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些細な日常

終わらなくてもの第四部|詩集

此方

薔薇が触った

地球は夜なべだ

思うや如何にか
抱え込まれた事情ならば
薄紅色みたい

物陰の
鼠もちゅうちゅう耳打つ

げに忝い

夢現

僕は苦にしてなかった。罪滅ぼしに宇宙を教えてあげる。なんと無辺だろう。肯う、対峙しなかった経緯も。突き返したのは君じゃないか。冷や水を浴びせかけられなければ素っ飛んで行けたはずだもの。またはさくらんぼが1ダースでなくては話にならない間柄でもなかったとわ。でしょ、ドーベルマンが骨を喰らう。面白がらすにしてはシリアスだった。決まり切っている。進行形なのは断てないんだ、やっぱり――。君も気にかけるのは突き返された僕を憐れんでしまうとすると諸々の遊星が打つかり合うのもうっかり聞き洩らしたりはしなくなる。なんで用済みなのか。舌回らなくなりそうな、かくも濃やかな存亡を巡り、復唱された《呪い》がある。念頭に明るいと切り絵の鋏こそ尚潔かった、僻ましく腕捲りする根っこよりは。つまり忠実(まめ)ならば僕個人だろう。今しもキャンディへ睫毛を仕向ける君じゃない。そこかしこ。と、嘘八百を並べ、立て続けに回り込んでは襟元へ噛み砕いた言葉も音を上げる。爪も触らず、DEKAしたとか。ただ打てば響くように流石なのは間違なく。断てない。余白に‘ギブアップ’と酌んで貰うのがせめてな償いだから。泣かなっで。喧嘩は両成敗だと誠意を添えて口説きがてら新入りとは血色が量られず ぼんやり思索に耽ること耽ること/亘って/他愛ない/餃子でも摘まむか/雰囲気止むや夜ぞ来た。なのでベガは琴座の一等星なんだ。上も下もない。丸々、鑑みて頂戴。いいっこなしはチラリ坂にしとく、できないと〜。透き通る癒しのゆえで。

瑠璃星天牛

良い思いばかりある
なので衰えを受け入れるのは厄介だ
語弊を除していえば腐葉土を掘り起こしているやも
まるで指の皺こそ日本刀で刻まれた年輪のようだ
微生物によって樹木へ養分を供給するべき
四季だけしか見失われはしなかった気持ちがする
辿々しかった
おいそれ吸い取れない
吸い取りたくないのか
空のキャンバスは君子蘭の色合いを
衰えめ
過ぎて行く時局と共に辺りは森閑となる
辛酸を舐めてはバーベルもメガトンな
公算でもみくちゃにされた擂り鉢が明日とわ
息巻いて行こう
みろ
山脈の尾根へ只翔る影たちよりも盛んなほどに
飽きない
物して

草ずくめ

晴れて陽射しは暖かいものの風は冷たく強く吹いていた
どっちもどっちなのが話題に蹴躓く
馬鈴薯よ
軒下で揺れる物干しへ心和らぐのは光と影のコントラストが目覚ましかった
人はいう
水面の煌やかな様子へ撓われると
さても違わない
空には雲を探ってしまうのだった
題目はそれか
ベールのように水蒸気の集まりが3548mの高度と相俟って灌ぐらしい
直ぐ離散したかと思うや否や隆起するのも又直ぐだ
なんて美しさだろう
吹き流されて流れ込む雲の込み込めば解け去ろう空が天だった
蒼い
白っぽく青い
まして宇宙よりも碧くとは地球以外ではない彩りで
呑まれそうな空気ではないか
ウエハースに舌鼓を打つほどの
風の音は静観の構えとはいえ
先急ぎ
ひっそり身を委ねていたんだ
何分も面映ゆくなる

Tと優恤

白長須鯨へ掴まったら
幸せだったのだろうか

世の中で死を待つことしかできない場所がある

だからもしも
白長須鯨へ掴まったら
幸せだったのだろうか

死を待つことしかできない

死を待つ
ことしか
できない

しか
でき
死を

掴まったら幸せだったの白長須鯨へだろうか

場所がある
世の中で

がで

死を待つことしかできない

幸せだったのだろうか

もしもだから
白長須鯨へ掴まったら

世の中で場所がある
死を待つことしかできない

場所がある
世の中で

もしもだから
だからもしも

死を待つことしかできない

幽邃

マウンテンゴリラ
著しく持って行けなかった主題の
稲妻ではないんだ
どうすれば自分のものにされるだろう
分かってくれるね
手出しは無用だった
感動に涙汲むほどの気持ちを
一人でも良い
断じ得なかったポエジーそのものだ
高められて

