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些細な日常

Dusty diamondsの第三部|詩集

Make a wish

君が寄り掛かってた壁板は何かを防いでたと思うよ。大波というか……。憂鬱な気持ちほど太陽に背中を向けるらしく、凍えるばかりの夜、なぜ? 月だけが知ってるとは遠い光を受けながら語れはしない。それで壁板は建てられたに違いない。夜をより暗くするために……。裏切られるのは信用するせいって歴史の紋章が描かれてるけど、鷹が飛来するぞ。土砂降りの雨と共に壁板は遂に去ってしまう。君は倒れ込んだ。風当たりの酷さに髪は捲れ上がり、唇は閉ざされる……。女神よ。僕が裏切るかどうか、その本で占って欲しい。

Chains

自分を傷付けるのは止めなよ
思い遣りに必要なのは傷跡じゃない
分かってるのに行ってしまう
確かさを持つ

原始の人種が枯渇した大地で太陽を罵ると感じるかい
密林の部族が愚鈍だから残酷な儀式に励むと考えるかい
まるで猿のように彼らは水分がなくて悲しんでた
まるで命のように彼らは安泰のためと喜んでた

君は可哀相に思うかな
証明されるべき痛みは心の中で必死に生きようとしてるらしい
傷跡なんて関係ないさ
あろうとなかろうとそれこそ自分自身だ

もし死にたいなら誰だって生きてはいないだろう
僕は明らかに書くよ
自殺も方法の一つなんだ
無人島で息絶えてしまう人たちがいる

君は本当に可哀相に思うかな
花を遣りなよ
遅くない
力尽きないと良い

Some notes

竪琴は妖精を風に乗せて

蝶を幾許か舞い躍らせて

麗しく花弁と覚まされて

楽園こそ詩歌のみ寄せて

逃亡手記

好きだから自分を分かって欲しかった。卵から雛が現れるように知られないのは止めたかった。この想いは優しさだけでは募るばかり、別れを認めた上で、未知へと突き進んだのさ。何て寒さだい! なぜ恋人がいないか? 僅かな疑い、寄せ切れない心根が酷くなり、失意、僕が離れたかったのに君への真っ直ぐな気持ちすら保ってはならないなんて間違ってるから……。いっそ苦しんでるのは僕じゃないはず、愛された確かな感触を君の思い遣りで受け取ってみれば。どんな夜だって燃える涙が炎に変わるのを天使は見落とさなかった。そんな風に独りで強くいられたんだよ。君は妖精みたいな綺麗な背中に翼を備えて白鳥のように飛び立ってしまったけど、憐れむな……、僕は友達にならなくて良かった。

波に疲れて嵐に飽きる。きっと君は僕に自信を与えてくれたんだろう。素敵な勲章、形に表すのが惜しい事件……。いつか花嫁になる人がいるんだ。そう思えるよ。まだ僕は緑の海を見付けたばかり、人魚と爽やかに泳いでる。余り期待しすぎると幻滅するとか窘められるけど、隕石が落下するように衝撃的な象牙色の浜辺で、切り株に座り込みながら揚げ羽蝶に話すのは仮初めの花言葉なのさ。捲るめく。十八歳の午前七時に描いた空は彼女の淡い桃色の憂いこそ甘やかに澄み渡らせた……。今は夢の途中と言う。海よりも濃く青い空を見せてあげたいな。君の手錠が愛しい。

パンジー

ある日
パンジーを
自分みたいに
君は見てたんだ
静かだった
悩みがなさそうに
明るく
楽しい話を
僕がするとき
口数を減らした
君よりも
優しかった
目を逸らされて
リアクションが
物足りなくて
尋常じゃなかった
可愛い
可哀相
どっち?
咲いてる
枯れてる
気付いたよ
滑稽だ
繰り返すのは
掛け替えのなさを
分かってた
淋しく
二人でいたのかも
溌剌と
忌まわしさを
避け切れない
玩具ではなく
身代わりという
ブラウンのスーツを
君は着てた
似合ってたな
とても好きだった
サンダルを履き
軽く
僕は行く
自転車を置いて
小走りで
実際
素敵なのさ
戸惑うけど
プレゼントなんて
見付けてしまう
店先で
驚かしてやろう
今日
白くて
僅かに
紫が差した
花を
買う

革命気分

唇を合わせる
ぴったりと
造作なく
おいしい

喋るように
あれやこれや
押し流す
そのキスで

君の髪は綺麗だと
触れ出す
僕は確かめる
優しく

口を塞いだ
世界が変わるかも
たぶん
恋してる

The end

そばにおいで
気付かないのか?
一人きりだよ
Honey

嘘じゃない
欲しがるのさ
声も出ない
それでも

捧げよう
愛のために
深紅の薔薇を
You are my lady

魅せられる
揺らめくような
艶やかさで
息も吐かず

切なくて
繋ぎ留めてたね
風のように
そっと

呼び続けてたね……

一人きりだよ
Honey
深紅の薔薇を
You are my lady

0℃

ねぇ
氷ができる
少しずつ
固まりながら
冷たく
動かないで
止まるらしい
中心から
周辺まで
水が慄えてそう
凄まじく
寒い
凍えてる

わぁ
凄まじい
寒さ
凍ってる

氷さ

Portrait of N.G.

