて

変わりなく

好きだった
結婚して良いくらい
只気がかりなのは顔だけだった
目付きが彼と似ている
表情のせいではなかった

ところでいっそ
生まれ持った形が揃っていると
大人の恋は走れないんだ
心のエネルギーが切れているのもなぜだろう
彼のせいに思われるのは計算上の都合でしかないとすれば
恐らくは彼女のためだ

萎んだ宇宙よりも
太陽系を明るく経巡る地球の瑞々しさが痛かった
としか上手くいえない
接点が足りないのは例によって例の如くの片想いだ
終わりを嘆いては行けない
力尽きながら

寝転び芝生

愛は赤い
恋は黄色だ
情は紫がかったオレンジで
気持ちが薄くてこそ
芝生のような緑か

魂と心に色は感じなかった
黒と白かも知れない
夜と昼に透かされていて
魂と心に色は感じなかった

幾らか青い風の中

魂と心に色は感じなかった
糸と針で縫い合わされた
闇と光に貫かれるまま
魂と心に色は感じなかった

今だけが空を待たせている

ふわふわの綿菓子は
砂糖が一杯で注意しないと
虫歯になり易いけれども
分かってくれるような

君だけを僕は守りたかった

いってはならないことがある
ために指図もしないで
クリームソーダを飲んだ

あの人はもう直ぐ死ぬだろう
年には勝てないとさえも
歌いながらみたいに
まだ笑ってもいないあの人を
八十歳とは呼び切れなくて

アイスクリームを食べた

いってはならないことはない
なのに指図をしたまま
フィレステーキも頼んだ
ゆえに要求はしないで

今だけが空を待たせている

君だけが僕を助けもせずに
僕だけの君を覚えたかった

空だけが今を焦りもせずに

今だけが空を待たせている

僕だけで君は包まれていて
君だけに僕も祈りはしない

僕だけが君を望むとしても

今だけが空を待たせている

だんき

ライムになるけど、意気にが粋に生きに息にとさも飽くなき事例を認めるほどに感嘆しても簡単して降参して鎮座してなんかいられない部屋だとライムになるけど、一人してフェアーに見詰められてライムになるけど、身持ち正しく本気を出してこそライムになるけど、焦れてじっといられないならないで欲しかった考え返されの募るううるううるうるううううっ、だんき。

琥珀色の空

何を思う
夕暮れ間近の君
人生に一滴の涙を落として
生きることは虚しいみたいな顔を
向けられながら僕こそ
全てを受け入れて
いたのに

言葉が出て来ない
湧かない気持ちが恋しいようにまるで
言葉が出て来ない
浮かない気持ちが切ないようにまるで
言葉が出て来ない
行けない気持ちが危ないかぎりもはや

真実も出て来ない
導けない気持ちが苦しいくらいさては
言葉が出て来ない

真実も出て来ない

爆発は出て来ない

町を彷徨く心から
瞳に映り込んだ景色が吸いたいと
君の空気を湛えていた

和んだ腕のそばに立って
美しいばかりの椿の花の艶やかな
衣服を剥ぎ取ろうと
僕は消え去ってしまうよりも

指を掛けないで
背も丸めないで
舌は覗かさないで
胃も晒さないで
足は固めないで

肩を落とさないで
愛を捨てないで

願っていた宛の絆が
欲しいだけの心に懐かしくも
帰り着くまでは

信じていた奥の手が
著しいだけの胸に頼もしくも
跳ね返るまでは

言葉が出て来ない

真実も出て来ない

爆発は出て来ない

水を折る

二つに一つの日が暮れて
家に帰れば良いものを
考えながら泣くようにか
照れてばかりいる代わりに

水を折る
人は夏の暑さに
汗を流し

水を折る
心は空の高さに
影を集め

水を折る

素晴らしく
只偏に

パキン

貴方の頬に天使が留まり
手を置けば良いことと
考えながら泣くようにか
恥じてさえもいない曲がりに

水を折る
木は風の誘いへ
葉を流し

水を折る
夢は命の輝きへ
力を集め

水を折る

素晴らしく
極楽に

パキン

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 一人遊びの第一部|詩集
  • 最終更新: 

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