セブンティーンクラブの嘘みたいな可愛さ 結城永人 -2022年12月22日 (木) ファッション雑誌のセブンティーンが主催するミス・セブンティーンコンテストから選ばれた柴田くに子(森丘祥子)と木村亜希(亜希)と工藤静香の三人で結成されたセブンティーンというアイドルグループがあった。 セブンティーンクラブを初めて知る セブンティーンクラブのス・キ・ふたりとも!(鈴木くんと佐藤くんのテーマ) / CBSソニー 活動期間が極めて短くて1984年から1985年の一年程で、出した曲もス・キ・ふたりとも!(鈴木くんと佐藤くんのテーマ)とバージン・クライシスのシングルが二枚だけで、どちらも殆ど売れずに解散してしまった幻のアイドルグループと呼ぶべき存在だった。 工藤静香を最初に見たのか セブンティーンクラブの工藤静香/サニーサイド7|日本テレビ 僕は、当時、全然、知らなかったし、今回、YouTubeで、偶々、見かけて今では人気歌手の工藤静香のがいてしかも非常に若くてビックリしたんだ。調べると芸能界のデビューが十四歳で入ったセブンティーンクラブだった。かつて人気歌手への切欠を掴んだおニャン子クラブで工藤静香を見たときにどこかで見たことがある人だと思ったんだけれども分からなかった。セブンティーンクラブでの活動を知ってみると以前にテレビや雑誌などて見た記憶が無意識に残っていたせいだったのてはないかとちょっとスッキリした。 亜紀がアイドルだったとわ セブンティーンクラブの木村亜紀/週刊ボップマガジン|テレビ東京 もう一人、亜希もいると驚いた。今はモデルだけれどもプロ野球で大活躍した清原和博の奥さんとして僕は知っていた。ブログで取り上げたように覚醒剤で逮捕されて大変な状況だったし、亜希とも離婚したにせよ、昨今は復帰してYouTuberとか色んなことをやるようになっている。以前、亜希を清原和博の奥さんとして見た瞬間は一般人ならば飛び抜けた美貌だと感心したんだ。芸能人と聞いて忽ち納得したけど、しかし何をやっていたのかまでは分からなかったので、今回、まさかアイドルをやっていたと知って驚いた。しかも工藤静香と組んでいたというのは本当に衝撃の事実としかいいようがない。 森丘祥子を覚えていたようだ セブンティーンクラブの柴田くに子/鶴ちゃんのいちごチャンネル|テレビ朝日 セブンティーンクラブのセンターで、リーダーを努めていた森丘祥子は全く知らなかったんだ。しかし調べると解散後に柴田くに子から改名して歌手としてソロデビューした。そのときに大瀧詠一の名曲として知られる夢で逢えたら(ラッツ&スター)のカバーを出していた。これが1991年にキリンのワインクラブDANCEという商品のCMソングに使われていとらしくて今聴くと何か覚えている感じがして不思議な懐かしさに心が包まれるのが嬉しい。 セブンティーンクラブの大変な魅力 セブンティーンクラブ/サニーサイド7|日本テレビ 初めて知ってセブンティーンクラブの歌と踊りに喜びを受け取る。強烈に引き付けられて本当に数少ない持ち歌の直ぐに買い解散した貴重なパフォーマンスを観捲る。昔は気にも留めなかったにもカカワラズ、大変な魅力をついに認めているのは間違いない。 ファッションセンスの良さ セブンティーンクラブのス・キ・ふたりとも!(鈴木くんと佐藤くんのテーマ) / CBSソニー 僕がセブンティーンクラブを堪らなく良いと思うのはファッションで、1980年代に流行っていたもので、特に大きめのジャケットが素晴らしく可愛い。 当時を振り返ったバブリーダンスのスーツも肩幅は広めだけれどもボディコンに近くて細長いものだからちょっと違う。スーツにかぎらないけれどもオーバーサイズ気味で着るのも流行りだったのをセブンティーンクラブは思い起こさせる。 セブンティーンクラブのス・キ・ふたりとも!