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些細な日常

蒼い黄昏の第一部|詩集

つぷち

分かり過ぎるほど
気に入ってしまえば
取り違えなんかしない

心に染みる
水入らずの恋しさは
半分だけ恥ずかしくて
厚かましかった

爽快ではないかしら
少しの間隔もない
密着してもしなくても

可愛いからこそ正に
見守っていたいんだ

染みる心の
恋しさが水入りでも
恥ずかしくなるばかり
案の定と麗しい

月平線

沈んで行く暗黒の
宇宙に浮かび上がる
味わいが終わりを告げて
初めの一歩を踏んだ
豊かな砂地へと

月面は乾き切ったまま
大きく開かれていた
山場や谷間があるのだった
待てど暮らせど
思念を掻き立てて止まない

戻って来る記憶を
頼りに辿ってみては
華やいだ気持ちが生じる
取り残されたと等しい
星の荒涼の中で

丘陵に立ちながら
和やかさを感受する
幻ならば遠退いてしまおう
物悲しくもあれ
切り放せない趣きなのか

リゾート

知らなくて良い
恋も魔物だ
考えてみるや
行き過ぎた余りの
切なさが込み上げる
包まれていたかった夢を
降らすのは妖精さ
底意地で
癒される痛みもある
彼方だろう
綺麗ならば
肩を並べて歩ける
二人は優しさに満ちていて
口を割らなくとも
同じではないかしら
構わないんだ
覚えない方が益しだった
涙を武器にする
思いも
判らなくはないまま
夢こそ望むべきなんだと
決して壊せない
惹かれた胸の脈動へ
騒がしくも
潔さを秘めていた

残照

歌っていた
至福の一時を
新たな心意気がする
大地へと
現れた光粒の中で

受けている
瞬間の恵沢は
物思いに耽りながら
懐かしく
訪れる仮想の中だ

もはや
恋仲が抱き寄せる口付けか
達成されなかった
涙で曇らなくてはならない
自我の迂回かしら
やはり
成し遂げられやしなかった
仇そのものなのか

念じていら
存命の精神で
恰も季節が巡る如く
発見した
容易い信仰の中と

つとに
苦節せざるを得ない実益も
得策は安泰だった

シンパシー

所有する実情なんだ

なぜか聴いてしまう
久しい音符の芸術を
平滑せざるを得ない

なんて快適だろうか
僕自身が安堵できた

まるで理性のような
色調を視たくなった

背かないで構わない

思考するべき機会で
読んだ本は啓示的だ

なんて社会だろうか
永続する象徴だった
昼夜を措かないまま

君自身も生身なんだ

さては凝ったりせず
飽きたりもしないで

ピュアワン

ずっといつまでも
好きでいて欲しかった
付き合わなくなり
接触しないとしても
想いを馳せずにいない

どこまでもずっと
悩まされていたいのか
分からなかったら
感じ取れないだろう
待望するべき気持ちで

もっとどこまでも
風雪を耐え忍んでいる
妖精たちも被った
不埒な重圧を省いて
飛び抜けていったんだ

朝焼けが兆候して来る
殆ども眩しく及ぼす
初めて知りがてら
一人身で尊んだよりは
どこまでももっと

もっといつまでも
愛されなくてはならず
切り放せなかった
心底で認める深意を
汚させたくはなかった

覚えていて貰えるので
裏寂しい言霊たちも
恰も浮き立つ如く
栄華と放射されたまま
いつまでもずっと

天国の扉を叩いてみた
重たいにも拘わらず
開き得た神様こそ
肝へ命じておくほどに
ずっとどこまでも

2ct

可笑しい
することもなく
あるものもせず
ただ流されるだけだ
焦らず
騒がず
理性のまま
喜んでいられた
まるで水濡れの
個室へ入ったように
緩やかな
ゆえかしら
芳しい

