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些細な日常

レジリエンスの第三部|詩集

個人授業

生来が苦手だったんだ
自己中心的であるのが
躍起というのではない
断乎として嫌悪したい

自己満足的であるのも
不服だった元来なんだ

僕は超魔神に殺害され
自身の遺体を気付いて
憎悪しなくてはならず
俄然とも虚偽へ直面し
適当に馬鹿々々しくも
阿呆々々しくも安易に
世の中で洗脳されつつ
風化せざるを得ないか

どうせ決定されたのだ

微生物は差別しないで
楽しかったと分かった

知られる宜しさならば
偏屈しないはずである
無数の細菌が寄り付き

けだし君も同様なんだ

隠蔽されて戦争よりも
搾取されて権利よりも
桎梏な現実性の状態で
応援するべきだったと

自己肯定的であるのか
熾烈にも性悪となれる
得策ではなかったんだ

夕闇の情景

いわれて気付いても
成長しないのでは

鉢合わせした貴方の
拙さが危ぶまれた
僕には吹き出せない

かくて業みたいに

戯れに許されながら
薄らいでいたいと

別荘も
揺れる小雪の冬空で
寒々しく
待ち切れないのか
煮干しを平らげた
子猫たち
腹一杯と
暖炉の床へ
凭れ

思い遣りがあった

まるで芝居のような
銀幕と称えられる

気持ちは溢れていて

片時も
手放せない
対象そのものだった

造花を置くはずか
黙認できるのならば

嬰児

僕が裕福ならば猿や犬を見せてあげたい
山野辺の柿を取っては食べる猿の可愛いさ
尾を振りながら河原で水を飲む犬の可愛いさ
貧乏だから見せてあげられないかも知れず
気落ちするが嬰児を抱くと非常に愛らしい
歌う鳥や描く亀だって僕が優秀ならば
きっと教えてやれなくはなかった
広大な山野辺を緩慢に飛んで来た鳥がいて
亀は河原の敷き詰められた石を着々と歩み
親しみながらも嬰児へ教えてやれるかどうか
愚劣では著しく疲弊せざるを得ない
もしも僕が卑怯になろうとしたくなくて
万感の想いを一身で受け留められるかぎり
聞かせてくれるのは螻蛄が掘った山野辺なんだ
岸壁も峻険な河原に目高は濃く群れ集う
嬰児を恋しめば聞かせてくれない――
実直であるべきという天性だった

吟詠

憶えてるかい
生まれ育った場所を
今では子供たちがいるし
架空の出発点さ
考えてみれば
死なないのが幸いと
可笑しくもあるだろう
到達した現実こそ
先々は昔よりか
恐ろしい気がするな
潤える命とは云いつつ
長く停止しない

旅館の一室でね
感慨へ浸ったんだ
立ち昇る幻影に包まれて
通過してしまう
自殺したくても
喜ばしい貴方を見付け
聞き入れようとするかぎり
僕は渇望するべきで
外気を強かと受けた
積年の成り立ちが美しい
歴史的な開花へ臨ませるよ
恰も殊勝の如き生命力
偏えで構わないぞ
神様を意識するたび
良いのは天国になるとは
無性に悲しかった

涸れる声は出て来ず
少しの祈祷も上がらない
姿が萎れて消え失せる
暗く想える人生わ
不吉へ正鵠を射られると
風化した弱味だった
泣かざるを得ないやら
虚覚えの煌めきが