私は貴方と出会って夏に生まれた。太陽の光が燦々と降り注ぐ中で、好きな気持ちが胸一杯に溢れた。向日葵が明るく咲いた。そんな季節、夢のような、嘘みたいな日だった。しかも私は貴方に恋してた。本当なのか? 言葉にできないくらい感じてた。青空のように、花火のように想う。二人でいるのが嬉しくて笑ってた。貴方も? 分からなさが込み上げると私は不意に泣きそうになった。きっと切ないのかも知れない。私は触れられず、涙一つ落ちなかったけど、貴方だけは知って欲しい。忘れないで、輝き続ける何か? 銀色に。

Solid of taste

小さな部屋で
一日が終わる

思い出すかも
仲間はいない

侘しさを持ち
訪れる夜中に

倒れ込んださ
寝転んだんだ

疲れてしまう
飽きてしまう

半分しかない
時間も場所も

突き放されて
突き放してて

楽しく面白く
可笑しいのみ

間違いないぞ
眠るしかない

一日が終わる
小さな部屋で

夢見がちかな

仲間達がいる

真昼のように
明るさを保ち

Freedom

天使は歌う
菩提樹の傍らで
君が真珠を持つ度
小さく強く

青春なのさ
僕は聴くんだ
流れる詞の一節を
年月には構わず

空と海の間へ
悲しみが遠退いて
恰も燃える如く
水平線が明るむよ

街並みの影に
何を考えるのか?
失われはしない
大事なものは

道草ばかり
立ち止まり
花々だって気付く
咲いてるって

風向きが旗めかす
健やかな微笑みを
受け取るだろう!
消え去るとしても

天使は歌う
菩提樹の傍らで
君が真珠を持つ度
小さく強く

道すがら

傘を差しながら自動販売機へ行く

煙草を買おうとして千円札を出した
すると
簡単に入らないので困ってしまい
そして
皺を伸ばしながら硬貨を持ってないのが良くないと考えるよりも使えないのが実際だな

雨に濡れた千円札
すると
諦め切れない部分が多くて
そして
煙草を手に入れはした

きまり

ひらり
ひらり
ひるがえす
ひかり

さらり
さらり
さらわれる
さとり

きらり
きらり
きどられる
きまり

ふらり
ふらり
ふゆうする
ふけり

Honey itself


兎よ
揺れる静寂の満月に
届きもしない
何を想って
浸ろうか?
恋しむ
黄に

雨に踊る雫たち

追い掛けよう
まださ
夢に間に合いそう
だって

らんらんらんらん

逃げ出されて
もうさ
土で遅れてるけど
だから

ららんららんらん

急いで行こう
まださ
愛は途切れてない
だって

んららんららんら

振り外されて
もうさ
骨も居たたまれず
だから

んらんらんらんら

捨て去るなら
まださ
心は続いてるかも
だって

らんらんらんらん

離れてしまう
もうさ
胸が息苦しいけど
だから

ららんららんらん

止め放すなら
まださ
命を得られるかも
だって

んららんららんら

退いてしまう
もうさ
涙で声辛くなって
だから

んらんらんらんら

九歳

傷付き易く
壊れ易く

兎が咄嗟に駆け出すよ

見え難い
聞こえ難い

洞穴の方へ隠れてしまうよ

戻って来い!
好きなんだ
叫んでる

彗星が長々と尾を引く頃

来たくない?
好きなんだ
喚いてる

闇夜が明々と芽を吹く頃

巡らせる
思いこそ
涯しない
理由なく

辿らせる
感じこそ
畢りない
動機なく

兎が突如と寄り付かないよ

分かってみたくて
堪えさせる
今だけは
悲しくないと
心に
捨て去りそうな
唄が引っ掛かり……

懐いてはない
はなればなれで
懐いては
呼び掛ける

樹海が深々と粉を撒く頃

逢えると良い
いつかどこかで
逢えると
呼び掛ける

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: Dusty diamondsの第三部|詩集
  • 最終更新: 

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