ヨーゼフ・ハシッド~失恋から精神を病んだ悲運のヴァイオリニスト~

ヨーゼフ・ハシッド(ヴァイオリニスト)は重度の統合失調症でロボトミーの脳外科手術を受けて暫くして亡くなった。


第二次世界大戦の頃で残虐な科学兵器(毒ガス、核爆弾など)が初めて開発されて人体実験さながらの使われ方をしていた。というか、実際に敵国の捕虜がそうした研究所で殺されていた事実もあったようだ、戦地での情報収集にかぎらず。ロボトミーも目的は違えど、どうなるかは良く分からないままだからやはり悲惨な状態が招かれても仕様がなかったと思う。



僕が気になったのは彼が精神を病んだのは失恋が切欠だった。失恋で精神を病むというのは個人的に親近感を覚えてしまう。


青春期に理想的な人が消えたショックは大変なものだったし、生涯にわたって忘れ難い経験になったのではないかと考えているんだ。


僕は精神を病まなかったというか、失恋の悲しみを考えていたからたぶん大丈夫だった。何でショックなのか。心理的には超自我が助けになっていたように思う。または詩情と呼んでも良いかも知れない。理想的な人が消えて全てが終わって生まれて初めて掴んだ明るい未来/ダイアモンドが完全に閉ざされた状態に逆戻りして陥ったわけだけれども命は生きている。悲しみに暮れながらも生きているという真実を常に直視したからこそ内面的に喜ばしい部分を多少とも味わえたし、気分も落ち込み過ぎずに済んだんだろう。


ヨーゼフ・ハシッドは命の捉え方が僕とは違っていたようだ。悲しみに暮れながらでは命とは呼べないみたいな感じで、本当に純粋そのものの心で生きようとしていたのではないか。失恋から精神を病んだにせよ、決して能力のせいではなかったはずだ。人間の生き方に由来しているし、神からすれば天運だけれども固有の思想に基づいて理解しなくてはならないと頷いてしまう。


普通に考えても本当に純粋そのものの心で生きるなんて無謀としかいえない。何もかもボロボロだろう、この殺し合いの絶えない世の中で。ヨーゼフ・ハシッドには希望がまるで夢のように備わっていたんだ、ところが。大勢の惨劇から一人の食事まで最大限の振幅を持って絶望とは無縁なかぎりの喜びをヴァイオリニストとしては平和的に表現できた。


もしも彼が心から好きな人と出会わなかったらもっと長生きしたかも知れない。


または振られてしまわなければヨーゼフ・ハシッドの人生は以前よりもさらに大きく花開いたように想像したくなる。


悲運なのは彼女に嫌われた。家を引っ越されて酷く拒まれても必死に追いかけて行くような彼だったから気持ちこそ僕には良く分かった。理想的な人へは好きで突っ走るだけだったんだ。ただし表向きは出さない。静かに過ごしている。彼は正直過ぎたせいか、彼女に気持ち悪いと思われなかったとはかぎらないだろう。ストーカー紛いの境地を強いられるから僕はいつもいつも警戒せざるを得なかった。


心から好きなゆえに嫌われるなんて悲運だし、寂しい恋というか、結果的に振られたならば片思いが残されたのではないか


個性とすると自己表現が抜群に優れているわけなので、ヨーゼフ・ハシッドのヴァイオリンの腕前には流石と目を瞠るものがあると思うよ。


全力で音符も追いかけているし、人間の真実味に溢れた情感の数々を余すところなく、伝え届けるという極めて美しく、そして清らかさを湛えた奏法だろう。


彼の死因はロボトミーの脳外科手術だし、重度の統合失調症では現代でも回復するかどうかは定かではないほどの心理疾患だけど、冥福を祈るしかない。


参考:ヨーゼフ・ハシッド(Josef HASSID)

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