時間がかかってしまうせいと

かくは誤解をも恐れずに

僕だけしかいない

荒野で砂埃が舞う
軒下の洗濯物が飛ばされ兼ねないくらい
突風が吹いた
五月上旬の決して小さくはなかった
詩人にとってミステリアスだよ
いきなり世界は穏やかになる
負けたら終わりの雨が降るかも
優しく

ということは
風呂敷に包まれたみたい形跡も
取れ立ての薩摩芋よりだ
日射しへ明るい

モノクローム

細部とは持続だ
印象上で凝固した時間性の拡充に他ならない

伝道師が述べる
恰も分際の如き
取得した資格で

事物の中にも存在が含まれていた
または
後を断たない苦境に
物狂おしい状勢なのだった

雅致を経巡ろう
考えてしまえば

木々の緑のまざまざと迫る
近い夏の折り節
市街に葉桜等も増えながら
吝かではなかった
四月が去った身の上で眠気を誘われるにしろ
準じるべき命とも
緑へ触れて

過ごしたのは偶さかではなく

付いて来るかどうか
抱くのを社会は
終末的な様相を帯びた
止めても

花瓶で傾ぐ胡蝶蘭

割れた石に証人はいない
いなかったというべきか
誰なんだ
セロテープを貼ったのは
数時間前
僕が僕以外にしなかった
真っ先へ

山火事で黒煙が上がった
駆け降りて行く黒豚こそ
黒焦げにならずに済んだ

君だった
胸へ染みてしまいながら
ハーモニーを模索すれど
下弦の月に機嫌を損ねる

足長蜂は
逆三角の巣を作っていた
輪切りのラ・フランスと
非常に良
く似たも
のにせよ
一体全体
雨なのか

受け取る様子は如何にも
缶詰めの匂いがするので
沢蟹も泡吹き食う飯粒を
直伝せず

星の下で生まれる計なさに

堪らない恋なんて二目と見ない
駆けてたのも鶏だった
庭に咲いたグラジオラスは
南向きの新しい風を告げている

二目と見ない堪らない恋なんて
コーヒーカップじゃないか
回って回って八十分くらい
遊べば良かった
どこかの屋敷では太鼓が鳴るような
煌びやかさを解き倦ねてしまうよりも

少ししか知らないまま
二目と見ない堪らない恋なんて

しなかった……

追い払うぞ
未来で
見ない堪らない恋なんて二目と
ありやしない
タロットも頷くか

恋なんて二目と見ない堪らない
動き出した心境はもちろん
行く手が尚も場違いなのだった

肌脱げ

寂しい人を見かけた
人が寂しいのではない
何だか嬉しくなり
自分と同じだと
仲間のような気さえする

考えてみると
見られていたのが世間の目で
僕は僕を
組み立ててやしなかった

世間の目へ晒されて
君でしかなかったから
味わわされてしまうんだ

面白さを味わって
咲き出しの金盞花も心引く

五線譜へ想いを重ねた
君だけのために

連ねられず
比べなくてはならなかったので

余りにも
面白がっている状況よりか
慰めてしまうはずならば
立場があるんだ

スタイリッシュな証

思い残すはずもなく
自然の手綱を振り切って
転がり込んで行くと
上半身は裏町の道沿いで
雑草とプリンの味が
言葉に染み渡るのだった

猫の黒い毛

流し目で巻こうとしたのは
自己防衛の要請だ
川へ向かう水の匂いに
罵られてでもいるかのようで

人嫌いだった
少年期の終わり
受け入れても受け入れても
受け入れては貰えず
確かめるために
拒否してみた
心情というものは
ではない
を、
貶したことがない
でもない
は、
ではなく

だったんだ。

猫の黒い毛

絵を描いてあげるよ
ベレーとパレットの画伯は
本場仕込みのカレーを
好むと好まざるとに係わらず
煮込んだりもしていない
かくて出来上がりだからナンにくるむなといっても空気を入れ換えるつもりならば絵の具はルーでメビウスの帯へ首を突っ込むよりも出っ張りぞ控えて笑わないか――

