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ラーメンと僕~経験が人を形作れば生きるヒントもそこに~

二十代の中盤、中々、貧しい生活を強いられた。一時期ながら数日を水だけで過ごしたこともあった。腹の減り過ぎた余り、食事のメニューを紙に書き並べて飢えを凌いでいた。自分でも初めてなので、驚いた。驚いたといっても心身共に弱り切っていたせいか、印象はとても薄かった。鉛筆の芯の欠片くらい小さくて、否、本当に極僅かな気持ちで、驚きながらそうなっていることへも又驚いたりしたものだった。振り返れば極僅かな気持ちで生きられたとたぶん知ったのかも知れない。とにかく驚くしかなかった。頭に入るとか心に仕舞うなんて状態ではなくて他には言葉もないままに受け留められた。


毎度と貯金を直ぐに増やさなくては危ないと考えながら日払いの派遣会社に登録して倉庫番や引っ越しの手伝い紹介されて勤務しているような日々だった。日給七千円程度だったか、かつて。倉庫番はパソコンの集配センターで、送り先によって仕分けをする。それなりには力仕事だった。何個もパソコンが積まれているパレットをハンドリフトで運んで行かなくてはならない。パレットもまさか重いし、ハンドリフトも鉄の固まりみたいで、重い。若くて疲れも気に留めなかったけれども体力の消耗を全く感じないわけには行かなかった。引っ越しの手伝いは案外と楽だった。冷蔵庫やタンスなど本当に大きくて重たいいものを移動させるのは大変だろうと思っていたにせよ、殆どの場合は引っ越しの正規社員が手がけてばかりだったので、僕は小さくて軽いものを主に運んだんだ。しかもトラックで運搬している最中は何時間も休んでいられるような状態なので、作業で落ちて行くべき体力も回復し易かったかも知れない。


苦悩の日々

水だけの生活が続いていてついに食事ができるとなった。いきなり増やしても胃に良くないと思ったし、少しずつ胃に食事を慣らして行かなくてはとも感じられながら何にするかというところで、ラーメンを選んだ。気持ちとしてチャーハンや餃子も付けたかったもののしようとはしなかった。今でこそ健康情報を踏まえれば当然で、朝食も僕はいつも少なく纏めているのは睡眠中の空腹が念頭に置かれてもいる、挙げれば消化への負担が昼食や夕食に比べて嵩むようなんだ。当時は見当も付かなかったのにできたのはサバイバルの根源的な求めにでも応じたのだろうか。防衛性が意図せずに働かされていたに等しい。店でメニューはラーメンだけに絞って注文した。お祝いを兼ねて外食にしたので、自分で料理するつもりは全くなかったという。


近所の店で、偶に入って唸るとか舌を巻くなんて喜びはなかったけれども振り返れば味に立体感があって非常に考えさせられた。店主も中年か二十代にも見えるくらい若かったし、料理に試行錯誤を繰り返していたのかどうか、ラーメンも独特だった、本当に。美味しいといえば美味しいけれどもどうにも複雑な表情を浮かべるようなラーメンだった。気になって暫く経つと確かめにまた食べに行くというか。今でも珍しいと思う。他に例がない。あっさりとこってりの中間を上手く突いていた感じがするので、イメージとしては日本刀の刃先で独楽を回すという芸当に近い。一言では新しさだろう、かつてなかったと。


ラーメンと僕というと母親の実家がラーメン屋で、幼い頃には良く食べに行ったり、味の記憶はなくて匂いしか覚えてなくてむしろ店への坂道が急だったとかラーメンを食べるにも椅子が高くて座り難かったなんて心持ちだ、もう一つは中学時代に家に友達の一人が遊びに来ていて昼に母親の手作りのラーメンを食べながら「旨いぞ」とぼそっと聞かされながら自分には当たり前過ぎて何も感じなかったと家の味を見直したりしたことも咄嗟に思い当たる。


経験が人を形作るという点ではどれも重要だ。生きるヒントも隠されてないか。宝物と大事にしたい。過去から現在までの世界こそ現在よりも未来へと羽搏いて行く。幸せも着実に進めると良いはずだ。

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