ラウリル硫酸TEAとラウレス硫酸TEA/ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン 結城永人 - 2019年10月16日 (水) 高級アルコール系の合成界面活性剤の中でもラウリルアルコールの硫酸系が洗浄力は強いものの皮脂を過度に減らして皮膚のバリア機能を損う恐れが大きい。 ラウリルアルコールの硫酸系の洗浄成分は色んなタイプがあるけれども巷の製品で良く見かけるラウリル硫酸TEAとラウレス硫酸TEA/ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンを取り上げる。 市販のシャンプーやボディーソープやハンドソープに配合されている場合、もしも肌が乾燥や角化で酷かったら止めて刺激が少ないものに変えるとか注意して使うべきだ。 Long curly hairstyle by Engin_Akyurt / Pixabay ラウリル硫酸TEAは洗浄力と刺激が普通に強い ラウリル硫酸TEA(Triethanolamine/トリエタノールアミン)はラウリルアルコールを硫酸化した後にトリエタノールアミンアミンによって中和して合成される陰イオン(アニオン)界面活性剤だ。 物質上の概観 分子式 C18H41NO7S 分子量 415.6 g/mol IUPAC名 2-[bis(2-hydroxyethyl)amino]ethanol;dodecyl hydrogen sulfate CAS番号 139-96-8 成分名 ラウリル硫酸トリエタノールアミン INCI名 TEA-Lauryl Sulfate 参考サイトTriethanolamine lauryl sulfate | C18H41NO7S ラウリルアルコールの硫酸系の洗浄成分はラウリル硫酸Naやラウレス硫酸アンモニウムが洗浄力と刺激が強くて皮膚の奥まで皮脂を減らしてバリア機能を著しく低下させると真っ先に懸念されるけれどもそれと比べるとラウリル硫酸TEAは分子量が可成と少なくて健康上の欠点が補われている。皮膚の奥まで浸透する分子量が五百以下と推定されるので、四百十六程度なのは越えてないけれども他の三百以下の二つよりも近付いていてもっと安心して使えるのは間違いないだろう。 そして洗浄力はラウレス硫酸の陰イオンで、ラウリルアルコールの硫酸系の洗浄成分としてラウレス硫酸Naやラウレス硫酸アンモニウムと同じだ。油汚れを落とす性能は変わらないので、皮膚の奥まで浸透する可能性を抑えても表面では普通に作用するようになっているわけだ。 ラウレス硫酸TEAのもう一つの大きな特徴として界面活性剤の親水基の塩基の部分のTEAの疎水性/親油性がラウレス硫酸Naのナトリウムやラウレス硫酸アンモニウムのアンモニアの場合よりも高い。いい換えるとHLB(Hydrophile lipophile balance/親水親油バランス)が低くなるので、油と多く馴染むことができる。水と油へ半々くらい釣り合って溶けるらしい。水から油汚れや皮脂を引っ張り難くなる分だけ洗浄力と刺激は弱まるかも知れないけど、しかしさらにシャンプーやボディーソープやハンドソープという化粧用の洗浄剤において様々な油性の成分と混ざってもっと力を発展できるようにもなる。 すなわち配合性が高い。洗浄剤の品質を高めようと他の成分を追加しても概して性能を阻まないし、それ自体の性能も落とさない利点を持っている。皮膚に影響するだけに健康や美容に幅広く拘泥った製品を仕上げるのに適しているといって良い。 ラウレス硫酸TEAの注意点としてTEAに発癌性のあるニトロソアミンを形成する能力があるので、洗浄剤ならば一般的に影響はないと想定されるにせよ、万一でも体内に大量に取り込むような使い方は勧められない。 ラウレス硫酸TEAは洗浄力と刺激が普通に強い ラウレス硫酸TEA(Triethanolamine/トリエタノールアミン)はラウリルアルコールにエチレンオキシドを付加重合しながら硫酸化した後にトリエタノールアミンによって中和して合成される陰イオン(アニオン)界面活性剤だ。 物質上の概観 分子式 C18H41NO7S 分子量 415.6 g/mol IUPAC名 2-[2-dodecoxyethyl(2-hydroxyethyl)amino]ethanol;sulfuric acid CAS番号 27028-82-6 成分名 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン INCI名 TEA-Laureth Sulfate ※エチレンオキシドの付加モル数が1のラウレス硫酸TEA。 ※成分名の「ポリオキシエチレン」は「POE」(Polyoxyethylene)に短縮して「POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン」のように表記される場合がある。 参考サイトTriethanolamine lauryl ether sulfate | C18H41NO7S ラウレス硫酸TEAはラウリル硫酸TEAの改良型だけれども洗浄力と刺激は殆ど変わらない。前者はラウリルアルコールの硫酸系としてラウレス硫酸の陰イオンに基づくから同じで、後者も分子量がどちらも四百十六程度だから皮膚に必ずしも直ぐに浸透しないのが同じだ。油汚れを専ら皮膚の表面でしっかり落として皮膚の奥まで皮脂を減らしてバリア機能を低下させる恐れは少ない。 纏めると洗浄力と刺激は普通に強いという洗浄成分なんだ。 しかし洗浄力は幾らか特徴がある。エチレンオキシドが新しく関与して来る。原型よりも水溶性が上がり、粘性は下がるものの低濃度でも泡立ちに優れるという洗浄力での利点が追加される。 さらに溶解性も比較的に高いらしくて低温でも水溶性が上がるために無色透明の洗浄剤を作り易くて反対に色付けも捗るなどの製品のデザインの幅が広がるようだ。 ラウレス硫酸TEAの注意点としてTEAに発癌性のあるニトロソアミンを形成する能力があるので、洗浄剤ならば一般的に影響はないと想定されるにせよ、万一でも体内に大量に取り込むような使い方は勧められない。 コメント 新しい投稿 前の投稿
コメント