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些細な日常

レジリエンスの第二部|詩集

どぶ板クルー

手にして投げ込む
虚偽の方へ
目覚めさせまいとした
何かを嫌い
誰かを憎み
イメージが地に落ちても
催眠されるよりは良い
超魔神め
リングに上がれ
肉体を切り放した怨霊で
人を緊縛するつもりか!?
吝嗇なパンチと粗雑なキックだ
かすりもしない
断じてへたれはしなかった
そしてそして
折れるだろう接続詞を
蹴り込むならば
双曲線が突き刺さり得る
インキチ
白亜紀の化石ではなく
まるで洗脳の黒幕のように
卑しい仕掛けであり
気の毒にしてはならない
三才児を抱き抱える詩情で
去り行けば笑ったはずだ
目覚ましく……――
強引な経緯の喃語は臭い
排除されながら
酷いともいう
街頭のガラクタを忌避して
迫り来る
光輝が
極めて
清く

安全地帯

風に揺れる菜の花に
紋白蝶が飛び交わす
連なる雲は山へかけ
心温まる瞬間だった
御託も出て来ないね
いっそ無重力で良い
君と僕との野遊びよ

菜の花にいる天道虫
油虫を食べようとし
忙しなく動き回った
魂痺れる瞬間という
恰も目的地の如くか
いっそ無媒介で良い
君と僕との野垂れな

天道虫は花弁へ登り
羽根を強か開きつつ
途端に舞ってしまう
情絆せる瞬間なんだ
明後日の方を向くわ
いっそ無軌道で良い
君と僕との野放しさ

君は清々しい

生命に一刻の猶予もない
喜びへ移行できた社会だ
心臓は愛惜と共に高ぶる

天使が眠りへ就きながら
引くに引けなくて下りて
真心こそ思考させられた

些細な寝息を発たれ
貧乏だったよりも察知する
微細な寝半を打たれ
困窮だったよりも痛感する
仔細な寝相を放たれ
辛苦だったよりも観念する

柔和な顔と健康な美の聡明な相だ
少なくとも僕は死なないのである
天上の神へ賜る恩寵という栄誉だ
恰も実物の如く光輪が差して来る

人生を賭して正々と崇めたい

跳び起きた天使が引き上げるや
地上の念願だった想いが証され
僕にとって肝要なのは善という
犠牲ばかりか奉納ですらもある
行動の荘厳な指針の掌握なのだ

現今に別れを告げたかった
空無な生活を余儀なくされ
魔物は全ての意味を捏造し
死霊が全ての価値を模造し
口は噤めども不自然だった
破廉痴な世界になったので
自滅するよりも手段がない

ところで
天使はいた
策略ではない
難渋するべきでも

山奥にゴリラが棲めば
水牛は仮定法を牽いて
熟れ柿を刈り取るかも
緑茶も煎れてしまうな

精神の庭先で咲く
凛々しい立金花は
憂悶する性を刷新した
無限に犇めき合う信条と
結託した理力によって
有用な知恵として
易々と甘受できた

アレキサンドライトぜ

僕は漸く自立する
空前絶後の記念碑
透き通った天使と
交流する能がある

闇夜のダイアリー

魚や鳥を食べながら
死ななくてはならないと
可哀想に感じては
口数を減らした

殺されてしまう方へ
身を置かずにいられず
知りたい気持ちがあった

残る骨は詫びしい
刺々しく刺さる胸も
抉られて考えた
命そのもの

もしかりに気持ちを
切り放さないとすれば
号泣したはずだろう

美しく魚と触れて
正しく鳥と接しても
受け入れられなかった
弱さが神へ――

ターコイズ

肩肘を張ってみせた
風貌も貴方が失笑すれば
減退せざるを得まい
純潔の想いは帰って来い

再会するのは架空で
素早く打ち建てた屋敷の
驢馬よりも僕自身へ
胸倉を駆る血流が煽った

どんなに好きなのか?
貴方が知らないわけはなく
どんなに嫌いなのか?
考えないではいられなくて

肩肘を張ってみせた
無様な気持ちなら忍んだ
術が明け渡すはずと
僕自身の本音の力強さを

爆笑しなくても良い
大海へ漕ぎ出すどころか
暮れる夕方でさえもなくて

肩肘を張ってみせた
非常に刺激的な貴方がいて
僕自身は意識を働かさず

キャンプ

僕に付いて来い
燃える火中へ放り込む
馬鈴薯がモヤモヤと煙たい
バーベキューは嫌いか?

