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些細な日常

終わらなくてもの第三部|詩集

純愛

君がいると天使も笑う
椿も咲いた
睦まじい気持ちがする
構わないのかしら
僕がいても
晴れ晴れしくて

フォーチュン

取り敢えず
虹が覗いているのは
一思いに
踏み出せなかった
慰めか

愛さずにはいられない

運を天へ任せよう
接点がなければ
憧れと過ぎ去っても
良かったので

恋せずにもいられない

太陽をあげた
輝く夢を
傷付けないまま

慕わずにやいたくない

跳び越えろ
別れも
胸が張り裂けた
苦しみで
追い遣られて
引き際とは
本音だ

涙のサーカス

思えば呑み込んだ
言葉の多さは尋ねられた
素顔だったのかも

惑わせて済まない
細やかな
美しさへ

観ておくれ
猛獣遣いの鞭捌きを
ボロが出たのも
気を回して疲れたんだ
燃え盛る輪へ
潜り抜け捲るや
金網の檻でバイクが走る
気を回して疲れたんだ
ピエロは
手玉に取って
会場を渡り歩けど
愛されていたものだった
掟破りなのか
強かに
鳴り響いた銃声は
空砲なので
心臓へ掠めなかったにしろ
手前だ
クライマックスの
弓を引いて放たれた矢が
林檎を捉える
一直線に頭上で
空中ブランコは早くも
始まっていた
切り札があれば
落ちるぞ
まっさかさまだった
はずもなく
喝采が浴びせられる頃に
気を回して疲れたんだ

宵の明星が煌めいて
幽かな面影を匂わせた
向後へは戻らない

ナッシングメロー

励んでいたよね
仕事よりか恋愛に
遠く久しく動き出した
気持ちは安上がりなのか
諭してもみないわな

打ち消すには早い

胸へ染みて来る
慕わしい若さと馴染むや
貰い泣きさ……

天使が通る
皐月も甘く花盛りの
仕舞いではない
流れを招き寄せなきゃ良い

歴々と引き込まれて
発覚したんだぞ

黄昏のソファー

君たちも淡かった
粘るだの粘らないなんざ部面へは適さないのではないか
却って寂しいくらい魂で近付いていたんだ
覚っても遅く
人目は引かなかった
どんな件で赴くにしても事情へ先立つ実況が剛い
といってはみれど
幻に透過する“光”が足を引っ張るならば締め括りを説き伏せるのも控えよう
飾らないまま
ずっとずっと風に抱かれている両想いだ
山吹も揺れるので
気にかけざるを得ないにせよ
大事なのが触れ合いだ

麗しくも忘れられるわ

僕です
平和を返して下さい
貴方は直ぐに気持ちを口に出してました

とする
過去がある

利かされた言葉は共通だ
いつもいつも
先回りに心後れで
云いそびれた自分が
上の空だった

関係性も
ある

とした

あります
とします

星形の絆を持つ
ラグジュアリーな
恋愛観が

非常に
シビアでした

二人の海辺も
まるで唇を噛み締めさせられるような
引き合わせになったとは
気のせいか

子馬がゼリーを素通りです

そんな
こんなも
ありまして

抱え切れない

食言

嬉しかったのか
泣きたいくらい
参り捲りなので

冬の夜空に
煌めくオリオンも
一際と冴える
リゲルこそ

震えがちな声を
耳にして思った

冬の夜空に
煌めくオリオンも
一際と冴える
リゲルこそ

接触は交えれど

冬の夜空に
煌めくオリオンも
一際と冴える
リゲルこそ

耳にして思った

泣きたいくらい

気に入っている

止めないで

全てを失うや
兆した世界だ

笑顔ばかりか
真顔でさえも

好きならば

過ぎ去っては
間に合わない

煮え溢した

話し込まず

引き寄せる

間に合わない
全てを失うや

気持ち良く

忖度

寒くて敵わない
ビュンビュン
北風が吹いた
有り難い思い出へ魂を掴み取って
可笑しい
もし入れ上げれば忘れっこないんだ
記憶にないも不屈だ!
貴方よ
貴方
貴方様
心頼みを聞いとくれ
すなわち尊重しようか
一月の逆撫でされた全宇宙で
耳を貸さないゆえではなく
つとに遂げられる
祈りを――

