手洗いこそインフルエンザやコロナなどの飛沫感染を最も良く防げる方法なんだ 結城永人 - 2020年3月12日 (木) 毎年、冬になるとインフルエンザが流行るというニュースを聞いたけれども今年は様相が全く異なり、昨年に中国の武漢市付近で発生したとされる2019新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のコロナが猛威を奮っている。 インフルエンザ(総合ページ)新型コロナウイルス感染症について どちらも咳や発熱の症状が似ているけれども病気として恐ろしいのはインフルエンザで、誰でも肺炎や脳症などへ重症化し易くて年間に何万人も死者が出ているけれどもコロナは高齢者や病人などの免疫力が低下した状態でなければ――2019新型コロナウイルスでは急性呼吸器疾患(COVID-19)から肺や心臓や腎臓の機能不全に繋がるのが致命的だけど――重症化し難く、何もせずに治るか発症しないことさえもあって感染者の約八割は軽症で済むといわれるんだ。 しかし伝染病として厄介なのがコロナで、インフルエンザと比べると発症せずに人から人へ感染する力が非常に強いらしい。自覚症状のない感染者、概して免疫力に優れて余り発症しない健康そのものの病原体の保有者が大丈夫だと思って無意識に広めてしまう危険性が高いわけで、これが世界中でコロナの感染者が急速に増え続ける大きな要因の一つにもなっている。 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルス感染拡大は「パンデミック(世界的な大流行)」に相当すると表明し、現時点ではイタリアとイランが感染拡大の最前線となっているが、他の国もまもなく同様の状況に陥る恐れがあると警告した。 新型コロナは「パンデミック」に相当、WHO事務局長が表明|ロイター コロナにかぎれば治療薬や予防薬(ワクチン)の開発がまだ追い付いてないので、今現在は可成の脅威的な印象を与えるけれども何れは治療法や予防法が医学的に確立されないとはかぎらないし、すればもうちょっと安心できる病気として扱われるように皆の気持ちも変わるだろう。 インフルエンザやコロナはどのように感染するか Pandemic board game by Padaguan / CC BY-SA 伝染病には大きく分けて二つのタイプがあって空気感染と飛沫感染という。 前者は感染者の体液が周りへ蒸発したりして空気中を漂っている病原体によって伝染するタイプで、麻疹(はしか)や水痘(水疱瘡)や結核などが挙げられる。後者は感染者の体液の病原体を浴びるか、周りに付着して残されたのを触れるかして伝染するタイプで、風疹(三日はしか)や流行性耳下腺炎(おたふく風邪)やインフルエンザやコロナなどが挙げられる。 空気感染のタイプは感染者の周りの空気と飛沫(空気だけが感染源ではなく、飛沫からでも病原体は伝染し得る)、飛沫感染のタイプは感染者の体液か体液が付着した周りのものに注意すると病原体を防げるわけだ。 目下、気がかりなインフルエンザとコロナは飛沫感染のタイプの伝染病なので、かりに感染者が近くにいても大丈夫かも知れず、空気感染のタイプの伝染病よりは安全だけれども病原体が含まれる体液か体液の付着したものを取り込まないようにだけは注意しなくてはならない。 重要:新型コロナウイルスに関して2022年3月から空気感染に近いエアロゾル感染が可能と分かったので、新たな対策を追加する必要が出て来た。 飛沫感染の対策に真っ先に大事な手洗いの方法について 生活上、インフルエンザもコロナも目か鼻か口から病原体が入って来て感染することが大半を占めている。感染者の咳や嚔を目の前で浴びることは少ないと思うし、殆どの場合はどこかに付着した病原体を手で触った後に自分の目か鼻か口へ触って感染するようだ。 なので不特定多数の人が集まるところへ行ったら手で顔を触らないのが大事で、家に帰ったり、感染者がいなさそうなところへ移ったら先ず手を洗って何かを触って残っているかも知れない病原体を落としてもはや顔を触っても感染しないように持ち込まないのが大事だと考えられるわけだ。 