劣情で覆われた君だ
たぶん誤解されてしまい
気を揉まなくてはならない
問題を抱えながら
淀んだ川を筏で下ろう
かくて鉛のように
頭を垂れる身振りで
不気味な独りも執拗ならば
抜け出せなくなる

河童がいても大丈夫!
理解できない性癖である
ほらほら流れて行く

付いて来ると良い
遺跡が無窮を告げる森へ
君は苦渋せざるを得ないが
繊細な課題を持ち併せ
搾るのも天狗というわけで
一向に把握したがらず
行き当たる芥だった

さあさあ
入り込めば楽しいだろう
まるで巣窟みたいか!
梯子を登ると市街を眺めた
苔蒸したバルコニーで
アヤフヤの吐息が洩れる
遊園地?
賛成したい僕は好きなんだ
冷たい気配に包まれて
止まった時間も
無二と認める

放浪譚

根性がなかったわけではない
弱虫と捕獲されるよりは良い
さもないと頓馬かも知れない
性急に命綱を示してしまえば

世間体に背いて探し当てた自我
まるで青林檎を齧るかのような
独力で酸いも甘いも掻き回して
取り込んだ情緒的な真相という

南国は優しさに乗った風合いへ
熱いハイビスカスを咲き咲かせ
染み渡る浜辺の潮水の冷たさも
椰子が反って逞しく照り付ける
太陽の麗らかさと共に土着して

本国の仲間たちは連れ戻そうとした
なぜ下らない人間として生きないか
死期を控えた徒労こそ悲壮的であり
どう欲求を膨らまそうとも消滅せず
落魄してしまった正体を悪徳として
引き受けるのが立派ではないという
衝撃的な事実を突き付けられながら
喉元を切り裂かれた苦痛に匹敵する
本来の歴史上の心理性であるべきだ
せめてハブが毒牙を剥かないかぎり
無意識に没入するのも結構とはいえ
所詮は異郷的な安逸で永続できない
察すれば涙で顔を濡らしたはずだが
一分一秒も無駄に余計にしたくない
だから再会できる皆を渇望していろ

ハンモックに涼しく佇みながら
読了した文面を腹へ据え兼ねて
両手も添えて微睡む午後二時の
額は濃厚な贖罪を破裂させられ
かくも引き返せない平静なのだ

天然の神通力が清純に撹拌する
意気地がないゆえでもなかった
カシスビスケットは美味しいも
持参品では全く一つもないので
現地へ醸される野蛮が欝陶しい

したり

古墳の周囲に埴輪が
恰も祝祭の如き格好で
幾つも並んで置いてある

きっと死者の霊を
天神へ滞りなく弔いたい
生者の餞なのだろう

大きな盛り上がりも
緩やかに築造された台だ
気持ちは静まり続けて
染々とする歴史へ

少年は想いを馳せた
本腰を入れる社会の
個性的という雑草は
現代の文明を培った

訴える野望を穹窿に
暗黙で了解されたいか
挑みながら清々しく
一言も発しないで

平素を兎菊として

いえば
もしやいえず
いわないだろう……

いいたくないのは
いえなくなりたくない。

いうべきではなくも、

どういうか
しかしだからそして
いえなくするな

いえる……

いえなくて
いわないのではない

 いうといえなかった

いわないかどうか
どちらでも良い

ただし
いうのはいいたかった
まして
いうべきだった――。
つまり
いえるのをいった

いわざるを得ず
いってしまう!!

いえなくはない

森林浴

弾いた心の琴線と
魂の音階が打ち出されて
大気を貫通する逞しさ
慕わしい信条がある

自分は自分で良い
他人も他人なのだ

ブナの木漏れ日の中で
蝸牛と茸と腐葉土と
まるで渦巻きのような
波動を休息しながら

どう生きるか?

