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真っ只中(詩集)の第二部

キッチュな恋

遅れられて
爆撃したい想いは
好きになりかけなのか
燃えないんだ
三回目のデートも
渋々である
バームクーヘンは撤回しろ
曖昧や
如何とも半端が
気に召せば匿さなかろう
ストックのブーケを
永遠の美しさ
待ち合わせた噴水の
公園で鳩へ餌を食わす
婚約者よりも
腰付きが推知できなかった
たぶん
予定は午後二時とはいえ
なんて野暮なのか
映画が上映されてしまう
焦れたいとも
チェックで
首丈の仲みたいな
まるで
牙を窺わせられないと
早く急いで
欲しがらなくなり
そうだ
まさか来ない
としてもらしく
憂いがてら
空模様を冒険せずに
悪いな

真っ只中

損壊した蟻塚が風雨に晒されていた
かつて繁栄した様子は多少とも遺されていない
遠く離れた平原ではアリクイの死骸が光沢を放つ
雨は容赦なく叩き付けながら荒れ狂う風も余念なかった

通りすがりの鍛冶屋が鎬を削った日本刀を地面に突き立てる
まるでオベリスクという気品が漂うはずだった
類推してみれば照れて舌を覗かせずにはいられないようだ
鍛冶屋は哀悼を表明したかったにせよ
なぜなら膝を付き合わせて話し込めた伴侶が埋葬されたからだ
跛行しても休息しない無茶な日毎を長引かせてしまった

そして飛行船は馬鈴草へ影を落とした
可成の低空で相当な重圧が伴うにも拘わらず
バリカンは速やかに頭髪を刈り揃えて
牛革を鞣そうとする作業も滞りがないまま
打ち砕かれた砂糖を塗したアゲパンは柔らかな仕上がりで
正午の海峡へ響くハーモニカも根刮ぎにする
悲痛こそ漂流させるモルモットなのか
観察する小石が吐く溜め息は衛生的だった

モルモットも気絶した十九歳へ寄り付く
衝突したトラックが鮮血を浴びていた
交差点の雑踏に掻き乱されながら信号機は冷厳らしく
まさか介抱したレスキューの担架へ泣き崩れる両親もいなかった
若気の至りのバイクがペンダントを強かに粉砕するまま

アメリカは火星へ打ち上げた
仔細に探査したいシャトルである
アンテナも交信するべく待機している
どんなコマースとなるのかしら

突破した由縁の梯を愕然と締め出す
亜麻の服で身を包んだ芸術家が従えた驢馬は相槌を打てない
辛酸を舐める苦吟と等しいララバイも濃厚だった
郊外に粋狂した蜈蚣は穴へ掘り進む
マロニエが降下する太陽光を吸収していた
薄情な棺も絶えて有望しなくてはならず
社会は閑散と親和力を形成した
手を合わす観音が直立している

寵愛論

親交が欲しかった
ただ云うだけでも
胸を打たれながら
絶え得ない情けと

ポエジーだろうか
肝心なのは言辞で
たとえ芳しくとも
失態のようならば

求めていた気風を
もちろん示さない
述懐できるよりは
棄て去ってしまう

山桜へと立ち寄り
曇天にも拘わらず
煌めいてた人影が
現そのものだった

かくも死力を孕み
細やかな世渡りで
最善の策みたいだ
掌に憩いが兆され

著しく散る花弁の
オブセッションか
雨粒は降り出して
濡らされる素肌も

直ぐに晴れていた
極めて永くないと
悟らせる訳なので
分際も入れ替わる

ライトバラード

朧月夜に打ち建てられた
輝かしい金字塔で住まう
永年の恋人を仰ぎながら
死んでしまいたくなるも
湖水の波へ湧き出す泪を
浚わせていられたかしら
大切なことは抗わないで

引っ繰り返る宝箱があり
十月も初旬の肌寒い嶽だ
腹を括ろうと来てみるや
死ななくてはならなくて
案外と舞う雪に紛れつつ
息の根を止め得るにせよ
大切なことは抗わないで

野茨が端正に実を並べる
平静で囲われるばかりか
風ですらも祝わっている
死ぬべきであるかぎりの
小さな小さな棒を拾って
地球そのものに等しいと
幾つか組み合わすよりも
大切なことは抗わないで

這い回る山椒魚がいても
情けを受ける性質だった
木曜日の午前四時となり
死なないではいられずに
土壌も吹き飛ばされるが
介したならば子鹿だろう
大切なことは抗わないで