純銀の首飾り

極近く
深山を抜け切った貴方は
打ち広がる晴天に恵まれて
鳶が飛翔する自在性を
口篭りながらか
空想に耽った

問い詰めたユニコーンと
ゴブリンの怪訝な動き
派手に燥いだニンフたちも
絵本で馴染みがある
幼少期と等しい
古風な幻像だった

貴方が飲んだ
ダージリンを覚えていない
千切ったクロワッサンの
美味しさも滅多になく
テラスへ照らす
束の間の気持ちで

歩いて来た
海沿いの地が正夢ならば
小夜と死ねはせず

伝説の獏に食われるだろう
遺された一抹の不安を

 星降る

マーメイドは騒ぎ立てても
突き抜けたトリトンを
城内へ承服できないまま
鰯の滑らかな泳ぎと
弾かれた水に

はにかみ

遭遇できる酒場で
注文したかった

オレンジスクイーズ
スクリュードライバー
ブルドッグ

されど四杯目の
御馳走したカクテルは

ミントジュレップ

競馬場を席巻する
速度を増した優駿が
名乗りを上げて

五杯目も同伴しない

心理ゲーム

僕は
詩を来させる

告げなかった
君へ

途絶えていて
関係が
突き止めたい

言葉も

告げてなく
君は

僕へ
来させられ

表象的だ

自叙伝

僕は気持ちを封印した
甘美な楽音と淡麗な画像を手渡すのか
子猿が落ちた杉の巨木に白旗を立てながら言葉こそ開放しようとする
寄り付いた君も確かな感触と必ずの認識で消尽せずにいない
そして創作するべきだ
健康なデュカスが死に
瀕死のランボーが生きても爪は伸びない
髪も切らないで
僕は迫り来る季節に夢や幻を捧げたかった
祈れる神が天上で待っていらっしゃる
地上で願うのが煙たい引力ならば噛み締めた泪も障壁ではなくなるだろう
人生は馬の横腹で出現した
まさか君がいるとは望まなかったらしく
沈黙の表情
かくも水を打ったような静けさへ帰着する命だった
喜ぼう
一つも所有しない領域を
ベラドンナが紡いだ宝石が名付けられるよりか速やかに綴るのは天使だったと思い返せるまでは連れ添わずにいないユーモアなのだから
僕は往く
朝露の乾いた芝草で
作家を志すにはチンチラを抱き留めなくてはならない
もし辞めたのがゴルフだったと口にしても構わないだろうか
冷たさへ憂慮した君を突き飛ばしたくないんだ

レジリエンス

的外れの谷で衣服を脱いだ
魔獣は自惚れそのものだ
なんて現実味なのか
悍ましい肢体も露にしつつ
獲って食おうとする気か
僕自身へ睨み返して
手を当てた腰で仁王立ちで
威厳を示せるかのように
まるで動き出さない
手玉に取られてはならない
指一本でも干渉してみろ
凶暴な牙が毒を打つ

龍よ 運んで欲しい
黒曜石の密室へ 速く速く
懲り懲り 茶番という
幼気な天使の 腹癒せさ

かつて美味しかった杏子も
撒いた硫酸には敵わない
食器棚が慄然として
溶解するのも歯止めはなく
どんな煙幕を伸ばすのか
不束で巻き付けられ
僕自身の傷口へ染みていた
墜落よりも様変わりして
型破りの魔獣だった
まさか殺されてしまうのか
天井の片隅に反旗を翻し
加勢する憤懣らしく

連れて欲しい 虎よ
凄く凄く 針葉樹の奥地へ

どんな贖罪が敢行されるか弛緩した力量を凝縮して
毛穴の先端で浅ましい
鳥肌が立っても供えられず
まして無限の宇宙は甚い
多少とも予想できなく
僭越ながら手一杯の檬果だ
完遂されない過失として
船乗りは生業を控えた

