ラドヤード・キップリングのカンガルーおじさんの詩文の日本語訳 結城永人 -2021年12月9日 (木) イギリスの作家、小説家で詩人のラドヤード・キップリングの童話集その通り物語(1902)の収録作品のカンガルーおじさんの詩文の日本語訳を行った。 ラドヤード・キップリングのカンガルーおじさんの詩文の原文と朗読 The Sing-Song of Old Man Kangaroo by Rudyard Kipling/ラドヤード・キップリングのカンガルーおじさんの詩文 原文:Wikisource(作品集) 朗読:LibriVox(カラ・シャレンバーグ) 両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。 ラドヤード・キップリングのカンガルーおじさんの詩文の日本語の訳文 カンガルーは今の私たちが目にするようではいつもなかったが、四つの短い脚を持つ異なる動物だった。灰色で、毛深く、途轍もなく誇り高かった:彼はオーストラリアの中央の露頭で踊り、そして小神ヌカへ行った。 朝食前の六時にヌカへ行っていうには「私を全ての他の動物と異なるようにこの午後の五時までに変えてくれ」。 跳び上がった砂辺の席のヌカ、すると「立ち去れ!」と叫び出した。 彼は灰色で、しかも毛深く、さらに途轍もなく誇り高かった:オーストラリアの中央の岩棚で踊り、そして中神ヌキンへ行った。 朝食後の八時にヌキンへ行っていうには「私を全ての他の動物と異なるように変えてくれ;しかも素晴らしく人気があるようにこの午後の五時までに変えてくれ」。 跳び上がったツキイゲの隠れ家のヌキン、すると「立ち去れ!」と叫び出した。 彼は灰色で、しかも毛深く、さらに途轍もなく誇り高かった:オーストラリアの中央の砂丘で踊り、そして大神ヌコンへ行った。 夕食時間前の十時にヌコンへ行っていうには「私を全ての他の動物と異なるように変えてくれ;しかも人気があって素晴らしく追いかけるようにこの午後の五時までに変えてくれ」。 跳び上がった塩類平原の浴場のヌコン、すると「良し、やろう!」と叫び出した。 ヌコンはディンゴ――イエロードッグディンゴ――いつも腹ペコで、日の光にくすんだのを呼んでカンガルーを示した。「ディンゴ! 目覚めよ、ディンゴ! あの灰溜めで踊る紳士が見えるか? 人気があって非常に真実に追いかけるようになりたいんだ。ディンゴ、そう変えてやれ!」 跳び上がったディンゴ――イエロードッグディンゴ――「何で〈あの〉猫兎を?」といった。 走り去ったディンゴ――いつものイエロードッグディンゴ――腹ペコで、にやりと笑いながら――カンガルーを追いかけた。 立ち去ったウサちゃんみたいな四つの小さな脚の誇り高いカンガルー。 これで、おぉ、諸氏よ、物語の最初の部分は終わる! 彼は砂漠を走り抜けた;山々を走り抜けた;塩類平原を走り抜けた;葦原を走り抜けた;ユーカリの木々を走り抜けた;ツキイゲを走り抜けた;前脚が痛むまで走るのだった。 しなければならなかった! 依然、走ったディンゴ――イエロードッグディンゴ――いつも腹ペコで、鼠取りみたいににやりと笑いながら近付くことも遠ざかることもないまま――カンガルーを追いかけた。 しなければならなかった! 依然、走ったカンガルー――カンガルーおじさん――ティーツリーの木々を走り抜けた;マルガの木々を走り抜けた;長い草を走り抜けた。短い草を走り抜けた;南と北の回帰線を走り抜けた;後脚が痛むまで走るのだった。 しなければならなかった! 依然、走ったディンゴ――イエロードッグディンゴ――どんどん腹ペコになり、頸環みたいににやりと笑いながら近付くことも遠ざかることもないまま;すると彼らはウルゴン川に来た。 さぁ、橋一つなく、渡し船一つなく、カンガルーは越え方が分からなかった;なので立ち上がるとぴょんと跳んだ。 しなければならなかった! 彼はフリンダース川をぴょんと跳び抜けた;シンダース川をぴょんと跳び抜けた;オーストラリアの中央の砂漠をぴょんと跳び抜けた。カンガルーみたいにぴょんと跳ぶのだった。 最初、彼は1ヤードをぴょんと跳んだ;それから3ヤードをぴょんと跳んだ;それから5ヤードをぴょんと跳んだ;彼の脚は強くなって行ったので;もっと長くなって行ったので。