英語の小説、オリーヴ・シュライナーの夢の生活と現実の生活;小さなアフリカの物語の日本語訳で気になった英文法にall about / butの幾つかの意味の捉え方があった。
all aboutの三種類の意味について
She sat up very frightened, but her goats were all about her.
非常に怯えて上体を起こしたが、彼女の山羊には彼女が肝心だった。
all aboutの基本的な意味は二つある。
前置詞のaboutは「~について」だけれどもallが代名詞の「全て」か副詞の「全く」かで意味の捉え方が完全に変わる。
allが代名詞の場合の基本的な意味
訳すと「~についての全て」や「~関する全部」のような意味になる。
he knows all about the lemon.
彼はレモンについての全てを知る。
allが副詞の場合の基本的な意味
訳すと「~について全く」や「~に関して完全に」のような意味になる。
This book is written all about the sky.
この本は空について全く書かれている。
all aboutの二つの基本的な意味は単語の使い方が同じだから文法だけではどちらかを判別できないので、文章の内容や前後の文脈によってallが代名詞か副詞かを捉えることになる。
allが副詞の場合の派生的な意味
基本的な意味だけでは分かり難い用法もあって引用の例文がそうだけれども「彼女の山羊には彼女が肝心だった」とallが副詞の場合に派生的な意味で捉えると分かり易い。
元々の「~について全く」が持つ物事の重要度の高さが転じて「~が肝心」とか「結局は~」なんて意味を新たに帯びる。
It's all about taking a chance.
結局はチャンスを掴むことだ。
all aboutの慣用句の用法といって良くて専ら「be all about」の形で出て来るようだ。字義通りに「~について全く」で受け取っても文意がはっきりしない場合がある。何かを中心に扱うような感じからさらに欠かせないものを伝えている。
参考サイト
all butの二種類の意味について
The moon was all but full that night.
月がその夜は殆ど満ちていた。
前置詞のbutは「~以外」だけれどもallが代名詞の「全て」か副詞の「全く」かで意味の捉え方が完全に変わる。
allが代名詞の場合の基本的な意味
訳すと「~以外の全て」や「~を除いて全部」のような意味になる。
Among them, all but melon are red.
それらの中でメロン以外の全ては赤い。
all butの直後には名詞か代名詞が来る。
allが副詞の場合の基本的な意味
訳すと「殆ど」や「~も同然」のような意味になる。
The turtle has all but stopped.
亀は殆ど止まってしまった。
all butの直後には形容詞か動詞か副詞が来る。
allが代名詞の場合はbutと併せて両方とも字義通りの意味なので、捉え方は特に迷わないけど、しかしallが副詞の場合は固有の意味を帯びるから注意が必要だ。特に反対の感じになるのが惑わしい。ある対象にbutの「~以外」がかかるにも拘わらず、allの「全く」と併せて「殆ど」の意味になると最終的に等しい印象とも過言ではない。
なぜかは一つのものから外されたものを全て含むから外されない一つのものと比べて似ている、または内容的に近いと捉えられるせいらしい。
他の英単語で置き換えるとalmost(殆ど)やnearly(近い)やpractically(~も同然)などが挙げられる。
コメント