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L・フランク・ボームの不思議なボンボンの日本語訳|アメリカの童話

アメリカの作家、小説家のL・フランク・ボームの童話集アメリカのお伽噺(1901)の収録作品の不思議なボンボンの日本語訳を行った。

作品の出典

The Magic Bon Bons by L. Frank Baum/L・フランク・ボームの不思議なボンボン
原文:Project Gutenberg作品集
朗読:LibriVoxマシュー・リース

両方ともパブリックドメイン(著作権なし)だから無料で自由に使って構わない。

日本語の訳文

色々なボンボン

ボストンにドーズ博士という名前の賢くて古い化学者が暮らしていて魔術を幾分か嗜んでいた。ボストンにはクラリベル・サッズという名前の令嬢も暮らしていて多くのお金、少しの知力、舞台へ立つための強い願望を持っていた。

そこでクラリベルはドーズ博士を訪ねるといった:

「私は歌も踊りもできません;詩の朗読もピアノの演奏もできません;アクロバットも跳び跳ねることも高く蹴ることも無理です;ですが舞台に立ちたいのです。私はどうすれば良いでしょうか?」

「そんな英才に支払う意思はあるのかい?」と訊いた賢い化学者。

「確かに」と答えたクラリベル、自分の財布をジャラジャラ鳴らしながら。

「それでは朝の二時に私のところにおいで」といった彼。

その晩ずっと、彼は化学的な魔術として知られるものに取り組んだ;彼女が次の日の二時に訪れたらフランスのボンボンと良く似た調合物で一杯の小さな箱を見せるためだった。

「今日は進歩主義の時代だ」といった老人、「そこで私は君のドーズ叔父さんがそうした進行を絶えず、保っていると心密かに思う。現在、昔ながらの魔導師の一人は飲むには気持ち悪くて苦い錠剤を幾つか作っただろう;しかし私は君の味わいと便利さを考慮しただろう。ここに不思議なボンボンが幾つかある。もしも薄紫のこの一つを食べればまるで、終生、練習したくらい軽快に優雅に、以降、踊ることができる。ピンクの菓子を消費した後は小夜啼鳥みたいに歌うんだ。白いやつを食べると土地で最も素晴らしい雄弁家になれるんだ。チョコレートのものはピアノをルービンシュタインよりも上手く弾けるようにしてくれる、ところが一方、檸檬色のボンボンを、ねぇ、食べた後は頭上6フィートへ容易く蹴ることができる」

「どんなに楽しいでしょう!」と声を上げたクラリベルは真実にうっとりとしていた。「貴方は最も利口な魔導師と同時に思い遣りのある調合師です」、すると箱に手を開いた。

「ええい!」といった賢い者;「小切手をおくれ」

「おぅ、はい;如何にも! 忘れるとはどんなに愚かなのでしょう!」、彼女は返した。

彼が思い遣って箱を自らの手に保持している間に彼女は大変な金額の小切手にサインした、その後、彼は彼女が箱を自分で持つことを許した。

「十分に強く作ってくれたのは確かですか?」、心配して彼女は尋ねた;「私に効くのはいつも大量なんです」

「只一つ不安なのは」と答えたドーズ博士、「強過ぎて作ってしまうということだ。今回、これらの素晴らしい菓子を用意するようによもや頼まれたのは初めてだから」。

「心配しないで下さい」といったクラリベル;「強くそれらが効くほどに良く私は行えます」

彼女は出て行った、こういってから、しかし買い物に生地屋へ立ち寄ったときに貴重な箱を新しい興味で忘れてリボンのカウンターに置いたままにした。

それから小さなベッシー・ボストウィックが髪の毛のリボンを買いにカウンターへやって来て自分の包みを箱の横に置いた。彼女が出て行ったとき、箱を自分の他の荷物と纏め上げて小走りで帰るのだった。

彼女は自分が一つ余計に持っていると玄関の戸棚にコートをかけてその包みを数え上げてしまう後まで決して気付かなかった。それから彼女はそれを開けて声を上げた:

「おや、飴の箱だ! 誰かが置き違えたに違いない。しかし小さな問題で、心配するには及ばないな。幾らもない」。なので彼女は箱の中身を玄関の机に立つボンボン皿へドサリと落とすとチョコレートを摘まみ上げてから――彼女はチョコレートが好物だった――美味しく食べる間に自分の購入品を調べた。

沢山はなかった、というのもベッシーは十二歳でしかなくて未だ店で多くのお金を使えると両親から任されてなかったためだった。しかし彼女は髪の毛のリボンを試しに着けると同時にピアノを弾く大きな願望を突然と感じた、そして願望がついに堪え切れなくなった余り、居間へ行って楽器を開けるのだった。

幼い少女は無数の苦労でどうにか二つの「作品」を習得したものの常に保ち忘れた右手と左手のぎこちない動きで行われて余りにも酷いばかりの不協和音を生み出していた。しかしチョコレートボンボンの影響の下、座ると指を鍵に軽やかに走らせ切っては非常に美しい和声を作り出しながら自身の演奏に驚異で一杯になるくらいだった。

