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些細な日常

最愛物語の第二部|詩集

石鹸玉X号

専念しろ
本性を
手に入らなかった
真実そのものだ
殺伐よりか

タヒチで
コノテーションは
ファクトリーの
リラックスと

手に入らなかった
本性を
専念しろ

ファクトリーの
コノテーションは

殺伐よりか
真実そのものだ

タヒチで
リラックスと

本性を
殺伐よりか
専念しろ
手に入らなかった

リラックスと
ファクトリーの
タヒチで
コノテーションは

真実そのものだ

いつでもずっと

辿り知るべき
月の砂漠を
恐れてはならない
流れ着いたのは
良いことだ
握り締めた掌が
空っぽになっても
たとえ

潮騒の海へ
裸足で質すように
追い遣られて
仕向けられた
生活がある
悪びれないかぎり
有利に働いた
過去形の

いとおしい

分かったから
遠吠えは銀狼だと
分かったから
雑用は柱の陰だと
分かったから
杏子は絢成しだと

子供だった僕も
青年だった君も
大人だった恋も
老齢だった真も

怯えないで
行き合うよりか
焦れられ

例の羽振り

見下して気に病んだ
コンプレックスを抱いて
劣等感が精神性へ
高まるまでか
侮蔑せざるを得ないで
自己嫌悪に陥ってしまった
信念なのだから

トルソーが傾くように
噴き出した熱泉は
およそ松果体でもなければ
かくも掻い潜り
深海魚へ伝わるのだろう
どんな始終で
沈み込んで行けども

ゆらゆら
思わずにいられない
穏やかな気分を
独り占めだ
なんて考え方なのか
気分を思わずに
独り
やんわりと
込んで
黙り
とんと見当も
付きやしなかったまま
まさからしい
十分が過ぎて
勘も働かず
冴え渡らないにせよ
翻ってみると
真夜中ぞ

健在を念じる
希望しなくてはならない

円盤を投げないで
黄褐色の
出し惜しむ
遊び心よりも
やはり悲観しないかぎり
身を入れていて
幾らか土埃も舞うや
実感された

祈るべき
安寧も
幻滅したくならない

キャラクターだった

僕は著す、心のまま
主題を示して行く
着実に言辞を連ねてこそ倩だ
人生も同様か
日に日に年取る
もちろん悲しまない
摂理だ
身体の法則へ抵抗しても僕ではない
目の前に悪を置いて跳び越える
一つの達成感が得られずにいない
たとえ微細でも威力があるようだ
心のまま。行ってみた
およそ永逝する場合も倩だろう
   止める
   予告するのは
   亡骸を
現象ではない
僕がスープを飲めば笑殺される
蚰蜒もロープをわっかにして投げると白兎が座り切った草地で腹這うにせよ、
非常に納得した表情を浮かべるというのが実録なんだ
小妖精がケチャップをかけたオムレツは守護神が味わう
まるで砂埃のようだ
倩が懐かしい
紙切れで突かれる僕なのか!?
命は尊い

