金鳳花
嗅いでいるとは
いうまでもなく
神様なのだから
現時点にあるべき
凡てを差し上げたい
絶大な清らかさが全宇宙を
巻き込まずにはいないので
僭越ながら極僅かな品物も
生憎と得られなかったまま
僕自身の一存で
凡てを賜り下された
現時点にあるべく
悟っているのが
いわれもなくて
託宣だったんだ
自然界の一理か
在処
言語力はあれど
愛されているとも
応じられないまま
流れ辿り着いた
ハワイの
フラダンスを知己は
ウクレレも
ビーチサイドで
賞玩したと宜しげに
諳じがてら
マカダミアナッツを
土産でと
戴いたにしろ
川下り
最短の船歌
この人がそんな人なのか
リピート
渓谷を揺れる
屋形船
次から次へと
羅列される現在たちに泪も
ちょちょ切れて
心置きなく
さてやあれこそ
実物みたい酸漿らしい
一段落
まさかまるで
いってはならない
いいたいといえるには
いわされなさだ
いうべきが
丸儲けならば
真最中だった風致の
親しみなんだろう
中州の宅も
船場の空の健やかさへ
仰がれ得ていて
人ら
豆腐屋の角を曲がって
冷やした頭に浮かんで来る
仰天な事象は追憶だった
ボディービルダーが
筋骨も隆々と誇示するまま
行き止まりの標識を
引き返さなくてはならない
決め込むにや早過ぎる
誘われた笑いが疎いかぎり
殆ども内省中だった
自己流で満足できない
時間を潰しがてら
三輪車に跨がった幼児と
通り交わしている世の中へ
スクラレアは
直に咲き出したのに
弓を取り下げる
バイオリニストが一礼した
メモ帳は空欄だ
迷い込む広場も忽焉なので
ベンガルトラは
取り留めたのだろうか
穴ぼこへ落ちてしまえども
君臨しない縄張りならば
大方とも一命を
山葵
君の代わりに
泣けてしまうほどの
取れ立てだった
川の流れが渇れ果てても
降りて来る旅客機が
空中に残像を
暗く引き続けたにせよ
理不尽な動きで
マーモセットは座り
慌てることもないながら
堪ったものではなかったと
居酒屋の閉店も
感じ通りではなく
今や遅いと擦り込めば
朝露が垂れずにいず
名残りを得たい僕にとって
侘しかろう
余りに及んだ十月は
エクセレントだったか
安定しない情緒で
強かに落雷する遥かさへ
信じて貰えないまま
生まれなくても構わない
遇するゆえぞ
噛み締めている
裸一貫
出直そう 行く末を
恋しさも焼き尽くしたら
およそ何から何まで、
得なくなったか
沈吟せざるを。
結ばない実のまま
枯れ果てている柊は
生活感を暗示したように。
酷く 険しくて
まるで襤褸切れだった、
真っ平なんだ
望みも薄く
歯が立たないと――
弛んでばかりで
数え切れない 迷惑こそ
畏まってすらもが
自棄になり、
腹立たしくて、
死にかけるのだった
粗末にするな
命を。
口に出しても一通りの
反応はないながら
影法師が傾げた
僻陬な田畑で案山子の
陽光も差すや。
死活番外地
飛び込んでも
飛び込んでも
黒い雨が降っている
へこたれるな
凡人横丁に日は昇るか
不可能なんだ
誰にも描けない夢を
貫き通す信念こそ
掴み返す
ためだったので!
徒労感へ
虐げられながら……
過ごすのは険しい
峡谷だった
腑甲斐なさで
スカスカになるほどに
立ち入ったんだ
和み及ぼす殆どか
なんて空気だろう
ワンダフルだった
勇むや
立ち入ったんだ
飛び込むよりも!
食い縛りながら
強さを
挙げては経年が
突っかかるにせよ――
グースカ
寝床も
やはり素っ飛ばしたとは
力量そのものだ
まだしもましてや
幽暗な
蝙蝠が話す
よりぞ
本縁記
僕も窶れた
去年はピンチで
今年も絶望そのものという
とどめか
来年こそ
けだし全く以て神様が立ちはだかっている
道程を誤るとは感じ得ない
たとえ忌々しさに倒れても明るい境地のようだ
気持ちが一つになった
かくや悔し泣きの涙が落ちて来る
生まれたときから覚えていたことがあるならば口上するよりもない
永遠だ
僕わ
徹しないと苦難する
身の丈にそぐわない実験を繰り返していた
されど隔たっては災厄を招く
地獄で油を売った局面など懐かしくなんざない
知能にせよ
無駄骨だと不味い
勘弁されたか
崇拝するのは尤もだ
静観
どんな業を打ち出して
社会が踏み越えられるか
健康そのものの身体に
押し流されてしまうまま
僕は持ち堪えるよりも
辻褄が
合わなかったと
落ちて来る
頻繁な
善たちこそ
掻き集めながら
やっと業を、
打ち出さないで
社会も踏み、
越えられ得ない
不意に
黄泉が
如実へ
もしも及んだとしたら
拒まされなかったはずの
水準を滅したくなるや
徹して行ってみるべきか
名折れだった
僕なんだ
受け取らないで。
身体は――
(ある)
永眠も
するにせよ
随従ではなくて
慚愧
駆られて
手負いの妖魔に駆られて
念じれば恐らく
済まなかろう
悪罵へと堕ちるばかり……
古傷め
誑かすつもりと
伝記物に摩り替えてしまう
膿んでいるにも拘わらず
今以てだ
畜生ぜ
腐肉の臭いも
口任せとしておくか
何にせよ
耐えるだけだ
ただ強いられた事欠きへ
化け物がうようよ
巣食う屋敷の天蓋で
世を憂う身に
成り果てる
演劇そのものだった
至って作為なく
嘘八百を並べ
肝玉も抜かされた結末――
気は確かだ
掻い摘まんでみせる
陸橋があるので
尺度こそ合い兼ねど
不満はない!