それは前奏曲だった、しかしながら。次の瞬間、彼女はベートーヴェンのソナタ第七番へと急行すると堂々と弾いた。

彼女の母親は尋常ではない旋律の噴出が聞こえたので、どんな音楽客が訪ねたのかを確かめようと階段を降りて来た;しかし発見したとき、弾いていたのは自身の可愛い娘で、素晴らしさの余り、心臓の動悸(彼女は受け易かった)の発作を起こすと過ぎ去るまでソファーに座り込んだ。

その間、ベッシーは作品を疲れ知らずの精力で一つから他へと弾いた。音楽を愛しながら今や自分がやらなくてはならないのはピアノに座って聞いて鍵盤に渡って軽やかに動くその手を見守ることだけだと分かった。

部屋に黄昏が深まるとベッシーの父親が帰って来て帽子とオーヴァーコートをかけると棚に傘を置いた。それから居間を覗き込んで誰が弾いているのかを確かめた。

「偉大な皇帝!」、彼は声を上げた。しかし母親が唇に指をそっと当てて近寄ると囁いた:「遮らないで、ジョン。あの子は無我夢中のようよ。今まであんな卓越した音楽を聞いたかな?」

「もちろん、天才児さ!」と喘いだ仰天の父親。「ブランド・トムも敵いやしない。それは――それは素晴らしい」。

彼らが聞きながら立っていたときに上院議員が到着した、その夜の彼らとの食事に招かれていたので。さらに彼がコートを脱ぐ前にイェール大学の教授――深い学識と学問的な業績の人物――が会合に加わった。

ベッシーは弾き続けた;そして四人の年長者は只黙って寄り集まると一塊に驚いて立ち、音楽を聞きながら正餐を告げる鐘の音を待っていた。

ボストウィック氏は空腹だったが、自分の横の机に置かれたボンボン皿を摘まみ上げるとピンクの菓子を食べた。教授は彼を見守っていた、そこでボストウィック氏は丁寧に皿を彼の方へ保った。教授が檸檬色のものを食べると上院議員が手を伸ばして薄紫のものを取った。彼はそれを食べなかった、しかしながら、というのも不意に食事を詰まらなくするかも知れないと思い起こしながらヴェストのポケットに入れたためだった。ボストウィック婦人はじっと専念して早熟な娘を聞きながら彼女が何をしているかは考えないまま、残されたもの、白い一個を取るとゆっくりと貪り食った。

皿はもう空だった、つまりクラリベル・サッズの貴重なボンボンはその入手から永遠に消え去ってしまったのだった!

突然、ボストウィック氏は大柄な男だったが、甲高いトレモロのソプラノの声で歌い始めた。それはベッシーが弾いているのと同じ曲ではなく、もはや不協和音の衝撃に教授は微笑み、上院議員は耳を手で塞ぎ、ボストウィック婦人は恐ろしい声で叫んだ:

「ウィリアム!」

彼女の夫はまるで有名なクリスティーン・ニルソンを見習おうと努めるように歌い続けてその妻や客たちには何の注意も払わなかった。

幸い、正餐を告げる鐘の音が鳴り、もはやボストウィック婦人はベッシーをピアノから引き離すとその客たちを食堂へと案内した。ボストウィック氏は続いた、『夏の名残りの薔薇』をまるで千人の大喜びした聴衆に求められたアンコールのように歌いながら。

憐れな女はその夫の見苦しい行動を目撃して失望しながら彼を制御するにはどうしようかと思った。教授は普段にも増して真面目なようだった;上院議員の顔は気分を害された表情を示し、さらにベッシーはまるで未だピアノを弾きたいように指を動かし続けていた。

ボストウィック婦人はどうにか彼ら全員を席に着かせた、その夫は又別のアリアを歌い始めてしまったけど;するとそして女中がスープを持って入った。

彼女が皿を教授へ運んだとき、彼は叫んだ、興奮した声で:

「高く持て! 高く――おい!」、すると弾み上がりながら彼はそれを天井付近まで届くように蹴り付けた、そこから皿は降下するとベッシーと女中の上へスープを撒き散らして教授の禿げ頭の天辺で粉々に砕けた。

この質悪い行いに上院議員は恐ろしい叫び声と共に席から立ち上がるとその女主人を一瞥した。

少しの間、ボストウィック婦人は頭の上を真っ直ぐ見詰めていた、茫然とした表情で;しかし今や上院議員の目に留まったので、彼女は優美にお辞儀をすると『軽騎兵の突撃』を力強い調子で物語り始めた。

上院議員は戦いた;そんな不名誉な暴挙を礼儀正しい静かな家庭に、以前、見たことも聞いたことも決してないのだった。彼は自分の評判が危ういと感じた、もはや、部屋でどうやら唯一の正気の人だったけど、訴えられそうな人は誰もいなかった。