(鈴木くんと佐藤くんのテーマ) / CBSソニー 青春期に理想的な人が薄い水色の大きめのジャケットを白っぽい短いスカートと合わせて着ていたのが忘れられないくらい惹かれる。例えば斜め後ろから見たときのふんわりした様子が可愛くて仕様がなかったりする。ブロッコリーかカリフラワーか人間離れして相当にあり得ないほどの人の良さが溢れていて良いと思うばかりだ。 セブンティーンクラブがやっていて本当にセンスが良いから打ちのめされずにいない。 セブンティーンクラブ/週刊ポップマガジン|テレビ東京 エスニックな感じの衣装も素敵で、丈の長いベスト、ゆったりと裾を絞ったパンツ、頭の後ろ方の帽子、袖を折り上げた半袖のシャツなどに1980年代のファッションを感じる。 セブンティーンクラブ/鶴ちゃんのいちごチャンネル|テレビ朝日 水着も楽しさが花開いたような輝きを放っている。何れも私服に見えて自然体の魅力を受け取る。個人的に大いに気に入らずにいない。 初心だからこその可笑しさ セブンティーンクラブ/アイドルパンチ|テレビ朝日 セブンティーンクラブが売れなかったのは曲を聴くと分かる気がする。踊りは少しの振り付けがあるだけだけど、しかし中心の歌は決して下手ではない。工藤静香は後に人気歌手に大成する声の良さを聞かせるし、森丘祥子も亜希もソロのパートになると艷やかな声でハッとさせられるくらい美しい。三人で歌うのも本当に気持ち良いから不味かったのは詞やコンセプトだったと思う。 個人的に面白くて好きなんだけれども買うのは心配になるような印象を与えている。 メインのニ曲でいうとス・キ・ふたりとも!(鈴木くんと佐藤くんのテーマ)は二人の男性からいい寄られて両方と黙ってキスしてしまう女性、バージン・クライシスは男性の家で勉強を教わるも処女喪失で頭が一杯の女性、どちらも一般受けし難そうだ。 「とにかく売れなかったんです(笑)。営業にはよく行っていたけれど、一番多かったのは、ビール瓶が入っていた木箱の上で歌うこと。台風がきて突風が吹いているのに、デパートの屋上でのイベントが入っていたことも。観客は一人もいなかったので、社員さんたちが申し訳ないなという表情を浮かべながら、見に来てくれていました」 工藤静香/知られざる本当の工藤静香、今だから語れるホンネ|Numero TOKYO|扶桑社 セブンティーンクラブが突きたいのは初心な可愛らしさだろうけれども性の見方や女性観が固定的な時代では理解されないのではないか。だからむしろ今の方が理解できそうだ。それでもまだぶっ飛んでいる感じがするけれども本人にも止められない生身のお巫山戯とでも捉えると笑わせるからやはり大変な魅力がある。 男性が格好良くて可笑しいと最高に持てると思うけれどもセブンティーンクラブはその女性版だろう。おっちょこちょいなところが許されるかどうかに全てはかかっている。売れなかったのは世間が認めなかったはずだけれども少なくとも僕はス・キ・ふたりとも!(鈴木くんと佐藤くんのテーマ)もバージン・クライシスも嫌い切れないし、もっと続けて欲しかったと願わずにいられない。 セブンティーンクラブ/鶴ちゃんのいちごチャンネル|テレビ朝日 セブンティーンクラブのような女性は芸能界では珍しい。他に例がない。似た人はいても僅かでも飾り気がないことはない。実生活では少なくない。しかし芸能界では人前に出るためにあれこれと考え捲って初心を保てないせいかも知れない。無邪気とか天然なんて気持ちとも違う。自分は自分だという意志がないと胸のうちで崩れるのが初心だから何も考えない状態ではない。 何かを考えてぎこちないところもあるのがリアルで、可愛いのも嘘みたいに素晴らしい。今此処でかけがえもなく認められるのは幸せで、惹かれるほどに出会えて良かったと心から思う。 コメント 新しい投稿 前の投稿
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