アニメのきかんしゃトーマスで不可解なフレーズが良く出て来て「cinders and ashes」という。主人公のトーマスから聞いて訳すとcinderが燃え殻(灰)で、ashが灰だけど、しかし物語の場面と関係なしにいつもいわれるから訳が分からなくなる。一体、何なのかと調べてみたら怒りや驚きや嘆きなどを表す間投詞として良く出て来るらしかった。
蒸気機関車の世界観を反映した言葉
cinders and ashesは燃え殻と灰を意味する。トーマスは蒸気機関車なので、どちらも燃料の石炭を燃やして走った後の残り滓に相当する。そうした不要物のイメージで関連付けられて独自に怒りや驚きや嘆きなどの間投詞として使われることになる。
Thomas arrived at farmer Trotter's pig farm. It was now nearly nighttime. Thomas saw that the pigs had gone.
"Cinders and ashes! I'm too late."
"You're just in time, Thomas. I need that soft straw right away."
Farmer Trotter unloaded the straw from Thomas's flatbed and he took it away to make a nice soft bed for the piglets.
cinders and ashesの表現自体は近い間投詞のdamn itなどよりも婉曲的で、気持ちは重なるにせよ、必ずしも意味は同じではないんだ。
考えると日本語の諺の後の祭りと良く似ている。後の祭りは過ぎ去った物事はどうにもならないという意味が込められた言葉だけれどもcinders and ashesが石炭の残り滓の情感を持った不要物のイメージだからぴったりなんだ。終わってから思い入れる祭の盛り上がらない気持ちが燃え殻と灰のもう燃料にならなくて使っても蒸気機関車は走れない気持ちと間違いなしに重なる。
どちらも虚しさが大きいのが特徴的だけど、さらに詩として受け取れるのも共通する。
cinders and ashesはきかんしゃトーマスの独自の間投詞として怒りや驚きや嘆きを伝えるものの飽くまでも燃え殻と灰の情感を通した表現なので、言葉そのものは他の何にも代え難いものがある。蒸気機関車の世界観、またはトーマスの生活を的確に示すのが面白いし、自分らしさを伴った気持ちなのも味わい深い。
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