女中は台所に狂乱して叫んで走り去ってしまっていた;ボストウィック氏は『おぉ、約束せよ』を歌っていた;教授はシャンデリアから電球を蹴り落とそうとしていた;ボストウィック婦人は己の物語りを『少年は燃える甲板に立った』に切り替えていたし、ベッシーは居間へ忍び込んで『さまよえるオランダ人』の序曲を叩き出していた。

上院議員は全く自分が発狂してないとは定かではなかった、目下;なので混乱からそっと姿を消すと己の持ち物とコートを玄関で取り上げてから急いで家を出た。

その夜、彼はファニエルホールで次の午後に行うことになる政治演説を書きながら遅く寝ずにいたが、ボストウィック家での経験に怖じ気付かされる余り、とても自分の考えを纏めることはできなかったし、常に尊敬される家で見てしまった不可解な事柄を思い出すほどに屡々と中断しながら憐れんで頭を振るのだった。

次の日、ボストウィック氏と通りで会ったが、忘却の石のような睨みと共に通り過ぎるのだった。彼は自分が現実にこの紳士と未来に知り合いでいることはできないと感じた。ボストウィック氏は自然に連れなくされて憤慨した;だが、気持ちの中に多少の正しく尋常ではない出来事の微かな記憶が残っており、自分が敢えて上院議員の扱いに腹を立てるか否かも殆ど分からないのだった。

政治集会はその日の呼び物だった、というのも上院議員の雄弁がボストンで良く知られたためだった。そこで大講堂は人々で埋め尽くされた、そして前列の一つにボストウィックの家族が座り、その傍らには例の博識のイェール大学の教授がいた。彼ら全員が疲れて青褪めて見えた、まるで可成の堕落した夜を過ごしてしまったようだった、すると上院議員は彼らに気付いてびくびくする余り、二度とその方向を見ることを拒んだ。

市長が自己紹介を行っている間、その人傑はそわそわしながら椅子に座っていた;そして偶さか手の指をヴェストのポケットに入れたとき、前夜、そこに仕舞っていた薄紫色のボンボンに気付いた。

「これは喉をすっきりさせるかも知れない」と思った上院議員、するとそれを口の中へ滑らせた。

幾分か後、彼は大聴衆の前に現れると熱狂的な喝采で迎えられた。

「友よ」と始めた上院議員、真面目な声で「この度は最も印象的で、最も重要な機会であります」

それから彼は中断し、左足でバランスを取ると右脚をバレエダンサーに好まれる仕方で空中に蹴った!

見物人が驚きと恐ろしさで騒然としたが、上院議員は気に留めないらしかった。爪先立ちでぐるぐる回り、右へ左へ優美なふうに蹴った、すると前列の禿げ頭の人が自分の方向に思い悩む一瞥を投げかけられてぎょっとした。

突然、クラリベル・スタッズが偶さか居合わせたが、絶叫を発しながら弾み上がった。踊る上院議員へ非難する指先を向けながら大声で叫んだ:

「あれが私のボンボンを盗んだ者だ! 捕らえろ! 取り押さえろ! 逃がすな!」

しかし案内係は彼女へ講堂から突進した、彼女が突然と発狂したと考えたので;そして上院議員の友達が彼をしっかり捕らえて通りまで演壇の入り口の外へ運び出した、そこで開けた四輪馬車へ入れると運転手に帰宅させるように指示した。

不思議なボンボンの制御する利き目は未だ十分に強力で、憐れな上院議員は四輪馬車の後部座席で立ち上がりながら家までずっと精力的に踊ったが、四輪馬車を追いかける小さな子供たちの群がりを楽しませたり、または分別ある市民たち、その頭を悲しげに振りながら「又一人の善人が道を誤ってしまった」と囁く者たちを悩ませたりした。

この突飛な行動の恥と屈辱から上院議員が立ち直るのに数ヵ月がかかった;つまり如何にも奇妙なことに彼は自分がとてもおかしいふうな行いを誘い出される最も僅かな考えも決して持たなかった。きっと最後のボンボンがもう食べられてしまったのは幸運だった、というのもそれらは容易にやったよりも相当に多くの問題を引き起こしたかも知れなかったためだった。

もちろんクラリベルは賢い化学者を再び訪れて不思議なボンボンの又別の箱の小切手にサインした;ただし彼女はそれらにより良く注意したはずだ、というのも有名な寄席演芸の女優に今やなったためだった。


この物語は私たちに自分たちの理解できない行動で他人を責めることの愚かさを教えるに違いない、というのも自身に起きるかも知れないことは決して分からないためだ。それは、又、包みを公共の場所に残さないように注意すること、さらに付随して他人の包みをきっちりそのままにすることを示唆してくれてもいる。

参考:アメリカお伽話06 『魔法のボンボン菓子』 L・フランク・ボーム

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