秋田で
「なまはげを観た」
「馬大頭を捕った」
「着物を着ていた」
かつて
「田沢湖へ行った」
「祭りへも行った」
体験で
ある

猫の黒い毛

抱き留める両腕へ
ずっしり来るのも
推定だったかぎり
なんと深いだろう

実体が聞いているのだった
 まるで林檎の皮を
  剥きながら
   みたく
    厳粛な空間だ
     認識するべき

僕たちには

宇宙を磨け

空元気は止そう

死に衰えるしかないところまで来ている
自力で目標を実現できるわけがない

僕が努力するのは軽蔑されたくないからだ
空を泳ぐ善意に敵愾心を兼ねていて
必ずや捕らえてみせなくてはならないと

侮辱されたくなくて頑張るのも同じなので
敵愾心を煽る善意は空を泳がないが
捕らえてみせないつもりにはなり得ない

恐らく成長すれば以前よりも良いことがあるだろうと期待値を異常に上げてしまったせいかしら

本道的に要点を窮めた遣り方でなくては通用しないかぎり
やはり手を拱いてばかりいても収拾が付かない事態だった

独壇場も
降りて行く
日月ぞ

切ない望み

今は待つしかない
待つしかない今は

葬り去られて再出発したかどうかの通念も掠れる薄闇だった

捲るな
捲るな
物象を――
嗚呼

飛んで行く鰹鳥を双眼鏡で凝視した
観光客が飛行機の座席で小窓へ
身を寄せるや雲霧に紛れた
大陸棚が明け透けと記憶を探り出して
涙を誘われずにはいられなくなりながら
考え得る傾向の全てを打ち刻んだ

入口があれば
喜びは来るだろう
たとえおよそ
刹那の風に
行き遅れたとしても
濃厚みたく

匂うな
匂うな
体質を――
嗚呼

誤るな
誤るな
根拠を――
嗚呼

日盛り

袖のリボンが解けているよ
自分のためとするよりも
扱い方に気兼ねして
実を結んだ掌の辺りだ……

家鴨は振りながら
尻を軽快に
といった
感じで

さぁ

旅土産を行わなくても
覿面なのは乳酸菌だろう
アロマへ入れ込み

思わないか
占めたって
人の面相を
美しい空は

実を結んだ池の辺りだ――

触り方に気後れして

世間のゆえとするよりも

机のコップが立っているぞ


では
ないいか

つぅ

粋な辺りで実は結ばなくて

鳴く面

してしてなった
動かされるよりも
考えざるを得ない
打ち破りという

物来ず
来るべき物も
一つ残らず
ならばだろうもしも
いろか
または人格だった

漫画を取る
鼻を開かすために
余興ではない

かつて統べていた
気がしてならない気だ
個別的にのみ
覆して行きたいや

何を!!

何で
何だ
何ら
何な

出鱈目……(何)

並んだずらり
免じてしまった全てが
駄菓子の旨みよりも
血潮ぞ報じさせる
つもりだったかどうか

分からなくて良い
魂を握る
どんな文明へ
突き飛ばされても
魂を握る
生まれるのが
藁人形だったにしろ
まるで呑み込めないような
魂を握る

やるぜ
さもないと
奮わない
かぎり

嫋やかな森

することもなくなったとき
人はしたがるべきではない

だから感じる
生にしても虚しい状態という
なんて面白さだろう
しなくて構わない
悲しむのはするせい
してはならないにも拘わらず

一々
するな
詩が正しく生まれた
一応
いってはおくけれども


しないで
味わうのが好き
順次

したからか
なくなるまで人生を
とことん息詰まるほどの
苛酷さを
潜り抜けるように
一つも報われなくてと

やはり悲しい
することがないかぎり
することはない
といいたかった

またほら
生まれるんだ
いっておくのか
詩って

しなくなるや否や



胸に広がる
放られた意識ではない
全然
上らない
水準の涯だったんだ

神経を逆撫でる
融通の利かない
しかも

あろうことか
するときならば
たぶん久しく

いいもしなくなるので
匿ったりも
しなかった懇願と
してみる

生々しさ

世の中
蚯蚓だって
驚くほどの美しさを感じさせることがある

圧倒的に
優れているものだけが
気を引く
というわけには行かなかった

何でも同じだ
状態が良い
それだけに決まり切って
自身を疎かにしてしまうや
焦点は合わなくなる

ぼわぼわ
ぼやぼやするな

聞いてないのに
説こうが仕儀もない
らしく承けて
いたんだ

新風を巻き起こし
小米犬の陰嚢の咲きそびれなかった時候とも若く
列伝だった

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: 終わらなくてもの第四部|詩集
  • 最終更新: 

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