雪模様

別れた人の動向を快く受け留めた
かくは付き合いへ感謝するのみだ
消息が得たくても追い回したりはできなかった
なんで別れるのか
想いも砕けては事実上の無惨だ
爾来
枯れ野へ赴いてくれていたとは喜びも一入だった
笑顔の甲斐がある
今以て気迫も人一倍にしろ
沈めよ
燦々と照り止まない太陽は
日付変更線の裏側で僕たちを暗闇と抱き合わせるんだ
ややも手探りでは生きた心地がしなかった世の中の切れ端へ耐えてみせる
如何に縁遠くも千切れてやしなかった
倦み倦ねてなどもいない
およそ情けだけがただしんみり遣り過ごされよう
証すまでもない腹括りといって
だが
容赦しないよりは望ましいではないか
少しでも大きく
剰え破れかぶれで
人との別れが
託すべきならば

冬佳境の夕間暮れ

何を思うか?
出逢いに恵まれていた
専ら顧みれども独りでいるや哀愁を帯びる
好きだ! 著しく!!
当座を凌いで連帯感が生じた仲間たちと過ごした

天神へ……尊崇しないわけには……行かない

やはり親しまれるのは人徳――だとしても……巡り合わせへは背かれ得ないようだ


絶大な遇し方に頭が下がるという

世間の荒波で揉みくちゃにされるのとも匹敵する
心中 甚だ及ぼしく 随喜も‘手当たり次第’の畏まりだった
歴とは碌なだ

スマイル

僕が恋人ならば
胸の中へ飛び込んで来て
翼を広げた鳥のように
高々と消えて行く想いこそ
追いかけて止まない
放したくないんだ

どうして
心も及ばず
引き下がっちまうの
揺るぎなく
どうやら

夢が恋人ならば
胸の奥へ刻み付けて来て
翼を広げた蝶のように
易々と消えて行く想いこそ
追いかけて止まない
逃したくないんだ

どうして
心も及ばず
引き下がっちまうか
揺るぎなく
どうやら

今が二人ならば

瞳の中へ焼き付けて来て

色を増した空のように

着々と流れて行く願いこそ

追いかけて止まない

嘆きたくないんだ

どうして
心も及ばず
引き下がっちまうや
揺るぎなく
どうやら

どうして
心も及ばず
引き下がっちまうも
揺るぎなく
どうやら

恋人ならば君が
刻み付けて来て胸の中へ
華のように翼を広げた
想いこそ着々と消えて行く
止まない追いかけて
偽りたくないんだ

どうして
心も及ばず
引き下がっちまうを
揺るぎなく
どうやら

衷情

小雨混じりの明け方の部屋で
街道を行き交う車を耳にした
午前八時も仄暗く翳りながら
打ちさざめいて濡れていると

何時になく雀たちは鳴かない
想えば群れ飛んでいたことか
小雨混じりの明け方の部屋で

出歩くように傘も差さないし
水溜まりが波紋を描くよりわ
小雨混じりの明け方の部屋で

オールインオール

思うでしょうか
詰まらないと
貴方ならば

少しでも

魚の眼と人はいう
河口には鯔だった
照り注ぐ日の光で
煌やかな海神こそ
幅広く洗い浄めど

カプチーノを
飲みながら
少しでも

思うでしょうか

小皿を嘗める
黒駁の犬も
実は雑種なんだ
名なしの

貴方ならば

少しでも
檸檬を切るように
声高に

詰まらないと
およそ噤んでいた
情感があり

天井の角では
菖蒲も残されない

春雨

いつしか
降り方はしとしと
鎮め去って行く
気分というものを
口に出さなかったまま
薄暗い空は
縮み込むよりも
抜錨していた

群れ飛ぶ烏が
でやなく
支脈を濡らした
葉叢を滑る
言霊の
縁かしら

気分というものを
口に出さなかったまま

切り株で
身の毛も弥立つように
象虫の集る
あからさまな
風趣なんだ

鎮め去って行く

気分というものを

口に出さなかったまま

薄暗い空は

解いてみると
拘泥りへ靡かせる
怪訝でもなくて

捌けないでノイジー

二の足を踏んだと
途轍もなく考えさせられる
小料理屋の夜は長いにしろ
取り置けない心任せが未だに惹起する
悔しい涙も尚のことだ
だから櫃まぶしではない
美味しくて香ばしいのは暇潰しか
頭の中で駆け巡った
昔馴染みな色めきを
隠し切れず
公然と華やかに渺漠となる
漆器で吸い物の蓬が春先を醸していた
考えるべきなんだ
ありありと繰り上げる輪廻へ
行き過ぎたならば殆ども戻らなかろう
ゆえに已むを得ない状勢なので
勿体振るな
洗いざらいか打ちまけて
申し分がなく
感触は濃厚だ
殊の外

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 終わらなくてもの第三部|詩集
  • 最終更新: 

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