互いに喜び合える
慈善でなくてはならない
気持ちがしたという

理知的なエコロジー
命として身に染みて来た
口裏は合わせたくなく
本物の活力を貰い
直截に畏敬しようとする

ポリシーはZなのか

超越論的にいって
絶対性は知覚されない、
従って環境は
相対的な自然である。
第一の土寓ぞ

経験論的にいって
社会性は知覚されない。
従って地方は
共同的な自然である、
第二の土寓わ

人生論的にいって
現実性は知覚されない
従って快楽は
欲望的な自然である
第三の土寓ね

芸術論的にいって
本質性は知覚されない、
従って知識は
情報的な自然である。
第四の土寓だ

ところで〈よ〉

生活論的にいって
事物性は知覚されない――
従って真実は
歴史的な自然である……
第五の土寓な

魂のトーン

もしか僕が神であれば
疑わなくてはなるまい
全能ではないのだから
人間として通用しない

ならば人間になりつつ
誤るべきなのだろうか
信仰しようとするゆえ
悲しまざるを得なくて

君が悲しんでいたのは
傲慢でありたいよりも
愛されない自分という
良心そのものなんだよ

もはや容認した良心を
決して裏切りはするな
積極的でいられるため
世間の他人も笑うのか

依然として他人だった
恰も不朽の如き宜しさ
美醜でも是非でもなく
僕は神髄を呼びかける

うひょー

荒々しく歓迎される頃には
かつて一本気だったはずの
真骨頂が憧憬できるならば
惜しまないで帰って来ると
別れを告げる僕でありたい

神は弁えない天分を咎めた
使命を果たそうとしながら
引き離してしまった誰かへ
差し返してしまった何かへ
せめて夜の帳は閉められて

梃子でも動かない悲しみが
板張りの床に釘で打たれた
泣き崩れなくてはならない
きっと思慕した貴方という
満更ながら赦されるよりも

ヘリオトロープの水際にて
常軌を逸するか則れるかと
悉く倦ねに倦ねた36時間
精力の化身たちは料理店で
バスケットボールらしいや

まさか高遠が不死鳥である
基点を漫遊する友好だった
無尽蔵のエネルギーとして
恰も直射日光へ当たる如く
間柄を深めようとしたんだ

威大ではないにも拘わらず
尻込みせざるを得なかった
どうせ腰抜けとなるべきで
子象が鼻を上げて口を開け
邁進しなくとも運気は良い

奇特な関係

パンダが運転する
黄色のマスタングだ
どこからどこへと
マスタングは正常で
故障もしないまま
いつまでいつより
助手席に僕を乗せて
どうなるどうなる
ハンドルを
ぐるぐる
回して
血眼のパンダなんだ
踏んで
すいすい
アクセルを
どうでもどうでも
突っ込む道路は凄く
甚だしい路地を通り
いつからいつへと
スウォッチも
しない停止
パンダが血相を変える
かちかち
パンダが異言を零した
できる飛躍
どこまでどこより
オーシャンは
ぴかぴか
スウォッチの新品も
息を凝らす僕だった
どうやらどうやら
日常を巻き戻しつつ
盛んな血気が失せて
白黒のパンダと共に
ゆらゆら
進めて
オーロラを
囈言で呟いたように
来た
行く
降りず
走らす
こと
もの
まるで僕は立ち上がり
ピリオドを
打って
ふらふら
手に入れる
プルーンの濃紺が
強靭として
磐石を構えるパンダにも
飛び散り
欲しかった
もいで

本望

命は生きています
オランウータンの親子も木から木へと移動しています
もしも死んだとすれば静止したでしょう
僕はいいたくありません
まるで星の光のように輝かしく言葉を焼き付けて
いいたいのは尊厳なんです
抹香鯨に等しい何かしらだの誰かしらと準えた信天翁なんて
モヤシではないですか
確かに健やかな育成そのものを嬉しく想います
疑問符が大津波や超台風の感嘆符はトラブルと即応ですけど
僕は食べられなかった
だからいいたいんです
命にとって尊厳は冥府にあります
今世では試行錯誤も関の山でした
迎えに来る天使ではありませんか
なんと弱くも多く寄り集まり
持ち上げながら僕を翔ばそうとしました
二度と戻れないと念を押します
念には念を入れて戻れても相違すると窘められます
恐らく実地的に関係できないはずなので
下界が和合する心魂の甘美な様相を呈しました
かくも乱れ咲く水仙の数々みたいでした
可愛らしい天使の口振りなんです
どうしても気になりましたのは
鉄槌で殺されたトルマリンでした
僕が品質形容を行うのを留意して頂きたい
非常に重要な対象でありまし
た 生死の境へ追い遣られる実質としても
陰惨な吸血鬼のオカルトには匹敵しません
ところが神に由来する
試練とも功罪とも承知しませんでした
頷きながら僕は絶交しようとします
溢れ出す涙を流して墜落したく
脳天気であるべきですか
驚愕するよりも態度を改めました
病みも狂いもしません
呪わないで下さい
といいますのは
懊悩が差し迫るこそ害悪も現れて来ます
震撼させられる罌粟ですが
歌わざるを得ないわけなんです
暗礁へカジキが悠然と泳いだり
玉虫も潜り込んだりした丘陵に
急ぐべきではない言語ですか
やはり亡くなりません

とこしなえ

切なさが遅れて来る
過ぎ去った年月を懐かしく

味わえる気持ちになり
必死で生きようとしてた
駆け抜ける僕たちの
慕わしい野山も越えて往く
注いだ心血が薄い

バオバブは動かないながら

絡め取られた日毎よりも
所在へ計なく突入して
連れ込まれてしまう用量は

刃物を研ぐ痛ましい性だ
漫然も恥ずかしく消息の
質が差し当たらずにいない
抱き留める意地を張り

床しさ

表したくなかった
取り溢してしまうよりも

善があったんだ
表してはならないくらいの

子雀だろうか
手に入るならば

表せないわけなので

気に留めなかった
夜もあったんだ
表さないかぎり

堪えようとする
本分だった

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: レジリエンスの第二部|詩集
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