茶番という 懲り懲り
腹癒せさ 幼気な天使の

子供をあやす母親であればよもや頓知も効かせたく
恵みの雨を降らそうか
通じ合った謙虚な面持ちで
新芽も吹ける成り行きで
揺らす肩身が狭かった

腹癒せさ 幼気な天使の
茶番という 懲り懲り
良く良く 社会の自然体へ
授けていろ 徳よ

愁慕

僕がいても君はいるか
口に出さない気持ちを抱え
閑かな状態でありながら

水を向けては油を注がれた
火よりも烈しく風が吹き
敷いた土は泥になって

君を引き返させるはずの
弱々しさへ意識できた
包容力が僕だとするならば
耳目にも得られない

朽ちる価値観が橄欖石で
意味論も破けてしまう
密接に交わされた仲だった

恐らく僕はいないだろう
失念に凌駕されないで
君が可愛く痛感した
小春日和を追跡してみても

不可解な風見鶏だった
抱く籠の男爵芋が震える
予感で良かったわけなのか

邪険に振る舞うよりも
君こそいて欲しくて
付き合えた共通性のためと
命乞いを僕は正しく行う

撫子の鷹も敏捷い

抱き抱えよう

たとえ蜘蛛の巣が張っても蝶は飛んでいる

世間の狭さは苦しい僕だった

肩入れした議論に遠慮するな

談話したい

子犬こそ街中でブラブラしている
旨い骨を捜し求める時分なのか
吠えもしないで

哭いていた子猫は部屋を後にしながら寒空の下でオリオン座を見上げたのだった

引っ掻きたい気持ちを不審と置き換え
僕へ内密にした木犀草の脇道を通って出て来た中庭は病院と食堂と山脈と学校で包囲された仮想の立脚点である

子猫は自惚れもせずに我と我が身を夢で保とうと運勢の象徴だった棍棒を振り翳す偉人へ直面しつつ凝視しないではいられかった

恰も食い入る如く

おおいぬ座
こいぬ座が呼吸を抑えた

閑静だった

住宅地に過られる後頭部は痛くも痒くもならず
そして冬の夜闇へ物々しさを集積する緊迫した気持ちが子猫に言語を呑み込ませる

吐き出した瞬刻に星たちは明るさを増した

永遠ともいうべき衝撃が奔り
かくは持続的な皮膜で被われるみたいな状態へ連れ戻されてしまうのだ

止んだ風に余韻する雲の浮かび漂える様子

偉人も少しずつ
だが
暫くは堅く膨れた陰影を打ち崩さないまま
いなくなる

荒み
子猫は再び哭きながら本道を歩みたかった

未明の都市が交通量を減らさないとすると轢死したのである

遅々と進んだ

どうすれば丈夫だったのだろうか

子猫は神格化した原因性の陣地へ爪を立て
一つの恩恵に与かり
肉球が生じさせる結果こそ喜んで
殆ども軽薄に及ぼす仕方で扉を擦り抜けた

僕は施錠しないで
待ち構えると心臓が喉元を突き破る情動だった

縛り付けられた強度の紐帯の子猫へ幾つかの立体的な罵声や怒号も太陽で昇華される頃には問い糾したい本意があるのだ

懺悔するべき温情を贈れるか

舐められて摩りつつ

裸形でメリットのN

逝くよ
せいぜい鷹を括れ

威勢だった
繕えず
良かったのは

息切れというか
滑り込みたかったんだ
春へと続く汽車に揺られ
割り箸で挟んで食べられる
蕎麦が生る土地柄に
女神の微笑み
ある
舌足らずな
掲げずにはいられない
拳が勲章を承認したはずの
プライドを抱けるならば
動悸だって
打ち倒されながら
たたた
夢枕にいる
立っていろよ
立て
立たないと
せっかくのジッパーも
口利きしようとして

漏らされるべきだったのか
汽車は走り出す
まさか春をも連れ去った
力強い
指標らしく
精一杯の色恋沙汰が
どうも
起こした軽々しい
眩惑がてら
だったのかと
ドポン
する
撫子も咲いてよ
停まる駅舎に
春めく
旅人たち
手帖を持たないまま
かと
気が気で
痙攣したのは元来だと
削げないん

戦慄き

僕は涙を落としたい
堪えるのは止めにし
泣きたくなったんだ
悲しい気持ちだった

察せもしない貴方が
補助線を引きながら
懇願した真の浅瀬で

節操なく溢れ出した

告げられないだろう
もしか離れ去りつつ
悟れもしないならば

波立つ砂辺は秀麗に
洗い込まれてしまい

人情的な寓喩を開く

星よりも密かだった
貴方が彼岸のように
生き生きと切望する
まるで現れない僕へ
佳く思い詰めたんだ

愚直である沖合いは
予期させようとした
極めて容易な一滴を

ギミックリング

粘土で表明した休閑地を
記すべき日時はある

たとえ追い付かない
虚しさが母国だとしても
有終の美を飾れたか

重ねたい思慮と
言語を並べ立てながら
積み上げずにいられない
行為が肝心だった

もしや注意するならば
入れ換えようとするだろう

念頭に置いた万能の像を
嵐が吹き消すように
掻き回されてしまった
悪くなる気分でありながら
純金へ取り付いて

もちろん形見だった
備える肌身も離さないまま
異国で寂びた風穴という

とびっきり

忘れたくない
幸せな一時を
夜空に咲いた薔薇の花びら
願う気持ちや
叶わない夢も
僕は打ち解けられずにいた
忘れたくない
一頃の痛みを
窓辺へ澪れる透明な日射し
望みながらの
結べない心で
僕が受け留めなかったんだ