ギフト〜天使の香〜

歴史の一部として
共立した対象性とは
自然そのものだ

炸裂した時空で光彩が踊る
まるで星のように
清純な澄み捲った形態も
無限を象徴するべき

仰向けの団子虫は
寓意化されたばかりだ
次いで洋灯を味付けする
 意識もあり得よう
かりに原寸大ならば
音調以外ではなかった
胸苦しさを
受け兼ねていたので……

正義の内側への
実質的な変化だった。
永遠に素晴らしく
幸せな気分だ

「自分がなりたい
自分になって」

すなわち
   だが
またも

感じられるのは人生の
書物ではなかった――
全般的な状態よりか
擦っ転けて、
臨場へ

大気中の振動が
囲い込んだ
当惑し続けて来た欲求を
ついにしかし
重畳する

いきさつ

閉め切られた窓の外で
風変わりな気配に纏われる
まるで痙攣のような
体躯が溶け去ってしまう
苦さを呑んでいた

長久に間が持たないと
生きた心地もしないのか
暴発しそうな頭ぞ
よもや内奥を打ち潰されて
道路へ臥しかけるや

さらば衰え果てた情感は
川辺で肩を落とすのだった
重々しい吐息と共に
絶無の縁か催そう
額も垂れ下げて強ちな

鵯一羽は焼け跡を
まさか出火らしかった
跳び跳ねがてら啄んでいて
俊敏に飛び上がると
晴れ渡りの空高く霞んだ

引き返せなかったが
葛藤せざるを得ないのを
当たり散らしてみても
惨めに若かないと凝らした
かくて錬成にせよ

箱眠り人形

判然と見極められなかった
仕儀ないわざも拐かしい
ジョークで躱されるよりぞ
さてや矯めるべきなのか
優しくて面白い恋人だとは

脳がコンクリートを拵える
都市の一角にて持続中だ
夜と昼となく力を費やして
築かれる檜舞台へ考えた

絶対に放さない
気付かなかった
励ますつもりで
言葉にしたんだ
ところがしかし
笑わせないまま
通り越して行く

もしか
歌っても
良ければ
行おう

彼奴は肝が潰れるほどに
苦しみ抜いて来たのだった
世の中を知りたいせいで
自明ではなくなってしまう

汲んだバケツの水を嗅ぐと
詩以外は表しもしないで
口に含みがてら美味しがり

もしか行おう
良ければ
歌っても

打ち飛ばしてはいなかった
翻されるアクセスにせよ
間合いが完膚ない触れ方だ

射影な囮

今のこの
気分としてか
在り丈がクールなんだ

艶やかに感じ出していた
引っ繰り返される
まるで余勢のような
纏いも惑わしく

かの掴みは
内面へ刺激して止まず
プラスだった
巡りよこす風物の
帰結点を呑み込めるよりも

速やかで機敏だ
束縛させられないまま

飛ぶ綿毛

君が気付いたよりも早く
早く気付いていた僕だった

唇を尖らせて
蒲公英が咲く野原で
息を吹かした
子供は腰を落として
目を追わせる
穏やかな快晴に遊ぶ

感じ出さなかった心は
さも感じ出されない
感じ出すべきではないか
感じ出したくても
すんなり感じ出せないまま

飛ぶ綿毛
君のではなく
僕のでもなくて
でなけりゃ
気付かれないんだ

今こそ凡てと
問いかけた

金色の蒲公英の
幾つかが白かった
野原で子供は
和ましくも穏やかに
腰を落として遊んだと
快晴だった
感じ出してはいない――

十頁目のコテージ

白鳥は湖を飛び立った
心待ちにされた大空へ
連なって行く羽搏きは
まるで転換期のようだ
何しろ
人生の
喜びを
知らなかったというか
夢見る
想いが
溢れ出さずにはいない
だから

