自民と反自民の現実を捉える政治の基本的な見方 結城永人 - 2023年6月27日 (火) 日本は戦後の高度経済成長から前世紀末のバブル経済までは好景気だったけれどもバブル経済の崩壊から今日まで、三十年以上、不景気が続いている。こんな酷い状態――投票率も半分がやっとの絶望的な国――は世界でも例がないだろう。根本的に何かおかしいのではないかと考えると人々の政治の見方が精確ではない感じがする。 政治をどう考えるかは学校の教科で普通に学ばない人が大半で、殆どの場合、テレビや新聞などのマスコミの情報を基にして考えているだろう。しかし討論会や何かは政治の見方の基本的な部分を省略していることも少なくない。または完全に間違ったものもあるかも知れないし、何れにせよ、一般人は政治の基本的な見方が分からないままだったら一生懸命に考えるほどに認識がおかしな方向へ行ってしまう恐れが強まる。 僕の取り越し苦労かも知れないし、政治の基本的な見方が分かっている人は良いけど、とにかく世の中を見渡して大きくずれていると思うところを二つ取り上げて真実を明らかにしたい。自分は知らなかったと気付いた人は直して次の投票や何かに活かして貰えば幸いだ。 目次自民党の自由は皆の違いを重視する右翼思想だ右翼思想としての自由は平等や公平の対極に位置する反自民は口先で文句をいうだけの無能ではない利口にも税金の無駄遣いを避けようと努める反自民 自民党の自由は皆の違いを重視する右翼思想だ 第208回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説|首相官邸 自民党は正式名称が自由民主党だ。党名の「民主」は民主主義を意味して人権を尊重するという主張だ。近年の憲法改正の議論では否定する向きが出て来て矛盾してもいる()から本当にその通りの政治を行うかどうかは分からないけど、とにかく理念としてはそうなっている。もう一つ「自由」があって人それぞれの個性というか、皆の生き方を個別に尊重するという主張なんだ。 自民党とは何かと考えたときに間違え易いのが「自由」の意味なんだ。普通とは違う。普通の意味で自由というと何にも支配されずに解放的に生きるみたいな感じで、とても幸せな印象を与えるけど、ところが政治的な意味での自由は皆一緒というのと打つかる。ある意味、民主主義から逸脱する要素を含むんだ。いい換えると皆の違いを重視する。同じにしないことが自由と表現されている。 政治的にいうと皆一緒の人権を持つから生き方も、全部、一緒にしようというのが社会主義で、さらに政府から仕事や何かも計画的に割り振ろうというのが共産主義で、そういう平等や公平を重視した左翼的な思想に対抗する概念として自由があるわけなんだ。 だから「自由」を党名に入れている自民党は右翼的な思想を持っていて社会主義や共産主義ではなく、これも本当かどうかは別にせよ、理念としては相容れない政治を望むことを伝えるし、人それぞれの生き方を強く(単に民主主義を保つ以上に)求める立場を示している。 一例を挙げると安倍晋三銃撃事件で明るみになった自民党の旧統一教会というカルトとの繋がりがある。憲法の政教分離に関わる大きな問題だけど、その発端は左翼勢力へ共闘するところにあったといわれるので、自民党が右翼的な思想を自由として実際に強固に持っていることをはっきり伝えていた。 右翼思想としての自由は平等や公平の対極に位置する 自民党の自由は政治的な意味があって普通とは違うから知らないとおかしなことになるけど、とにかく精確に捉えるには助け合いを否定する面が重要なんだ。皆が好き勝手に生きることを目指すので、民主主義の範囲内ながらバラバラになって協力しない方向へ進む。 もちろん良い面もあるし、社会主義や共産主義で何から何まで縛り付けられて生きるよりは益しかも知れないし、特に景気が良ければ人それぞれの独創性をあらゆる面で活かし易いのは良いと思うけど、しかし「自由」は政治的に皆の違いを重視するので、人々が互いに打つかってそっぽを向き合うような社会に繫がると全体的に不利な場合も出て来る。 昨今、問題となっている格差社会というのも専ら自民党の富裕層と貧困層を切り分ける(それぞれを自由にさせる)政治が何よりも反映している部分が非常に大きい。 自民党の自由を精確に捉えたとき、不況の日本で、人々が助け合わず、協力しないような政治を少しでも行うことはどうなのか。 僕は苦しい時代で、社会主義や共産主義でなくとも不自由へ向かう支配的な勢力と闘争しているわけでもない今の日本で、もっと助け合って誰もが協力した方が良いと思う。 