willとwouldの依頼の疑問文の使い分け 結城永人 - 2022年6月1日 (水) 英語で相手に何かを頼んだり、訊いたり、願ったりなどするときに良く使う四つの助動詞、willとwouldの使い分けについて覚える。 どちらも意味は同じだけれども感触や印象が異なり、特に丁寧さが変わるから会話では自分と相手との関係性によって使い分ける必要が出て来る。 その他、同じ意味合いを持つ熟語や丁寧さを増す副詞を幾つか取り上げる。 目次willは普通に親しげに依頼する相手がしたいか/するつもりかを訊ねるwouldは特段に恭しく依頼する相手がしたいか/するつもりかを訊ねる熟語の「would you mind ~ing」を使う熟語の「would you mind if」を使うpleaseやpossiblyを追加する表現pleaseを使った依頼の疑問文possiblyを使った依頼の疑問文 A group of friends at a coffee shop by Brooke Cagle / Unsplash willは普通に親しげに依頼する willは意思や推量の助動詞で、「will you」で相手に何かを訊ねる場合はしたいか、するつもりかを問いかけ、転じてやって欲しいという気持ちを伝えることになる。 相手に依頼するときのwillは普通の態度で、丁寧というわけではないから身近な知り合いなどに親しい調子で使われることが多い。 相手がしたいか/するつもりかを訊ねる Will you shut up? 黙ってくれるか。 気持ちとしては黙って欲しいと伝えている。 willは相手の状況が分かって、当然、できることを求めるような場合に良く使われる。 willによる依頼は親しみが強いけど、厳しい口調では命令形に匹敵することもあり、専ら顔見知りの自分と同じか目下の者に行われる。 wouldは特段に恭しく依頼する willの過去形がwouldだけれども現在の依頼の疑問文として知っている人に儀礼的に使われ、一般的に恭しい調子で、丁寧な印象を与える表現になる。 wouldが敬語として扱われる理由はcanの仮定法として相手の気持ちを推し量るニュアンスを持つ(相手と一定の距離を取るだけの配慮があることを示す)ためだと考えられる。 日本語だと語尾が畏まった丁寧語、所謂、ですます調の部類に完全に入る。 相手がしたいか/するつもりかを訊ねる Would you clean the garden? 庭を掃除してくれますか。 気持ちとしては庭を掃除して欲しいと伝えている。 wouldは相手の状況が分かって、当然、できることを求めるような場合に良く使われる。 wouldによる依頼は恭しさが強いけど、厳しい口調では命令形に匹敵することもあり、専ら顔見知りの自分と同じか目下の者に行われる。 熟語の「would you mind ~ing」を使う wouldの依頼の疑問文に動詞のmindと何かの動名詞を続けると「〜して構いませんか」のように相手に配慮した非常に丁寧で謙った表現になる。 Would you mind moving to that seat? あちらの席へ移って構いませんか。 Would you mind my smoking here? ここで煙草を吸って構いませんか。 答える際は構わなければ「No, I wouldn't」、「Not at all」、「No problem」といい、断わるならば逆に依頼して事情を説明したりする。端的に「Yes, I would」とするのは相手を強く否定することになって不自然かも知れない。 wouldによる依頼は自分よりも同じか目下の者に行われることが多いけれども熟語の「would you mind ~ing」になると目上の者に対しても違和感はなくなる。 wouldではなく、doやwillから「do you mind ~ing」や「will you mind ~ing」とする熟語もあるけれどもその場合は丁寧さだけではなく、依頼する意味合いが薄れる。 動名詞の行為、例文では席の移動や喫煙の是非を問うという仕方で、相手の意向を伺っているわけではなく、席の移動や喫煙を行うことを前提とした「〜して大丈夫ですか」のような要求する意味合いが強い。 熟語の「would you mind if」を使う wouldの依頼の疑問文に動詞のmindと条件節のifを続けると「〜して構いませんか」のように相手に配慮した非常に丁寧で謙った表現になる。 Would you mind if I sat next to you? 隣に座って構いませんか。 Would you mind if they leave the room? 彼らが部屋を退出して構いませんか。 仮定法になるので、条件節の動詞は過去形になる。そして条件節の主語も「you」は一般的に使われない。扱い難い(awkward)印象を与えるので、アメリカでもイギリスでも好まれない。相手の行為に伺いを立てる場合はwould you mind ~ingの熟語の方が向いている。 答える際は構わなければ「No, I wouldn't」、「Not at all」、「No problem」といい、断わるならば逆に依頼して事情を説明したりする。端的に「Yes, I would」というのは相手を強く否定することになって不自然かも知れない。 wouldによる依頼は自分よりも同じか目下の者に行われることが多いけれども熟語の「would you mind if」になると目上の者に対しても違和感はなくなる。 wouldではなく、doやwillから「do you mind if」や「will you mind if」と熟語もあるけれどもその場合は丁寧さだけではなく、依頼する意味合いが薄れる。 条件節の行為、例文では隣の着席や退出の是非を問うという仕方で、相手の意向を伺っているわけではなく、隣の着席や退出を行うことを前提とした「〜して大丈夫ですか」のような要求する意味合いが強い。 これは「would you mind if」で条件節の動詞を同じように現在形にした場合――仮定法から外れるけども普通に使われることがある――でも当て嵌まるので、依頼の疑問文としては過去形にするのが最も相応しい。 pleaseやpossiblyを追加する表現 willでもwouldでも依頼の疑問文に副詞のpleaseやpossiblyを追加すると丁寧な印象を増すように文意を修飾することができる。 どちらも動詞の直前に置かれることが多く、pleaseの場合は文末に付け足して相手を促すような仕方でも良く使われる。 pleaseを使った依頼の疑問文 Will you possibly lend me your umbrella? 貴方の傘を貸して貰えますか。 pleaseは相手に願う気持ちが強まるので、場合によって口説い印象を与えるかも知れない。 possiblyを使った依頼の疑問文 Would you tell me the truth, please? どうか真実を話しておくれ。 possiblyは低い可能性を示すので、相手の状況が分かるときに良く使われるwillやwouldには伴い難い。 関連ページcanとcouldの依頼の疑問文の使い分け 参考サイト【ネイティブ英会話】Will/Would youとCan/Could you は明確に使い分けできる! 〔# 27〕相手にお願いする英語フレーズ Could you 〜 ? Would you 〜 ? 使い方トレーニングていねい・ひかえめに依頼する時私の英語、もしかして失礼? 信頼される敬語表現【アメリカ人が解説】Would you mind…?の使い方と答え方 コメント 新しい投稿 前の投稿
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