もはや沈黙のかぎり か


静寂が谺する ばかりで
捨て鉢にも 匹敵すると

自分で自分を 流れ去り



取り 入れられや しない

考えた
宇宙を
なんで
創世記へ典拠してこそ
なのか
痛切な
反面に
膨れ上がる無限があり
鋼鉄の
意志も
完璧だ

完璧だ

滝壺巡り

伏し目がちに
見て取った物事が苦しげで
言葉にも窮したまま
考えさせられる

もしか同じでなければ
呻きはしなかったはずの
劇的な状態なんだ

僕は厚遇するまま
根詰めへ憂悶したのだった
粛敬もあって
強ちに止められないや
嘆息していたわけで

かくも答案しない宿題が
人生を困難にするみたく

精力的な活動へは
眉も吊り上がるほどだった
恐れ入りも並べてだ

存在感

いわなかった
フィクションだと
貰い泣きするほどに
雅やかさがある

今に見ていろ
闇を切り開いて
華は得るか

どんなに軽く
離れ去ろうとも
胸へ訴えた
考え入れならば

清新なまでの
天使も透き通る
ドラマチックだった
独壇場ではないか

電撃のようだ
表し返すにせよ
一心なので

待遇〜ガラパゴス諸島〜

漫遊しないと
引き出しには入ってない
出来合いの品々が
28°の勾配によって
著しく落下した

イグアナは陸と
海へ
棲息するのだった

目星を付けておいたんだ

重々しく
現れたゾウガメが
首を伸ばすや
葉っぱへ食い付いて
引き切った

なんて
プリミティブ
なのか

空を行く
抑揚する影はどこへでも
進むように
まるでランダムな
動きこそ
止めないまま
流離うや

消え果てたフィンチだった

大層な岩場で
波飛沫を浴びて
まったり過ごす思惑は
暫く振りの
養生にも拘わらず

気が引けなくはないんだ

赤い風船も
流れて来てぞ
ちょびっと
連れ戻されど

言風清明

愛するとは
心が通うことだった
確かめなくては分からない
ために愛するのは
決して生易しくもなく
完結するか
どうか
予断を赦さないものなので
愛するには道義へ
悖ってやならなくて
さもないと
必ずや否定されるんだ
むべもなく

当座は蕭索か
見知らない鵲に掠められて
ぼんやり居付きながら
現実を受け入れる

たとえ夜遅く
野原が拡がるとしても
正しいようだ
味わわされるゆえぞ
愛したので
どんなしかも
考えられ得る不可説にせよ
せいで嵩じる
看過したくはなかったと
重ね重ねにも拘わらず
想念の恙なさを

列車の窓に雨宿り

なぜか子猫が寄って来た
結論を出したんだ
付き合いは違わなかったと
絶交してしまってはならない
たとえバーチャルでも愛でるように接触するのが妥当だった
子猫は気持ちを汲んだかどうか
かくも住処みたいに居着くのだった
邂逅
美味く行くと実感させられる
戸棚の桃色珊瑚は古びれども金庫の《死》は恐ろしかった
出任せに振り払った想いが胸へ迫ると呆けざるを得ない
回らない首がポキンと拉がれそうで
よもや一人ぼっちだった……
子猫が訪れなければ口も割らなかったのだろうか
好きで泣いた
睦まじくないにも拘わらず
保管するべき功績ではなかった
遣り直す
すなわち演繹されたエナジーを企てたい
明日もあったのか

徒めき

なんで囚われていたのか
罠に引っかかりながら
過ごした情意なので
非常に勿体なかったという

天理な原則とすれば
薬でも作り出すほどの
渡世へ役立つ模範だろうか

皆と仲良くなりたくて
放っておくべきではないと
悲しみを思考したにせよ
留意もされなくなり
取り止める頃は
尤も僕独りだった

身を粉にして
慰めたのかどうか
どちらでも心苦しい
黙さなくてはならないんだ
手前に仁義がないよりも
義侠のない他所だとは
泣けぞしないで

知恵袋が空なのも
良いといえば良いんだろう
励まし合いこそ
事実ではなかったか
互いに面と向かっていた

ただし清々ではない
判ってみるや無効だった
自分を押し殺したまま
利得がないのも明らかでは

倏忽に肯わなかった
様々な人たちの実勢を
見聞できたというよりか
大して意義もなく
癪に障っては猖獗なわざと

からり

久し振りに感付いた
湿気のない空を見上げて
まるで瑞祥のような
気分も高まらずにいない

軒先で干された洗濯物が
いつになく閃くのを
黙って頷いていたかった

どことなく匂うのも
次いで乗じてみるよりだ

アロエは張り切って
幾つも葉を伸ばしたまま
土壌へと根差すべく
蓄えられた養分によって
ついぞない晴れ方と

色良く受け留めるわけで

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 最愛物語の第二部|詩集
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