日本語の「久し振り/暫く振り」を英語に訳すには大きく分けて四つの方法があってそれぞれの意味合いは微妙に異なっている。
英訳①只単に時間的な間隔が長い
どんな場合でも使えるafterの熟語
after a long time_長い時間の後に
I went to watch a movie after a long time.
私は久し振りに映画を観に行った。
もっと短い間隔ならば「after a while」(ある間の後に)、もっと長い間隔ならば「after ages」(代々の後に)なども使える。
timeを他へ置き換えてもっと意味付ける
after a long absence_長い不在の後に
The rain after a long absence is really furious.
久々の雨が本当に凄まじい。
after a long separation_長い分離の後に
Did he meet his best friend after a long separation?
彼は久方振りに親友と会ったか。
最後にofで時間的な長さを添えられもする
I went to watch a movie after a long time of ten years.
私は十年振りに映画を観に行った。
ニュアンスとして「十年の久し振り」となっていて例えば「after ten years」(十年後)のような時間的な長さだけのイメージでもない。
英訳②改めて今初めてという状況を示す
一定の期間でfor the first timeを捉える
for the first time in a while_ある間に初めて
I played tennis on lawn court for the first time in a while.
私は暫く振りに芝のコートでテニスをした。
ニュアンスとして「for the first time」で初めての状況が明らかに表現されるので、それまで一つもなかったのと対照的に今の気持ち/現時点の経験に重点が置かれる。
もっと長い間隔ならば「for the first time in a long time」、もっともっと長い間隔ならば「for the first time in ages」なども使える。
初めての「the first time」の冠詞の「the」は所有格でも構わなくて例えば「my first time」(私の初めて)や「your first time」(貴方の初めて)のような特定の表現が取れる。
whileの部分を変えて時間を指定できる
She read Goethe's novels for for the first time in thirty years.
彼女は三十年越しにゲーテの小説を読んだ。
It~to/thatの構文で書き換えられる
It was the first time in a while for me to play tennis on lawn court.
芝のコートでテニスをするのは私には暫く振りだった。
It was the first time in thirty years that she read Goethe's novels.
彼女がゲーテの小説を読んだのは三十年越しだった。
日常会話で「暫く振り」だけいうならば「It was the first time in a while」のようにして「to/that」以下の部分を省略しても構わない。
もっと長い間隔ならば「It was the first time in a long time」、もっともっと長い間隔ならば「It was the first time in ages」なども使える。
英訳③時間的な間隔を前面に出す
It's(It has)been~sinceの構文が使える
It's been a long time since my last TV game.
私の最後のTVゲームから久し振りに経った。
日本語として「久し振りのTVゲームだ」という気持ちになる。
It's been ages since I came to the sea of Okinawa last time.
最後に沖縄の海に来てからは久々と経った。
日本語として「久々に来た沖縄の海だ」という気持ちになる。
形式主語の「It」の動詞は現在完了形にして「a long time」や「ages」などの時間的な間隔を入れておいて「since」以降の出来事は「last」で最後を示しながら(示さなくても通じるらしいけれども分かり易い)名詞句か文章ならば動詞を過去形にして述べる。
出来事の基点となる「since」以降が名詞句の場合、所有格ではなくて冠詞の「the」を使って一般的に「since the last TV game」(最後のTVゲームから)という表現も取れる。
日常会話で「久し振り」だけいうならば「It's been a long time」のようにして「since」以降を省略しても構わない。
英訳④何もなかった気持ちを反対に転じる
現在完了形の否定のhaven't/hasn't(have not/has not)が適する
I haven't eaten shrimp gratin in a long time.
私は長らくエビグラタンを食べなかった。
日本語として「久し振りにエビグラタンを食べた」という気持ちになる。
独特の反語的な表現の英語で、現在完了形の否定が実際に示されるよりも裏返しの感情として肯定の内容を多く含むせいだ。
例文は「in a long time」のところが「久し振り」に相当するから他の「for a while」(暫く振り)や「in ages」(久方振り)などに置き換えると様々な意味合いが取られる。
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