何れは銀世界へ変貌する
死にたがるべくあれども
花柄の羽毛布団を被った
大切なことは抗わないで

恋文の詩

分かち合わないか
苦楽を共に志した絆こそ
待ち受ける弱さも
半減すれば甲斐性だろう
分かち合えたんだ
単調な暮らしの折りや
過ごした孤身に
純然と赤裸々が吐き出して
さにも平常ではいられず
野良猫を好き好みがてらか
手に手を
重ねられる
貴方が欲しい
とした
願いも虚しく
破裂してしまった場面の
分かち合いが良い
ティファニーを
送らないまでも
暴くべきだから
貯金箱は一銭もないにしろ
いっそ信じさせられた
天下の沙汰
授かる悉くを言葉遣いへ
ややも
分かち合っていた
湿度も低い
疎らな往来で
枸橘の花が咲き初める時節
バスは停車し
襟を正した貴方は徒歩で
対峙した海と前進した
どうか飛び込まないように
祈らないではいられない
波が劇的に揺すり
西南で転覆した漁船も
忌まわしいまま
まるで鷲掴みの岩の先端に
張り付きながら
気がかり
救助できなかった
口実へ引き返して心底も
屈折させるよりか
しっかり
ちゃんと
きっちり
創造主を直観したと
否定されてはならない
砂浜を新たに
駆け付けようとして
浅蜊の片割れを
摘んだ
美貌の貴方が別嬪というか
だから後日は
ピロシキを持って
迎える交際簿ならば
少しも相克ではなくなる
懐を抱かれ得た開運なので
やはり
分かち合いたかった
忘れられない
昼夜があるとしても
僥倖でいられるかぎり
濁らせはしない