休んで回復する時間が全くなくて物凄く欲しがるのだった。 依然、走ったディンゴ――イエロードッグディンゴ――物凄く狼狽えて物凄く腹ペコで、そして、一体、何で、つまりカンガルーおじさんがぴょんと跳べるのかと思うのだった。 というのも彼は蟋蟀みたいにぴょんと跳んだ;柄付き鍋の豌豆豆か;子供部屋の床の新品のゴム毬みたいなためだった。 しなければならなかった! 彼は前脚を捲り上げた;後脚でぴょんと跳んだ;尻尾を背後に釣り合い重りとして突き出した;そしてダーリングダウンズをぴょんと跳び抜けた。 しなければならなかった! 依然、走ったディンゴ――イエロードッグディンゴ――どんどん腹ペコになり、物凄く狼狽えた、そして、一体、何で、つまりカンガルーおじさんを止められるかと思うのだった。 それから来た塩類平原の浴場のヌコン、すると「五時だぞ」といった。 座り込んだディンゴ――哀れなドッグディンゴ――いつも腹ペコで、日の光に薄暗かった;喉が渇くのだった。 座り込んだカンガルー――カンガルーおじさん――尻尾を背後に搾乳椅子みたいに突き出して「終わった〈とは〉有り難い!」。 それからいったヌコン、いつも紳士で「イエロードッグディンゴに感謝しなさいよ? 君のためにすっかり終えた彼は有り難いぞ?」。 それからいったカンガルー――疲れたカンガルーさん――「彼には子供時代の家から追い出された;いつもの食事の時間から追い出された;私の姿は取り戻すこともないくらい変えられた;つまり私の脚は滅茶苦茶にされたんだよ」。 それからいったヌコン、「きっと私は間違いを犯したが、君は全ての他の動物と異なるように変えてくれと、非常に真実に追い求めるのと同じように変えてくれと頼まなかったか? そして今や五時だぞ」。 「そうだ」といったカンガルー。「私はないものを望む。貴方ならば呪文詠唱でやるだろうと考えたが、これは悪巫山戯だ」。 「巫山戯!」といったユーカリの木々の浴場のヌコン。「もう一度、いえ、すればディンゴを口笛で呼んでお前の後脚を取り去ろう」。 「止めろ」といったカンガルー。「私は謝らなくてはならない。脚は脚だし、私に関するかぎり、変えて貰う必要はない。自分が朝から何も食べられなかったと貴方の威厳に説明しようとしただけで、本当、とても腹ペコだよ」。 「そうだ」といったディンゴ――イエロードッグディンゴ――「私は、丁度、同じ状況だよ。彼を全ての他の動物と異なるように変えたんだ;なのに私は午後食に何を取れば良いのか?」。 それからいった塩類平原の浴場のヌコン、「明日、そのことを訊きに来なさい、私が洗い清めてやるから」。 そこで彼らはオーストラリアの中央に残された、カンガルーさんとイエロードッグディンゴ、もはや各々が「〈君〉のせいだぞ」といった。 これは長々とした歌だ 大柄の雄カンガルーによる競走の、 一気に走った――それだけのことさ―― ウォーリガボリガブーマの大神ヌコンが始めたが、 先にカンガルーおじさん:後にイエロードッグディンゴ。 カンガルーは跳び去った、 後ろ脚をピストンみたいに駆って―― 朝から暗くなるまで跳んだ、 一跳びで25フィートね。 イエロードッグディンゴは 遠くに黄色い雲みたいに離されて―― 吠えるには忙し過ぎるくらい、 いや! しかし良く進んだぞ! 誰も彼らの行った先を知らないか、 彼らの飛び込んだ跡に続かなかった、 というのもその大陸はね 名前を持たないためだった。 彼らは、30度、走った、 トレス海峡からルーウィンまで (どうぞ地図帳を見ておくれ)、 そして彼らは来たように走り戻った。 君が駆けたとしてみよう アデレードから太平洋まで、 ある午後の走りとしてさ―― あれら紳士たちがやった半分を―― 相当に暑く感じるだろう、 しかし脚は凄まじく発達するね―― そうさ、煩くせがむものな、 君は信じられない子になるよ! 参考:The Sing-song of Old Man Kangaroo 英語の小説の日本語訳 コメント 新しい投稿 前の投稿
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