政治的な意味での「自由」を知るかぎり、自民党がバブル崩壊から最も長く政権を担っていることは政党の理念から合理的でも効率的でもないし、現実に不況を抜け出すどころか深みへ嵌まりさえもするような日本になってしまっているのも当然といわざるを得ない。 皆が自民党とは何かを十分に知らない、または只単に政策の良し悪しで選んでいると包括的に捉えられず、他の政策で期待外れでも驚くに値しない。政党の政治の方向性を捉えて選ぶことが第一に欠かせないと思うけど、しかし自民党の自由のように普通と違う意味の言葉が出て来る場合は誤解しながら支持するかどうかを決めないように注意したい。 反自民は口先で文句をいうだけの無能ではない 第208回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説|首相官邸 昨今、インターネットの発展で、色んな人の考えを簡単に知ることができて気付くことも、沢山、あるけど、すると政治の見方で、方向性が歪んでいるのは非常に問題だと思う。つまり何が大事なのかということが曖昧になっている。どんな世の中が良いかという政治の意味ではなく、飽くまでも政治の見方で、方向性が歪んでいては望んだ世の中も実現することは難しいと憂う。 僕が気がかりなのはテレビの討論会で良く聞く言葉として「具体的な方法」を求めるのが必ずしも良くないと思う。それは政策であって実際上は法案を意味するけど、とにかくテレビの司会者が議員や何か集まって侃々諤々の議論で、訳が分からなくなると「具体的な方法」を求めて纏めるみたいな流れがある。皆は、一番、良いのがそれだと思うのではないか。政治の見方として政策、または法案が何よりも重要だと考えるとしたら違うかも知れないことをいっておきたい。 確かに議員という立法者にとって大事なのは法案だし、法案を持たなければ何もできないのは事実とはいえ、社会というか、人々に対する政治そのものにおいて本当に大事なのは法案が上手く行くかどうかという法律としての運用に他ならない。ちゃんと使われなくて機能しない法案はどんなに内容が優れるとしても絵に描いた餅であって現実には何の役にも立たない。 法案が何よりも大事という見方だと自民の提出したものの上手く行かない可能性について指摘する反自民は嫌って文句をいっているように見えてしまう。国会などで審議の段階から政敵の提出した法案に吝嗇を付けているというか、上手く行くかどうかはやってみなければ分からないことに対して端から駄目出ししているという感じで、受け取られてしまう。 結局、反自民は良く考えもせず、口先で文句をいっているだけの無能だという印象が強まらずにいない、自民との対決を観るほどに。 しかし、一番、大事なのは「具体的な方法」ではないし、法案それ自体ではないと分かれば反自民がやっていることは正しく利口としか呼べないことはたぶん誰でも分かると思う。 利口にも税金の無駄遣いを避けようと努める反自民 上手く行かない法案を通しては税金の無駄遣いを招いてしまう。新しい法律の設置や実施に費用がかかるし、後から不味いと取り外したり、修正して又やり直したりしたら当初もりも税金が嵩んでしまう。そうした全てを避けようとしているのが反自民なんだと考えると逆に運用面に不備のある法案――良くいえばあちこちの要望に応えるためにきっちり纏め切れない、悪くいえば利権の相手に脱法行為の抜け道を残したもの――を出している自民党こそ図面も引けない建築士みたいに立法者としての能力が疑われるんだ。 近年、日本の投票率が半分程度まで落ち込んでいるのは人々の政治への絶望感の表れだと思うけど、やはり大きいのは反自民への不信感だと思う。自由党には昔から犯罪や疑惑が多くてついに財務省の公文書の書き換えのような行政にまで悪影響を及ぼしたほどの根深い不信感があるのに対して代わりとなるべき反自民もちゃんとやってなくて政敵の自民の足を引っ張るようなことしかできないからどちらも期待できず、政治そのものが馬鹿らしいみたいな風潮になってしまう。 しかし見方を変えれば必ずしも良い加減な反自民ではないかも知れないので、人や世の中の色んな表現に惑わされないこと、または自分の思い込みで過剰に反応しないことが誤った判断を避けることに役立つ。 自民と反自民のそれぞれについて政治の基本的な見方がおかしくて現実を捉えられないと感じるところを批判的に述べた。 僕が見渡すかぎり、自民党が普通の意味の「自由」から良く見られ過ぎ、反自民の政党が何よりも大事な「具体的な方法」から悪く見られ過ぎという傾向があったようなので、もっともっと現実に即して個々の政党が何をやりたがるかという実態に見合った認識を持つ人が増えると良いと思う。 コメント 新しい投稿 前の投稿
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