時間外のM

妛の葉を誇らしく
感服された精力は
太くて短いという

五枚を切り取り
由来が狂乱的だ
源泉が温厚的だ
事情が爆発的だ
物象が純化的だ
極限が理念的だ
切り取ってみて

連綿する生命は何処へか
停泊する生命は如何にか

狂乱的な夢路だった
温厚的な行程だった
爆発的な回復だった
純化的な遍歴だった
理念的な褒美だった

時間外のMは僕自身かしら

なんて夢路の旅だろう
なんて行程の書だろう
なんて回復の薬だろう
なんて遍歴の虫だろう
なんて褒美の品だろう

掻き混ぜた一枚ずつが
恰も占いの如き仰山な
考察で調節を合わせる

黄昏が薄れつつも
確約される言質を
立ち退けやしない

ミューズ

謀らずも噎せ反る
命の春の色香の尊さよ
犬一匹が掻き出した
麗しい定めを握り締め
玄武岩で象嵌した宝飾品も
如何に比類しないか

憐れみよ
筆頭菜が揺れる小川の畔へ
導かれた麗しい定めだ
詩人を介抱している
第六感の力量も適わないと
泣き喚く涕洟こそ

木霊が轟いた
梟は翼を広げて飛び上がる
割に合わない野鼠も
動きを止めて嗅いでいた
終夜は寝休まる斧の
麗しい定めへ与かって

只管な幌馬車は
峠を越えるや麗しい定めと
祝いながら林檎酒で
解け合えては笑い転げる
家族を牽くべき愛馬も
奔走する日だった

麗しい定めならば
何故に強請るだろうか
薊が閃くと聖所でさえも
拝みたいばかりの気持ちが
蚕へ蟠らない天使さ
踏ん張ってみせろ

絶好調さ
切り計る生も漲るかぎり
貧しさを撫で摩られる
風通しと呼応して普遍まで
速やかな麗しい定めに
浸れるのだから

Aがポテンシャルで

どんな幸せの形だろう
独りは思い惑えるかぎり
哀しい指で差すならば
背に腹は換えられないと
いうも耐え耐えながら
出て行けない身が切ない

交差点で留意する歯痒さ
重い頭は柱へ擦り付け
どんな橡も繁茂しないで
口を割らす気概ならば
偲んだ四月に問いかけた
どんな幸せの形だろう

分かり捲らない瞼でも
かくは知られ得なかった
接吻が乱舞する始末で
どんな懸巣も鳴いてなく
知られ得る固有の喉を
煩悶と分かり捲っていて

出て行けない身が切ない
いうも痴がましいんだ
胸へ打ち刻まれた幻とは
受容したい人柄にせよ
かくは応じるべき雑然の
互い違いを馴染まない

Sと衝撃

神のみ
ただ通暁した
空が透き通る鮮やかさと

先鋭な奥義は至上の愛を
拘泥しながら
殆ども段階的に及ぼす
洗練された
極意へ
赴く

硝子の工房が
煙突を躱した
文鳥は少年と
郷愁で珠玉に
窮して礼拝や
新月へ命中だ

世も高台で
さに天だけを手向け
善徳が末永くありたくて
希みを放つも

整然と香らずにいない
緑の根幹の精霊は
口遊んでいた
恰も全一性の如く
花道を飾る
清冽か
喜び

けじめ~律した誓い~

届かなかったはずの想いを
挫折してしまったとしても
投げ出したくなっていない

君は負担を受けているので
甘えたりや磨れたりもせず
差し障らざるを得ない僕で

悔い改めなくてはならない
飽くまで決意だから厭うな
立ち直らなくてはならない
厭うまで気質だから疎むな
返り咲かなくてはならない
疎むまで待望だから焦るな

僕が差し障らなくなれれば
磨れたりや甘えたりもして
負担を受けないだろう君だ

伝えたがりもしない印しと
屈伏してしまったかぎりで
振り払わないべきではなく

かくも竪琴みたく

猩々木の鉢植えを飾り付けた
寝室の壁際の棚は連想させる
久しくも安息できなかったと
徒労を余儀なくされた潤沢の
生まれ付きだった活力自体だ

神様が祝福する現実がある
天恵は時間と空間を操った
万策の精神を理性へ超えて
重要な経験こそ知恵となり
感受性も炸裂してしまった

新たに進出するべき肉体は偉く
生理的な強度を付帯されている
時計の表示が午前一時を回った
裏通りで浮浪する秀才も嗅ぐか
美しい意識が悲しく滅び去らず

水嵩を増した泉を照らす
月の滴で誘われる暗闇へ
包容された外観が古びた
奥深くて細やかな趣きを
湛えつつ忘却も憩わせる

善徳へのオマージュ

一人にされて
相手にもされないでいて
憤りたくなる
認め合いたくもなくなる

喋りたかった
食い違いたくはなかった

君よ

あげる一人なのか
くれる相手にもか
やれる憤りなのか
みせる認め合いか

食い違わないで
喋らなくてはならない

相手へ不足がある僕は
疑惑を抱えてしまうのだ
欠乏した認め合いでは
窮屈な気持ちなのだった

憤るべき只一人わ

くれないであげないと
望めないかぎり
不足ではなくしてくれ
みせないでやらないと
叶わないかぎり
欠乏しなくさせてみろ

願いの星もあげたのか
いれば喋らなかろう
祈りの地はやれたのか
ならば食い違わそう

全くさ

身辺的な事実

冬の低い日差しを
風は寒くも寛いでいる
誰某もない
何事もない
ただ空だけが
光を滲ませて開かれていた
惹き付けられる
雲は一様に解け
鳥は飛ばなかった
寝そべり
求められる相手がいないと
欲するべき対象がないと
立ち出すにも想う
宇宙は乏しく
死なず
殺されもしなかった
極上の正午前で

愛に操られて

心底よりも別れて良かったと想える
付き合っても不思議を意識できなかったのではないか
まるで良い人を応援したいような接し方が嬉しかった
親しみに触れられて可笑しかった
幾らでも縒りを戻せると感じてしまう

時空を超えて再会できる
別れを追い抜いて喜びを増やして行ける
僕は詩人的な人なのか

神よ 上達した歌よりも恋が発展しなかった
少なくとも聴かせなくてはならない

五月から一月まで愛に操られて弱々しさを
奮発していた男の遠近に天使がいた
理想を否定した直後で自殺する力もなかった
無情そのものが救済されているという事実

現在でも変わらない
ただし捕まえてみせる
実らない気持ちは納得できないんだ
腹減りどころか芽生えでさえもなかったではないか
僕が冷たさに怯えて逃せるのは世界だけで
ただの無様だった。

平和へ向けて

恋も二度目なら
気持ちを前面へ押し出して
真夏の夜の銀色の夢も
憧れてはなるまい

がむしゃらに行け
少しも引き下がらず
想いがあるかぎり

可愛く光った君が哀しく
まるで死んだように
絶頂を極めた喜びも眠たい
取り上げられてしまう
僕は判らなかった

二回目の愛でも
心は繋がると引きたかった
虹色の幻が真冬の空を
飾り付けるままか

判らなかった僕は
上げられてしまう取り
喜びも眠たい絶頂を極めた
ようにまるで死んだ
君が哀しく可愛く光った

想いでいるかぎり
少しも駆け込まれず
しゃかりきに出て

光った春色を
判らなかった
秋色は極めた
可愛く眠たい
毎日が好きで

フロアーV

分かっていれば
疎まなかったはずの
気持ちが正しくて
突き止めたい
涙の理由を
かりに

爽快だった
一生分の徳のように
切り放されてしまったか
覚えてやしない

まるで
花火を打ち上げて
飾られる羨ましい空を
待望していた
物静かな

小滝が流れ落ちる――

妄想しつつも
呼び戻し得なかった
成し崩しの感触で
泣けて来る
というか

独学道

僕は不幸だ
押し潰す儚さが身に染みる
いっそ意味も
価値もなくなった

何のために生きるのか
誰のわけで
喜ばしい理知はある

神様は
愛して下さる
不格好な
僕を

完全に受動的だった
生かされるゆえの内情だ
過酷なんだ

どうせ構わない
身に染みる徳のかぎり

能動的になりたかったんだ

恋ならば味わい得る
狂おうと悩もうと
死のうとしても酸っぱい
不可知の僕で

コメント

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