渡辺裕之が縊死した原因は初老期鬱だったのかも知れない 結城永人 - 2022年5月18日 (水) 俳優の渡辺裕之が縊死したと報じられた。享年六十六。縊死とは頸部の圧迫による死亡で、専ら首吊り自殺を意味する。肉体派というか、かつて栄養ドリンクのリポビタンDのCMで「ファイトイッパーツ!」と如何にも雄々しく絶叫していたイメージが物凄く強くて自ら命を絶つとは容易に想像できなかった。何があったのかと戸惑わずにいない。その後、妻の原日出子の談話から数年前から精神を病んでいたと分かった。 自律神経失調症から心の病へ フワフワ納豆ホイップ飯|Hiro Yuki Watanabe 渡辺裕之は死の暫く前まで遺作となったドラマのもしも、イケメンだけの高校があったらなどをやっていたものの必ずしも健康ではなかった。 ただ、コロナの最初の自粛の頃から、人一倍家族思いで心配性な夫は、先行きの不安を口に出すようになり、考え込むことが多くなりました。何事にもストイックで、一生懸命で、手を抜くことをしない人でした。「眠れない」と体調の変化を訴えるようになり、自律神経失調症と診断され、一時はお薬を服用していましたが、またお仕事が忙しくなって、元気を取り戻したようでもありました。しかし、少しずつじわじわと、心の病は夫を蝕み、大きな不安から抜け出せなくなりました。医師にも相談し、希望の持てる治療を始めた矢先の、突然の出来事でした。亡くなる前日は、楽しみにしていたゴルフ番組の収録に向けて、久しぶりに元気に動き回り準備をしていました。治療の甲斐もあったのかと安堵していたところでした。この数ヶ月、私も、家族も、懸命に向き合った毎日でした。 渡辺裕之さんの妻、原日出子がコメント発表「後悔を数えたらきりがありません」親族参列し家族葬|日刊スポーツ|日刊スポーツNEWS 本人のTwitterを見ると頻繁に更新されていたのが今年の一月でぱったり止まっていたから調子を大きく落としたせいだったと推測される。 コロナを切欠に自律神経失調症と診断されていた。芸能人だと仕事が減ったり、生活に変動があって将来へ不安を抱く可能性は高そうだ。性格も真面目そのものと調べて初めて知ったけれども以前からゴミ拾いを好んだやっていた。しかも一日不法投棄撲滅隊長とか社会の奉仕活動にまで発展するくらい感心される良い人だった。 それと同時にTwitterでは道端の花の写真が多く投稿されていたのがまさか自分と似ていると驚いた。 散歩のついでに夢拾い :今朝の美人達|Hiro Yuki Watanabe 僕は貧乏だからどこにも行けなくて写真を撮るにも身近なところの道端の花くらいしかないという感じで、ブログにも良く載せたけど、仏蘭西菊や躑躅や庭石菖など、しかし有名な俳優で、人気の芸能人でもあり、きっと裕福に違いない渡辺裕之がそれを敢えて求めるならば慢心することのない生き方を人間として素敵だと称える他はないだろう。 心の病の治療を兼ねているのかどうかは何れにしても心の癒しに相応しい出来映えの写真なのは確かで、本当に難癖ない表現によって詩情を喜ばしく受け取るから些細な日常の幸せへ向いていたと考える。 僕も奇しくも五年くらい前に自律神経失調症になったと自己診断を行ったけど、やはり眠れないことから異変に気付き始めていた。幸いにも持ち直した今から振り返るとあのもやもや頭がもっと酷くなったら生活に支障を来すのはもちろん気持ちに災難が降りかかるのは免れないと怯えつつも認める。他方、渡辺裕之が自律神経失調症から心の病にかかったというのは個人的に同情を禁じ得ない。 自殺の誘因としての初老期鬱 朝トレ|Hiro Yuki Watanabe 自律神経失調症から気落ちして鬱病を発症することがあり得るけれども図らずも縊死した渡辺裕之については年齢的に初老期鬱の可能性が指摘される。 精神科医の片田珠美氏はこう語る。 「一般的に60代になると初老期うつ病を発症しやすいと言われています。これは50代から60代半ばの初老期に発症するうつ病で、何らかの喪失体験がきっかけになることが多い」 喪失体験とは、本人が大切なものを失ったと感じて「自分はもうダメだ」と思い詰めるような体験だという。 「例えば、コロナ禍の影響で経済的損失があったのならば、それは喪失体験です。思い通りに体が動かせなくなったとか、理想とする体形ではなくなったとかいう場合も、喪失体験と受け止められやすい」(片田氏) 上島竜兵さん、渡辺裕之さん 続く60代の急死に精神科医は「老人に着地していくことも必要」|AERA dot.|朝日新聞出版 死亡現場が自宅地下のトレーニングルームと聞いたので、体力作りを欠かさない人だったと思う。若い頃の雄々しいイメージを保ち続けたい気持ちが並大抵ではなく、あったようにたとえ中高年になっても十二分に引き締まった体型を維持していた。 僕も健康のために、毎日、三時間近く――半分以上は休憩時間――膝屈伸などの体力作りに励むけど、しかし腕を上げると直ぐに肩が疲れるとか筋力トレーニングを試みても、中々、筋肉が増えないなんて老いを痛感して落ち込むことが増えているんだ。 それだけで鬱病にかかるほどに思い悩んではいないし、むろん肉体美を望んでやっているわけではない。 渡辺裕之はTwitterの筋暦32歳〜現在を見ると昔の筋骨隆々の肉体美から近年でもすっかり変わり果てたような印象ではない。何もしない若者よりも大きな筋肉を維持しているし、週一二回の一回四十分でも相当に厳しく鍛えているんだと分かる。 渡辺裕之|リポビタンD|大正製薬 気がかりなのは五十代から六十代で、結構、筋肉の減りや体型の弛みが増しているからショックを受けたとしても不思議ではなさそうだ。しかしながら一般的にいえばボディビルダーを思わせるくらい綺麗に仕上がっていて自律神経失調症から鬱病を発症したとしたらその他の色んなショックの積み重ねが祟ったのかと考える。 仕事もコロナで一時は全くなくなったものの何とか持ち直していてさらに調べてもそれだけで精神を病むほどの大事は出て来ないから原日出子がいった「手を抜くことをしない人」の完璧主義の見方から日々のやり切れなさを普通よりも多大に捉えることが影響したのではないか。 自分自身に限界が訪れた事実を突き詰めるともほや生きて行かれないと感じなくはない。 五十代六十代の人は何等かの喪失体験から初老期鬱を発症するから注意しなくては行けない。心身の衰えに逆らわず、自然の成り行きに任せて順応する暮らし方が回避策として挙げられる。鬱病対策で何事も頑張り過ぎないことが大切と良くいわれるけれども取り分け老化現象に対して無理しないことが初老期鬱を防ぐために欠かせないんだ。 ただし渡辺裕之の場合は元から自律神経失調症だったから気持ちを切り替えたりすることも相当に難しかったといわざるを得ない。年を取るほどにあちこちに不調が増えるから一つの不幸を免れるには自分の状態を包括的に捉える必要もあるだろう。 参考サイト渡辺裕之さん「思うような演技できない」コロナ禍で漏らしていた“完璧主義の苦悩” コメント 新しい投稿 前の投稿
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