不平も!
癇癪を興すな
余りに早過ぎる
爆竹へ点火するには
頭の中で
生まれ付きの
遣り方を推重しなかった
罰へ購っているんだ
脱兎のようだ
蜘蛛の子と退いて行く
散り散りになり
しかも巻き貝たちは
砂へ埋もれながら
顔を出してやしなかった
深奥な刑
今の世に厳守する
善は悦楽だ
エクソシズムへ則ってや
死相ではない
決済された
バランスに閲した
避けては通れなかった
門戸が開け放たれていた
次元性の
螺子を締め込むと
特異的な領土が
拡張されるのだった
水位を高める
ダムも
直近で悶絶させられてか
竹箒が掃く
溜まりに溜まった
落葉を
超自然と動いたぞ
頑迷よりも
念力だ
ユニコーンへ
虻は飛び付くにしろ
手立てを得られた
陰鬱な空模様
考えると不運だ
ただ世間と折り合わないだけの状態なので
時計のチクタクが際どくも忌まわしく噛み付くにせよ
払い除けるべき策を講じられるくらいならば幾らでも試みていたはずだった
たぶん不運は考えるしかない
袋小路で残飯を愛でる熊鼠と同じだ
僕が示したのは居直りとはいえ
苦痛ではないのだった
いっそ天命ならば歯向かい得なさそうではないか
一段と音量を増して聞こえて来る!!!
気に入らない時計ならば木端微塵に変えたのに輪廻へ至っては倦み兼ねまい恭順な受け方だ
下弦の月に瞬いた星は小さく
まるでウィンクのように胸を熱くした
時刻か
山吹も腰を据える
人類と神様の《夜伽話》へは首を突っ込むな
聞き入れておくんだ
さもなければ恨めしかろう
少しも馴染みでやない
内情のまどろっこしさで血を編んでも時計は鳴り響く
浅薄かしら
這い上がり
つまり腹の虫も
収まりながら大きな大きな
闇が晴れて行く
切り立った山脈を霞ませる夜明けか
宿運の
露一滴に潤わしさを得たんだ
まるで寓話ではないような気持ちぞする
腹の虫は印刷されないのかも
紙という紙を取り除かせるならば
苦にしない
ふっとしてけろ
考えなくて良い
煌々と日光も勤しんでいた
出歩くのが若く
かつて免じなかった
賜りを
横切る蟹の砂風呂
天職に実生活を食い尽される想いがする
もはや後者を拒んで前者へ就けば躯こそ束ねそうだった
遣り通していれば機会は巡って来るのだろうか
作家になるために生まれたのに*****では気持ちも悲しまざるを得ない
性分で感じ捲って浮き名を脱線したのが良くないにしろ
見え過ぎないくらい太陽は燃えに燃えているとは否定されない
〜沈淪
自分史か
征し続ける宿縁は〜
なんて綿密的だろう
吐き出すや首飾りよりも呈さない
工面は万全を期して臨むのが盛んなわけで
ただ不貞腐れるばかりなのは柵が解けなかったんだ
手慰みと澪した
うだつ
額に汗して働いたか
当夜はエンジェルキスを飲んだ
上も下もない
彩り豊かなグラスがテーブルへ踊る
ほっそり
仄薄く重なり合う色味たちを耽溺するや沐浴も加勢して魂持ちが広がった
牡牛座のスケッチは平屋の一室を透視してみせたという
口が回る
行こう
すれば恐らく突き当たるので
メビウスの輪を捻った結び目は不徳された罪の証左ではないかしら
僕のせいさ
君ではないぞ
たとえ身を滅ぼす同情心にしろ
背負った労役を指差されても塩が流れ出すのを止めない
真っ白く掬ってみれば好転するはずと夢追う
プラネタリウムで名付けた和金がロンドンに泳ぐよりは弱腰みたいだけど
もちろん切り捨てたりなんかしない空振りだった
意気へ堪える
美味しさが染みる
寝入るや遅い
オレンジジャングル
涙も出て来ず
空しい祈りを引き戻してや
捨て身で待ち続けた
次の瞬間へ
すっからかん
突かれる隙はないにしろ
深い悲しみで囚われて
パニックだった
どんなものか
解せるほどに泣ける
不可思議という
気持ちこそ味わえども
念願は寂しく
消されてしまったのか
悔しさも得ないまま
地団駄を踏んで
声が枯れるぞ
叫んでは叫んでは
止まない喉笛を
掻き切って傷ましいよりだ
堪らなくなかったと
シンプルレベル
足手纏いな枯れ草を
考え至らなかったのは
幸いなのかどうか
まさか一回性が
不可欠だとも
身の程を素知らずに
引き上げてしまったんだ
木乃伊へ共感して
飛んで来た懸け巣は騒ぐ
泥土ではなさそうで
どんな気候に曝されたまま
窘めるべき事態でも
苦もなく過ぎた
判らせないや
まるで廃人のような
策動があるにも拘わらず
なんて状況だろう
涙は惜しみなかった
重く考えるな
引き延ばされてぞ
手持ち無沙汰を
ずるずる
葡萄が垂れ下がるのだった
薄緑は
期待大ならば青紫が
たぶん楽観的かも
僕たちで出向いたんだ
鍾乳洞へ
家族ではなかった
しかし知り合いだったので
懇意を得たと
感じられずにいない
鉛筆を削り
設えるのも白紙だった
なんて物静かだろう
小皿の一房に
気持ちを重ねるや
風も新しく
吹き寄せて来たので
起き上がらないか
たとえ燃え尽きたにしろ
軒昂するように
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