手洗いは石鹸で六ヵ所を三十秒くらい行うと感染症を予防できる 正しい手洗いで感染症予防を|中日新聞デジタル編集部 何の気なしに両手を擦り合わせて洗うだけの手ではどこかで付着したインフルエンザやコロナの病原体をしっかり落とすことはできないから感染症の予防には意味がないかも知れない。 手の病原体が残ってそうな六ヵ所:平甲先へその間親の首長く 手の平手の甲指先指と指の間親指の付け根手首 ※各部の名前から「平甲先へその間親の首長く」と覚えられる。 石鹸を使って手の六ヵ所を三十秒くらい入念に擦り合わせると当初の約八割の病原体は確実に落とすことができるとされる。 インフルエンザやコロナの物凄く小さな病原体、そんなウイルスを手洗いで完全に落とすのは難しくて頑張っても少し残る可能性は捨て切れないので、どうしても心配ならば一分くらいまでもっと長く行うか、あるいは手洗いの後にアルコールなどの消毒を追加すると安全性を高められる。 感染者がいるかも知れないところへ外出してもあちこち手で触らなければ手洗いなしにアルコールの消毒だけでも大丈夫といわれる。 アルコール消毒に弱いエンベロープウイルスの主な種類 麻疹ウイルス風疹ウイルスムンプスウイルス(おたふく風邪)インフルエンザウイルスコロナウイルスヘルペスウイルス水痘・帯状疱疹ウイルスB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルスエイズウイルス ウイルスでは脂質の二重膜に包まれたエンベロープウイルスという種類がアルコールに弱い(60~70%の濃度の製剤が最も効く)とされて市販品で簡単に消毒することができる。 なぜかはエンベロープウイルスの生存に欠かせない脂質の二重膜を破壊することができるためだけれどもこのことは手洗いが石鹸を使うと水だけよりも新型コロナウイルスの対策としてもっと有効な理由にもなっている。 ウイルスを覆う膜が水に溶け、中に入っているウイルスはバラバラになってしまいます。 新型コロナウイルス対策には「石けん」がアルコール消毒液より効果的である理由とは?|GIGAZINE 石鹸の他にハンドソープ/ボディソープ、または食器洗いの洗剤などでも油を水に溶かす洗浄成分として界面活性剤が含まれている。するとエンベロープウイルスの生存に欠かせない脂質の二重膜を破壊することができるからアルコールと同じように消毒作用が期待できるわけなんだ。 どちらからというアルコール消毒よりも石鹸を使った手洗いの消毒作用が強力で、当のウイルスだけではなくて汚れも一緒に落とす方が消毒作用を妨げられ難いらしい。 アルコール消毒の場合は汚れてないところに行うと消毒作用が上がるので、手については石鹸を使った手洗いの後に行うのが最も効果的と考えられる。 そして反対に膜なしのノンエンベロープウイルス:ノロウイルスやロタウイルスやポリオウイルス(急性灰白髄炎/ポリオ)やアデノウイルスなどの種類はアルコール消毒が取り立てて有効ではない。 適宜、手洗いでしっかり病原体を落とすことができればインフルエンザウイルスやコロナウイルスに感染する確率は相当に下げられる。 マスクは健康ならば使わなくても他人の体液の飛沫に注意するかぎりは感染症の予防効果は大して変わらないらしく、およそ感染者こそ咳や嚔で病原体を周囲へ撒き散らすのを止めるのが主な目的といって良い。 インフルエンザやコロナの飛沫感染は何よりも自分の手で病原体を目か鼻か口に持って来てしまうせいが圧倒的に多いので、良く防ぐのは手洗いの他にはあり得ないし、さらに顔を手で触らないのとアルコール消毒と併せると日々の対策としては磐石の構えを見せると感じる。 参考サイト林修の今でしょ!講座 3時間スペシャル空気感染と飛沫感染の違いって?感染を防ぐための対策を詳しく解説インフルエンザ | 感染と予防 コメント 新しい投稿 前の投稿
コメント