僕の君は
君の僕で
僕は君に
君が僕と
僕も君へ
君で僕も
僕や君を

巻き込めば
風は静かだった
したいものがあり
ないこともして
漂いながら
揺れながら
幾分も迷えどか
胸を惑わせるのだろう
かくは気質で
巡り巡る

美味しく
観測された
想念と

アンチユニット

抱き締められず
背中を押して
送り出した

好きだから
叫べないほどに
切ないまで
振りたいくらい

戻り得ないまま
計り知れない恋しさこそ
受け取るならば
気付いてしまうのだろう

振られては
残忍な仕打ちと
思われても
当然だったんだ

誰にも聞かせず
見ていた何かを感じながら
声は失われるか
温かい姿へと魅せられて

飛んで行く
羽根を悟るや
清らかな天空へ

スカイグラフ

推測している
輝かしい生活を送れると
忘れ去られながら

昔は良かった
余りに好き過ぎるくらい
惹かれ捲っていて

きっと逸速く
身に付けた最高潮ならば
否定し得なかろう

二十歳頃だが
本物だったと考えるので
享けるべきなんだ

惚れなくても
会心したい素性かどうか
魅せられないまま

まさか絶えず
不思議な奇跡の連続こそ
久遠に全てらしい

挙げ句だった
汲み尽くせない羨しさも
既に失ってしまえ

気分次第

日の目を浴びて
有望するべきだ

どうするのか
信念を逸らかすまま
暮れる愚かさで

無下な自分こそ
心外だったんだ

有望できよう
日の目を浴びながら
感服したければ

宜しく過ごせず
どうかしていた

トランセンダント

敢えなく恍惚した僕たちは
夏空を頼もしく受け留めた
白熱の最中に出かけるんだ

軽やかな光線を身に浴びて
照り返す伸びやかな街道へ
踵を鳴らしつつ胸も弾ませ

玄関で雨模様を匂わす傘も
差さずに置いて構わないと
息遣いこそ急かしたものの

カフェテリアに葉が戦げば
エスプレッソも淹れてある
ブランチで汗を退くだろう

僕たちは好天に促されてか
生きていられるのが嬉しい
睦まじくも落ち着いたんだ

静穏を取り返せ

紛れ込む
込み合った縁日へ
血が通わなくなるかぎり
動転した気もし
愈々と
卒倒しなければなるまい
普段着で
人々の輪の中かしら
透き通る祭の光景に
情緒も安定した
裏漉しの熱波を対応して
露店と立ち入りたく
自然体が好い

盥の救うべき金魚わ
朱や褐で嫋やかな泳ぎだ
回る目も惹起されるさ

棚は打つべき景品や
角や奥が密やかな並びだ
噛む舌も興奮されるな

綿も掲ぐべき菓子ね
雲に雲と淑やかな喩えだ
擦る肌が蠱惑されるよ

知を証された仮面だ
恋も愛も麗しげな標しさ
甚い耳へ保管できるよ

意が膨らめた風船だ
水の世で柔らかな飾りね
抓る鼻は進展しないわ

帰ろうか
暗い夜道も好ましく
皆方を背に受けながら
高々と
打ち上げ花火も
開いては凋んでいた
土手を降りる
追い越しの自動車が消えて
野営地は遠巻いたまま
喋ってみれば
逆風へ凌ぐ想いが
染みる

まるで回る目の
ような日常だった
まるで噛む舌のような
日常だった
まるで擦る肌

ような日常だったまるで
甚い耳のような
日常
だった
まるで抓る鼻の
ような日常だった

ねんごろ

気分的に船旅しよう
天使を誘って様々な海面を漂い流れたい
そして潜水艦に乗り換えるや深く深く行くんだ
漂い流れる海底を再び浮上すると島へ上陸できる

巨大な螺旋状の鉄塔があり
運命の門戸を併せた建築といわれ
撓む階段を踏み拉し初めた
希望を齎せる神託なのか
さても高くて燃えざるを得ない

海老や蟹が死にかけのはずだった
なのに隅々へ感応力を凝らしてみれば
亀や貝や人手や水母も泳ぎながらいる
僕は連れて来られた夢心地みたく

可笑しな航海で
羅針盤も弱音を吐かない
海溝へ突き進む潜水艦こそ絶叫を発しそうだったのに
もしや遠い遠い階段は試練とされるかぎり
吉兆を降りないべきだ

生粋こそ無邪気に

地表は冷え切ってしまった
正味も気詰まりでならない

白亜の灯台へ立ち上がると
翼を広げた海猫が飛んでる
悠々と小魚を目敏くするか
珊瑚礁が美しく続く領分で

内緒な宿屋に潜り込んだら
快適という旅情でいたくて
一人身でなくてはなるまい
渦巻く星の夜空の清らかさ

冷え切ってしまった社会を
懐中電灯で照らしてみては
うどんよりも堪らないんだ

動向が気詰まりでならない

冷え切ってしまった社会を
乱してみるともしなかった

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 蒼い黄昏の第一部|詩集
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