どんな轍を践むならば
優しくなれるだろうか
当たり前の冗談よりも
まるで皮肉みたいでは
朗らかになってしまう
歯車が噛み合いながら

守られて
大事にしていなかった君を
待たせないまま
だから
忘れたくない
包まれて
大切にしようとしない君を
放させないまま
なので
忘れたくない

冷たく冷たく
冷たくなって
践んだ轍が乏しくなって
乏しく乏しく
乏しくなって
歯車は冷たくなって逸れ

忘れたくない
僕が打ち解けられずにいた
一頃の痛みも
夜空へ咲いた薔薇の花びら
想いの生活と
忘れたくない
僕は受け留めなかったんだ
幸せな一時の
窓辺に澪れる透明な日射し
共通な想いで

悲しく
悲しい悲しいという君こそ
恋しさだった
恋しさという空しさ

鎮座する門番よりか
良い夢を叶えよう
騎士や野獣も連れて来て
手を繋げると願うんだ
折れ曲がった堡塁ならば
心を正しく望んで
結べなくてはなるまい
招き寄せる明るみへ

35‰

やっと連れ出した
宵闇の砂嵐を踏み越えて
干からびた何があるだろう

握り込んだ掌には
まるで亜鉛のような
息苦しさが刻印されながら
打つかっている

誰も来られず
気にかけはしなかった
大地へ熱気が沈んだまま
首を垂らす姫百合の
よもや壊滅的と
早合点してしまい

泣き出すよりも
小雨が舞うのではなく
伸びやかな醍醐味を
受け入れるべきではないか
探究しようと無駄だ
余計に実験できて
予定を検証したくなる

晴れ晴れしさが必須で
経緯は有意義だった

飛散する鵲の遅鈍な空白へ

嫌いではないんだ
憎みも恨みもしないにせよ
もしや脳天が憂悶すれば
漫然と看過していた
斜めの道理を血迷うな

本性上のオード

神よ 受難する生命を
終末へと引き入れられた
どんな災いが信じられるか
審判しなくてはならず
かくも尊重的な巷の
推し量らせた実体として

神よ 決定的な生命を
押し出しながら開始した
どんな歓びも愛させるのか
識別しなくてはならず
かくも重厚した巷の
打ち渡らせる実体として

神よ 包摂した生命を
悲痛にも引き裂いている
どんな契りが交えられたか
信仰しなくてはならず
かくも敬意的な人の
耐え忍ばれた実体として

神よ 肯定的な生命を
押し留めがてら爽快する
どんな乱れも現れさせたか
純愛しなくてはならず
かくも意思する人の
付き従わせた実体として

神よ 力動する生命の
進退へも極め付けられた
どんな現れが災いさせるか
復活しなくてはならず
かくも巡礼的な人を
覆い尽される実体として

神よ 共有的な生命の
耐え切りながら浸透した
どんな交えも歓ばれるのか
許容しなくてはならず
かくも清潔した人を
凝り固まらす実体として

神よ 卓抜した生命の
恋慕には破り打てている
どんな仰ぎが契られたのか
前提しなくてはならず
かくも英知的な巷を
解き解された実体として

神よ 能性的な生命の
量り続けがてら勾配する
どんな情けも乱れさせたか
合同しなくてはならず
かくも穏和する巷を
選り選らせた実体として

ラグーン

僕たちは
命を気にして
沈んだ

なのに
気にする命も
あった

泳いで
数多くの魚が
気にした

魚たちは沈んで
あった命を気にする

気にした僕なのに
命の数多くも泳いだ

沈んで
気にする命たちと
なのに

あった
数多くが気にされて
泳いだ

気にして僕たちも
魚こそ気にする

数多くと泳いで
沈んだ気にされながら

あった命なのに

  • ブログの投稿者: 結城永人
  • タイトル: レジリエンスの第三部|詩集
  • 最終更新: 

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